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ショート動画ECマーケティング:検索・モール誘導・広告・PR案件

ショート動画ECマーケティング:検索・モール誘導・広告・PR案件
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株式会社TaTapが20〜59歳342名に行ったショート動画と購買行動の調査を分析した。毎日見る人は47.1%で、視聴者の55.6%がショート動画をきっかけに購入した経験を持つ。購入方法で最も多いのは「Amazon・楽天で検索して購入」の55.6%で、動画から直接買った人の35.6%を上回る。ショート動画は、ECモールへお客さんを送る装置として機能している。決め手は「使っている様子」で、冒頭3秒、テロップ、価格表示が基本になる。企業公式の投稿は広告より飛ばされにくい。

詳しくは15分の動画で解説しました。
https://www.youtube.com/watch?v=gSAZ8HXUYkc

0:00 👋 オープニング・今日のテーマ紹介 0:35 📋 タタップ社のショート動画アンケート調査とは 1:20 📝 調査結果のまとめを先に確認 3:05 📱 ショート動画をどのくらい見ているか 3:55 🔢 1日の視聴本数は意外と少ない 4:50 📊 よく使われているSNS・動画サービス 5:13 ⏱️ 利用時間ではYouTubeが突出、Xも健闘 5:55 🛒 ショート動画がきっかけで買う人の割合 7:05 ⚖️ ショート動画と通常投稿・広告、購入につながるのはどっち? 8:12 🎬 購入のきっかけになった動画の種類とPR表記の影響 9:01 📡 ライブ配信の切り抜きはまだ伸びていない 9:15 🔍 購入先はAmazon・楽天での検索が最多 10:30 💡 「欲しい」と思う決め手は実際に使っている様子 11:35 👀 最初の3秒・音声オフという視聴スタイル 12:15 🏢 企業のショート動画は広告より飛ばされにくい 12:55 👥 20代と50代で異なる視聴・購買行動 13:15 🤝 世代を問わず共通する4つのポイント 13:35 🏬 ショート動画はモールへの送客装置として設計する 14:00 ⚠️ 使っている様子・テロップ・価格の表示とPR明記(ステマ規制) 14:20 🙏 まとめ・エンディング

ショート動画ECマーケティング:検索・モール誘導・広告・PR案件

11/22に出版が決まった書籍の
テーマソングを作りました
イーンスパイアの横田です。
https://www.enspire.co.jp

。めっちゃMV制作が大変だけど
全てAIに投げ僕の作業は殆どない。

音楽を諦めた大人たちへ / KeiVi
https://www.youtube.com/watch?v=O8Ez0LlbnaA

AI音楽の始め方 / Milia
https://www.youtube.com/watch?v=AQhbIV_fYTA

さて、本題です。

ショート動画に関するアンケート結果で
面白いこと分かったので紹介します。
https://tatap.jp/research/short-video-shopping-2026/

ショート動画ECマーケティング:検索・モール誘導・広告・PR案件

ショート動画からEC誘導
📊 調査10問を全解剖
📅 2026年11月5日(木)生中継15分
ショート動画の成果はモールと検索で回収されている現実だ
🎬 テーマ:ショート動画からEC誘導の最新ノウハウ
〜アンケート結果を分析、モール&検索が鍵に〜
#モールへの送客装置#Amazon・楽天で検索#冒頭3秒#テロップ必須#使っている様子#YouTubeショート
1📋 どんな調査?(TaTap SNS調査 第4回)
342名
有効回答(男176・女166)
20〜59歳
全国の男女・事前除外なし
10問
単一・複数回答
2026.9.24
調査日(かなり最新!)

📌 対象はTikTok・Instagramリール・YouTubeショートなど縦向き1分前後の短い動画。母集団は「SNS利用者」ではなく20〜59歳一般です。

2🧭 1分でわかる!ショートから購入までの流れ
👀
① 見る
47.1%
毎日見る
➜
😍
② 欲しくなる
45.3%
決め手1位「使っている様子」
➜
🔍
③ 確かめて買う
55.6%
Amazon・楽天で検索して購入
➜
🛒
④ 買った経験
55.6%
ショートがきっかけで購入

💡 ショート動画は「その場で買わせる」より、ECモールへの送客装置として働いている

3📱 ショート動画はどれくらい見られている?
A. 71.1%が見ていて、毎日見る人は47.1%。1日の本数は「30本未満」が72.8%
←── 見ている 計71.1% ──→
1日何度も
31.0%
1日1回
16.1%
週数回
17.3%
6.7
ほぼ見ない
14.9%
未視聴
14.0%
週1回以下 6.7%接点のない層 計28.9%
1日の視聴本数(視聴者 n=243)
10本未満
40.7%
10〜29本
32.1%
30〜49本
9.1%
50〜99本
4.9%
100本以上
4.1%
わからない
9.1%

📝 「延々と見続けている」印象とは違い、多くは1日数本〜20本程度。限られた本数の中で選ばれる必要がある。

横田秀珠の視点
週に数回まで「見てる」と定義するのはどうかな。せめて1日1回以上を見てると定義したい。それでも47%、半分くらい。1本1〜2分としても1時間もショートに割いてない。もっと中毒性があるかと思ったら、意外にそこまでではない。
4📺 どのSNS・動画サービスが使われている?
A. 利用率はYouTube 71.3%が首位。最も長く使うサービスでもYouTubeが41.0%で突出
直近1か月に利用(全体 n=342)
YouTube
71.3%
LINE
63.5%
X(旧Twitter)
52.9%
Instagram
52.0%
TikTok
36.8%
Facebook
14.9%
Threads
10.5%
最も利用時間が長い(利用者 n=312)
YouTube
41.0%
X(旧Twitter)
15.4%
TikTok
14.7%
Instagram
14.4%
LINE
11.5%

🏆 YouTubeは2位Xの2.7倍。どの年代でも利用率7割前後(20代68.2%〜40代77.2%)で安定。TikTokは20代47.7%/50代30.7%。

横田秀珠の視点
Facebookはかなり厳しい。Threadsが10.5%で伸びてないのは意外。動画で時間を潰す3強の中で、Xの15.4%は意外に高い。テキストのニュース入手をX上でやっている=情報収集ではまだまだ強い。
5🛍️ ショート動画がきっかけで買う人は何%?
A. 視聴者の55.6%に購入経験。直近1か月に限っても27.6%
55.6%
購入経験あり(計)
27.6%
直近1か月以内にある
28.0%
それより前にはある
41.2%
一度もない
SNS全体 vs ショート動画(全体 n=342 換算)
50.0%
SNSきっかけ
購入経験
VS
39.5%
ショートきっかけ
購入経験
21.1%
SNS 直近1か月
(72名)
≒
19.6%
ショート 直近1か月
(67名)

📌 直近1か月では人数がほぼ並ぶ=直近のSNS起点の購入でショートが大きな比重を占めている可能性。

横田秀珠の視点
「経験あり」はショートが出て10年(2017年〜)で1回でもあれば含まれるので当てにならない。でも直近1か月で3割は頻繁、ショート経由で商売に繋げるのは有効。一方、通常投稿・広告の方が購入につながる人が多いのも意外。ショートは出会い頭で知らない人に知ってもらう装置、SNS投稿はフォロワーが買ってくれる装置。使い分けが大事。
6🎥 どんなショート動画が購入のきっかけ?
A. 一般ユーザーの投稿50.4%が最多。企業・ブランド公式も40.7%で3位(購入経験者 n=135)
一般ユーザー(使ってみた・レビュー)
50.4%
インフルエンサー通常投稿(PRなし)
43.7%
企業・ブランド公式アカウント
40.7%
広告として流れてきた動画
27.4%
インフルエンサーPR投稿(#PR)
26.7%
ライブ配信・切り抜き
7.4%
43.7%
PR表記なし
+17.0pt
26.7%
#PR付き
40.7%
企業公式の投稿
>
27.4%
広告の動画

🔑 インフルエンサー施策は本数より、日常的にその商品を紹介している状態をつくれるかが勝負。

横田秀珠の視点
案件・広告と出た瞬間に反応率が落ちる。公式アカウントは広告じゃなくちゃんと情報発信するメリットがある。ライブ配信7.4%は…日本で「来る来る」と言われながら来ないライブコマース、厳しいね。
⭐ 横田の一番の注目点
7🔍 ショートで知って、どこで買っている?
A. 最多は「Amazon・楽天などで検索して購入」55.6%。動画からそのまま買ったのは35.6%
Amazon・楽天などECで検索して購入
55.6%
Google・Yahoo!で調べてから
37.8%
動画内リンク・SNS内ショップでそのまま
35.6%
SNSで口コミ・他の投稿を確認
24.4%
同じ商品の長い動画(YouTube等)
23.7%
店頭で実物を見てから
16.3%
保存・いいねして後日購入
14.8%
📱
ショートで知る
➜
🛒
Amazon・楽天で検索・比較
より安く・より良い条件を探す
➜
💳
モールで購入

⚠️ 直接リンクのクリック・購入数だけで効果を測ると成果の半分以上を見落とす。第3回調査でも思い浮かんだ商品をそのまま買った人は26.6%、50.2%は調べてから判断。

横田秀珠の視点
リンクやアカウントから買うんじゃなくAmazon・楽天に飛んでいる。しかもGoogle・Yahoo!より先にモール。モールに自社商品が載ってなければ、そこで離脱しちゃう。比較したいから向こうへ行く。動線作りとしてここは大事。
8😍 何が「欲しい」の決め手になる?
A. 1位「実際に使っている様子」45.3%。「再生回数・いいね数」は9.5%で最下位
実際に使っている様子が映っている
45.3%
価格が動画内に表示
30.0%
最初の数秒で何の商品か分かる
26.3%
ビフォーアフターが分かる
25.5%
テロップ(文字)で説明
17.7%
投稿者を信頼・よく見ている
15.6%
音声・ナレーションで説明
14.0%
コメント欄の反応がよい
13.6%
再生回数・いいね数が多い
9.5%

💡 「バズっているから欲しい」ではなく、自分が使った姿を想像できるか。「使っている様子」は20〜50代すべてで1位。テロップ17.7%>音声14.0%。

横田秀珠の視点
案件じゃなく本当に使って良かったが見えるとイメージが湧く。「詳しくはリンクで」じゃなく円マークまで出す。もったいぶらずに「今日はこれ売ります」と言う。音を切って見る人が多いので文字が大事。再生回数・いいね数はあまり大事ではない。
9⏱️ ショート動画はどう見られている?
A. 冒頭3秒で判断30.5%、音声オフ28.8%、広告だと分かったら飛ばす28.4%
30.5%
⏰ 最初の3秒で判断
28.8%
🔇 音声オフで見る
28.4%
⏭️ 広告は飛ばす
23.0%
🔠 テロップ無しは飛ばす
関心を持ったあとの行動
その場で検索する
16.9%
保存・いいねしておく
16.5%
コメント欄を見る
15.2%

🎬 制作実務に翻訳すると…3割は冒頭3秒で決め、3割は音を聞いていない。冒頭で商品を示し、音なしでも伝わるテロップを。

横田秀珠の視点
3秒ルールはよく言われる通り圧倒的1位。音声オフ28.8%は意外に高い。僕の動画も字幕を出しているけど、これが大事。案件・広告には気をつけましょう。
10🏢 企業のショート動画は嫌われている?
A. 広告ほど飛ばされない!飛ばす人17.7%は広告(28.4%)より10.7pt低い
飛ばすことが多い(視聴者 n=243)
17.7%
企業・ブランド公式
<
28.4%
広告
購入のきっかけ(購入経験者 n=135)
40.7%
企業・ブランド公式
>
27.4%
広告

