GoogleAIStudioのURL context・Grounding withGoogleSearch

「新潟を代表する企業100選」に
掲載されそうになったけど(笑)
イーンスパイアの横田です。
https://www.enspire.co.jp

Zoomで話を聞くとビジネスモデルよく分かったので、
丁重にお断りしました。ウェブサイトで面白いSEOの
事例を見つけたのでアリとします(笑)
さて、本題です。
Google AI Studio
https://aistudio.google.com/
について過去にも解説してきましたが
2025年6月にURL context toolが追加、
それ以外のToolsについても解説しました!
https://www.youtube.com/watch?v=N4zJSLJlqJk
Google AI StudioのURL context toolとGrounding with Google Searchが追加
URLを最大20個まで入力して、それらのページ内容を統合分析できる革新的機能です。
リアルタイムのGoogle検索を活用して、最新情報を取得・分析する機能です。
競合上位20サイトのURLを入力 → 全ての内容を統合した包括的記事を自動生成 → SEO効果の高いコンテンツが完成
複数の商品ページのURLを入力 → 価格・機能・レビューを自動比較 → 購入判断に役立つ比較表を生成
関連サイトから FAQ を生成 → ショート動画の台本作成 → コンテンツマーケティングに活用
✨ 無料プランで1日100回まで利用可能 ✨
Google AI StudioのURL context toolとGrounding with Google Searchが追加
Google AI Studioの新機能「URL context tool」と「Grounding with Google Search」を解説。URL context toolは最大20個のURLを統合分析でき、ChatGPTのWebブラウジング機能に類似。商品比較表や統合記事作成が可能。Grounding with Google SearchはDeep Research的な検索機能。100万トークンまで対応し、無料プランでも1日100回使用可能な点が特徴。
- はじめに
- Google AI Studioの新機能登場:AIツールの進化が止まらない
- URL context tool:複数URLを統合分析する革新的機能
- Grounding with Google Search:深い調査研究を実現するウェブ検索機能
- おわりに
- よくある質問(Q&A)
はじめに
AIツールの世界は日々進化し続けており、私たちの働き方や情報収集の方法を根本的に変えようとしています。特にGoogle AI Studioは、開発者だけでなく一般ユーザーにも使いやすい高機能なAIプラットフォームとして注目を集めています。2025年6月18日現在、Google AI Studioに2つの革新的な新機能が追加されました。1つは複数のURLから情報を統合分析できる「URL context tool」、もう1つは深い調査研究を可能にする「Grounding with Google Search」です。これらの機能により、従来のChatGPTやClaudeでは難しかった大量情報の処理や、より精密な調査作業が無料で実現できるようになりました。本記事では、これらの新機能の使い方から具体的な活用事例まで、詳細に解説していきます。
Google AI Studioの新機能登場:AIツールの進化が止まらない
みなさん、こんにちは。ネットビジネス・アナリストの横田秀珠です。今日は2025年6月18日水曜日、Google AI Studioに追加された注目の新機能について、15分間の生中継で詳しく解説してまいります。
Google AI Studioは過去に何度も私のブログで取り上げてきました。2024年6月14日に初めてGoogle AI Studioの使い方を紹介した「Googleマップの口コミ分析とMEO対策」を皮切りに、YouTubeのタイムスタンプをGoogle AI Studioを使って無料で生成する方法、Google AI Studioで動画生成AIのVeo2の使い方、2人の会話を台詞テキスト読み上げ音声合成する方法、人間とAIの音声会話のコンテンツを生成する方法、音楽生成AIのLyria RealTimeの使い方、さらにはChatGPTの記録モードとGoogle AI Studioの話者識別AI議事録など、これまで6回ぐらいに分けて解説をしてきました。
今日Google AI Studioを開いてみたところ、一番最初のページに「NEW」というマークで「URL context tool」というサービスが追加になっていたのです。これが今回の大きなアップデートのポイントとなります。
Google AI Studioには右のメニューにいくつかのツールが並んでいます。まず「Structured output」があります。これをオンにしてEditを押すと、構造化出力という機能を使えます。JavaScriptのようなプログラム言語を打って、JSON形式で書き出したりすることができるツールです。ただし、これは少し専門的で我々にはあまり関係ないかもしれません。
