情報リテラシー論16テスト・採点基準・模範解答’25長岡造形大学

Sunoのフォロワー数も
早すぎてキリ番を逃した(笑)
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1日2曲を作り続けて2026年2月24日時点で
累計935曲で公開902曲を作りました。
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さて、本題です。
恒例の長岡造形大学で行う
情報リテラシー論の講義は
最終回のテストでした。
https://www.nagaoka-id.ac.jp/about/academics/curriculum/liberal-arts/
採点基準と模範解答を解説しました。
https://www.youtube.com/watch?v=Y3FKBgRkOKw
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詳しくは以下をご覧ください。
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動画解説
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音声解説
https://www.youtube.com/watch?v=4cmxvhjtjJ8
スライド解説
https://www.youtube.com/watch?v=WbFHxvKToX4
リアル対話解説
https://www.youtube.com/watch?v=p8rak7N5CCc
キャラ対話解説
https://www.youtube.com/watch?v=Wuap-4Rlpvs
スライド
https://www.docswell.com/s/6534747/ZN9EW7-2026-02-28-013631
カルーセル
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漫画

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情報リテラシー論16テスト・採点基準・模範解答’25長岡造形大学
担当:横田秀珠講師 / 📅 2026年2月27日(金)放送
オンライン試験
ノート・AI・検索・友人
全員回答を学習→最大公約数
の網羅的模範解答
口頭メモ → スライド化 → 来年の学生へフィードバック
→ テキストが毎年どんどん最適化される!
検索広告モデルへの脅威
✅ 生成AI×検索統合
✅ 広告モデル再設計
🚧 収益ジレンマが最大ボトルネック
コモディティ化・コスト・責任
✅ 収益複線化(API/法人/サブスク)
✅ ガバナンス制度化
🚧 配布網を持たない弱さ
| 採点観点 | 配点 |
|---|---|
| 両者の危機の性質を区別して説明 | 2点 |
| Googleの施策(統合・信頼・収益再設計) | 2点 |
| Googleのボトルネック(広告カニバリ等) | 2点 |
| OpenAIの施策(差別化・社会実装・複線化) | 2点 |
| OpenAIのボトルネック(資源・配布・規制) | 2点 |
2025年に起きたSNS関連事件・ニュースのURLを1つ
→ 実在し内容が妥当な記事なら正解
情報リテラシーを知らない人でも利用できる
具体的なサービス・仕組みを考察
なぜそのサービスが有効かを論理的に述べる
→ 「正解はない」自由記述式
全授業範囲を理解していないと問題の意図が読めない
去年のニュースを知らないと答えられない
→ 試験前の一夜漬けでは対応不可な設計!
問題文 → 解答を考える
解答が提示 → 問題文を考える
モナリザ等の著作物 / ロボット
データ処理・再構成能力
⚠️ 監視・著作権リスク
赤ちゃんを抱く母・絵を描く人・家族の団欒
感情・倫理・創造性・熟考
🤝 AIと握手(共存)
| 採点観点 | 配点 |
|---|---|
| 画像読解力(左右・中央の象徴的意味) | 2点 |
| リスク理解(誤情報・著作権・プライバシー等) | 2点 |
| 情報リテラシー理解(「判断する力」として) | 2点 |
| 人間の役割(感情・倫理・創造性の重要性) | 2点 |
| AIと人間の共存を総合的に論じられている | 2点 |
誰が・いつ・どう作ったかを改ざん不能で記録。人間制作とAI生成を明確に区別できる
ノイズ挿入・機械可読タグ・ウォーターマークで無断学習を技術的に防止
AI生成時に参照した作品の貢献度を算出し、作者へ自動的に報酬分配
YouTubeの著作権識別システムのように、自作品と類似作品が上がったら通知
AIを代替ではなく補助として活用。試行錯誤のプロセスを記録し「人間ならではの価値」を可視化
「学生生活ではAIを相棒に調査・制作を効率化し、
出典確認と著作権・個人情報に配慮して発信。
卒業後も過信せず検証を習慣化し信頼される表現に活かす。」
100字のうち80字以上 → 満点
半分程度 → 半分の得点
「AIを使う」だけでなく
「検証・配慮・信頼」まで書けるとGood
来年度も継続予定。毎年アップデートされる授業が続きます。
情報リテラシー論16テスト・採点基準・模範解答’25長岡造形大学
新潟県長岡造形大学の「情報リテラシー論」第16回では、期末テストの採点基準と模範解答を公開。特徴的なのは、全学生の回答をAIに学習させて最大公約数の模範解答を生成する手法だ。テストはノート・検索・AI活用すべてOKで、「AIと人間の役割」「生成AIとアーティスト」「コードレッド宣言」など実践的な問いが出題された。授業は今年度でひとまず完結。
- はじめに
- 情報リテラシー論・第16回のテストとは?~授業概要とオンライン試験の全体像~
- AI時代の採点革命!模範解答の作り方と第1問・第2問の徹底解説
- 思考力を問うユニークな問題たち|第3問・第4問・第5問の解説
- 最終問題と全6問の合計点|授業の総まとめと来年度への展望
- おわりに
- よくある質問 Q&A
はじめに
みなさんは、大学のテストと聞いてどんな光景を思い浮かべますか?教室に集まって、シーンと静まり返った中で鉛筆を走らせる……そんなイメージが一般的ではないでしょうか。ところが、新潟県の長岡造形大学で行われている「情報リテラシー論」のテストは、まったく違う形式をとっています。ノート持ち込みOK、インターネット検索OK、ChatGPTに質問してもOK、友達に聞いてもOK——なんでもアリのオンライン試験なのです。「それ、テストになるの?」と思われる方もいるかもしれませんが、実はだからこそ「本当に理解しているかどうか」が問われる、とても高度な設計になっています。この記事では、2025年度の情報リテラシー論・第16回(完結編)として公開された、テストの採点基準と模範解答の内容を詳しくご紹介します。AI時代ならではの採点方法や、デザイン系大学生ならではのユニークな問題に、ぜひ注目してみてください。

