MENU

LINE公式アカウント友だち登録はこちら↓

友だち追加数
ブログ毎日更新中
過去に投稿した記事

セミナー&講演テーマ

YouTube USTREAM 動画販促術
ソーシャルメディア活用術
ホームページ成功事例100連発
最新のSEO対策
初めてのIT販促

その他の業務

コンサルティング
ネットビジネス研究会
教材の販売
マスコミ取材実績
執筆実績
私たちも横田氏を推薦します

情報リテラシー論10ショート動画とライブ配信’25長岡造形大学

情報リテラシー論10ショート動画とライブ配信’25長岡造形大学
  • URLをコピーしました!
ショート動画とライブ配信
📱 縦動画革命からライブ配信まで!動画プラットフォーム最前線
🎭 ニコニコ動画の文化と歴史

2006年YouTube日本語化(2007年)より1年早くサービス開始!

📺 弾幕コメントが生み出す一体感 → みんなの目を気にする文化

素人制作 🎥
YouTube
ニコニコ動画
プロ制作 📺
TVer
Abema

💰 課金チャンネルへの移行が増加中

YouTubeメンバーシップ → ニコニコチャンネル

理由:言論の自由が保たれている環境

⚠️ スマホ配信対応の遅れが敗因

ニコニコ生放送はスマホ対応が遅れ苦戦… 日本発の文化として残念

⬇️ 画面収録の進化 ⬇️
📲 スマホ画面収録機能の登場
2017年 iOS 11で画面収録機能追加

→ ゲーム実況がスマホで可能に!

2020年 Androidも画面収録機能を搭載
⬇️ 縦動画の台頭 ⬇️
📱 縦動画革命の始まり

2016年縦動画を象徴するプロモーションビデオ公開

ストーリーズ、リール… 縦型フォーマットが主流に

📊 画面サイズと視聴時間の関係

🖥️ 大きい画面 → 長時間視聴

📱 小さい画面 → 短時間視聴

→ だからショート動画はスマホと相性抜群!

⬇️ TikTokの衝撃 ⬇️
🎵 TikTokが変えた動画の世界
1
📰
ニュースアプリから出発
2
🎬
ショート動画アプリを開発
3
🎵
音楽アプリを買収して融合
君が次に好きなもの」— TikTokのキャッチコピー

🔑 YouTubeが苦しかった理由

❌ 検索に拾われにくい

❌ チャンネル登録者数が多い方が有利

❌ 早く始めた人が有利

ショート動画がこの壁を打ち破った!

🎤 瑛人さん紅白出場の裏側

TuneCoreに登録 → 世界配信が可能に

ボーカロイド曲も配信OK!

⬇️ 各プラットフォームの動き ⬇️
🌐 ショート動画プラットフォーム最前線
▶️
YouTube Shorts
✅ 急成長中
📸
Instagram Reels
✅ 主力機能に
🎵
TikTok
✅ 王者の地位
🐦
X (Twitter)
✅ 動画タブ追加
🗺️
Googleマップ
✅ ショート強化
🎶
YouTube Music
✅ ショートタブ

🆕 注目の新展開

🛒 Amazon Inspire – ショート動画でお買い物(米国)

🎵 Suno – AI音楽もスワイプで探索

🎬 Sora – AI生成動画をTikTok風に閲覧

📺 2025/12/9ニコニコ動画もショート動画参入!

📌 Pinterest
ショート動画を縮小
方向転換…
💬 LINE VOOM
縮小傾向
諦めた模様…
⬇️ ライブ配信の世界へ ⬇️
📡 ライブ配信 3種の神器
🌐
ネット回線
📷
カメラ
🎤
マイク

📱 スマホには全て標準搭載!

💻 PCでは外付けが必要… → スマホで一気に普及

1.0時代 300万円かけて海上からライブ配信(2009年 三陸とれたて市場)
2.0時代 PCと有線回線があればライブ配信可能に
3.0時代 スマホで誰でも簡単配信の時代へ
⚔️ ライブ配信サービスの明暗
2007年Ustream サービス開始
2008年ニコニコ生放送 開始
2010年ツイキャス 開始
❌ スマホ対応遅れ
Ustream
ニコニコ生放送
→ 衰退…
✅ 生き残り
ツイキャス
→ 今も現役!

📱 現在のライブ配信アプリ

SHOWROOM / Pococha / ふわっち / インスタライブ…

群雄割拠の戦国時代!

💡 インスタライブが強い理由

ストーリーズ・フィード投稿より最優先表示される!

📊 ライブ配信 vs テレビの現実
280万人
2025年同接1位
(Apple iPhone発表)
≒ 2.8%
テレビ視聴率換算

📺 テレビはオワコン? → まだまだ強い!