2つ目が「Code execution」です。日本語でコード実行というツールをオンにすると、自分が書いたプログラムなどのコードを実行することができます。これも我々にはまだ関係ないかもしれません。
3つ目の「Function calling」は、プロンプトに必要な関数を呼び出し、外部APIやサービスと連携する「橋渡し役」として機能します。これもやはり少し難しいので、我々はあまり関係ないかと思います。
関係があるのは最後の2つです。「Grounding with Google Search」は多分前からあったと思うのですが、今回この「URL context tool」が追加になりました。この下2つの方は素人さんでも使える機能なので、これについて今日は詳しく解説していきたいと思います。
URL context tool:複数URLを統合分析する革新的機能
URL context toolの基本的な使い方
URL context toolにアクセスするには、トップページに表示されているリンクをクリックするか、右のメニューの「Tools」のところで「URL context」にチェックを入れるだけです。この機能がオフになっている場合は、ここを押してもらうとオンになります。「Thinking mode」も同時にオンになります。
URL contextとは、日本語に訳すとcontextは文脈なので、リンク先URLのページにある文脈を理解して考えることができるモードのような新しく追加になった機能だと思ってください。
画面に表示されている例文を見ると、最後のところに「Here are the URLs for your research:」と書いてあって、URLがいくつか並んでいます。つまり、これらのURLをあなたのリサーチのために載せましたので、それを元に何かを指示してやってくださいということができる機能なのです。
簡単に言うと、ChatGPTなどで言うWebブラウジング機能だと思ってください。URLを貼った内容の先を見に行って、そして何かさせるということがGoogle AI Studioでもできるようになったということです。
トークン数の優位性
「ChatGPTでもいいじゃん」という話になるかもしれませんが、ポイントはトークン数にあります。現在Gemini 2.5 Flashを使用していますが、2025年6月17日にまた1つAIモデルが追加になりました。一番下のGemini 2.5 Flash Lite Preview 06-17のトークン数は65,536になってしまいますが、一番上のGemini 2.5 Proにしてもらうと、これは100万トークンとかできるので、ChatGPTでこのぐらいのトークン数のもので処理することはできないのです。
実際に私のブログページを例に取ってみましょう。ChatGPTの記録モードについて書いているページを全部読み取ってみると、14,951字になっています。この1万5千字ぐらいの内容のものをGoogle AI Studioに貼ってみると、URLしか入力していない段階では18トークンしか使っていません。中身の1.5万字を貼り付けると6500トークンになります。
1個のURLではなく、複数のURLを貼って分析することができ、これが20個まで追加できるのです。20個のURLを貼って分析させるということは、どのような使い方ができるのでしょうか。
実践的な活用事例
例えば、先ほど紹介したGoogle AI Studioの内容のものが5つぐらいあると話しましたが、その5つのURLをここに貼ります。この5つのURLを元に何か分析させると、91トークンまで増えました。
「Google AI Studioについて書かれた以下のURLの内容を統合したブログ記事を書いて」という形でURLを入れると、読み取ってRunを押すことで、Thinking Timeに入ります。ここが今674トークンになっていますが、考えてくれています。5つの内容のものを全部トータルしたような記事を作ることができます。つまり1個1個のURLに書かれている内容を統合したものを出すことができるのです。
これって、どこかで見たことがあると思いませんか?そうなんです。これがGoogle NotebookLMというサービスなら、いくつかURLを入れてそれを元に質問を作るとか、例えば音声概要を作るとか、マインドマップを作るとかそういった機能がありました。その機能は結局、裏で動いているのはGoogleのGeminiというAIが裏で動いているわけで、そのAIの動かし方としてNotebookLMは1つの形になっているのですが、それがGoogle AI Studioの方で開発者向けのツールとして提供しているので、これが完成版になったのがGoogle NotebookLMだと思ってください。
比較分析機能の活用
引用元ということで、ブログのソースが今4つぐらい入っていて、それぞれどこから引っ張ってきて引用してこの記事を書いたかということがわかるようになっています。このような使い方ができるのが1つ目の使い方になります。
次の使い方として、自分の記事だけでやったらなんてことないのですが、要はGoogleの検索結果で上位表示している記事がありますよね。その記事を上から1位から10位まで集めてきて、なんなら1位から20位まで集めてきて、その内容をすべて網羅したような記事を書けというと、全部の内容を含んだ記事を書くことができるわけです。そうしたら、それが一番詳しいわけだから、それが一番上に来る可能性も高くなりますよね。このような統合した、まとめ、キュレーションのようなコンテンツを作っていくことができるという使い方が1つ目の使い方ということになります。