情報リテラシー論・第16回のテストとは?~授業概要とオンライン試験の全体像~
新潟県の長岡造形大学にて、横田秀珠講師が担当している「情報リテラシー論」。この授業は2025年度を通じて全15回にわたって実施され、その締めくくりとして期末テストが行われました。今回の第16回の生配信(2026年2月27日)は、そのテストの採点基準と模範解答を公開する完結編として届けられました。本来は2月初旬に配信する予定でしたが、採点や成績処理が重なりギリギリになってしまったとのことです。それでも「学生が卒業する前に間に合わせたい」という思いから、2月末に公開されました。
テストはGoogleフォームを使ったオンライン形式で実施されました。その特徴的なルールは以下の通りです。
- ノート・教材の持ち込みOK
- インターネット検索(ググる)OK
- ChatGPTなどのAIへの質問OK
- 友人への相談もOK
「何でもアリ」に見えるこの試験形式ですが、これはまさに情報リテラシーの本質を問うための設計です。単純な暗記問題では意味がなく、「情報をどう使いこなすか」「AIをどう活用して考えるか」を試すためのスタイルになっています。
問題は全6問構成で、以下のような内容になっています。
- 第1問:第1回〜第15回の授業でスライドに書かれていない、講師が口頭でアドリブ的に話した内容を答える(10点)
- 第2問:GoogleとOpenAIがそれぞれ出した「コードレッド宣言」について論述する(10点)
- 第3問:情報リテラシー不足が関わるSNS事件のURLを挙げ、解決策となるサービスを考える(10点)
- 第4問:提示された画像を見て、その「答え」に対応する「問題文」を逆に考える(10点)
- 第5問:生成AI時代にアーティストの不安を解消するための技術を5つ挙げる(10点)
- 第6問:情報リテラシーの学びを卒業後にどう活かすかを100字以内で答える(8点)
合計58点満点という構成です。

AI時代の採点革命!模範解答の作り方と第1問・第2問の徹底解説
◆ AI時代の「模範解答」はこうして作られる
情報リテラシーを教える授業だからこそ、採点方法もAI時代に対応したユニークなものとなっています。従来であれば、講師が自分で模範解答を考えて採点するのが一般的です。しかし横田講師は「自分が考えた答えが本当に模範なのか?」という問いを立て、新しいアプローチを採用しました。
手順は以下のとおりです。
ステップ1:全受講生の回答をすべてAIに読み込ませる 全員が提出した回答を一括してAIに学習させ、「全員の最大公約数となる、いいとこ取りをした網羅的な答え」を生成させます。
ステップ2:生成された答えを模範解答として採用する AIが生成した最大公約数の答えが満点の模範解答となります。講師が補足が必要と感じた場合は手を加えますが、基本的には学生全員の知識が結集されたこのAI生成の回答が正解です。
ステップ3:模範解答との差分をAIが採点する 模範解答からどれだけ外れているかをAIがチェックし、減点方式で採点します。

この方法は、授業を聞いてさらにAIに質問した学生全員の集合知を反映しており、「本当の正解に近い」という考え方に基づいています。さらに、採点の副産物として「スライドに書いていなかったが口頭で話した重要な内容」が可視化されるため、翌年度のスライド改善にも役立てられます。このように「毎年テストを通じてコンテンツをアップデートしていく」という仕組みは、まさにAI時代のPDCAサイクルと言えるでしょう。

◆ 第1問の解説:「スライドにない口頭の話」を問う問題
問題文(要旨):第1回〜第15回の授業において、スライドには書かれていないが講師が口頭で補足した2025年度のニュース内容を5つ記載せよ。(10点満点・1項目1点)
この問題はほぼ毎年出される定番の形式です。AIツールや検索だけでは答えられず、「授業をきちんと聞いてメモしていたか」が問われる設計になっています。以下が模範解答として挙げられた内容です。
📌 AI・テクノロジー関連
- ディズニーとOpenAIが提携し、キャラクターのAI学習利用を認めた(投資額は約10億ドル)
- 動画生成AI「Sora」が一般公開され、招待コードなしでアプリ利用可能になった(一時無料キャンペーンあり)
- Sora2が一時期無料でダウンロードできた
- ChatGPTの「Thinkingモード」により、画像や情報から位置特定が可能になったことが話題に
- 画像生成分野で、ChatGPTよりGoogle Geminiの方が優秀になったという評価
- Google検索に「AIモード」が日本で提供開始
- Google検索の3D表示(AR機能)がサービス終了
- NotebookLMが、アップロード資料から音声解説や動画解説、インフォグラフィックで漫画を自動生成する機能を追加
- AIが大学共通テストをほぼ解けるレベルに達した
- Nano-Bananaの登場と、図解能力の高さが注目された
- Chrome拡張機能「BananaNL」が登場
- コンペの最優秀賞作品が、実はAI生成だった事例
- 画像認識精度の向上と、その限界についての話題
- SNS上でAIアカウントが増えすぎた結果、若者のSNS離れが進行
- AIは「ドラえもん型」から「ポケモン型(使い分ける存在)」という認識に変化