🎯 企業公式=飛ばされにくく、買われやすい。広告とは別物として受け止められている(※ベースが異なるため単純比較は不可)。

横田秀珠の視点
企業・ブランドの投稿は飛ばされにくくて購入しやすい。広告より有利なんだから、ちゃんとやった方がいい。
11👥 20代と50代で何が違う?/何が共通?
20代30代・40代50代
🔥 差が大きい項目(15pt以上)
毎日見る(全体)
61.4
48.3
41.8
36.4
20304050
差25.0pt
ショートきっかけで購入
70.4
56.7
50.0
39.6
20304050
差30.8pt
1日30本以上見る
29.6
14.9
15.4
9.4
20304050
差20.2pt
テロップ無しは飛ばす
35.2
19.4
28.8
5.7
20304050
差29.5pt

📌 SNSきっかけの購入経験も20代69.5%/50代38.5%(31.0pt差)。20代の3人に1人はテロップ無しを飛ばす=テロップは演出ではなく前提条件。

🤝 世代を問わず共通(差15pt未満)
最初の3秒で判断
29.6
34.3
30.8
26.4
20304050
共通
音声オフで見ることが多い
29.6
20.9
32.7
34.0
20304050
共通
広告だと分かったら飛ばす
21.1
32.8
28.8
32.1
20304050
共通
決め手:価格が表示されている
31.0
26.9
34.6
28.3
20304050
共通

🧩 冒頭3秒・音声オフ・価格表示は全年代の基本設計。年代で変えるのはテロップの密度と投稿頻度。

12💡 調査からの示唆:ショートは「モールへの送客装置」
示唆①
🛒 成果はECモールと検索で回収されている

投稿期間とモール内の商品名検索数・指名検索数・モール売上を並べて見る。動画で商品名・ブランド名をはっきり見せ、ショートとモール運営を1本の導線として設計。

↓
示唆②
🎬 制作の基本は「使っている様子・冒頭3秒・テロップ・価格」

バズ狙いの演出より、使用シーンを冒頭から見せ、音なしでも伝わるテロップと価格を入れる方が購買につながる。

↓
示唆③
🏢 企業アカウントのショートは広告とは別の資産

自社アカウントで継続投稿+一般ユーザー・インフルエンサーが「使ってみた」を出したくなる仕掛け(ギフティング等)。3つの経路がそろうと購買の入口になる。

横田秀珠の視点
楽天・Amazon・Yahoo!・Googleで何で検索してほしいか。商品名なのか「〇〇で検索」なのかを、パッと分かる状態でずっと出しておくのがいい。広告・企業投稿・案件・PRはちゃんと明記しましょう。
13✅ 企業がとるべき対応(実務チェックリスト)
  • 音声オフ×最初の3秒だけで自社動画を見る(30.5%は3秒で判断)
  • すべての動画にテロップ(20代の35.2%はテロップ無しを飛ばす)
  • 「使っている様子」を冒頭から(決め手1位45.3%・全年代1位)
  • 価格を動画内に表示(決め手2位30.0%・年代差なし)
  • 効果測定にモール内の商品名検索数・指名検索数・売上を追加(55.6%はモールで検索購入)
  • 商品名・ブランド名をはっきり見せ、モールや検索で迷わせない
  • 自社アカウントで継続投稿(広告より飛ばされにくい17.7%対28.4%、購入きっかけの4割)
  • YouTubeショートの優先度を見直す(最長利用41.0%・全年代で利用率7割前後)
14🔎 本調査で確認できなかったこと
  • ヘビー層/ライト層別の比較は、視聴頻度軸のクロス集計が無く未実施
  • TikTok・リール・YouTubeショートの媒体別購入経験、尺(15/30/60秒)別の効果は未測定
  • 「音声オフ」「3秒で判断」は実測ではなく自己申告(意識)
  • 母集団は20〜59歳一般。第1〜3回調査とは対象・ベースが異なり単純比較不可
🎯 みんなが実感していたことが、数字で証明された!
ショートで「知ってもらい」、モールと検索で「買ってもらう」導線を設計しよう

ショート動画ECマーケティング:検索・モール誘導・広告・PR案件

  1. はじめに|「ショート動画で売れる」は本当なのか?数字で確かめてみよう
  2. ショート動画はどれくらい見られているのか?視聴頻度・視聴本数・SNS利用の実態
  3. ショート動画がきっかけで買う人は何%?購入につながる動画の種類とは
  4. ショートで知って、どこで買う?主役は「Amazon・楽天で検索」と「使っている様子」
  5. 企業アカウント・年代差・共通設計から導く「モールへの送客装置」としての実務チェックリスト
  6. おわりに|みんなの実感が、ついに数字で証明された
  7. まとめ
  8. よくある質問(Q&A)

「ショート動画で売れる」は本当なのか?数字で確かめてみよう

皆さん、こんにちは。イーンスパイア株式会社の横田秀珠です。今日もネットビジネスに関する情報を、生中継の15分間でお届けした内容をブログ用にじっくり書き直してお届けします。配信したのは2026年11月5日木曜日です。

さて、皆さんはスマホでTikTokやInstagramのリール、YouTubeショートを見て、「あ、これ欲しいな」と思ったことはありませんか? そして、その場で動画のリンクから買いましたか? それとも、いったんAmazonや楽天を開いて検索しましたか?

実はこの「どこで買ったか」が、今日の一番のポイントなんです。「ショート動画は衝動買いを生む」とよく言われますが、今回出てきたアンケート結果を見ると、ちょっと違う景色が見えてきました。

ちなみに僕自身は、ショート動画を一切見ない人間です(笑)。だからこそ、平均的な人がどう見て、どう買っているのかをデータで確かめるのが面白いんですね。肩の力を抜いて、一緒に数字を眺めていきましょう。


ショート動画はどれくらい見られているのか?視聴頻度・視聴本数・SNS利用の実態

ステップ1:今回分析する調査の概要を知っておこう

今日のテーマは「ショート動画からEC誘導の最新ノウハウ」です。サブタイトルをつけるなら「アンケート結果を分析、モール&検索が鍵に」。これ、結構ね、面白いんですよ。

分析するのは、株式会社TaTap(タタップさん、と読むのだと思います)が公開した「ショート動画と購買行動調査」です。TaTapさんは、Instagram・TikTok・YouTube・Xを中心としたSNSマーケティング支援やインフルエンサーマーケティングを手がけている会社で、「TaTap SNS調査」というシリーズで定期的に調査を出しています。今回はその第4回にあたります。

面白いデータをたくさん取っていて、しかも記事がかなり長い。長いですね(笑)。ですので、ブログでは一つひとつ丁寧に見ていきます。まずは調査の基本情報を表にまとめておきます。

項目内容
調査名ショート動画と購買行動調査(TaTap SNS調査 第4回)
調査主体自社調査(株式会社TaTap)
調査手法インターネットリサーチ(外部モニターパネルを利用したセルフ型調査)
調査対象全国の20〜59歳男女(スクリーニングによる事前除外は行っていない)
有効回答数342名(20代88名/30代87名/40代79名/50代88名、男性176名・女性166名)
調査期間2026年9月24日
設問数10問(単一回答・複数回答のみ)
公開日2026年10月5日

調査日は今年、2026年の9月24日なので、かなり最新のデータになっています。ここがまず大事なところですね。古いデータで「ショート動画はこうだ」と語っても意味がないので、新鮮なうちに分析しておきたいわけです。

なお、設問によって「誰に聞いたか(集計ベース)」が違うので、ここも押さえておきましょう。

集計ベース人数対象の設問
全体n=342利用SNS、ショート動画の視聴頻度
SNS・動画サービス利用者n=312最も利用時間が長いサービス、SNSきっかけの購入経験
ショート動画を見ている人n=243視聴本数、購入経験、決め手、視聴習慣
ショート動画がきっかけで購入した人n=135きっかけになった動画の種類、購入までの行動

この「誰に聞いた数字なのか」を意識しておくと、後で数字を比べるときに読み間違えなくて済みます。

ステップ2:まずは「1分で読む要点」で全体像をつかむ

いきなり細かいデータに入る前に、まとめから行きましょうか。調査結果のサマリーは次のとおりです。

  • ショート動画を見ている人は71.1%。うち毎日見る人は全体の47.1%。1日の視聴本数は「30本未満」が72.8%。
  • 直近1か月で最も利用時間が長いサービスはYouTubeが41.0%で突出。2位のX(15.4%)の2.7倍。
  • ショート動画がきっかけで購入した経験がある人は、視聴者の55.6%(直近1か月27.6%)。
  • 購入のきっかけになった動画は、一般ユーザーの投稿50.4%、インフルエンサーの通常投稿43.7%、企業・ブランドの公式アカウント**40.7%**の順。
  • ショートで知って最も多い買い方は「Amazon・楽天などで検索して購入」55.6%。動画内リンク・SNS内ショップからそのまま購入は35.6%。
  • 「欲しい」と思う決め手の1位は「実際に使っている様子が映っている」45.3%。「再生回数・いいね数が多い」は**9.5%**で最下位。
  • 「最初の3秒で見るか決める」30.5%、「音声オフで見ることが多い」28.8%、「広告だと分かったら飛ばす」28.4%。
  • 企業・ブランドの公式アカウントの動画を「飛ばすことが多い」のは17.7%で、広告(28.4%)より10.7ポイント低い。
  • 20代と50代では行動が違う。ショート動画がきっかけで購入した経験は20代70.4%/50代39.6%(30.8ポイント差)。
  • 一方で「3秒で判断」「音声オフ」「広告を飛ばす」は世代を問わず2〜3割で、年代による大きな差はない。

TaTapさんはこの流れを「①見る(毎日見る47.1%)→②欲しくなる(決め手1位は使っている様子45.3%)→③確かめて買う(Amazon・楽天で検索して購入55.6%)→④買った経験(ショート動画がきっかけで購入55.6%)」という図にまとめていて、「ショート動画は『その場で買わせる』より、ECモールへの送客装置として働いている」と結論づけています。

この辺の詳しいデータを、ここから1個ずつ紹介していきます。設問は全部で10問あるので、順番に見ていきましょう。

ステップ3:ショート動画は、どれくらい見られているのか?