1つの番組で10〜20%の視聴率を取れる

全体の視聴者数は減少傾向だが、影響力は健在

🌟 注目のライブ配信事例
  • 24時間365日YouTubeライブ配信するアカウント(無料だからできる!)
  • 深夜でもTikTokライブを続ける配信者たち
  • 1999年〜ホームページで24時間ライブを続ける病院
  • 2010年〜接客の様子をYouTubeに6000本アップし続けるチャンネル
  • 🇨🇳 中国ではAI生成インフルエンサーが24時間ライブコマース
✂️ 切り抜き動画とZ世代トレンド

⏱️ タイパ重視で切り抜き動画が人気

しかし2023年頃から禁止の動きも…

収益化されない / 独自性が必要に

👶 Z世代に人気
VTuber
切り抜き動画
👨 50代に人気
テレビの影響を
受けたチャンネル
🚀 今後の注目トレンド

🎙️ ビデオポッドキャストが人気急上昇

YouTubeではなく、映像付きのポッドキャストが注目

→ 音声ラジオ配信の回で詳しく解説予定!

📈 ショート動画で伸ばす戦略が主流に

• ショート動画で知るコンテンツやYouTuberが増加

• 投稿者の属性よりコンテンツ自体の内容で評価される時代

• 長尺動画は1時間以上の長編が増加傾向

長岡造形大学の情報リテラシー論第10回では、ショート動画とライブ配信の歴史と現状を解説。ニコニコ動画の弾幕文化やスマホ対応の遅れによる衰退、TikTokの台頭と「君が次に好きなもの」というレコメンド戦略の成功を紹介。YouTubeショート、Instagramリール、さらにAmazonやSunoなど各種サービスへのショート動画機能拡大を解説した。ライブ配信ではスマホの三種の神器(回線・カメラ・マイク)標準搭載が普及を後押しし、AI生成インフルエンサーによる24時間配信など新潮流も紹介された。

  1. はじめに
  2. ニコニコ動画の歴史と独自文化の魅力
  3. スマホ時代が生んだ縦動画革命とTikTokの戦略
  4. 各プラットフォームに広がるショート動画の波
  5. ライブ配信の進化と現在地
  6. おわりに
  7. よくある質問(Q&A)

はじめに

皆さんは普段、どのようなSNSや動画プラットフォームを使っていますか? YouTubeで長い動画を見る人もいれば、TikTokやInstagramのリールでショート動画をスワイプしながら楽しむ人も多いのではないでしょうか。また、推しの配信者のライブ配信をリアルタイムで視聴するのが日課という方もいらっしゃるかもしれません。

実は今、動画コンテンツの世界では大きな変革が起きています。かつては横長の動画が当たり前でしたが、スマートフォンの普及によって縦動画が主流になりつつあります。さらに、ショート動画という新しいフォーマットが各プラットフォームに急速に広がり、私たちのコンテンツ消費のあり方そのものを変えようとしています。

今回は、新潟県の長岡造形大学で開講されている「情報リテラシー論」第10回の講義内容をもとに、ショート動画とライブ配信の最新動向について詳しく解説していきます。ニコニコ動画の独自文化からTikTokの成功戦略、そしてライブ配信の未来まで、90分の講義で語られた内容を余すところなくお届けします。


ニコニコ動画の歴史と独自文化の魅力

ニコニコ動画の誕生とYouTubeとの関係

まず最初に、日本の動画文化を語る上で欠かせないニコニコ動画についてお話ししていきましょう。ニコニコ動画は、実はYouTubeが日本語化される前の2006年にサービスを開始しています。YouTubeが日本語化されたのは2007年ですから、ニコニコ動画の方が日本市場においては先駆者だったと言えるわけです。

この事実は意外と知られていないかもしれませんが、日本独自の動画文化を形成する上で非常に重要なポイントとなっています。ニコニコ動画は当初から日本のユーザーに向けて最適化されたサービスとして展開されてきたのです。

弾幕文化とコメントを見る楽しみ

ニコニコ動画の最大の特徴と言えば、やはり「弾幕」と呼ばれるコメント文化でしょう。動画の上にリアルタイムでコメントが流れていく仕組みは、ニコニコ動画ならではのものです。この弾幕が人気を集めている理由は、動画を見ながら他の視聴者と一体感を味わえるからなんですね。