🎵 音楽・クリエイティブ分野
- 松任谷由実(ユーミン)がアーティスト史上初、AIとコラボした楽曲を発表しテレビ出演
- AI作曲家を学習させた音楽が、人間の本家作品を超えるクオリティになった事例
- アメリカでAIシンガーが音楽ランキング上位を席巻
- Suno AIが著作権問題で将来的に禁止される可能性があるというニュース
- Suno AIの無料プランで作成した音楽が、2026年途中からダウンロード不可になる予定
- アニメ「ダンダダン」に使用された楽曲がX JAPAN「紅」に酷似しているとしてYOSHIKIが言及
📰 メディア・プラットフォーム動向
- noteがアメブロを抜き、日本一のブログメディアになった
- noteで広告表示・収益化が開始された
- InstagramのUI変更により、DMがホーム画面中央に移動しDM特化型SNSへ
- X(旧Twitter)がディープフェイク対策を強化
- ライブ配信者の2025年同時接続数ランキングが話題に
- 紙の出版市場規模が1兆円を割り込んだ
- 先生(横田秀珠)のYouTube投稿数が日本一になった
⚠️ 詐欺・犯罪・リスク事例
- QRコードを利用した詐欺が急増
- 闇バイトのチラシが大学構内に置かれていた事例
- オレオレ詐欺がAI音声変換で本人の声を再現する危険性
- 合言葉を決めておく必要性があるという注意喚起
- 嘘の情報が検索結果1位になるケースが発生
- メールアドレスはHTMLや暗号化されていてもChatGPTが解読可能な場合がある
- SNS・YouTubeを通じて、投稿者が特定・逮捕された「つまようじ事件」
- ニコニコ生放送中の配信が原因で火災が発生した事故
🏢 企業・社会ニュース
- FM那覇が破産
- ルンバで有名なiRobot社が破産申請し、中国企業の傘下に入った
- Meta社が24時間常時録音デバイス「Limitless」を買収
- Samsung Galaxy Note7のバッテリー設計ミスによる発火事故
- Starlinkは窓際に近づくと電波強度が改善するという話題
- 200m通信を利用するには最低30Mbpsが必要という通信環境の話
📺 報道・演出・情報操作
- NHKが高市総理を報道する際、視聴者に不安を与える「ダッチアングル」を使用していた
- 高市内閣の映像構図が不安を煽るとして炎上
- Yahoo!天気が、Mrs. GREEN APPLEのライブ騒音問題の可視化に使われた
👤 その他の話題
- 「本のソムリエ」清水克衛氏の逝去
- 先生がモフリンのアプリをインストールしたというエピソード
これらの中から10個(5つ×2問形式)を挙げられれば満点となります。この問題が副産物として果たしている役割も重要です。「スライドにない内容」を可視化することで、翌年のスライドや教材に反映でき、年々コンテンツが充実していく仕組みになっています。

◆ 第2問の解説:GoogleとOpenAIの「コードレッド宣言」を比較論述する
問題文(要旨):Googleは2022年12月にコードレッド宣言を出した。一方OpenAIも2025年12月にコードレッド宣言を出した。両者が生き残るために何をすべきか、何がボトルネックとなるかをそれぞれ答えよ。(上限1000字・10点)
この問題は2023年に一度出題されており、それから3年後の現在に改めて問い直した形です。時代の変化を踏まえて同じテーマを問うことで、どれだけ深く理解できているかが問われます。

模範解答(要旨)
Googleについて
2022年12月のGoogleのコードレッド宣言は、生成AIが「検索=リンク提示」という中核価値と検索広告モデルを揺るがす危機への反応です。生き残るためには、検索企業から「信頼できる知識インフラ」へと転換し、生成AIを検索・YouTube・Android・Workspace・Cloudに深く統合して「目的達成(調べる→やり切る)」まで支援する体験を構築すべきです。具体的には次の3点が重要です。
- ① 回答に出典・更新性・反対意見を併記し、信頼を担保する
- ② フェイク・低品質情報の抑制
- ③ 広告をクリック前提から、会話・タスク内で自然に価値提示する形へ再設計する
ボトルネックとしては、AI回答が進むほど検索広告が共食いされる収益ジレンマ、巨大組織ゆえの意思決定の遅さ、誤情報発生時のブランド毀損リスクの3点が挙げられます。
OpenAIについて
2025年12月のOpenAIのコードレッド宣言は、普及拡大の裏で「コモディティ化・コスト・社会的責任」が限界に近づく危機を示しています。生き残るためには最高性能競争一本足から脱却し、次の3つを実現すべきです。
- ① 推論・エージェントなど「行動して成果を出す」領域での差別化
- ② 企業・専門領域の高品質データ確保とガバナンス(安全・著作権・説明責任)の制度化
- ③ API・法人・サブスクリプション等で複線の収益基盤を構築
ボトルネックは、計算資源・電力・資金調達への依存、配布網(OS・端末)を自前で持たない弱さ、規制と世論による成長制約の3つです。
総括:「Googleの敵は過去の成功、OpenAIの敵は未来の責任」であり、勝敗は技術だけでなく事業構造と社会信頼の設計によって決まります。
採点基準(各2点×5項目・10点満点)
| 観点 | 内容 |
|---|---|
| ① 前提理解 | GoogleとOpenAIの危機の性質を区別して説明できているか |
| ② Googleの施策具体性 | 検索×生成AI統合、信頼設計、収益モデル再設計が具体的か |
| ③ Googleのボトルネック妥当性 | 広告カニバリ・意思決定遅延・ブランド責任を押さえているか |
| ④ OpenAIの施策具体性 | 差別化軸・社会実装・収益複線化が整理されているか |
| ⑤ OpenAIのボトルネック妥当性 | 計算資源・配布網不足・規制など「持続性の壁」を論じているか |
横田講師自身も「この答えをAIが考えてきたものに対して、もう何も言えない」と驚きを示すほど完成度の高い模範解答となりました。