2つ目の使い方として、例えば私が使っている1合炊飯器があるのですが、2段式のものと1段式のもの、そしてちょっとリッチな感じのもの、そしてどんぶり型になっているもの、なんかちょっと写真がイマイチのものと、この5つの商品ページのURLを入れまして、「以下にある商品を値段や機能などを比較する表を作って」という形でURL Contextで選んでいってみます。
そうすると、Thinking modeをオンになった状態にすると考えてくれて、この5つのサイトを見に行って中身の情報をもとに比較して表を作るということができます。価格とか炊飯量とか、こういった項目ごとに出てきます。こういう使い方もできるし、もちろんこれを使って5つの中で質問して聞いていくこともできるし、5つを比較するようなコンテンツを作ることもできますよね。このような統合型とか、あとは比較するとか、さらには細かくするとか、このような使い方ができるということです。
よくある質問生成機能
さらに、こんな使い方もできます。「このサイトを元によくある質問と解答を作ってみる」みたいな感じのものです。例えば私のブログ記事があります。この内容を元によくある質問と解答を作ってみたいな感じで言ってもらうと、10個の質問と回答みたいなのを作ってくれることができるので、それを元にショート動画を作ってみるのもありだし、そのままコンテンツとしてよくある質問なんかをHPに入れておくこともできます。
このように10個の質問を作るということが簡単にできます。「何について何についてどう思いますか?こうですよ」というようなことで作ることができますよね。このような使い方もできます。
別にこれはChatGPTでもできるし、Claudeでもできるから、別にGoogle AI Studioでなくてもいいのですが、こんな機能がついているということです。
Grounding with Google Search:深い調査研究を実現するWeb検索機能
Grounding with Google Searchの基本機能
続いて、「Grounding with Google Search」というものを紹介したいと思います。こちらのものは検索をするということができる機能です。ここにチェックをつけて、検索をして、要はOpenAIのChatGPTで言うところのGPT searchみたいなものです。これはGoogleなので普通にGoogleという話ですね。
例えば「Vrewのクローン音声についてもっと詳しく調べて」とかみたいな感じで、ここにチェックを入れておくと、いわゆるウェブ検索をしに行って、検索してきた内容をもとに詳しく調べて記事にしてくれるということだから、Deep Researchみたいな感じのものです。
高度な検索分析機能
単純にVrewクローン音声の検索結果を出すんじゃなくて、ここに今、思考過程が出てきていると思うのですが、どういうことを調べるかというと、一つのキーワードの検索結果ではなくて、いろんなキーワードを組み合わせて検索結果を出していくということができます。
これがDeep Researchみたいな感じの機能だから、たくさんのところから引っ張ってきて、それらを元にまとめた記事を作っていってくれるということがわかるのではないかと思います。こういったものがついているということです。
無料プランでの活用メリット
Google AI Studioの方でこのURL context toolとGrounding with Google Searchの2つを使い分けてもらうと、もしくは一緒に使っても結構なのですが、ChatGPTと同じようなこと、Geminiと同じようなことがGoogle AI Studioでもできるということがわかります。
重要なのは、無料プランでも1日100回までは最先端のAIモデルで使えるという点です。これにより、高度な機能を無料で活用することができるのです。
おわりに
今回ご紹介したGoogle AI Studioの2つの新機能「URL context tool」と「Grounding with Google Search」は、AIツールの可能性を大きく広げる革新的な機能です。URL context toolでは最大20個のURLから情報を統合分析し、競合他社の記事をまとめた包括的なコンテンツ作成や、商品比較表の自動生成、FAQ作成などが可能になります。一方、Grounding with Google Searchは深い調査研究を実現し、複数のキーワードを組み合わせた高度な検索分析により、ChatGPTのGPT searchやDeep Researchと同等の機能を無料で利用できます。特に注目すべきは、Gemini 2.5 Proの100万トークンという大容量処理能力で、これはChatGPTでは実現困難な規模です。これらの機能により、マーケティング担当者、コンテンツクリエイター、研究者など様々な分野の専門家が、より効率的で質の高い作業を実現できるでしょう。
よくある質問(Q&A)
Q1: URL context toolで処理できるURLの上限は何個ですか?