最近では、動画そのものよりもコメント欄が気になって動画を再生するという視聴スタイルも生まれています。これは従来の動画視聴とは全く異なる新しい文化です。コメント職人と呼ばれる人たちが作り出す弾幕コメントが流れていると、まるでみんなで一緒に動画を見ているような臨場感があるんですね。過去の配信であっても、リアルタイムで他の視聴者と見ているような感覚を味わえるというのは、ニコニコ動画ならではの不思議な体験と言えるでしょう。

一方で、このようなコメント文化によって「みんなの目を気にしてしまう」という現象も生まれています。コメントを通じて他者の反応が可視化されることで、視聴者の意識や行動に影響を与えているわけです。

素人とプロの棲み分け

動画プラットフォームを理解する上で重要なのが、素人制作とプロ制作の棲み分けです。YouTubeやニコニコ動画は主に素人や個人クリエイターが活躍する場として発展してきました。一方で、TVerやAbemaといったサービスは、テレビ局などプロが制作したコンテンツを配信するプラットフォームとして位置づけられています。

この棲み分けを理解することで、各プラットフォームの特性や強みが見えてきます。素人ならではの自由な発想や親近感のあるコンテンツと、プロならではの高品質で洗練されたコンテンツ、それぞれに違った魅力があるわけですね。

YouTubeからニコニコ動画への移行現象

興味深い現象として、YouTubeのメンバーシップからニコニコ動画のチャンネルへ移行するクリエイターが増えているという点があります。ニコニコ動画には課金制のチャンネル機能がありまして、こちらに移行する人が多い理由として「言論の自由が保たれているから」ということが挙げられています。

YouTubeでは収益化の条件やコンテンツの規制が年々厳しくなっている傾向がありますが、ニコニコチャンネルでは比較的自由に発言できる環境が維持されています。何でも言っても大丈夫な仕組みがあるからこそ、特に政治的な話題や controversial な内容を扱うクリエイターにとっては、ニコニコチャンネルが魅力的な選択肢となっているわけです。

ニコニコ生放送とスマホ対応の遅れ

ニコニコ動画にはライブ配信機能として「ニコニコ生放送」があります。しかし、このニコニコ生放送にはスマホ配信への対応が遅れたという大きな課題がありました。これが後々の苦戦につながる敗因となってしまったのです。

日本発の動画文化として、なんとかして欲しかったという思いがありますが、スマホ対応の遅れは致命的でした。後ほど詳しく説明しますが、ライブ配信サービスにおいてスマホ対応の早さが明暗を分けることになったのです。

伝説の「火事配信」エピソード

ニコニコ動画の歴史を語る上で外せないのが、「生配信中に火事となったが、消火に必死で配信し続けた伝説の男」のエピソードです。この配信は衝撃的な内容として多くの視聴者に知られています。

初めて見た時は衝撃を受けたという感想が多く、動画もコメントも含めて非常にインパクトのある内容となっています。これは極端な例ですが、ライブ配信をする際には注意力が低下してしまう危険性があることを示しています。カメラを見たり、マイクを確認したり、画面を見たり、コメントを見たりと、複数のことに同時に注意を払う必要があるため、本当に注意力が散漫になってしまうんですね。ライブ配信をする予定がある方は、この点に気をつける必要があるでしょう。

プレミア有料会員の減少とソニー買収話

ニコニコ動画のプレミア有料会員数は減少が止まらない状況が続いており、非常に苦戦しています。一時期はソニーによる買収の話も出ていましたが、今のところなんとか持ちこたえているという状況です。

日本独自の動画文化を守ってきたニコニコ動画ですが、YouTubeやTikTokといったグローバルプラットフォームとの競争の中で、厳しい状況に置かれていることは否めません。しかし、後述するように2025年12月にはショート動画サービスを開始する予定もあり、新たな展開に期待が集まっています。


スマホ時代が生んだ縦動画革命とTikTokの戦略

画面収録機能の登場

スマートフォンの進化によって、動画制作の環境は大きく変わりました。特に重要なのが画面収録機能の追加です。iOSでは2017年のiOS11から画面収録機能が追加されました。調べてみると2017年から追加になっているということで、これは結構大事なニュースだと言えます。

この画面収録機能の登場によって、ゲーム実況などのコンテンツが簡単に撮れるようになりました。以前はゲーム実況を行うには専用の機材や複雑な設定が必要でしたが、スマホ一台で完結できるようになったのです。

Androidについては2020年から画面収録機能がついたということで、iOSに比べて少し遅れての対応となりました。しかし、現在ではどちらのOSでも標準機能として画面収録が可能になっています。

縦動画時代の幕開け

そして、動画の世界に大きな変革をもたらしたのが縦動画の登場です。縦動画を象徴するプロモーションビデオとして、2016年に公開された作品が話題となりました。思ったよりも縦動画に対応したのが昔だったと驚く声もありますが、スマートフォンが普及してからで考えると、縦動画への対応は比較的遅かったと言えるかもしれません。