Q. ショート動画は、どれくらい見られているのか? A. 71.1%が見ており、47.1%は毎日見ています。1日の本数は「30本未満」が72.8%です。

ここで言う「ショート動画」とは、TikTok、Instagramのリール、YouTubeショートなど、縦向きに見る1分前後の短い動画のことです。見る頻度を聞いた結果は次のとおりです。

視聴頻度割合区分
1日に何度も見る31.0%毎日見る(計47.1%)
1日1回程度見る16.1%毎日見る(計47.1%)
週に数回見る17.3%見ている
週に1回以下6.7%見ている
ショート動画を見ている 計71.1%
ほとんど見ない14.9%接点なし(計28.9%)
見たことがない14.0%接点なし(計28.9%)

「1日に何度も見る」31.0%と「1日1回程度見る」16.1%で、合計47.1%が毎日見ています。さらに「週に数回」17.3%、「週に1回以下」6.7%を加えると、71.1%がショート動画を見ている、という計算です。一方で「ほとんど見ない」14.9%、「見たことがない」14.0%と、接点のない層も28.9%いました。本調査は20〜59歳を対象としているので、50代を含めた幅広い年代の姿になっています。

ただ、ここで僕はちょっとツッコミを入れたいんです。調査では「1日に何度も」「1日1回程度」「週に数回」「週に1回以下」までをまとめて「見ている」と定義しているんですけど、週に1回以下を「見てる」と言っていいのかな、と。せめて「1日に何度も」か「1日1回ぐらい」までを「見てる」と定義した方がいいかなと、僕は思うんですね。

で、その厳しめの定義で数えても47%ぐらい。つまり、ほぼ半分の人が毎日ショート動画を見ているわけです。これは結構見てますね。

冒頭でも言いましたが、僕はショート動画を一切見ません。でも世の中の平均では「半分ぐらいの人は毎日見ている」のが今の姿だと思ってもらっていいかなと思います。自分の感覚だけで判断すると、ここを見誤るので要注意です。

なお、完全版レポートの年代別データを見ると、「1日1回程度見る」は20代25.0%に対して50代7.9%、「ほとんど見ない」は20代4.5%に対して50代26.1%と、若い世代ほど日常的に見ている傾向がはっきり出ています。

ステップ4:1日に何本見ているのか?意外と「中毒」ではなかった

続いて、じゃあ何本ぐらい見てるの?という話です。ショート動画を見る日の1日の視聴本数はこうなりました(ベースはショート動画を見ている人 n=243)。

1日の視聴本数割合
10本未満40.7%
10〜29本32.1%
30本未満 計72.8%
30〜49本9.1%
50〜99本4.9%
100本以上4.1%
30本以上 計18.1%
わからない9.1%

30本未満が72.8%を占め、「30本以上」は18.1%です。TaTapさんも「ショート動画は延々と見続けられている」という印象とは異なり、多くの人にとっては1日数本〜20本程度の接触だ、と読んでいます。1本1本が埋もれやすいというより、限られた本数の中で選ばれる必要がある、という読み方になるわけですね。

これ、僕なりに時間に換算してみたんです。仮に平均15本ぐらい見ているとして、1本の動画が1分だとすると、15分しかかからないじゃないですか。仮に2分だとしても30分しかかからない。しかも、実際に最後まで見ているとは限らないので、意外にみんな見てないなっていう気がしましたね。

逆に言うと、30本をフルで見ようと思ったら結構時間がかかります。1本2分なら1時間です。ところが大半の人はそこまで見ていない。つまり1時間もショート動画に時間を割いてないんだなと。これは意外でした。もっとヘビーに、中毒性があってダラダラ見続けているのかなと思っていたんですけど、そこまではないっていう感じがしましたね。

想定1本の長さ本数合計時間
平均的な人1分15本約15分
平均的な人2分15本約30分
30本をフル視聴2分30本約60分

ちなみに年代別に見ると、「10本未満」は20代25.4%に対して50代58.5%、「100本以上」は20代8.4%に対して50代0.0%でした。ヘビーに見ているのはやはり若い世代です。

ステップ5:どのSNS・動画サービスが使われているのか?

Q. どのSNS・動画サービスが使われているのか? A. 利用率はYouTube71.3%が首位。最も長く使うサービスでもYouTubeが41.0%で突出しています。

直近1か月に利用したSNS・動画サービス(全体 n=342、複数回答)は次のとおりです。

サービス利用率20代30代40代50代
YouTube71.3%68.2%70.1%77.2%70.5%(※70.4%)
LINE63.5%54.5%55.1%72.2%72.7%
X(旧Twitter)52.9%54.5%52.8%58.2%46.7%
Instagram52.0%60.3%49.5%45.5%52.2%
TikTok36.8%47.7%31.0%38.0%30.7%(※30.6%)
Facebook14.9%11.4%14.9%16.5%17.0%
Threads10.5%9.1%9.2%13.9%10.2%
Pinterest5.3%9.1%3.5%7.6%1.1%
BeReal2.3%3.4%2.3%2.5%1.1%
その他1.8%————
SNSや動画サービスは利用しない8.8%————

※記事本文では50代のYouTubeを70.5%、TikTokを30.7%と記載。完全版レポートのクロス集計表では70.4%・30.6%(推定値のため四捨五入誤差あり)。

TikTokは20代で47.7%、50代で30.7%と17.0ポイントの差がありますが、YouTubeは20代68.2%、30代70.1%、40代77.2%、50代70.5%と、どの年代でも7割前後で安定しています。

僕の感想としては、まずFacebookはかなり厳しいですね。14.9%です。そして意外だったのが、Threadsが伸びていないこと。10.5%というのはちょっと意外でしたね。これが主な数字です。

ステップ6:「最も長く使うサービス」ではYouTubeが圧勝

次に、最も利用時間が長かったサービスを1つだけ選んでもらった結果です(SNS・動画サービス利用者 n=312、単一回答)。

サービス割合男性女性
YouTube41.0%52.5%28.7%
X(旧Twitter)15.4%14.8%16.0%
TikTok14.7%13.0%16.7%
Instagram14.4%10.5%18.7%
LINE11.5%8.0%15.3%
Facebook1.3%0.6%2.0%
Threads1.0%0.0%2.0%
Pinterest0.3%0.0%0.7%
その他0.3%0.6%0.0%

YouTubeが41.0%で、2位のX(15.4%)、TikTok(14.7%)、Instagram(14.4%)を大きく引き離しました。20〜59歳の可処分時間はYouTubeに集中している、ということです。TaTapさんは「ショート動画の出し先としてTikTokやInstagramリールだけを検討している企業は、YouTubeショートの優先度を見直す余地がある」と指摘しています。ここは企業担当者の方、要チェックです。

僕が注目したのは、むしろXです。TikTok、Instagram、YouTubeの3つは、リールやショートも含めて動画なので、最近は時間を潰しやすいんですよ。そう考えると、Xの15.4%は意外に高い。もちろんXでも動画は流れてきますが、主に文字情報を見ていて15.4%が「一番長く使っている」と答えているということは、相当のテキスト情報、ニュースの入手をX上でやっているということになります。情報の集め方という点では、Xはまだまだ強いかなという気がしますね。


ショート動画がきっかけで買う人は何%?購入につながる動画の種類

ステップ1:ショート動画がきっかけで買う人は、何%いるのか?

Q. ショート動画がきっかけで買う人は、何%いるのか? A. ショート動画を見ている人の55.6%。直近1か月に限っても27.6%が購入しています。

ショート動画(投稿・広告を問わず)がきっかけで商品・サービスを購入した(申し込んだ)経験を、ショート動画を見ている人(n=243)に聞いた結果です。

回答割合20代50代
直近1か月以内にある27.6%39.4%17.0%
直近1か月にはないが、それより前にはある28.0%31.0%22.6%
購入経験あり 計55.6%70.4%39.6%
一度もない41.2%26.7%54.8%
わからない/答えたくない3.3%2.8%5.7%

合計55.6%が購入経験ありと回答し、「一度もない」は41.2%でした。

ここで僕が注目したいのは「直近1か月でも27.6%いる」という点です。「以前にある」の方は、正直あんまりあてにならないんですよ。というのも、よくあるアンケートって「経験があるかないか」しか聞かないんです。1回でも買ったことがあれば「ある」になる。ショート動画が出てきてから、もう10年ぐらい経っていますからね。2017年ですから。そうすると、10年間で1回でもあれば「ある」になるので、かなりの割合になって当然なんです。

ところが今回の調査は、ちゃんと「直近1か月以内」を分けて聞いている。これが偉いところです。で、直近1か月でも3割ぐらいある。ということは、割と月に1本とか2本とかは、ショート動画経由で買っている人がいるってことが言えます。これは結構頻繁じゃないかなと思いますし、割合としては高くなってきているという気がします。いわゆるショート動画きっかけで商売に繋げるのは有効であるということが、これで分かりますね。可能性ありますよ、という話です。

聞き方特徴数字の信頼性
「経験があるか」だけを聞く10年間で1回でも買えば「ある」になる高く出やすく、今の実態は見えにくい
「直近1か月以内」を分けて聞く今まさに買っているかが分かる現在の購買力を測れる

ステップ2:SNS全体(投稿・広告)と比べてみると?

この数字を、SNS全体(投稿・広告)がきっかけの購入経験と比べてみます。両者は設問のベースが異なるため、TaTapさんは回答者全体(n=342)を分母にそろえて並べています。

比較項目SNS(投稿・広告)がきっかけショート動画がきっかけ
購入経験あり(計)全体の50.0%全体の39.5%
直近1か月以内に購入全体の21.1%(72名)全体の19.6%(67名)

SNSがきっかけで購入した経験がある人は全体の50.0%、ショート動画がきっかけの人は全体の39.5%です。

注目すべきは直近1か月です。SNSがきっかけで直近1か月に購入した人は全体の21.1%(72名)、ショート動画がきっかけの人は全体の19.6%(67名)と、人数ではほぼ並びました。別々の設問のため同一人物とは限りませんが、直近のSNS起点の購入において、ショート動画が大きな比重を占めている可能性を示す結果だ、とTaTapさんは読んでいます。

ちなみに、SNS利用者(n=312)ベースで見たSNSきっかけの購入経験は、「直近1か月以内にある」23.1%、「それより前にはある」31.7%、「一度もない」38.5%、「わからない/答えたくない」6.7%でした。

ここでいう「SNS」は、いわゆるショートじゃない普通の投稿や広告ですね。それとショートきっかけを並べているわけです。そうすると、ショートよりも、普通の通常投稿とか広告がきっかけで購入している人の方が多い。これも意外ですよね。

僕はよく「ショート動画の方が衝動買いしやすい」と言っているんですけど、もっと影響を受けているかなと思ったら、意外にそうでもない。ということは、結局ショートって「出会い頭」があるメディアなんですよ。知らない人に知ってもらうのには確かに有効かもしれない。でも、そこから買ってもらうのは、やっぱりハードルが高いですよね。

とはいえ、知らない人に知ってもらって、しかも買ってもらえる可能性があるというのは大きなメリットです。逆に、SNSの通常投稿はフォロワーが見ることが多いと思うので、フォローしてくれている人が買ってくれるケースが多いと思うんですよね。そう考えると、ショートとSNS投稿は、それぞれ使い分け方な気がしますね。

種類主に届く相手得意なこと弱点
ショート動画まだ知らない人(出会い頭)新しい人に知ってもらうそこから購入までのハードルが高い
SNSの通常投稿・広告フォロワー中心既存ファンに買ってもらう新しい人に届きにくい

ステップ3:どんなショート動画が購入のきっかけになっているのか?