A1: URL context toolでは最大20個のURLを同時に処理することができます。これにより、複数のウェブサイトから情報を統合して分析することが可能です。競合他社のサイト分析や、商品比較、業界動向の調査などに活用できます。
Q2: Google AI Studioの無料プランではどの程度まで利用できますか?
A2: 無料プランでは1日100回まで最先端のAIモデルを使用することができます。Gemini 2.5 Proを使用した場合、100万トークンまで処理可能で、これは非常に大容量のテキストデータを扱うことができることを意味します。一般的な利用であれば、無料プランでも十分に活用できるでしょう。
Q3: ChatGPTのWebブラウジング機能との違いは何ですか?
A3: 主な違いはトークン数の処理能力にあります。Google AI StudioのGemini 2.5 Proは100万トークンまで処理可能で、これはChatGPTでは実現困難な規模です。また、最大20個のURLを同時に処理できる点や、無料で利用できる点も大きな違いです。
Q4: Grounding with Google SearchとURL context toolは同時に使用できますか?
A4: はい、両方の機能は同時に使用することができます。URL context toolで特定のサイトの情報を分析しながら、Grounding with Google Searchで最新の関連情報を検索して補完するという使い方が可能です。これにより、より包括的で最新の情報に基づいた分析ができます。
Q5: Google NotebookLMとの機能的な違いはありますか?
A5: Google AI Studioは開発者向けのツールとして提供されており、Google NotebookLMはその完成版と考えることができます。両方とも裏ではGoogleのGeminiが動いていますが、Google AI Studioの方がより柔軟にカスタマイズでき、開発者向けの高度な機能にアクセスできます。一方、NotebookLMは一般ユーザー向けにより使いやすくパッケージ化されています。
詳しくは15分の動画で解説しました。
https://www.youtube.com/watch?v=LFkL4r5Zvc0
0:00 📺 導入・Google AI Studio新機能の紹介
1:09 📚 過去の解説動画振り返りと新機能発見
2:16 🔧 Google AI Studioの各ツール機能解説
3:24 🔗 URLコンテキスト機能の基本的な使い方
4:27 💡 URLコンテキストの具体例とChatGPTとの比較
5:41 📊 トークン数の説明とブログページ分析例
6:51 📎 複数URL一括分析機能の実演
8:00 📝 複数URL統合記事作成のデモンストレーション
9:08 🔍 Google NotebookLMとの比較と引用機能の説明
10:20 📈 SEO対策としての統合コンテンツ作成手法
11:27 ❓ よくある質問と回答作成の使用例
12:32 📋 商品比較表作成機能のデモ
13:40 🔎 Grounding with Google Search機能の解説
14:43 👋 まとめと終了挨拶
上記の動画はYouTubeメンバーシップのみ
公開しています。詳しくは以下をご覧ください。
https://yokotashurin.com/youtube/membership.html
YouTubeメンバーシップ申込こちら↓
https://www.youtube.com/channel/UCXHCC1WbbF3jPnL1JdRWWNA/join
Google AI StudioのURL context toolとGrounding with Google Searchが追加

🤖 Google AI Studio
Googleが提供するAI開発・実験プラットフォーム。開発者向けツールとして設計されており、GeminiAIモデルを直接操作できる。無料プランでも高性能なAI機能を1日100回まで利用可能で、プロンプトエンジニアリングや各種AI機能の実験に最適。
🔗 URL context tool
Google AI Studioの新機能で、最大20個のURLを同時に分析・統合できるツール。各URLの内容を理解して文脈を把握し、統合記事作成や比較分析が可能。ChatGPTのWebブラウジング機能に類似しているが、より多くのURLを一度に処理できる点が特徴。
🔍 Grounding with Google Search
Google検索と連携したAI機能で、リアルタイムの検索結果を基に詳細な調査・分析を行う。複数のキーワードを組み合わせた検索を自動実行し、Deep Research的な包括的な情報収集が可能。ChatGPTのGPT Searchに相当する機能として位置づけられる。
📊 トークン数
AIが一度に処理できるテキスト量の単位。Google AI StudioのGemini 2.5 Proモデルでは最大100万トークンまで対応可能で、これは他のAIサービスと比較して非常に大容量。長文書や複数文書の同時分析に優れた性能を発揮する。