縦動画が主流になった背景には、画面の大きさによって視聴時間の平均が変わるという研究結果があります。画面が大きければ大きいほど視聴時間は長くなり、小さければ小さいほど短くなるという傾向があるのです。スマートフォンの画面は比較的小さいため、短い動画が好まれるようになったというわけですね。

確かにYouTubeの長い動画は自然とテレビで見ているという人も多いでしょう。スマホで映画など長い動画をあまり見ないという感覚は、多くの人が共感できるのではないでしょうか。やはりスマホの小さい画面で長時間の動画を見続けるのはきついですよね。

TikTokの歴史と成功の秘密

TikTokの歴史を紐解いてみましょう。TikTokの運営会社ByteDanceは、まずニュースアプリからスタートしました。その後ショート動画アプリを作り、さらに音楽アプリを買収して融合させていったのです。この戦略的な展開がTikTokの成功につながっています。

TikTokがなぜ成功したのか、その理由を理解することは非常に重要です。YouTubeがなぜショート動画において苦戦していたのかというと、検索に拾われにくいという問題がありました。YouTubeはチャンネル登録者数が多い方が有利であり、早く始めた人が有利という仕組みになっています。

しかし、TikTokのショート動画はこの構造を乗り越えました。TikTokでは新規参入者でも、コンテンツの内容が良ければバズることができるのです。おすすめに出る仕組みがキュレーションと深く関係しており、ユーザーの興味関心に基づいてコンテンツが推薦されます。

TikTokのCMで使われているキャッチコピー「君が次に好きなもの」というコンセプトが非常に大事です。このフレーズは、TikTokのアルゴリズムの本質を表現しています。投稿者の属性や過去の実績ではなく、コンテンツ自体の内容を基準に閲覧されるという特徴があるんですね。

確かにショート動画で知るコンテンツやYouTuberが多いという感想もあり、ショート動画は投稿者の属性に依存しているというより、コンテンツ自体の内容基準で閲覧される傾向があります。従来のYouTubeでは同じチャンネルの動画か検索した動画しか見ないという人も、ショート動画では新しいクリエイターを発見できるようになったわけです。

日本ブレイク工業の事例

ここで少し昔の事例を紹介しましょう。2003年に会社の歌を作って話題になり、CDも発売されたという日本ブレイク工業の例があります。これはまさにコンテンツの力でバズった先駆的な事例と言えるでしょう。当時はまだTikTokはありませんでしたが、面白いコンテンツは自然と広がっていくという原理は同じです。

瑛人さんの紅白出場とTune Core

瑛人さんという方がなぜ紅白に出場できたかという話も興味深い事例です。Tune Coreというサービスに登録すると世界配信ができるようになります。従来であればレコード会社と契約しなければ音楽を広く配信することは難しかったわけですが、Tune Coreのようなサービスを使えば個人でも世界に向けて楽曲を配信できるのです。

また、Tune Coreではボーカロイドのような曲も配信することができます。これによって、より多様な音楽クリエイターが活躍できる環境が整いました。

TikTokでバズった曲はYouTubeでもバズる傾向があるという指摘もあり、プラットフォーム間の相乗効果が生まれています。ショート動画で伸ばすという方法が主流になったと感じている人も多く、完全にその流れになったと言えるでしょう。

動画の長さの二極化現象

興味深い傾向として、動画の長さが二極化しているという現象があります。一昔前はYouTubeの横動画は10分程度の短めのものが多かった印象ですが、最近はショート動画が流行り、楽曲も短めのものが多い一方で、横動画は1時間程度の長いものが多くなっています。

これは大きな傾向の変化です。短いコンテンツはより短く、長いコンテンツはより長くという二極化が進んでいるわけですね。中途半端な長さの動画は埋もれやすくなっており、コンテンツ制作者はこの傾向を意識する必要があるでしょう。


各プラットフォームに広がるショート動画の波

Instagram、YouTube、TikTokの三つ巴

ストーリーズやリールといった機能は皆さんもよく知っていると思いますが、現在のショート動画市場はYouTube、Instagram、TikTokの3つでシェアを奪い合っている状況です。それぞれのプラットフォームがショート動画機能を強化し、ユーザーの獲得競争を繰り広げています。

各ショート動画プラットフォームでは音源の扱いについてもそれぞれ特徴があります。音楽著作権の問題もあり、使える楽曲や機能に違いがあるので、クリエイターは各プラットフォームの特性を理解した上でコンテンツを作成する必要があります。