思考力を問うユニークな問題たち|第3問・第4問・第5問の解説
◆ 第3問の解説:情報リテラシー不足が招いたSNS事件を調べ、解決策を提案する
問題文(要旨):情報リテラシー論(第2〜14回)を学んでいないがゆえに2025年に起きたSNS関連の事件・ニュースのURLを1つ挙げよ。その後、同じことが繰り返されないように情報リテラシーを学んでいない人でもサポートできるサービスとは何か?理由も答えよ。(上限1000字・10点)
この問題は非常に難易度が高い設計になっています。授業全体の内容を把握していないと問題の意味すら理解できないため、テスト直前に詰め込んで対応するのは難しい問題です。また「2025年に起きた」という条件があるため、実際に起きたニュースをリアルタイムで把握していない場合、調べること自体が大変です。
採点のポイントは3点です。
- URLの妥当性(2点):実際に起きたSNS関連の事件・ニュースのURLが適切に挙げられているか
- サービスの内容(4点):提示されたニュースの問題に対応できるサービスが合理的に考えられているか(正解はなく、オリジナルな提案でOK)
- 理由の妥当性(4点):そのサービスが問題解決に有効だという理由が論理的に述べられているか
「正解がない問題」という点がこの問いの最大の特徴です。情報リテラシーの授業全体を通じて培った思考力を総動員し、現実の問題に対して自分なりのソリューションを提案する能力を測っています。

◆ 第4問の解説:「答えから問題を逆算する」逆転発想の問題
問題文(要旨):添付された画像(AIと人間の関係を描いたイラスト)に対する解答として表現されていた場合、情報リテラシー論の理解度を測る上で最適な問題文を考えろ。(上限1000字・10点)
通常のテストは「問題→解答」という流れですが、この問題は「解答→問題」という逆方向の思考を求めています。AIに「問題文を作れ」と指示することは難しいため、純粋な読解力・思考力・表現力が問われる設計です。
添付された画像の内容
- 左側:モナリザなどの芸術作品とAIロボットが共存し、握手している様子
- 右側:赤ちゃんを抱えるお母さん、絵を描く人、家族の団欒の様子、考えるポーズの男性

模範解答(要旨)
この画像は、情報社会におけるAIと人間の役割の違いと相互補完関係を象徴しています。
左側のAIの世界は、膨大なデータを高速に処理・生成し、既存の情報や著作物を再構成する能力を示している一方で、監視・管理・著作権・プライバシーといったリスクも内包しています。
一方、右側は、人間にしか担えない感情の共有・倫理的判断・創作の苦悩・家族や社会的関係性といった営みを示しています。これらは効率化できないものですが、情報の価値や意味を決定づける重要な要素です。
AIを過信し情報リテラシーを欠いた場合、誤情報の拡散・創作者の権利侵害・価値判断の放棄・思考停止といった問題が生じる可能性があります。だからこそ人間は、情報の出所や意図を検証し、倫理や社会的影響を考慮した上でAIを活用する主体であり続ける必要があります。
情報リテラシーとは単なる操作スキルではなく、AIの利便性と限界を理解し、人間の価値判断によって情報を取捨選択し、AIと協調的に社会を形成していく能力のことです。
採点基準(各2点×5項目・10点満点)
| 観点 | 内容 |
|---|---|
| ① 画像読解力 | 左右・中央の象徴を適切に読み取れているか |
| ② リスク理解 | 誤情報・著作権・プライバシー・依存などを具体的に指摘しているか |
| ③ 情報リテラシー理解 | 「使える」ではなく「判断する力」として説明できているか |
| ④ 人間の役割 | 感情・倫理・創造性・熟考の重要性を論理的に説明できているか |
| ⑤ 総合性・論理性 | AIと人間の共存を全体として統合して論じているか |
デザイン系の大学ならではの問題として、「デザイナーとしてこの絵を見て感じたことから問題文を考える」というアプローチも有効だと横田講師は述べています。画像認識AIを活用して答えを出させた後、それをもとに問題文を考えるという方法も想定される中、いかに「自分の頭で考えたか」が評価のカギになります。

◆ 第5問の解説:生成AI時代にアーティストの不安を解消する5つの技術
問題文(要旨):生成AIによる画像・動画・漫画・音楽などの作成が簡単にできる時代に、デザインなどのアーティスト活動を続けていく者として、どのような技術が開発されれば不安要素が解消されるか?5つ挙げ、その理由も述べよ。(上限1000字・10点・2点×5項目)
これからデザイナーとして社会に出ていく学生たちにとって、生成AIの台頭は大きな不安要素のひとつです。授業内でもこのテーマは繰り返し取り上げられており、「自分たちにはどんな技術があれば安心して活動できるか」を考えさせる非常に実践的な問いです。

模範解答(5つの技術)
① 創作物の真正性・来歴を証明する技術(プロベナンス/C2PAなど) 誰が、いつ、どのような過程で制作したかを改ざん不能な形で記録・確認できる技術です。人間制作とAI生成を明確に区別できるため、なりすましや無断転載、「これはAI作品ではないか」という疑念を防ぎ、作品と作者の信頼性を守ることができます。
② AI学習の可否を作者が制御できる技術(学習拒否・同意管理) 作品ごとにAI学習の許可・拒否を選択でき、無断学習を技術的に防止する仕組みです。ノイズ挿入や機械可読なタグ、ウォーターマークの高度化により、自分の画風や個性を勝手に模倣される不安を軽減できます。
③ 学習・参照に応じた対価還元と追跡技術 AIが学習・生成時に参照した創作物の貢献度を算出し、作者へ自動的に報酬が分配される技術です。創作物の利用が「搾取」ではなく「ライセンス」として成立することで、経済的不安や不公平感を解消できます。
④ 類似度検出・盗用警告・AI生成識別技術 既存作品との過度な類似やIP侵害の可能性を自動検知し、公開前後に警告する技術や、AI生成物に自動ラベリングを行う仕組みです。意図しない盗用や炎上を防ぎ、市場や評価の混乱を抑えることができます。YouTubeが類似コンテンツを認識するサービスを開始しているように、Googleが同様の機能を一般クリエイター向けに提供してくれれば理想的です。自分の作品を登録しておくと、似た作品がアップされた際に通知が来る——そんな仕組みが普及すれば、アーティストは大きな安心感を得られるでしょう。
⑤ 人間の創作を拡張・評価する協働型AIとプロセス可視化技術 AIを代替ではなく補助として用い、発想支援や作業効率化を行う技術です。試行錯誤や制作プロセスを記録・評価できれば、「時間」「文脈」「判断」といった人間ならではの価値が可視化されます。noteのような平台がすでにその仕組みに取り組んでいる点も評価のポイントとして挙げられます。
これら5つの技術が社会実装されることで、生成AIは脅威ではなく、権利と創造性を守った上で共存できる道具となり、アーティストは安心して表現活動を追求できるようになります。