Q. どんなショート動画が、購入のきっかけになっているのか? A. 一般ユーザーの投稿50.4%が最多。企業・ブランドの公式アカウントも40.7%で3位に入りました。

ショート動画がきっかけで購入した経験がある人(n=135)に、きっかけになった動画の種類を複数回答で聞いた結果です。

きっかけになった動画の種類割合
一般ユーザーの投稿(使ってみた・レビューなど)50.4%
インフルエンサーの通常投稿(PR表記なし)43.7%
企業・ブランドの公式アカウントの投稿40.7%
広告として流れてきた動画27.4%
インフルエンサーのPR投稿(#PR・#プロモーション付き)26.7%
ライブ配信・ライブ配信の切り抜き7.4%
その他3.0%
わからない/答えたくない0.7%

TaTapさんは、ここで見るべき点は2つだと整理しています。

1つは、企業の公式アカウントの投稿が4割の購入のきっかけになっていること。一般ユーザーやインフルエンサーの投稿に次ぐ位置にあり、企業が自ら出すショート動画も購買を動かしています。

もう1つは、同じインフルエンサーの投稿でも、PR表記のない通常投稿(43.7%)のほうが、PR投稿(26.7%)より17.0ポイント多く挙げられていることです。インフルエンサー施策では、PR投稿の本数だけでなく、その人が日常的にその商品を紹介している状態をつくれるかが問われる、ということですね。

僕の解説としては、まず一般ユーザーの「使ってみた」「レビュー」が1番高いのは、そりゃそうですよね、という感じです。普通の人が本音で紹介しているものは信用できますから。

で、インフルエンサーになると、PR表記がない通常投稿の方が強い。なるほどね、面白いですね。PR表記なしが43.7%に対して、PRがついているものが26.7%。やっぱり「案件」とか「広告」って出た瞬間に、反応率が落ちるってことが分かります。

さらに、企業の公式アカウントの投稿は40.7%に対して、広告として流れてきた動画は27.4%。これ、全然違うんですよね。だから、公式アカウントとしてちゃんと情報発信するメリットはある。広告じゃなくて、ですね。これがよく分かるデータです。

比較強い方弱い方差
インフルエンサー通常投稿(PR表記なし)43.7%PR投稿(#PR付き)26.7%17.0ポイント
企業公式アカウントの投稿 40.7%広告として流れてきた動画 27.4%13.3ポイント

そしてもう一つ、ライブ配信・切り抜きは7.4%。これは意外にまだまだだなと。やっぱりなかなか来ないですね、ライブコマース。日本で「来る来る」と言われながら、なかなか来ないやつですけど、厳しいねって感じです。

ちなみに完全版レポートの年代別を見ると、50代では「広告として流れてきた動画」が57.2%と突出して高く、「インフルエンサーのPR投稿」は0.0%でした。ただし、このn=135ベースの年代別は各n=21〜50と小さいので、参考値として読んでくださいね。


ショートで知って、どこで買う?主役は「Amazon・楽天で検索」と「使っている様子」

ステップ1:ショートで知って、どこで買っているのか?

ここからが、今回僕が一番興味深かったところです。

Q. ショートで知って、どこで買っているのか? A. 最多は「Amazon・楽天などで検索して購入」55.6%。動画からそのまま買ったのは35.6%です。

ショート動画で商品を知ってから購入するまでの行動を、購入経験者(n=135)に複数回答で聞いた結果です。

購入までの行動割合分類
Amazon・楽天などのECサイト・アプリで検索して購入した55.6%ECモールで検索
Google・Yahoo!などの検索エンジンで調べてから購入した37.8%確認してから購入
動画内のリンクやSNS内のショップから、そのまま購入した35.6%ショート内で完結
SNSで口コミ・他の人の投稿を確認してから購入した24.4%確認してから購入
同じ商品の長い動画(YouTubeなど)を見てから購入した23.7%確認してから購入
店頭で実物を見てから購入した16.3%確認してから購入
動画を保存・いいねしておいて、後日購入した14.8%後日購入
その他1.5%—
覚えていない/答えたくない1.5%—

最も多かったのは「Amazon・楽天などのECサイト・アプリで検索して購入した」55.6%で、「Google・Yahoo!などの検索エンジンで調べてから購入した」37.8%が続きます。「動画内のリンクやSNS内のショップから、そのまま購入した」は35.6%で3位でした。

さらに「SNSで口コミ・他の人の投稿を確認してから」24.4%、「同じ商品の長い動画(YouTubeなど)を見てから」23.7%、「店頭で実物を見てから」16.3%と、ショートを見たあと、どこかで確かめてから買う行動が幅広く見られました。「保存・いいねしておいて後日購入」は14.8%です。

TaTapさんは、この結果が示すのは「ショート動画の成果の多くは、ショート動画の中ではなくECモールや検索で回収されている」ということだと述べています。ショート動画の効果を、動画からの直接リンクのクリックや購入数だけで測ると、成果の半分以上を見落とす可能性がある、と。

また、TaTapさんの第3回調査「買う場面(CEP)とSNSの関係調査」でも、思い浮かんだ商品をそのまま買った人は26.6%にとどまり、50.2%は調べてから判断していたそうです。ショート動画でも、「知る」と「買う」の間に確認の段階が入る構図は同じ、ということですね。

ステップ2:なぜ「Amazon・楽天」に飛ぶのか?横田の読み解き

改めて強調しますが、Amazon・楽天などのECで検索して購入が最も高くて、55.6%です。

つまり、ショート動画のリンクや広告のリンクをクリックして買っているんじゃない。もしくは、その投稿したアカウントから買うんじゃない。Amazon・楽天に飛んでいるということなんですよ。

だから、ここでAmazon・楽天に自社の商品が載っていなければ、そこで離脱しちゃうんです。これは本当に大事ですよね。

しかも2番目がGoogle・Yahoo!の検索なので、Google・Yahoo!より前にAmazon・楽天に行っているということです。ネットで何かを調べるならまずGoogle、という時代から、モノを探すならまずAmazon・楽天、という時代に完全に移っているわけですね。売っているって分かったら、そっちに行くということです。

もちろん、動画内のリンクやSNS内のショップから、そのまま購入する人もいます。でも、やっぱり人は比較しなきゃいけないので、より安いものとか、より良い条件のもので買いたいとなる。ポイントもつくし、配送も早いし、レビューも読める。だから、やっぱりモールの方に行くということです。

あと、SNSで口コミ、他の人の投稿を見てから買うって人もいますね。このあたりは、結構動線作りとして大事なので、見ておくといいかなと思います。

買い方のタイプ割合企業がやるべきこと
ECモールで検索して購入55.6%Amazon・楽天に商品を必ず出品し、検索で見つかるようにする
検索エンジンで調べて購入37.8%公式サイト・商品ページのSEOを整える
動画からそのまま購入35.6%動画内リンク・SNSショップを用意する
SNSで口コミを確認24.4%一般ユーザーの投稿が生まれる仕掛けを作る
長い動画を見て確認23.7%YouTubeで詳しいレビュー・解説動画を用意する
店頭で実物を確認16.3%実店舗での取り扱いを伝える

年代別でも、「Amazon・楽天などのECサイト・アプリで検索して購入した」は20代52.0%、30代57.8%、40代61.5%、50代52.6%と、どの年代でも5割を超えて1位でした(いずれも参考値)。また、50代は「店頭で実物を見てから購入した」が33.4%と他の年代より高めに出ています。

ステップ3:何が「欲しい」の決め手になるのか?

続いてです。

Q. 何が「欲しい」の決め手になるのか? A. 1位は「実際に使っている様子が映っている」45.3%。「再生回数・いいね数が多い」は9.5%で最下位です。

ショート動画で商品・サービスを「もっと知りたい」「欲しい」と思うときの決め手を、ショート動画を見ている人(n=243)に複数回答で聞きました。

順位決め手割合
1位実際に使っている様子が映っている45.3%
2位価格が動画内に表示されている30.0%
3位最初の数秒で何の商品か分かる26.3%
4位使用前後の変化(ビフォーアフター)が分かる25.5%
5位テロップ(文字)で説明されている17.7%
6位投稿者を信頼している・よく見ている15.6%
7位音声・ナレーションで説明されている14.0%
8位コメント欄の反応がよい13.6%
9位(最下位)再生回数・いいね数が多い9.5%
—その他1.6%
—特にない/わからない16.9%

1位の「実際に使っている様子が映っている」45.3%は、2位の「価格が動画内に表示されている」30.0%に15.3ポイントの差をつけています。

一方で「再生回数・いいね数が多い」は9.5%で、選択肢の中で最も低い結果でした。TaTapさんは「『バズっているから欲しくなる』のではなく、自分が使ったときの姿を想像できるかどうかが決め手になっている」と分析しています。しかも「使っている様子」は20代から50代まで、すべての年代で1位でした(20代52.0%、30代35.8%、40代59.7%、50代34.1%)。

また、説明の手段では「テロップ(文字)で説明されている」17.7%が「音声・ナレーションで説明されている」14.0%を上回りました。次の設問で見る音声オフでの視聴とあわせると、文字で伝わる設計の重要さが分かります。

ステップ4:決め手ランキングを横田流に読み解く

これも結構大事なので、一つずつ解説しますね。

まず1位の「実際に使っている様子が映っている」。やっぱりこれ、レビューとしても案件ではなくて、実際に本当に使って良かったよ、というのが見えるのは、確かにイメージが湧きますよね。

2位の「価格が動画内に表示されている」。これは「詳しくはリンクをクリックして」みたいな感じじゃなくて、もうちゃんと金額まで出ているということです。円マークが出ているんですね。価格が分からないと、人は一歩踏み出せないんです。

3位の「最初の数秒で何の商品か分かる」。もったいぶらずに、「今日はこれを売ります」と最初に言った方がいい、ということですね。

4位は「使用前後の変化が分かる」、いわゆるビフォーアフターが分かるもの。

5位の「テロップ(文字)で説明されている」。これは、さっきもありましたけど、音を切ってショート動画を見ている人が結構多いので、ちゃんと文字が出ていないと見てもらえない、ということです。

その後に「投稿者を信用している・信頼している・よく見ている」「音声・ナレーションで説明されている」「コメント欄の反応がいい」「再生回数・いいね数が多い」と並んでいます。

つまり、再生回数・いいね数はあまり大事ではない。それよりは、実際に使っている様子が映っていることの方が、ずっと大事だということですね。バズを狙うより、使用シーンを見せる。これが結論です。

誤解されがちなこと実際のデータ
バズれば売れる「再生回数・いいね数が多い」は9.5%で最下位
ナレーションで丁寧に説明すれば伝わる音声・ナレーション14.0%<テロップ17.7%
価格は詳細ページで見せればいい価格表示が決め手の2位(30.0%)
最後に商品を明かすと期待感が高まる「最初の数秒で何の商品か分かる」が26.3%

ステップ5:ショート動画は、どう見られているのか?

Q. ショート動画は、どう見られているのか? A. 最初の3秒で判断30.5%、音声オフ28.8%、広告だと分かったら飛ばす28.4%です。

ふだんショート動画を見るときの習慣を、ショート動画を見ている人(n=243)に複数回答で聞きました。

視聴習慣割合分類
最初の3秒くらいで、見続けるか飛ばすかを決めている30.5%見方・飛ばし方
音声をオフ(ミュート)にして見ることが多い28.8%見方・飛ばし方
広告だと分かったら飛ばすことが多い28.4%見方・飛ばし方
テロップ(文字)がない動画は飛ばすことが多い23.0%見方・飛ばし方
企業・ブランドの公式アカウントの動画は飛ばすことが多い17.7%企業の動画を飛ばす
気になった商品はその場で検索する16.9%気になったときの行動
気になった商品の動画は保存・いいねしておく16.5%気になったときの行動
気になった商品はコメント欄を見る15.2%気になったときの行動
その他1.6%—
あてはまるものはない11.9%—

上位3つが、ほぼ3割ずつ並びました。TaTapさんはこれを制作の実務に置き換えて、「3割は冒頭3秒で見続けるかを決め、3割は音を聞いていない」と表現しています。何の商品かを冒頭で示し、音声がなくても内容が伝わるようにテロップを入れる。前問の決め手で「最初の数秒で何の商品か分かる」が26.3%あったこととも整合します。

一方、気になった商品について「その場で検索する」16.9%、「保存・いいねしておく」16.5%、「コメント欄を見る」15.2%と、関心を持ったあとの行動も一定数見られました。

これも大事で、面白いところです。「最初の3秒ぐらいで見続けるか飛ばすかを決めてる」。これは昔からよく言われていたやつですね。それがやっぱり圧倒的1位です。

そして「音声オフ、ミュートにして見ることが多い」。これが意外に高くて28.8%。だから、字幕付きにすることが大事なんです。僕のライブ配信の動画も字幕が出ていますけど、こういう風にすることが大事だということが分かりますね。

「広告だと分かったら飛ばすことが多い」というのもあるので、案件とか広告っていうものには気をつけましょう、ということですね。

気になった商品の動画は保存・いいねしておく、という人もいますね。気に入った動画はコメント欄を見て、みんなの反応を見る、という人もいます。このあたりも、見ておきましょう。

ちなみに女性は「音声オフで見ることが多い」が36.5%(男性21.9%)、「保存・いいねしておく」が26.1%(男性7.8%)と、男性よりかなり高く出ています。女性向け商材なら、音なしでも伝わる設計と、保存したくなる情報量が一段と大事になりそうですね。


企業アカウント・年代差・共通設計から導く「モールへの送客装置」としての実務チェックリスト

ステップ1:企業のショート動画は、嫌われているのか?