YouTube Musicへのショート動画タブ追加

YouTube Musicにもショート動画タブがついており、音楽をスワイプで聴けるようになっています。従来の音楽アプリとは異なる、視覚的にも楽しめる音楽体験を提供しているわけですね。これはTikTokの成功を受けて、音楽の発見方法そのものが変化していることを示しています。

Twitter(X)もショート動画に参入

Twitter(現X)も動画、特にショート動画を取り入れてきました。ショート動画タブもiOSアプリには搭載されています。TwitterもTikTokのような仕組みを取り入れてほしいという声もありますが、現状では若干導入されているものの、まだ弱いという印象です。

Twitterは元々テキストベースのSNSとして発展してきたため、動画コンテンツへの対応は後発となっています。しかし、ショート動画の流行を無視することはできず、徐々に対応を進めている状況です。

Googleマップにもショート動画が登場

驚くべきことに、Googleマップにもショート動画が推されてきています。地図アプリにショート動画?と思われるかもしれませんが、場所の紹介やレビューをショート動画で見られるようになっているのです。これはショート動画というフォーマットがいかに普及しているかを示す好例と言えるでしょう。

Amazonのショート動画タブ「Inspire」

ショッピングモールの巨人Amazonもショート動画に参入しています。アメリカではショート動画タブの「Inspire」が始まっており、日本でどうなるか注目されています。

日本でもRufus(ルーファス)というAIのショッピングアシスタント機能がアプリについているのですが、その発表の際にショート動画タブがスクリーンショットで映っていました。このことから、日本でもショート動画タブの導入が近いのではないかと予想されています。

ショッピングとショート動画の組み合わせは、いわゆるライブコマースやソーシャルコマースの流れと関連しています。商品を動画で紹介し、そのまま購入につなげるという新しい買い物体験が生まれつつあるのです。

音楽生成AIのSunoにもショート動画

音楽生成AIのSunoにもショート動画タブがつきました。AIが生成した音楽をスワイプしながら探せるようになったということで、これはYouTube Musicに続いての動きですね。

AIが生成したコンテンツをショート動画形式で消費するという新しいスタイルが確立されつつあります。音楽制作の民主化とショート動画の普及が組み合わさることで、より多様な音楽体験が可能になっています。

動画生成AIのSoraもショート動画形式

OpenAIの動画生成AI「Sora」も、TikTokと同じインターフェースでコンテンツを閲覧できるようになっています。Soraが作ったコンテンツをスワイプしながら見ていくことができるわけです。

AIが生成する動画コンテンツがショート動画形式で提供されるというのは、非常に示唆的です。コンテンツの制作だけでなく、消費の仕方もAI時代に合わせて変化していると言えるでしょう。

ニコニコ動画のショート動画サービス開始

注目のニュースとして、ニコニコ動画が2025年12月9日にショート動画サービスを始めるという発表があります。これはかなり注目の動きで、ニコニコ動画の新たな挑戦となります。

長年日本の動画文化を牽引してきたニコニコ動画が、ショート動画市場に参入することで、どのような独自性を発揮するのか期待されています。弾幕文化などニコニコ動画ならではの要素がショート動画にどう取り入れられるのか、興味深いところです。これをきっかけにニコニコ動画をもう一回再開しようかなと考えている人もいるかもしれませんね。

PinterestとLINE VOOMは縮小傾向

一方で、すべてのプラットフォームがショート動画に積極的というわけではありません。Pinterestは逆にショート動画をやめるという動きになっており、縮小傾向にあります。

また、LINE VOOMも縮小傾向にあり、どうもショート動画事業を諦めたような状況です。LINEは日本で最も利用されているメッセージアプリですが、動画プラットフォームとしての展開は難しかったようです。

これらの事例は、ショート動画市場が競争激化の段階に入っており、すべてのプレイヤーが生き残れるわけではないことを示しています。


ライブ配信の進化と現在地

ライブ配信の三種の神器

ここからはライブ配信についてお話ししていきましょう。ライブ配信には「三種の神器」と呼べるものがあります。それは、ネット回線、カメラ、マイクの3つです。

スマートフォンにはこの3つすべてが標準搭載されています。しかし、PC版ではこれらが元々ついていないんですね。パソコンは有線回線に接続し、Webカメラやマイクは外付けで用意する必要があります。

スマートフォンが普及したことで、ライブ配信が一気に身近になったと言えます。特別な機材を用意しなくても、スマホ一台あればすぐにライブ配信を始められるようになったのです。