最終問題と全6問の合計点|授業の総まとめと来年度への展望
◆ 第6問の解説:情報リテラシーの学びを今後にどう活かすか(100字・8点)
問題文(要旨):情報リテラシーの学びを、あなたの学生生活や卒業後にどのように活かしたいか述べよ。(上限100字・8点)
全問題の最後を締めくくるこの問いは、授業全体を通じて得た学びを自分の言葉で表現することを求めています。内容が書かれていれば基本的に満点に近い点数が得られる問題ですが、100字という制約の中でどれだけ的確に表現できるかも問われます。
模範解答
「学生生活ではAIを相棒に調査・制作を効率化し、出典確認と著作権・個人情報に配慮して発信。卒業後も過信せず検証を習慣化し信頼される表現に活かす。」
採点基準は、100字のうち8割以上が書かれていれば満点、半分程度であれば相応の点数という形です。単純に文字を埋めるのではなく、「情報リテラシーを学んだ人間ならではの視点」が盛り込まれているかどうかが評価のポイントになります。

◆ 全6問の合計点と授業のまとめ
6問すべての配点を合わせると、以下のようになります。
| 問題 | テーマ | 配点 |
|---|---|---|
| 第1問 | スライドにない口頭の話 | 10点 |
| 第2問 | GoogleとOpenAIのコードレッド宣言比較 | 10点 |
| 第3問 | SNS事件のURL提示と解決策提案 | 10点 |
| 第4問 | 画像から問題文を逆算する | 10点 |
| 第5問 | アーティストの不安を解消する5つの技術 | 10点 |
| 第6問 | 情報リテラシーの学びを活かす方法 | 8点 |
| 合計 | 58点 |
2025年度の情報リテラシー論は、この第16回をもって完結となりました。横田講師は「毎年やっていて、自分自身も成長しなきゃいけないと感じさせられる非常にいい授業」と振り返っています。そして来年度も引き続き授業を行うとのことで、テストの問題・採点・模範解答をAIとともに毎年磨き続けていく仕組みは、まさに「情報リテラシーの実践そのもの」と言えます。

おわりに
今回は、長岡造形大学の「情報リテラシー論」第16回・完結編として公開された、テストの採点基準と模範解答の全容をご紹介しました。この授業が特に印象的なのは、「何でもアリ」のオンライン試験形式でありながら、AIや検索に頼るだけでは太刀打ちできない深い思考力を要求している点です。また、模範解答をAIと学生の集合知から作り出すというアプローチは、AI時代の教育のあり方として非常に示唆に富んでいます。AI生成AIによる脅威やSNSリスク、デザイナーとしての生き方など、2025年の社会情勢を反映したテーマが盛り込まれており、単なる知識のインプットにとどまらず「考える力」「情報を使いこなす力」を養う授業設計が随所に感じられました。この記事を通じて、情報リテラシーの重要性と、AI時代における学びの新しい形について、何かひとつでもヒントを持ち帰っていただければ幸いです。来年度の情報リテラシー論にも注目していきましょう。