Q. 企業のショート動画は、嫌われているのか? A. 広告ほど飛ばされていません。飛ばす人は17.7%で、広告(28.4%)より10.7ポイント低い結果です。

「企業のアカウントが出すショート動画は、広告と同じように飛ばされるのではないか」という懸念は、企業担当者からよく聞かれるそうです。僕のセミナーでも、まさにこの質問はよく出ます。

本調査では、「企業・ブランドの公式アカウントの動画は飛ばすことが多い」が17.7%、「広告だと分かったら飛ばすことが多い」が28.4%で、企業の公式アカウントの動画は広告より飛ばされにくいという結果でした。

さらに購入のきっかけとして見ると、企業の公式アカウントの投稿は40.7%で、広告として流れてきた動画(27.4%)を上回っています。ベースが異なる(視聴者n=243と購入経験者n=135)ため単純比較はできませんが、企業が自社アカウントで出すショート動画は、広告とは別物として受け止められ、購入のきっかけにもなっていると読めます。広告を出稿するだけでなく、自社アカウントでショート動画を積み上げる意味がここにある、とTaTapさんはまとめています。

比較項目企業・ブランドの公式アカウント広告
飛ばすことが多い(視聴者 n=243)17.7%28.4%
購入のきっかけになった(購入経験者 n=135)40.7%27.4%
評価飛ばされにくく、買われやすい飛ばされやすく、買われにくい

僕なりにまとめると、「飛ばすことが多い」は企業・ブランドが17.7%で、広告の方が28.4%で高い。で、購入のきっかけになったのは逆に企業・ブランドの方が高くて、広告の方は低い。要は、企業・ブランドの投稿は飛ばされにくくて、購入されやすいってことなので、広告よりは有利なんです。だから、これはちゃんとやった方がいいね、という話ですね。

ステップ2:20代と50代で、何が違うのか?

続いて、20代と50代で何が違うのか。これも面白いんです。毎日見るのは、やっぱり20代が高い。購入のきっかけも高い。1日に何本も見るのも当然高い。

本調査は20〜59歳を対象としていて、年代によってショート動画との関わり方に明確な差がありました。差が15ポイント以上あった項目は次のとおりです。

項目(集計ベース)20代30代40代50代20代と50代の差
ショート動画を毎日見る(全体ベース)61.4%48.3%41.8%36.4%25.0ポイント
ショート動画がきっかけで購入した経験(視聴者ベース)70.4%56.7%50.0%39.6%30.8ポイント
1日30本以上見る(視聴者ベース)29.6%14.9%15.4%9.4%20.2ポイント
テロップがない動画は飛ばす(視聴者ベース)35.2%19.4%28.8%5.7%29.5ポイント
SNSがきっかけで購入した経験(SNS利用者ベース)69.5%——38.5%31.0ポイント

特に「テロップがない動画は飛ばす」の差は大きく、20代では3人に1人がテロップのない動画を飛ばしています。TaTapさんは「若年層向けの商材では、テロップは演出ではなく前提条件」と言い切っています。これ、すごく大事な言葉ですね。

ステップ3:世代を問わず共通していること

一方で、世代による差がほとんどない項目もありました。

項目20代30代40代50代
最初の3秒で判断する29.6%34.3%30.8%26.4%
音声オフで見ることが多い29.6%20.9%32.7%34.0%
広告だと分かったら飛ばす21.1%32.8%28.8%32.1%
決め手:価格が表示されている31.0%26.9%34.6%28.3%

いずれも年代間の差は15ポイント未満でした。

つまり、冒頭3秒・音声オフ・価格表示への対応は、ターゲットの年代にかかわらず必要な基本設計です。年代で変えるべきなのは、テロップの密度や視聴本数を前提にした投稿頻度であり、冒頭の設計や価格の見せ方は共通で考えてよい、ということになります。

僕の言葉で言い換えると、「最初の3秒で判断する」「音声オフで見ることが多い」「広告だと分かったら飛ばす」、そして決め手の「価格が表示されている」。この4つは、ショート動画を作るときに年代関係なく気をつけた方がいい、ということが、これでよく分かりましたね。

年代に合わせて変えるもの年代に関係なく共通でいいもの
テロップの密度(20代はより手厚く)冒頭3秒で何の商品か見せる
視聴本数を前提にした投稿頻度音声オフでも伝わる設計
狙うプラットフォームの比重価格を動画内に表示する
—広告っぽさを前面に出しすぎない

ステップ4:調査からの示唆|ショート動画は「モールへの送客装置」として設計する

さあ、ここからです。今回の結論は「ショート動画はモールへの送客装置として設計する」ということ。ECモール、そして検索ですね。TaTapさんは、本調査の結果を企業のショート動画施策に翻訳して、次の3点にまとめています。

① ショート動画の成果は、ECモールと検索で回収されている

ショートで知った人の55.6%はAmazon・楽天などで検索して購入し、37.8%は検索エンジンで調べています。動画内のリンクからそのまま買った人は35.6%です。ショート動画の成果を動画からの直接購入だけで評価すると、成果の半分以上が計測外に落ちます。

実務的には、ショート動画の投稿期間と、ECモール内での商品名検索数・指名検索数・モールの売上を並べて見ること。そして、動画の中で商品名やブランド名をはっきり見せ、モールで検索したときに迷わず見つかる状態にしておくことです。ショート動画とECモール運営は、別々の施策ではなく1本の導線として設計する必要があります。

ここ、僕からも補足します。楽天、Amazon、そしてYahoo!、Googleで検索される。そこで、ちゃんと自分の商品が出るようにしなきゃいけないので、「何で検索してほしいか」ですよね。商品名なのか、「〇〇で検索」なのか。それが動画の中にずっと出ていないといけない。ずっと画面に出しておくのがいいかなと思いますね。思いついてパッと検索できるように、商品名と「何々で検索」が分かる状態にしておくことが大事かな、ということが言えますね。

② 制作の基本は「使っている様子・冒頭3秒・テロップ・価格」

「欲しい」の決め手は「実際に使っている様子」が45.3%で1位、「価格表示」30.0%、「冒頭で何の商品か分かる」26.3%と続きました。一方で視聴者の30.5%は最初の3秒で判断し、28.8%は音声オフで見ています。「再生回数・いいね数が多い」を決め手に挙げた人は9.5%にとどまりました。

つまり、バズを狙った演出よりも、使用シーンを冒頭から見せ、音がなくても伝わるテロップと価格を入れることのほうが、購買にはつながりやすいということです。これは年代を問わず共通の基本設計です。

さっきも出ましたが、使っている様子、冒頭3秒、テロップ、価格。この4つをちゃんと入れましょうね、ということです。

③ 企業アカウントのショート動画は、広告とは別の資産になる

企業の公式アカウントの動画を飛ばす人は17.7%で、広告(28.4%)より少ない結果でした。購入のきっかけとしても企業公式アカウントは40.7%で、広告(27.4%)を上回っています。一般ユーザーの投稿(50.4%)やインフルエンサーの通常投稿(43.7%)と組み合わせれば、ショート動画上の接点は厚くなります。

広告の出稿だけでなく、自社アカウントでショート動画を継続的に積み上げること。そして、一般ユーザーやインフルエンサーが「使ってみた」動画を出したくなる仕掛け(ギフティングなど)を並行して用意すること。この3つの経路がそろったとき、ショート動画は購買の入口として機能します。

それから、広告なのか、普通の企業の投稿なのか、案件なのか、PRなのか、みたいなことはちゃんと明記しましょうね。これは明記しなきゃいけないルールになっているんだけど、同時に「PR表記が付くと反応が落ちる」ということも、今回のデータで分かったということです。ルールは守りつつ、PRに頼りすぎない、自然に使ってもらえる状態を作るのがポイントですね。

3つの経路購入きっかけの割合企業がやること
一般ユーザーの「使ってみた」投稿50.4%ギフティングなどで投稿したくなる仕掛けを作る
インフルエンサーの通常投稿(PRなし)43.7%日常的に紹介してもらえる関係を作る
企業・ブランドの公式アカウント40.7%自社アカウントで継続的に積み上げる

ステップ5:企業がとるべき対応(実務チェックリスト)

最後に、TaTapさんがまとめた実務チェックリストを紹介します。これはそのまま社内で使えるので、ぜひ保存しておいてください。

  1. 自社のショート動画を音声オフで、最初の3秒だけ見る。 視聴者の30.5%は最初の3秒で見続けるかを決めており、そこで何の商品か伝わる必要がある。
  2. すべての動画にテロップを入れる。 20代の35.2%はテロップのない動画を飛ばす。
  3. 「使っている様子」を冒頭から見せる。 決め手の1位(45.3%)で、全年代で1位。
  4. 価格を動画内に表示する。 決め手の2位(30.0%)で、年代による差がない。
  5. ショート動画の効果測定に、ECモール内の商品名検索数・指名検索数・モール売上を加える。 55.6%はモールで検索して買っている。
  6. 動画内で商品名・ブランド名をはっきり見せ、モールや検索で迷わず見つかるようにする。
  7. 自社アカウントでのショート動画投稿を継続する。 企業公式の動画は広告より飛ばされにくく(17.7%対28.4%)、購入きっかけの4割を占める。
  8. YouTubeショートの優先度を見直す。 最も利用時間が長いサービスはYouTubeが41.0%で、全年代で利用率7割前後。

僕が特におすすめしたいのは1番です。自分の動画を、音を消して、最初の3秒だけ見てみる。これだけで「あ、何の商品か全然分からないな」と気づくことが本当に多いんですよ。

ステップ6:本調査で確認できなかったこと(データの限界)

データを正しく使うためには、「何が分からないか」も知っておくことが大事です。TaTapさんは正直に次のように書いています。

  • 本調査は「ショート動画を毎日見るヘビー層とライト層で、購入経験や購入までの行動がどう違うか」の比較を分析軸のひとつとしていたが、納品されたクロス集計の表頭が性別・年代などの基本属性のみで、ショート動画の視聴頻度(Q4)を軸にしたクロス集計が含まれていなかったため、この比較はできていない。
  • TikTok・Instagramリール・YouTubeショートの媒体別の購入経験は設問に含めておらず、測定していない。
  • 動画の尺(15秒・30秒・60秒など)ごとの効果も測定していない。
  • データは回答者自身の申告に基づくもので、「音声オフで見る」「3秒で判断する」は実測ではなく、生活者の意識としての回答。
  • スクリーニングによる事前除外を行っていないため、母集団は「SNS利用者」ではなく「20〜59歳一般」。第1回〜第3回調査とは対象年齢・ベースが異なるため、数値の単純比較はできない。
  • 標本誤差は、n=342で最大±5.3ポイント、n=312で±5.5ポイント、n=243で±6.3ポイント、n=135で±8.4ポイント。年代別はさらに大きくなる。