ライブ配信の進化:1.0から3.0時代へ

ライブ配信の歴史は、大きく3つの時代に分けることができます。

ライブ配信1.0時代は、お金を出さなければできない時代でした。例えば、三陸とれたて市場というサービスでは、2009年にホームページを作って300万円の予算をかけて海の上からライブ配信を行いました。当時はこれだけの投資が必要だったのです。

ライブ配信2.0時代は、パソコンで有線接続があればライブ配信ができる時代です。Ustreamなどのサービスが登場し、個人でもライブ配信が可能になりました。

ライブ配信3.0時代は、スマホで簡単にライブ配信ができる時代です。現在がまさにこの時代にあたります。誰でも、どこでも、手軽にライブ配信ができるようになりました。

スマホ対応で明暗が分かれたサービス

ライブ配信サービスの歴史を見ると、スマホ対応の早さが明暗を分けたことがわかります。

Ustreamは2007年にサービスを開始しました。ニコニコ生放送は2008年に開始。そしてツイキャスは2010年に開始しています。サービス開始時期だけを見れば、UstreamとニコニコLive放送の方が早かったわけです。

しかし、早く始めたはずのUstreamとニコニコ生放送は、スマホ対応が遅れたことによってその後うまくいきませんでした。一方、ツイキャスは現在も生き残っています。これはスマホ時代への適応の早さが勝敗を分けた典型的な例と言えるでしょう。

SNSのライブ配信機能参入

そうこうしている間に、Facebook、Twitter、LINE、Instagram、YouTubeといった大手SNSがライブ配信機能をつけました。これによって、ライブ配信市場の競争は一気に厳しくなっています。

今ではライブ配信アプリもたくさん出てきています。SHOWROOM、Pococha(ポコチャ)、ふわっちなど、いっぱい登場していますが、まだまだ群雄割拠という状況です。どのサービスが最終的に主流になるのか、まだ決まっていない状態と言えるでしょう。

Instagramライブの重要性

インスタライブについても触れておきましょう。Instagramのライブ配信がなぜ大事かというと、ストーリーズやフィード投稿よりもライブ配信が最も優先されるからなんです。

Instagramのアルゴリズム上、ライブ配信は最も目立つ位置に表示されます。フォロワーに対してリーチしたい場合、ライブ配信は非常に効果的な手段となります。

2025年ライブ配信ランキングの衝撃

ここで2025年のライブ配信ランキングについて紹介します。これは初出しの情報ですが、2025年のライブ配信で最も同時接続者数が多かったのは280万人でした。

この数字を聞いて「すごい!」と思うかもしれませんが、テレビの視聴率に換算すると約2.8%にしかなりません。1位だったのはAppleのiPhone発表イベントです。世界的な注目度を誇るAppleの発表会でさえ、テレビの視聴率に換算するとこの程度なのです。

一方、テレビでは1つの番組でまだまだすごい力を持っています。全体の視聴者数が減っているとか、そういうことはありますが、1つの番組だけで考えれば全然、まだ10%、20%の視聴率を取る番組があるわけです。

よく「テレビはオワコン」という人がいますが、全然そんなことはないということがこの数字からわかります。ライブ配信が成長しているのは事実ですが、テレビの影響力はまだまだ健在なのです。

24時間365日ライブ配信の事例

ライブ配信の面白い事例として、24時間365日YouTubeでライブ配信しているアカウントがあります。無料で配信できるからこそ、このような挑戦も可能になっているわけですね。おすすめのアプローチと言えます。

さらには、深夜でもTikTokライブをやっているという注目のアカウントもあります。時間帯を問わずライブ配信を行うことで、様々な視聴者層にリーチしようとしているのです。

また、1999年からホームページで24時間ライブをオンエアするページを追加している病院の例もあります。これは結構かわいらしいコンテンツで、長年続けられている点が素晴らしいですね。

さらに、2010年から接客の様子をYouTubeにアップし続けて6000本以上の動画を公開しているチャンネルもあります。継続は力なりという言葉を体現した事例と言えるでしょう。

AIライブ配信とライブコマース

中国ではAI生成インフルエンサーが24時間ライブ配信して稼ぎ続けているという事例があります。人間ではなくAIがライブコマースを行う時代がやってきているのです。

ライブコマースとは、ライブ配信をしながら商品を販売するスタイルのことです。中国では非常に盛んですが、日本でもこれから広がっていく可能性があります。AIを活用することで、24時間休みなく商品を紹介し続けることができるわけです。

切り抜き動画の功罪

タイパ(タイムパフォーマンス)重視の時代になり、切り抜き動画というものが出てきました。長いライブ配信や動画から面白い部分だけを切り取って短くまとめたコンテンツです。