よくある質問 Q&A
Q1. 「情報リテラシー論」のテストはどんな形式ですか?
A. Googleフォームを使ったオンライン試験形式です。ノート・教材の持ち込みはもちろん、インターネット検索・ChatGPTなどのAIツールの活用・友人への相談もすべて許可されています。「何でもアリ」に見えますが、だからこそ「ただ調べればわかる問題」ではなく、自分の頭で深く考え、理解していないと答えられない問題が出題されます。
Q2. 模範解答はどのようにして作られているのですか?
A. 横田講師独自の方法で、全受講生の回答をすべてAIに読み込ませ、「全員の最大公約数・いいとこ取りをした網羅的な答え」をAIに生成させています。その結果が模範解答となります。「自分が考えた答えが本当に模範なのか」という問いに対して、授業を受けてAIも活用した学生全員の集合知こそが最も正確な正解に近いという考え方に基づいています。
Q3. 第4問の「答えから問題を逆算する」という形式は、なぜAI対策になるのですか?
A. 通常のテストでは「問題→解答」という流れのため、AIに問題文を入力すれば答えを出させることができます。しかし「解答(画像)→問題文を考えよ」という逆転発想の問いは、AIに直接解かせることが難しくなります。まず画像認識で内容を読み取り、その上で「どんな問いかけをすればこの答えが引き出せるか」を考える必要があるため、純粋な思考力と表現力が問われる設計になっています。
Q4. 第5問で「アーティストの不安を解消する技術」として挙げられた5つとは何ですか?
A. 模範解答として提示された5つは、①創作物の真正性・来歴を証明する技術(C2PAなど)、②AI学習の可否を作者が制御できる技術(学習拒否・同意管理)、③学習・参照に応じた対価還元と追跡技術、④類似度検出・盗用警告・AI生成識別技術、⑤人間の創作を拡張・評価する協働型AIとプロセス可視化技術、の5つです。これらが社会実装されることで、アーティストはAIを脅威としてではなく、権利と創造性を守りながら共存できる道具として活用できるようになると述べられています。
Q5. 来年度もこの授業は続きますか?また、授業内容は毎年変わりますか?
A. はい、横田講師は来年度も情報リテラシー論を継続すると明言しています。また、授業内容は毎年アップデートされます。テストの問題・採点・模範解答を通じて「スライドに書かれていなかった口頭の話」を可視化し、翌年のスライドや教材に反映していく仕組みを採用しているため、毎年コンテンツが充実・最適化されていきます。AIとともに授業そのものをPDCAサイクルで磨き続けるという、まさに情報リテラシー実践の場となっています。
詳しくは15分の動画で解説しました。
https://www.youtube.com/watch?v=7ubRoACSaZE
0:00 🎓 導入・情報リテラシー論第16回テストの概要
1:07 📝 テスト形式と出題問題の紹介
2:11 🤖 AIを活用した採点基準・模範回答の作り方
3:17 📋 第1問:スライドにないアドリブ内容を答える問題
4:23 🔍 第2問:GoogleとOpenAIのコードレッド宣言と生き残り戦略
6:36 📰 第3問:SNS関連事件のURLと情報リテラシー未修者向けサービス
7:42 🖼️ 第4問:画像から問題文を逆に考える斬新な出題
9:48 🎨 第5問:AI時代にアーティストが求める技術を5つ挙げる
13:02 💡 第5問の模範回答(著作権保護・AI共同作業技術など)
14:08 ✍️ 第6問:情報リテラシーの学びを学生生活・卒業後に活かす
14:30 🏁 まとめ・授業完結と来年への展望
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情報リテラシー論16テスト・採点基準・模範解答’25長岡造形大学