こうした限界を正直に書いてくれているのは、とても好感が持てます。僕らも数字を使うときは、「これは自己申告の意識調査だよ」という前提を忘れないようにしたいですね。

詳しくはTaTapさんの調査レポートページ(https://tatap.jp/research/short-video-shopping-2026/)をぜひご覧ください。なお、調査結果を外部に公開・転載する場合は、出典として「株式会社TaTap『ショート動画と購買行動調査』(2026年10月)」を明記し、レポートページへのリンクを設置するよう求められています。


おわりに|みんなの実感が、ついに数字で証明された

今回のTaTapさんの調査を見て、僕が一番感じたのは「皆さんが実感として分かっていたことが、ちゃんと数字で証明された」ということです。

ショート動画を見ている人は71.1%、毎日見る人は47.1%。ただし1日の視聴は30本未満が72.8%と、意外と中毒的ではありませんでした。ショート動画がきっかけで買った人は視聴者の55.6%で、直近1か月でも27.6%。そして最大のポイントは、ショートで知った人の55.6%がAmazon・楽天で検索して買っていて、動画からそのまま買った人は35.6%にとどまったことです。

つまりショート動画は「その場で売る装置」ではなく「モールへ送り出す装置」。使っている様子を冒頭3秒で見せ、テロップと価格を入れ、商品名で検索できるようにしておく。そして広告だけに頼らず、企業アカウントで地道に積み上げる。ショート動画を作るとき、販促するときに、ぜひ参考にしてください。今日はショート動画の最新ノウハウをお伝えしました。


まとめ

  • ショート動画を見ている人は71.1%、毎日見る人は全体の47.1%。ただし1日の視聴本数は「30本未満」が**72.8%**で、意外とヘビーには見られていない
  • 最も利用時間が長いサービスは**YouTube(41.0%)**で、2位X(15.4%)の2.7倍。Xは文字情報の入手先としてまだ強い
  • ショート動画がきっかけの購入経験は視聴者の55.6%、直近1か月でも27.6%
  • 購入のきっかけは一般ユーザーの投稿50.4%、インフルエンサーの通常投稿43.7%、企業公式40.7%。PR投稿(26.7%)や広告(27.4%)は反応が落ちる
  • ショートで知った人の55.6%はAmazon・楽天で検索して購入し、動画からそのまま買ったのは35.6%。成果はモールと検索で回収されている
  • 「欲しい」の決め手1位は使っている様子(45.3%)、最下位は再生回数・いいね数(9.5%)
  • 視聴者の30.5%は冒頭3秒で判断、28.8%は音声オフ、28.4%は広告を飛ばす。これは世代を問わず共通
  • 企業公式の動画は広告より飛ばされにくく(17.7%対28.4%)、自社アカウント運用は広告とは別の資産になる
  • 20代はテロップなし動画を35.2%が飛ばす(50代は5.7%)。若年層向けではテロップは前提条件
  • 実務では「使っている様子・冒頭3秒・テロップ・価格」を徹底し、商品名で検索できる導線とモール内の指名検索数で効果を測る

よくある質問(Q&A)

Q1. ショート動画を出しても、動画のリンクからの売上が少ないです。効果がないということでしょうか?

A. いいえ、そうとは限りません。今回の調査では、ショート動画で商品を知った人の55.6%がAmazon・楽天などで検索して購入しており、動画内のリンクやSNS内のショップからそのまま買った人は35.6%でした。つまり成果の多くは、動画の外のECモールや検索で回収されています。動画のリンクのクリック数だけでなく、ショート動画を投稿した期間のモール内の商品名検索数・指名検索数・モール売上を並べて見ることで、本当の効果が見えてきます。

Q2. ショート動画はどのプラットフォームに力を入れるべきですか?

A. TikTokやInstagramリールだけでなく、YouTubeショートの優先度を見直すことをおすすめします。直近1か月で最も利用時間が長かったサービスはYouTubeが41.0%と突出しており、利用率もどの年代でも7割前後で安定しています。一方TikTokは20代47.7%、50代30.7%と年代差が大きいので、ターゲットが若い層ならTikTokも有効です。ただし本調査では媒体別の購入経験は測定していないので、自社のデータでも検証しながら配分を決めてください。

Q3. 企業の公式アカウントでショート動画を出しても、広告みたいに飛ばされませんか?

A. 広告ほどは飛ばされません。「企業・ブランドの公式アカウントの動画は飛ばすことが多い」は17.7%で、「広告だと分かったら飛ばすことが多い」28.4%より10.7ポイント低い結果でした。さらに購入のきっかけとしても、企業公式アカウントの投稿は40.7%で、広告として流れてきた動画27.4%を上回っています。広告出稿だけに頼らず、自社アカウントで継続的に投稿を積み上げることに意味があります。

Q4. 売れるショート動画を作るために、最低限押さえるべきポイントは何ですか?

A. 「使っている様子・冒頭3秒・テロップ・価格」の4つです。「欲しい」の決め手1位は「実際に使っている様子が映っている」45.3%、2位は「価格が動画内に表示されている」30.0%でした。また視聴者の30.5%は最初の3秒で見続けるかを決め、28.8%は音声オフで見ています。さらに商品名やブランド名をはっきり見せ、「〇〇で検索」と分かる状態にしておくと、モールでの購入につながりやすくなります。逆に「再生回数・いいね数が多い」は9.5%で最下位なので、バズ狙いの演出は優先度を下げて構いません。

Q5. インフルエンサーに依頼するなら、PR投稿を増やせばいいのでしょうか?

A. PR投稿の本数だけを増やすのはおすすめしません。購入のきっかけとして、インフルエンサーのPR表記なしの通常投稿は43.7%だったのに対し、PR投稿(#PR付き)は26.7%と17.0ポイント低い結果でした。PR表記は法令上きちんと付ける必要がありますが、その上で、インフルエンサーが日常的にその商品を使い、自然に紹介している状態を作れるかが鍵になります。一般ユーザーの「使ってみた」投稿(50.4%)も含め、ギフティングなどで自然な投稿が生まれる仕掛けを並行して用意しましょう。

ショート動画ECマーケティング:検索・モール誘導・広告・PR案件

📱 ショート動画
TikTokやInstagramのリール、YouTubeショートなどで配信される、縦向きで1分前後の短い動画のことです。今回の調査では71.1%が視聴しており、毎日見る人は47.1%でした。1日の視聴本数は30本未満が72.8%を占め、思ったほど延々と見続けられてはいません。限られた本数の中から選ばれる必要があります。

🛒 ECモール
AmazonやYahoo!ショッピング、楽天市場など、多くの店舗が出店する大型のネット通販サイトです。ショート動画で商品を知った人の55.6%が、ECモールで検索して購入していました。自社商品がモールに出ていなければ、そこでお客さんが離脱してしまいます。動画とモール運営は1本の導線として設計することが重要です。

🚚 送客装置
お客さんを別の売り場へ送り込む役割を持つ仕組みのことです。この調査では、ショート動画は「その場で買わせる」媒体というより、ECモールや検索へお客さんを送り出す装置として働いていると結論づけています。そのため動画の効果は、直接のリンククリック数だけでは測りきれません。

🔍 指名検索
商品名やブランド名を直接入力して検索する行動のことです。ショート動画を見た人は、Google・Yahoo!やECモールで名前を検索してから購入する傾向があります。動画の中で商品名をはっきり見せ、迷わず見つけられる状態にしておくことが大切です。効果測定にはモール内の指名検索数も加えましょう。

⏱️ 冒頭3秒
動画の最初の3秒間を指し、視聴者が見続けるか飛ばすかを判断する時間です。調査では30.5%が「最初の3秒で決めている」と答え、この傾向は年代による差がほとんどありませんでした。何の商品かを冒頭で示し、もったいぶらずに本題に入る構成が、全年代に共通する基本設計になります。

🔇 音声オフ視聴
スマホの音を消した状態で動画を見る視聴スタイルのことです。調査では28.8%が「音声オフで見ることが多い」と回答しました。音が聞こえなくても内容が伝わる工夫が欠かせません。そのため、ナレーションに頼るよりも、テロップで説明するなど文字で伝わる設計が重要になっています。

💬 テロップ
動画の画面上に表示される文字や字幕のことです。20代の35.2%は「テロップのない動画は飛ばす」と答えており、50代の5.7%と大きな差がありました。音声オフ視聴が多いこともあり、テロップは演出ではなく前提条件です。決め手でも、テロップ説明が音声説明をわずかに上回りました。

🎥 使っている様子
商品を実際に使用しているシーンを映した映像のことです。「欲しい」と思う決め手の1位で45.3%を占め、20代から50代のすべての年代で1位でした。一方で「再生回数・いいね数が多い」は9.5%で最下位です。バズよりも、自分が使ったときの姿を想像できるかどうかが購買を動かしています。

🏢 企業公式アカウント
企業やブランドが自ら運営するSNSアカウントのことです。その動画を飛ばす人は17.7%で、広告の28.4%より10.7ポイント低い結果でした。購入のきっかけとしても40.7%で、広告の27.4%を上回っています。広告の出稿だけに頼らず、自社アカウントで動画を継続的に積み上げる価値があります。

🏷️ PR表記
インフルエンサーの投稿で、企業から依頼された宣伝であることを示す「#PR」などの表示のことです。購入のきっかけとしては、PR表記なしの通常投稿が43.7%で、PR付きの26.7%を17.0ポイント上回りました。案件と分かると反応が落ちるため、日常的に商品を紹介してもらえる関係づくりが問われます。

ショート動画ECマーケティング:検索・モール誘導・広告・PR案件

ショート動画は今どれだけ見られ、どれだけ買われているのか

視聴率71.1%・毎日視聴47.1%――「延々と見続ける」は誤解だった

株式会社TaTapが2026年9月24日に全国の20〜59歳342名を対象に実施し、10月5日に公開した「ショート動画と購買行動調査(TaTap SNS調査 第4回)」によると、ショート動画を見ている人は全体の71.1%でした。内訳は「1日に何度も見る」31.0%、「1日1回程度見る」16.1%、「週に数回見る」17.3%、「週に1回以下」6.7%です。

ただし、週1回以下まで「見ている」に含めるのはやや広い定義です。日常的な接点として捉えるなら、毎日見る層の47.1%が実態に近い数字でしょう。それでも20〜59歳のほぼ半数が、毎日ショート動画に触れていることになります。一方で「ほとんど見ない」14.9%、「見たことがない」14.0%と、接点のない層も3割近く存在します。

注目したいのは視聴本数です。ショート動画を見る日の1日の視聴本数は「10本未満」40.7%、「10〜29本」32.1%で、30本未満が72.8%を占めました。「30本以上」は18.1%にとどまります。仮に1本1分なら15本見ても15分、2分の動画でも30分程度です。しかも、すべてを最後まで見ているとは限りません。「ショート動画は中毒的に何時間も見られている」というイメージとは異なり、多くの人の接触は1日数本から20本程度なのです。