しかし、切り抜き動画が禁止になるような動きが2023年ぐらいから出てきています。収益化されないとか、独自性があればOKといったルールが設けられています。収益化されないとなかなかみんなやらなくなるので、切り抜き動画の文化がどうなっていくのか注目されています。ただ、現時点ではまだ回っている印象もありますね。

Z世代の視聴傾向

Z世代のYouTube視聴傾向を見ると、VTuberや切り抜き動画が結構上位にいるという特徴があります。一方で、50代はテレビの影響を受けたチャンネルが人気という傾向もあります。世代によってコンテンツの好みが大きく異なることがわかりますね。

ビデオポッドキャストの台頭

音声だけのポッドキャストではなく、ビデオポッドキャストが人気になっているという動きもあります。映像付きのポッドキャストは、より多くの情報を伝えられるだけでなく、YouTubeなど動画プラットフォームでも配信できるというメリットがあります。

この話題については、音声ラジオ配信の回で詳しく説明される予定とのことです。

学生からの感想・質問への回答

講義では学生からの感想や質問にも答えています。いくつか紹介しましょう。

アンパンマン映画「命の星のドーリィちゃん」について、「TSUTAYAで借りて最初から全部見ます」「アンパンマン映画の中で3本指に入るぐらい好きでした」「本当何回見ても泣きます」という感想がありました。テーマを持つことの大切さを伝えるために紹介された映画ですが、やはり名作として多くの人の心に残っているようです。

「映画のジャイアンはいいやつですよね」というコメントもありました。ドラえもん映画でのジャイアンの変貌は有名ですね。

「動画よりもコメント欄が気になって動画を再生することあります」という感想は、現代の動画視聴スタイルを象徴しています。コメントを見る文化が根付いていることがわかります。

「ニコニコ動画のコメント職人や弾幕コメが流れていると一体感あって大好きです」という感想もあり、これで1つの作品が出来上がっていくという新しい文化が形成されていることがわかります。

「炎上商法とかもバズる仕組みに入っているのは考えてなくて面白いと思いました」という感想もありました。確かに、良くも悪くも話題になることがアルゴリズムに拾われる仕組みになっているのは興味深い点です。


おわりに

今回の講義では、ショート動画とライブ配信という2つの大きなテーマについて、その歴史から最新動向まで幅広く学びました。

ニコニコ動画から始まった日本独自の動画文化は、弾幕やコメント職人といった独特の要素を生み出し、現在も多くのファンに愛されています。一方で、TikTokの登場によってショート動画という新しいフォーマットが世界的に普及し、YouTube、Instagram、そしてAmazonやGoogleマップといった意外なプラットフォームにまで広がっています。

ライブ配信についても、スマートフォンの普及によって誰でも手軽に始められる時代になりました。しかし、テレビの影響力はまだまだ健在であり、AppleのiPhone発表会でさえ視聴率換算で約2.8%という数字は、メディアの力関係を冷静に見つめ直すきっかけになるでしょう。

これからの動画プラットフォームは、AIの活用やショート動画の進化によってさらに変化していくことが予想されます。ニコニコ動画のショート動画サービス開始や、AI生成コンテンツの増加など、注目すべきトピックは尽きません。情報リテラシーを高め、これらの変化に対応していくことが、現代を生きる私たちには求められています。


よくある質問(Q&A)

Q1. TikTokでバズるためのポイントは何ですか?

A1. TikTokでバズるポイントは、投稿者の知名度やフォロワー数ではなく、コンテンツ自体の面白さや価値にあります。TikTokのアルゴリズムは「キュレーション」の仕組みを採用しており、ユーザーの興味関心に基づいてコンテンツが推薦されます。「君が次に好きなもの」というTikTokのコンセプトが示すように、新規参入者でもコンテンツの質が高ければバズる可能性があります。チャンネル登録者数が重視されるYouTubeとは異なる点が、TikTokの大きな特徴です。

Q2. ニコニコ動画の「弾幕」とは何ですか?

A2. 弾幕とは、ニコニコ動画で動画の上に流れるコメントのことです。多数のコメントが一斉に流れる様子が、シューティングゲームの弾幕のように見えることからこの名前がつきました。視聴者が動画を見ながらリアルタイムでコメントを投稿でき、それが動画上に流れることで、他の視聴者と一体感を味わえるのが特徴です。コメント職人と呼ばれる人々がアスキーアートなどを使って独自の演出を行い、1つの作品として完成させていく文化も生まれています。

Q3. なぜショート動画がこれほど普及したのですか?