🔴 コードレッド宣言 GoogleやOpenAIが危機的状況に際して社内に発した緊急警告のこと。Googleは2022年、生成AIの台頭による検索広告モデルの崩壊を懸念して宣言。OpenAIは2025年にコスト・コモディティ化・社会的責任の限界に際して宣言。企業存続をかけた戦略転換の必要性を示すキーワード。
🤖 生成AI テキスト・画像・音楽・動画などを自動生成する人工知能の総称。ChatGPTやGemini、Soraなどが代表例。本授業では生成AIをテスト採点や模範解答作成に活用する「AI時代の教育」の文脈でも登場し、学習・創作・検索など幅広い分野に変革をもたらしている。
📝 情報リテラシー 単なるデジタル操作スキルにとどまらず、情報の出所や意図を批判的に検証し、倫理や社会的影響を踏まえてAIを主体的に活用する能力のこと。授業の根幹テーマであり、誤情報・著作権・プライバシーなどのリスクに対応するための思考力・判断力を指す。
⚖️ 著作権 創作物に対して作者が持つ排他的な権利。生成AIが既存作品を無断学習・模倣する問題が深刻化しており、Suno AIの訴訟リスクやコンペでのAI生成作品の受賞問題など多くの事例が授業で紹介された。アーティストが安心して活動するための法的・技術的対策が急務となっている。
🎨 プロベナンス(C2PA) 作品の制作者・制作日時・制作過程を改ざん不能な形で記録・証明する技術。Content Credentials(C2PA規格)などが代表例。人間制作かAI生成かを明確に区別し、なりすましや無断転載を防ぐ。生成AI時代にアーティストの信頼性と権利を守る重要な技術として注目されている。
🔎 AIモード(Google検索) Googleが日本でも提供を開始した、検索結果をAIが要約・回答形式で提示する機能。従来のリンク一覧型検索から「答えを直接出す」形式への転換を象徴し、検索広告モデルへの影響が懸念される。情報リテラシーの観点では、出典確認の重要性がより一層高まっている。
🎵 Suno AI テキスト入力だけで楽曲を自動生成できるAI作曲サービス。無料プランの音楽が2026年途中からダウンロード不可になる予定や、著作権問題での将来的な禁止リスクが話題に。AI作曲家が人間の作品を超えるクオリティになった事例とともに、音楽業界への影響を象徴するサービスとして授業で紹介された。
⚠️ ディープフェイク AIを用いて人物の顔・声・映像をリアルに合成・改ざんする技術。オレオレ詐欺でAI音声変換により本人の声を再現する犯罪事例が増加し、X(旧Twitter)も対策を強化。本物と偽物の判別が困難になる時代において、情報の真偽を見極める情報リテラシーの必要性を強く示している。
📊 最大公約数型採点 全学生の回答をAIに学習させ、共通して含まれる優れた要素をまとめた答えを模範解答とする採点手法。教員個人の主観に頼らず、集合知を活用することで客観的かつ網羅的な基準を生成できる。AI時代の教育評価における新しいアプローチとして本授業で実践されている。
🖼️ NotebookLM Googleが提供するAI搭載のノートアプリ。アップロードした資料をもとに音声解説・動画解説・インフォグラフィック・漫画を自動生成する機能が追加され、授業でも紹介された。学習コンテンツの自動生成ツールとして教育・研究分野での活用が急速に広がっており、情報整理の効率化を大きく変えつつある。
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情報リテラシー論16テスト・採点基準・模範解答’25長岡造形大学
情報リテラシーとは何か?定義と重要性を理解する
情報リテラシーとは、膨大な情報があふれる現代社会において「必要な情報を見つけ、正しく評価し、適切に活用し、責任を持って発信する能力」のことです。単にパソコンやスマートフォンを操作できるというITスキルとは異なり、情報の真偽を見極める批判的思考力・情報倫理・情報活用能力という複合的なスキルセットを指します。文部科学省は情報リテラシーを「課題や目的に応じて情報手段を適切に活用することを含め、必要な情報を主体的に収集・判断・表現・処理・創造し、受け手の状況などを踏まえて発信・伝達できる能力」と定義しています。2025年から大学入学共通テストに「情報」が新教科として加わったことからも、この能力の重要性は国家レベルで認識されていることがわかります。情報リテラシーの欠如は、フェイクニュースへの感染、詐欺被害、プライバシー侵害、著作権トラブルなど、日常生活に直結したリスクを招きます。だからこそ、大学のカリキュラムにおける「情報リテラシー論」は、専門分野を問わず全学生が習得すべき必修の教養として位置づけられるようになっているのです。
情報リテラシー論が大学教育で扱われる理由と背景
情報リテラシー論が大学の正規科目として整備されてきた背景には、インターネットとSNSの急速な普及があります。現代の学生、いわゆる「デジタルネイティブ世代」は幼少期からスマートフォンに親しんでいますが、情報を受信する量と質の両面でリテラシーが育っているかは別の問題です。Web上のアルゴリズムは、ユーザーが好む情報を優先的に届ける仕組みになっているため、自分の価値観に合った情報ばかりに囲まれる「フィルターバブル」や「エコーチェンバー」という現象が深刻化しています。また、QRコードを使った詐欺の急増、AI音声でオレオレ詐欺が本人の声を再現するなど、技術の進化に伴って詐欺・犯罪の手口も高度化しています。さらに、SNSやYouTubeへの投稿が原因で個人が特定・逮捕される事例も後を絶ちません。大学が情報リテラシー論を開講する目的は、こうした現代社会のリスクに対して学生が自衛できる判断力を養うことにあります。知識として知っているだけでなく、日常的な行動に落とし込める実践的な学びが求められているのです。
AI時代における情報リテラシー論の最新トレンド
生成AIの登場が情報リテラシーに与えた影響
ChatGPTをはじめとする生成AIの登場は、情報リテラシーの概念を大きく塗り替えました。かつての情報リテラシーは「正しい情報を探す力」が中心でしたが、今や「AIが生成した情報の信頼性を見極める力」が新たな核心となっています。生成AIは膨大な学習データを元に非常に流暢な文章を生成しますが、事実と異なる情報を自信満々に提示する「ハルシネーション(幻覚)」という問題を抱えています。嘘の情報が検索結果の1位になるケースも実際に起きており、AIが生成したコンテンツを無批判に信じることの危険性が社会問題となっています。また、画像生成AIや動画生成AIの精度向上により、実在しない人物の映像や発言を捏造した「ディープフェイク」の拡散も深刻です。AIの「Thinkingモード」では、画像や情報から位置情報の特定まで可能になりました。こうした技術環境の中で求められる情報リテラシーとは、AIツールの便利さを享受しながらも、出典を確認し、複数の情報源で検証し、倫理的な判断を下す能力です。AI時代だからこそ、人間が情報の最終的な判断者でなければならないのです。
AIを活用した新しい授業設計・採点手法の実例
AI時代の情報リテラシー論では、AIを排除するのではなく「AIと共に学ぶ」という新しいアプローチが広がっています。その先進的な実例として、新潟県の長岡造形大学で実施されている情報リテラシー論の授業が注目されます。同授業では、試験においてノート持ち込みはもちろん、Google検索、ChatGPTへの質問、友人への相談まで一切禁止せず、すべて許容したうえで出題しています。これはAIを使っても簡単には答えられない「真の理解力」を問う問題設計が前提となっています。さらに、採点・模範解答の作成においても革新的な手法を採用しています。全受講生の回答をAIに学習させ、全員の最大公約数となる「最も網羅的で質の高い答え」を自動生成し、それを模範解答とする方法です。教員が一人で考えた答えよりも、授業を受けた学生全員の集合知が反映された答えの方が精度が高いという逆転の発想です。このように、情報リテラシー論そのものの授業設計にAIが積極的に組み込まれることで、学生はAIリテラシーを実践の中で習得できます。これこそがAI時代に求められる教育の姿といえるでしょう。