この事実はEC誘導を考えるうえで重要です。ユーザーが1日に目にする本数が限られている以上、その中で選ばれなければ商品を知ってもらうことすらできません。逆に言えば、表示された1本で「何の商品か」「自分に関係があるか」を伝えきれれば、購買の入口に立てるということです。ショート動画の勝負は「本数で埋もれないこと」ではなく、「限られた接触の中で選ばれること」にあります。

年代差も押さえておきましょう。毎日見る人は20代で61.4%、50代で36.4%と25.0ポイントの差があり、1日30本以上見る人も20代29.6%に対し50代9.4%です。若年層ほど接触量は多いものの、50代でも3人に1人以上が毎日視聴しています。ショート動画はもはや若者だけのメディアではなく、幅広い年代の購買行動に組み込まれたチャネルだと考えるべきでしょう。

視聴者の55.6%が購入経験、直近1か月でも27.6%という意味

ショート動画(投稿・広告を問わず)がきっかけで商品・サービスを購入した経験を聞いた設問では、ショート動画を見ている人(n=243)のうち「直近1か月以内にある」27.6%、「直近1か月にはないが、それより前にはある」28.0%で、合計55.6%が購入経験ありと答えました。「一度もない」は41.2%です。

この種の調査では「購入経験の有無」だけを聞くケースが多く、過去に一度でも買えば「ある」になるため数字が膨らみがちです。ショート動画というフォーマットが日本で広がり始めてから相当の年月が経っていることを考えると、累計の購入経験率だけでは実態を見誤ります。その点、本調査が「直近1か月」を分けて聞いていることには大きな価値があります。視聴者の4人に1人以上が、この1か月の間にショート動画をきっかけに何かを買っているのです。ショート動画を売上に結びつける施策が「有効かどうか」という議論の段階は、すでに過ぎたと言えるでしょう。

さらに調査では、SNS全体(投稿・広告)がきっかけの購入経験と比較するため、回答者全体(n=342)を分母にそろえた数字も示しています。SNSがきっかけで購入した経験は全体の50.0%、ショート動画がきっかけは39.5%でした。直近1か月に絞ると、SNS起点が21.1%(72名)、ショート動画起点が19.6%(67名)と人数ではほぼ並びます。

ここで注意したいのは、「SNS全体」にはショート動画も含まれている点です。両者は別々の設問で同一人物とは限りませんが、直近のSNS起点の購入のかなりの部分をショート動画が担っている可能性がある、というのが調査側の読み方です。

実務的には、ショート動画とフィード投稿の役割を分けて考えるのが有効です。ショート動画はおすすめ表示によってフォロワー外にも届きやすく、「まだ知らない人に知ってもらう」出会いの場として強みを持ちます。一方、既存フォロワーとの関係性を深め、購入の後押しをするのは通常投稿やストーリーズが得意な領域です。認知の入口としてショート動画を置き、購入までの距離を他の接点で縮める――この使い分けが、EC誘導の成果を安定させる土台になります。

ショート動画で知った人は「どこで」買っているのか

最多は「Amazon・楽天で検索」55.6%、動画内リンクからの直接購入は35.6%

今回の調査で最も重要なのが、ショート動画で商品を知ってから購入するまでの行動です。ショート動画がきっかけで購入した人(n=135)に複数回答で聞いたところ、最多は「Amazon・楽天などのECサイト・アプリで検索して購入した」55.6%でした。次いで「Google・Yahoo!などの検索エンジンで調べてから購入した」37.8%、「動画内のリンクやSNS内のショップから、そのまま購入した」35.6%が続きます。

つまり、ショート動画で興味を持った人の半数以上は、動画のリンクをタップするのではなく、ECモールのアプリを開いて商品名やブランド名で検索しているのです。しかもGoogle・Yahoo!の検索より先に、Amazon・楽天で直接探す人のほうが多いという点は見逃せません。「欲しい」と思った瞬間に、ユーザーは比較や価格確認のしやすい、使い慣れたモールへ移動しています。

この行動は、ポイント還元や配送スピード、レビュー件数、送料無料の条件など、モールならではの購入メリットを重視する日本の消費者らしい動きとも言えます。動画内の購入ボタンは便利ですが、より安い店舗、より条件のよい店舗を確かめたいという心理が、モールへの移動を後押ししているのでしょう。

ここから導かれる結論は明快です。ショート動画でどれだけ話題になっても、Amazonや楽天に自社商品が出品されていなければ、その時点で購買機会を逃してしまいます。また、出品していても商品名が分かりにくい、検索してもすぐに見つからないという状態では、競合商品や類似品に流れてしまうおそれがあります。

調査を実施したTaTapは、この結果を「ショート動画は『その場で買わせる』媒体というより、ECモールへお客さんを送り出す装置として働いている」と表現しています。ショート動画のEC誘導を考えるとき、まず見直すべきは動画のリンク設置ではなく、モール側の受け皿です。動画とモールを別々の施策として扱うのではなく、1本の導線としてセットで設計することが、成果を取りこぼさないための大前提になります。

「知る」と「買う」の間にある確認行動と、EC誘導の導線設計

購入までの行動をさらに見ると、「SNSで口コミ・他の人の投稿を確認してから購入した」24.4%、「同じ商品の長い動画(YouTubeなど)を見てから購入した」23.7%、「店頭で実物を見てから購入した」16.3%、「動画を保存・いいねしておいて、後日購入した」14.8%と、ショート動画を見たあとに何らかの確認を挟む行動が幅広く見られました。

TaTapの第3回調査「買う場面(CEP)とSNSの関係調査」でも、思い浮かんだ商品をそのまま買った人は26.6%にとどまり、50.2%は調べてから判断していたとされています。ショート動画でも同じく、「知る」と「買う」の間に確認の段階が入る構図です。

この確認行動を踏まえると、EC誘導の導線は次の4つの受け皿で設計するのが効果的です。

第一に、ECモールの商品ページです。商品名・型番・ブランド名を動画と完全に一致させ、モール内検索ですぐ見つかる状態にします。レビューの充実や、動画と同じ使用シーンの画像を商品ページに入れることも、迷いを減らす工夫になります。

第二に、検索エンジンです。Google・Yahoo!で調べる37.8%の人に向けて、公式サイトや比較記事、FAQを整えておきます。近年はAIによる検索回答も増えているため、商品の特長や使い方を正確に記した情報をウェブ上に用意しておくことは、AI検索対策の観点からも有効です。

第三に、口コミ・UGCです。SNSで他人の投稿を確認する人が4人に1人いる以上、ハッシュタグ検索で実際の使用者の声が見つかる状態をつくることが重要です。

第四に、長尺動画です。YouTubeで詳しいレビューを見てから買う人も2割強います。ショートで興味を引き、長尺で納得してもらう組み合わせは、特に価格帯の高い商品で効果を発揮します。

ショート動画単体で完結させようとせず、「確かめたい」というユーザーの行動に先回りして、行き先ごとに答えを用意しておく。これが、モール&検索時代のEC誘導の基本設計です。

購買を動かすショート動画の種類と「欲しい」の決め手

一般ユーザー50.4%・PRなしインフルエンサー43.7%・企業公式40.7%

どんなショート動画が購入のきっかけになったのかを複数回答で聞いたところ、最多は「一般ユーザーの投稿(使ってみた・レビューなど)」50.4%でした。次いで「インフルエンサーの通常投稿(PR表記なし)」43.7%、「企業・ブランドの公式アカウントの投稿」40.7%、「広告として流れてきた動画」27.4%、「インフルエンサーのPR投稿(#PR・#プロモーション付き)」26.7%と続きます。

一般ユーザーのレビューが最も購買を動かすのは、ある意味で当然の結果です。利害関係のない第三者の「使ってよかった」は、最も信頼されやすい情報だからです。

注目すべき点は2つあります。1つは、同じインフルエンサーの投稿でも、PR表記のない通常投稿(43.7%)がPR投稿(26.7%)より17.0ポイントも高いことです。案件や広告と分かった瞬間に反応が落ちるという、SNS運用の現場でよく言われる傾向がデータで裏付けられた形です。

ただし、これを「PR表記を外せば売れる」と読むのは誤りです。2023年10月1日から景品表示法のステルスマーケティング規制が施行されており、事業者が関与した投稿で広告であることを隠すことは違法になります。この数字が示しているのは、表記を隠すことの効果ではなく、インフルエンサーが日常的にその商品を使い、自発的に紹介したくなる状態をつくることの価値です。ギフティングで実際に使ってもらい、気に入った人が継続的に発信してくれる関係を築くことが、本当の意味での成果につながります。

もう1つは、企業・ブランドの公式アカウントの投稿が40.7%と、4割の購入のきっかけになっている点です。広告として流れてきた動画(27.4%)を13.3ポイント上回っており、企業が自ら発信するショート動画にも十分な購買喚起力があることが分かります。

一方で「ライブ配信・ライブ配信の切り抜き」は7.4%にとどまりました。日本ではライブコマースが何度も注目されながら、本格的な普及には至っていない状況がここにも表れています。施策の優先順位としては、まず一般ユーザーのUGC、インフルエンサーとの自然な関係づくり、そして企業公式アカウントの継続運用という3本柱を固めるのが現実的です。

決め手1位は「使っている様子」45.3%、再生回数・いいね数は9.5%で最下位

ショート動画で商品を「もっと知りたい」「欲しい」と思う決め手を聞いた設問では、1位が「実際に使っている様子が映っている」45.3%と、2位以下を大きく引き離しました。2位は「価格が動画内に表示されている」30.0%、3位「最初の数秒で何の商品か分かる」26.3%、4位「使用前後の変化(ビフォーアフター)が分かる」25.5%です。

1位と2位の差は15.3ポイントもあり、「使っている様子」は20代から50代まですべての年代で1位でした。視聴者が知りたいのは、スペックや宣伝文句ではなく、自分がその商品を使ったときの姿を想像できるかどうかです。キッチン用品なら実際に調理している手元、化粧品なら肌に乗せた質感、家電なら生活空間で動いている様子を見せることが、何よりの説得材料になります。

2位の価格表示も見逃せません。「詳しくはリンクから」と価格を隠すより、円表記で金額をはっきり出したほうが「欲しい」につながります。価格が分かれば、視聴者はその場で「この値段なら試してみたい」と判断できますし、モールで検索したときにも同じ商品かどうかを確認しやすくなります。3位の「最初の数秒で何の商品か分かる」は、もったいぶらずに冒頭で商品を見せるべきだということを示しています。

対照的なのが、「再生回数・いいね数が多い」が9.5%で選択肢の中で最下位だったことです。バズっているから欲しくなるわけではない、という結果は、再生回数を最重要KPIに置きがちなSNS運用に一石を投じるものです。再生数が伸びても売上が伸びない、という悩みの多くはここに原因があるのかもしれません。

また説明の手段では、「テロップ(文字)で説明されている」17.7%が「音声・ナレーションで説明されている」14.0%を上回りました。後述する音声オフ視聴の多さと合わせると、文字で伝わる設計の重要性が分かります。「投稿者を信頼している・よく見ている」15.6%、「コメント欄の反応がよい」13.6%も一定数あり、継続的な発信による信頼の蓄積も無視できない要素です。

冒頭3秒・音声オフ・広告スキップに対応する制作の基本設計

3割が3秒で判断し3割が音を聞かない――テロップと価格表示は前提条件

ふだんショート動画を見るときの習慣を聞いたところ、上位3つは「最初の3秒くらいで、見続けるか飛ばすかを決めている」30.5%、「音声をオフ(ミュート)にして見ることが多い」28.8%、「広告だと分かったら飛ばすことが多い」28.4%で、ほぼ3割ずつ並びました。「テロップ(文字)がない動画は飛ばすことが多い」も23.0%います。