A3. ショート動画が普及した背景には、いくつかの要因があります。まず、スマートフォンの画面サイズに最適化された縦型フォーマットであること。次に、画面が小さいほど視聴時間が短くなるという傾向に合致していること。そして、タイムパフォーマンス(タイパ)を重視する現代人のライフスタイルに合っていることが挙げられます。また、TikTokのアルゴリズムによって新規クリエイターでもバズりやすい仕組みがあり、コンテンツの多様性が保たれている点も大きな要因です。

Q4. ライブ配信を始めるのに必要なものは何ですか?

A4. ライブ配信には「三種の神器」と呼ばれるネット回線、カメラ、マイクが必要です。しかし、現代のスマートフォンにはこれら3つすべてが標準搭載されているため、スマホ1台あればすぐにライブ配信を始めることができます。パソコンで行う場合は、有線のインターネット接続、Webカメラ、外付けマイクを別途用意する必要があります。より本格的な配信を行う場合は、照明や配信ソフト、グリーンバックなどの機材を追加することで品質を向上させることができます。

Q5. テレビはオワコンなのですか?

A5. テレビがオワコンというのは正確ではありません。2025年のライブ配信ランキングで1位だったAppleのiPhone発表会でも、同時接続者数は280万人で、テレビの視聴率に換算すると約2.8%に過ぎません。一方、テレビでは1つの番組で10%〜20%の視聴率を取る番組がまだまだ存在します。確かにテレビ全体の視聴者数は減少傾向にありますが、1つの番組単位で見れば、テレビはまだまだ大きな影響力を持っています。ライブ配信やショート動画が成長しているのは事実ですが、テレビの存在感は依然として大きいのです。

詳しくは15分の動画で解説しました。
https://www.youtube.com/watch?v=fuQWZK1eEFU

📱 ショート動画
縦型の短尺動画コンテンツのこと。TikTokの登場により爆発的に普及し、YouTubeショートやInstagramリールなど各プラットフォームが追随。検索に依存せずレコメンドで拡散されるため、新規参入者でもバズりやすい特徴がある。

💬 弾幕(だんまく)
ニコニコ動画で生まれた、動画上にコメントが流れる文化のこと。視聴者同士の一体感を生み出し、アーカイブでもリアルタイム視聴のような臨場感を味わえる日本独自の動画視聴スタイルとして定着した。

🎵 TikTok
中国発のショート動画プラットフォーム。「君が次に好きなもの」をコンセプトに、AIによるレコメンド機能でユーザーの好みに合った動画を次々と表示。音楽との親和性が高く、楽曲のヒットにも大きな影響力を持つ。

📺 ライブ配信
インターネットを通じてリアルタイムで動画を配信すること。スマホにネット回線・カメラ・マイクが標準搭載されたことで急速に普及。現在はYouTube、Instagram、ツイキャスなど多数のプラットフォームで利用可能。

🎤 ニコニコ動画
2006年に開始した日本の動画共有サービス。弾幕コメント機能が特徴で、2025年12月にショート動画サービスを開始予定。言論の自由が保たれた有料チャンネルへYouTubeから移行するクリエイターも多い。

🎬 画面収録
スマートフォンやPCの画面をそのまま録画する機能。iOSでは2017年、Androidでは2020年から標準搭載。ゲーム実況動画の制作が容易になり、動画コンテンツの多様化に貢献した。

🎶 Tune Core(チューンコア)
個人でも楽曲を世界中の音楽配信サービスに配信できるディストリビューションサービス。瑛人のヒットのきっかけとなり、ボーカロイド楽曲なども配信可能。インディーズアーティストの活躍の場を広げた。

✂️ 切り抜き動画
長時間の動画やライブ配信から面白い部分だけを編集して短くまとめた動画。タイパ(タイムパフォーマンス)重視のZ世代に人気だが、著作権問題から収益化禁止などの規制も進んでいる。

🤖 AIライブ配信
AI生成のインフルエンサーが24時間休みなくライブ配信を行う新しい形態。中国ではライブコマース(ライブ配信での商品販売)と組み合わせて収益を上げる事例が増加している。

📊 レコメンド(おすすめ)機能
ユーザーの視聴履歴や興味関心をAIが分析し、好みに合ったコンテンツを自動で提案する仕組み。TikTokの成功要因であり、チャンネル登録者数や投稿歴に関係なくコンテンツの質で勝負できる環境を生み出した。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

横田 秀珠のアバター 横田 秀珠 (新潟)公立長岡造形大学 情報リテラシー論 講師

ネットビジネス・アナリスト。未経験のIT企業に就職し、たった3年で独立し、2007年にITコンサルタント会社のイーンスパイア(株)を設立し現在に至る。All About ProFile全専門家で全国1位のコラム評価を獲得した実績を持つ。全国で年間200回を超える講演も行う。