SNSリテラシーと現代社会のリスク
SNSが引き起こすリスクと情報発信の注意点
SNSは情報発信・受信のインフラとして社会に深く浸透していますが、それに伴うリスクも増大しています。情報リテラシー論の授業で取り上げられる重要なテーマの一つが、SNSに関連する事件・事故の分析です。たとえば、YouTubeやSNSへの投稿がきっかけで投稿者が特定・逮捕される「つまようじ事件」のような事例は、発信者が情報リテラシーを欠いていたことが原因です。また、ニコニコ生放送中の配信が原因で火災が発生した事故、ディープフェイク対策を強化しているXの動向など、SNS上のリスクは多岐にわたります。特に近年問題になっているのが、AIアカウントの増加による若者のSNS離れです。SNS上のコンテンツがAI生成ばかりになると、人間同士の本物のコミュニケーションが失われ、プラットフォーム自体の価値が低下します。情報リテラシー論で学ぶべきは、SNSの発信にあたって「個人情報の保護」「著作権の遵守」「誤情報の拡散防止」「炎上リスクの回避」という4つの柱です。自分の投稿が世界中に公開される可能性を常に意識し、発信前に一度立ち止まって確認する習慣が、現代人に不可欠なリテラシーです。
フェイクニュース・詐欺情報の見分け方と対処法
フェイクニュースや詐欺情報を見抜く力は、情報リテラシーの最重要スキルのひとつです。日本国内でも、嘘の情報が検索結果の上位に表示されるケースが現実に発生しており、検索エンジンを信頼するだけでは不十分な時代になりました。特に注意が必要なのがQRコードを使った詐欺です。街中の看板やメールに添付されたQRコードを読み込むと偽サイトへ誘導され、個人情報やクレジットカード情報が盗まれる被害が急増しています。また、AI音声変換技術を悪用してオレオレ詐欺に本人の声を使うケースも報告されており、「家族の声だから信用できる」という常識が通じない時代になりました。対策としては、家族間で「合言葉」を決めておくという方法が有効です。フェイクニュースの見分け方としては、発信源を確認する・複数のメディアで情報を照合する・専門機関のファクトチェックサイトを利用するという3ステップが基本です。さらに、メールアドレスはHTMLで暗号化されていてもAIが解読できる場合があるという技術的な知識も、情報リテラシーとして押さえておく必要があります。情報を受け取ったとき「本当にこれは正しいか?」と問いかける批判的思考こそが、詐欺やフェイクニュースへの最大の防衛策です。
メディアリテラシーとデジタル社会の変容
メディアリテラシーとは何か?情報リテラシーとの違い
情報リテラシーと混同されやすい概念に「メディアリテラシー」があります。情報リテラシーが「情報そのもの」を見極め活用する能力を指すのに対し、メディアリテラシーは「メディア(報道・テレビ・新聞・SNS等)がどのような意図や構造で情報を発信しているかを批判的に読み解く能力」を指します。たとえば、カメラアングルや映像の切り取り方、見出しの付け方によって、同じ事実でもまったく異なる印象を視聴者に与えることができます。ニュース映像において「ダッチアングル(斜め構図)」を使うと視聴者に不安感を与えるという演出技法は、メディアリテラシーを学ぶ上での典型的な事例です。また、紙の出版市場規模が1兆円を割り込んだことに象徴されるように、情報の主戦場はデジタルへ移行しており、noteがアメブロを抜いて日本一のブログメディアになるなど、プラットフォームの力学も変化し続けています。こうした変化を踏まえながら、私たちはメディアが提示する「枠組み」や「文脈」を意識的に読み解く訓練が必要です。情報リテラシー論の中でメディアリテラシーを同時に学ぶことで、情報社会を主体的に生きる力が養われます。
AI・SNSが変えるコンテンツ産業とクリエイターの未来
生成AIの急速な普及は、音楽・イラスト・映像・文章といったクリエイティブ産業に革命的な変化をもたらしています。AI作曲サービスが登場し、人間のアーティストの楽曲に匹敵するクオリティの音楽が自動生成されるようになりました。またコンペの最優秀賞作品がAI生成だった事例も明らかになっており、クリエイターとしてのアイデンティティや著作権の問題が深刻化しています。情報リテラシー論では、こうしたAI時代のクリエイターが抱える不安を解消するための技術的アプローチも取り上げられます。具体的には、創作物の来歴を証明するC2PA技術、AI学習の可否を作者が制御できる学習拒否・同意管理システム、学習データへの対価還元技術、類似度検出・盗用警告技術、そして人間の創造性を拡張する協働型AIの活用などが挙げられます。AIは人間の仕事を奪うのではなく、人間の創造性を補助・拡張するツールとして位置づけられる視点が重要です。「AIをドラえもん型(なんでもできる万能ロボット)から、ポケモン型(特性の異なる複数のAIを使い分ける存在)として認識する」という考え方の変化は、クリエイターがAIと共存するための新しいリテラシーの枠組みを示しています。
情報リテラシー論の実践的な学び方と活かし方
大学の情報リテラシー論で何を学ぶべきか?授業構成の実例
情報リテラシー論の授業は、大学によって内容や形式はさまざまですが、現代の優れた授業にはいくつかの共通した要素があります。まず、最新のIT・AI・SNSトレンドを授業に積極的に組み込むことです。授業スライドで扱う体系的な知識だけでなく、「今この瞬間に起きていること」を素材に使うことで、情報リテラシーを生きた知識として習得できます。動画生成AI「Sora」の一般公開、Google検索への「AIモード」導入、NotebookLMによる音声・動画・漫画の自動生成といった最新情報を授業に組み込む実例は、学習意欲を高めるうえでも効果的です。次に、受動的な講義だけでなく、アウトプットを重視する設計が重要です。レポートや試験において、「AIを使っても解けない問い」を設計することで、学生は本質的な思考力を鍛えられます。また、実際のSNS事例や詐欺被害の事例をリアルタイムで分析する演習も有効です。情報リテラシー論を通じて身につけるべき最終ゴールは、「情報を信じる力」ではなく「情報を疑う習慣と、それでも行動できる判断力」のバランスです。この力を養うことが、卒業後も一生使えるリテラシーの土台となります。
情報リテラシーを日常生活・仕事に活かす具体的な方法
情報リテラシー論で学んだ知識を日常生活や仕事に落とし込む方法は、意識の置き方次第で無数にあります。まず最も基本的な実践として、情報に接するたびに「この情報の発信源はどこか」「この情報は誰の利益になるか」「他のメディアでも同様に報道されているか」という3つの問いを習慣にすることが挙げられます。SNSを使う際は、投稿前に「これを見た人にどのような影響を与えるか」「個人情報が含まれていないか」「著作権・肖像権を侵害していないか」を一度確認する癖をつけましょう。AIツールを使う場面では、生成された情報を鵜呑みにせず、一次情報や専門機関のデータで必ず検証することが重要です。仕事においては、情報リテラシーは資料作成・プレゼン・マーケティング・顧客対応など、あらゆる場面で競争力の源泉となります。また、AI時代には「自分が生み出した価値」を証明する能力が求められるようになるため、制作プロセスの記録・公開や、出典を明示した発信スタイルを身につけることが有利に働きます。情報リテラシーは一度学んで終わりではなく、技術の変化に合わせて継続的にアップデートしていく「生涯学習」であるという認識を持つことが、AI時代を主体的に生き抜く最大のヒントです。
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