制作の実務に置き換えると、視聴者の3割は冒頭3秒で見続けるかどうかを決め、3割は音を聞いていない、ということです。「冒頭3秒が勝負」はショート動画の定説として語られてきましたが、それが改めてデータで確認されました。そして意外に多いのが音声オフ視聴です。電車の中や職場の休憩時間、家族がいるリビングなど、音を出せない環境でショート動画を見る人は少なくありません。ナレーションだけで商品の魅力を語る動画は、こうした視聴者には何も伝わらないことになります。

ここから導かれる制作ルールは次の4点です。

  1. 冒頭3秒で商品と使用シーンを見せる:タイトル画面や前置きは省き、最初のカットで「何の商品か」が分かるようにする。
  2. すべての動画にテロップを入れる:音声オフでも内容が理解できるよう、要点を文字で表示する。字幕は演出ではなく必須要素と考える。
  3. 価格を画面内に表示する:決め手2位の価格表示を、テロップと同様に標準装備にする。
  4. 商品名・ブランド名をはっきり映す:モールで検索してもらうための「検索ワード」を視聴者に渡す。

4点目はEC誘導の観点で特に重要です。前述のとおり、ショートで知った人の55.6%はAmazon・楽天で検索して買っています。視聴者が何という言葉で検索すればよいのかが動画内で分からなければ、モールでたどり着けません。商品名やブランド名を画面上に表示し続ける、「〇〇で検索」と明示するなど、検索行動を前提にした見せ方が求められます。

また、気になった商品について「その場で検索する」16.9%、「保存・いいねしておく」16.5%、「コメント欄を見る」15.2%という行動も一定数見られました。保存やコメントを促す一言を添えることは、後日の購入につなげる仕掛けとして有効です。

20代と50代の違いと、世代共通で押さえるべきポイント

本調査では年代によるショート動画との関わり方の違いも分析されています。20代と50代で15ポイント以上の差があった項目は、「毎日見る」(20代61.4%/50代36.4%)、「ショート動画がきっかけで購入した経験」(70.4%/39.6%)、「1日30本以上見る」(29.6%/9.4%)、「テロップがない動画は飛ばす」(35.2%/5.7%)、「SNSがきっかけで購入した経験」(69.5%/38.5%)でした。

中でも差が大きいのが「テロップがない動画は飛ばす」で、20代35.2%に対し50代は5.7%と29.5ポイントも開いています。20代の3人に1人はテロップのない動画を飛ばしているのです。若年層向けの商材では、テロップは演出ではなく前提条件だと言えます。

一方で、世代による差がほとんどない項目もありました。「最初の3秒で判断する」は20代29.6%/30代34.3%/40代30.8%/50代26.4%、「音声オフで見ることが多い」は29.6%/20.9%/32.7%/34.0%、「広告だと分かったら飛ばす」は21.1%/32.8%/28.8%/32.1%、決め手の「価格が表示されている」は31.0%/26.9%/34.6%/28.3%と、いずれも差は15ポイント未満です。音声オフ視聴はむしろ40代・50代のほうがやや高い傾向にあります。

つまり、冒頭3秒・音声オフへの対応・価格表示は、ターゲットの年代にかかわらず必要な基本設計です。年代に応じて調整すべきなのは、テロップの密度や、視聴本数の多さを前提にした投稿頻度のほうだと考えられます。20代向けなら情報量の多いテロップで、テンポよく本数を出す。50代向けなら1本ごとの分かりやすさを重視し、価格や商品名を落ち着いて読める構成にする、といった工夫です。

なお、ショート動画がきっかけの購入経験は20代70.4%に対して50代39.6%と大きな差がありますが、50代でも約4割が購入しています。年代別の数字は1グループあたりの回答者数が少なく、調査側も参考値として読むよう注意を促しているため、細かな差に一喜一憂するより、「基本設計は共通、調整は密度と頻度」という大きな方針として活用するのが賢明です。

ショート動画を「モールへの送客装置」にする実務と最新動向

企業公式アカウント運用とステマ規制に沿ったPR表記の考え方

企業担当者からよく聞かれるのが、「企業アカウントのショート動画は、広告と同じように飛ばされるのではないか」という懸念です。本調査では、「企業・ブランドの公式アカウントの動画は飛ばすことが多い」が17.7%で、「広告だと分かったら飛ばすことが多い」28.4%より10.7ポイント低い結果でした。購入のきっかけとしても、企業公式アカウントの投稿は40.7%で、広告(27.4%)を上回っています。

ベースが異なる(視聴者n=243と購入経験者n=135)ため単純比較はできませんが、企業が自社アカウントで出すショート動画は「広告とは別物」として受け止められ、飛ばされにくく、購入のきっかけにもなっていると読めます。広告出稿だけに頼るのではなく、自社アカウントでショート動画を継続的に積み上げることは、広告費を払い続けなくても効果が残る「資産」づくりと言えるでしょう。

一方で、インフルエンサーや一般ユーザーを巻き込む施策では、ステマ規制への対応が欠かせません。景品表示法第5条第3号に基づく告示により、2023年10月1日から「一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示」が不当表示として規制されています。規制対象は依頼した事業者側で、違反すれば措置命令の対象となり、2024年6月には初の措置命令も出されました。

実務上のポイントは3つです。1つ目は、事業者が依頼・提供した投稿には「PR」「広告」「プロモーション」などを分かりやすく表示すること。大量のハッシュタグの中に「#PR」を埋もれさせるような表示は、不明瞭として違反と評価されるリスクがあります。2つ目は、商品を無償提供するギフティングでも、投稿内容に事業者が関与していれば表示が必要になる点です。3つ目は、高評価のレビューを条件に特典を出すといった、内容への関与を伴う依頼をしないことです。

調査ではPR表記のある投稿の反応は低めでしたが、法令を守ることは前提です。そのうえで、企業公式アカウントでは「企業の投稿」であることを堂々と示し、実際に使っている様子を誠実に見せる。インフルエンサー施策では、表記を守りながら本当に気に入ってもらえる商品体験を提供する。この姿勢こそが、長期的に信頼と売上を積み上げる王道です。

YouTubeショッピング・TikTok Shop時代の効果測定と実務チェックリスト

ショート動画からのEC誘導を取り巻く環境は、2025年から2026年にかけて大きく動いています。2025年6月には、アプリ内で発見から購入まで完結できる「TikTok Shop」が日本でスタートしました。日経の報道によれば、ローンチから1年で流通総額は約500億円に達したとされます。さらに2026年2月19日には、「YouTube ショッピング アフィリエイト プログラム」が日本で正式に始まり、国内初のパートナーとして楽天市場が参画しました。クリエイターがショート動画を含む動画内で楽天市場の商品をタグ付けでき、視聴者は商品ページへスムーズに移動できる仕組みです。

本調査でも、最も利用時間が長いサービスはYouTubeが41.0%で、2位のX(15.4%)の2.7倍でした。YouTubeの利用率はどの年代でも7割前後で安定しています。ショート動画の出し先をTikTokやInstagramリールだけに絞っている企業は、YouTubeショートの優先度を見直す余地があるでしょう。なお、テキスト中心のXが15.4%と2位に入っている点は、情報収集の場としてのXの強さを示しています。

こうした環境変化の中で、効果測定のあり方も変える必要があります。ショート動画の成果を動画内リンクのクリックや直接購入だけで測ると、モールや検索経由の成果、つまり半分以上を見落とすおそれがあります。投稿期間とモール内の商品名検索数・指名検索数・モール売上を並べて確認し、動画の影響を総合的に評価しましょう。

最後に、本調査から導かれる実務チェックリストをまとめます。

  1. 自社のショート動画を音声オフで、最初の3秒だけ見て商品が伝わるか確認する
  2. すべての動画にテロップを入れる
  3. 「使っている様子」を冒頭から見せる
  4. 価格を動画内に表示する
  5. 効果測定にモール内の商品名検索数・指名検索数・モール売上を加える
  6. 商品名・ブランド名をはっきり見せ、モールや検索で迷わず見つかるようにする
  7. 自社アカウントでのショート動画投稿を継続する
  8. YouTubeショートの優先度を見直す

ショート動画は「その場で買わせる」魔法の道具ではなく、ECモールと検索へお客さんを送り出す装置です。この視点で動画・モール・検索を1本の導線として設計することが、2026年以降のEC誘導で成果を出す最短ルートになります。


ファクトチェック・修正一覧

配信内の発言確認結果記事での扱い
調査会社は「TaTapさん」株式会社TaTap(東京都千代田区、SNSマーケティング支援)正式社名で記載
調査は「9月24日、今年」調査期間2026年9月24日、公開は2026年10月5日そのまま採用、公開日を補足
「ショート動画が出て10年ぐらい、2017年」TikTok日本版は2017年開始だが、Instagramリール(2020年)・YouTubeショート(2021年)はその後。フォーマット全体で「10年」は概算年数を断定せず「相当の年月」と表現
直近1か月27.6%=「月に1本とか2本はショート経由で買っている」調査は直近1か月に1回以上購入経験があるかを聞いたもので、購入頻度は測定していない頻度の断定を避け「4人に1人以上が直近1か月に購入」と記載
SNSとショートの比較で「ショートより通常投稿や広告がきっかけで買う人が多い」設問Q3の「SNS(投稿・広告)」にはショート動画も含まれ、通常投稿と比較した設問ではない。直近1か月では人数がほぼ並ぶ包含関係を明記し、調査側の読み方を紹介
20代と50代で「テロップがない動画を飛ばすことはそんなに差がない」実際は20代35.2%/50代5.7%で29.5ポイント差と、最も差が大きい項目の一つ正しい数値に修正
「PR表記を明記しなきゃいけない」2023年10月1日施行の景品表示法ステマ規制により、事業者が関与した投稿は広告である旨の表示が必要法的根拠と実務ポイントを補足
その他の数値(71.1%、47.1%、55.6%、45.3%、Threads10.5%、ライブ配信7.4%など)調査レポートの数値と一致そのまま採用

出典一覧

出典内容
株式会社TaTap「ショート動画と購買行動調査」(2026年10月5日公開)本記事の調査データ全般、完全版レポート
TikTok Newsroom(TikTok Shop Japan 1周年セール)TikTok Shopの日本展開・ディスカバリーEコマース
36Kr(日経中文網)TikTok Shop Japan 1年日本ローンチ1年で流通総額約500億円
マイナビニュース:YouTube ショッピング アフィリエイト プログラム日本導入2026年2月19日開始、楽天市場が初パートナー
innovatopia:YouTubeショッピング アフィリエイトの仕組みショート動画を含む商品タグ付けの仕組み
Impress Watch:ステマ、10月から法規制景品表示法第5条第3号の告示指定、2023年10月1日施行
トラベルボイス:ステマ規制の要件と表示方法ハッシュタグに埋もれた「#PR」のリスク
ISSOH:ステルスマーケティングとは2024年6月の初の措置命令

ショート動画ECマーケティング:検索・モール誘導・広告・PR案件

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この記事を書いた人

横田 秀珠のアバター 横田 秀珠 (新潟)公立長岡造形大学 情報リテラシー論 講師

ネットビジネス・アナリスト。未経験のIT企業に就職し、たった3年で独立し、2007年にITコンサルタント会社のイーンスパイア(株)を設立し現在に至る。All About ProFile全専門家で全国1位のコラム評価を獲得した実績を持つ。全国で年間200回を超える講演も行う。