🌐 Webブラウジング機能
AIがインターネット上のWebページにアクセスして情報を取得・分析する機能。URL context toolはこの機能を提供し、指定されたURLの内容を読み取って質問応答や要約、分析を実行できる。リアルタイム情報の活用が可能になる重要な機能。
📝 統合分析
複数の情報源から得られたデータや内容を組み合わせて、包括的な分析や新しいコンテンツを生成する手法。URL context toolを使用することで、異なるWebサイトの情報を統合した記事作成や、競合他社の商品情報を統合した比較分析などが効率的に実行できる。
📋 比較表作成
複数の商品やサービスの特徴、価格、機能などを整理して表形式で比較する資料作成機能。URL context toolを活用すると、各商品ページのURLを入力するだけで、自動的に情報を抽出して見やすい比較表を生成できる。購入決定支援に有効。
🔬 Deep Research
表面的な検索ではなく、複数の角度から深掘りした詳細な調査研究を行う手法。Grounding with Google Searchを使用することで、一つのテーマについて多角的な検索を自動実行し、包括的で専門性の高い調査レポートを生成できる先進的な機能。
💎 Gemini
Googleが開発した最新の大規模言語モデル。Google AI Studioの基盤技術として採用されており、高い理解力と生成能力を持つ。複数のバージョンが存在し、用途に応じて最適なモデルを選択可能。自然言語処理において最先端の性能を誇る。
💰 無料プラン
Google AI Studioが提供する無料利用枠で、1日100回まで最先端のAIモデルを利用できる。個人ユーザーや小規模な実験には十分な回数で、有料サービスと同等の高性能AIを無償で体験できる。AIツール導入の敷居を大幅に下げる画期的なサービス形態。
超要約1分ショート動画こちら↓
https://www.youtube.com/shorts/hE8T8cu24Ek
Google AI StudioにおけるURLコンテキストツールとGoogle検索によるグラウンディングの詳細解説

I. はじめに:Google AI Studioと生成AI開発の民主化
Google AI Studioは、Googleが提供する生成AIモデル、特にGeminiファミリーのモデルを迅速にプロトタイプ作成し、実験するためのブラウザベースの統合開発環境(IDE)です 。このプラットフォームは、Googleが生成AI技術へのアクセスを民主化するための広範な取り組みの中核をなすものであり、開発者がAIのアイデアを現実のものへと効率的に変えることを可能にします 。ユーザーフレンドリーなインターフェースを提供し、チャット、構造化、自由形式など多様なプロンプトインターフェースをサポートしており、幅広いユースケースに対応します 。
Google AI Studioは、自然言語処理やコード生成において優れたパフォーマンスを発揮し、多言語に対応しています 。開発者は、満足のいくプロトタイプが完成した後、それをGemini APIを介して好みのプログラミング言語のコードとしてエクスポートし、アプリケーションに容易に統合できます 。このプラットフォームは、モデルのカスタマイズ、マルチモーダルプロンプトの作成(テキストと画像を組み合わせるなど)、堅牢な安全設定、APIキーの生成といった多様な機能を提供し、生成AIアプリケーションの開発を促進します 。
Google AI Studioは、より包括的なAIプラットフォームであるVertex AIと密接な関係にあります。Google AI Studioは迅速なプロトタイピングと実験のための入り口として機能し、開発者がGeminiモデルの機能を手軽に試せるように設計されています 。一方、Vertex AI Studioは、Geminiモデルのカスタマイズ、完全なデータ制御、追加のGoogleの安全性、プライバシー、データガバナンス、コンプライアンスの恩恵を受けることができる、フルマネージドのエンタープライズグレードAIプラットフォームです 。開発者は、Google AI Studioでプロトタイプが完成した後、必要に応じてVertex AIに移行し、より高度なMLOps機能やエンタープライズレベルの管理ツールを活用できます 。

II. URLコンテキストツールの詳細解説
機能と目的
URLコンテキストツールは、Geminiモデルにプロンプトの追加コンテキストとしてURLを提供できる実験的な機能です 。このツールを使用すると、モデルは指定されたURLからコンテンツを取得し、そのコンテンツに基づいて応答を形成できます 。これにより、モデルの応答が特定の情報源に深く基づくことが保証されます。この機能は、記事から主要なデータポイントや論点を抽出する、複数のリンク間で情報を比較する、複数の情報源からデータを統合する、特定のページの内容に基づいて質問に答える、特定の目的(求人情報の作成やテスト問題の作成など)のためにコンテンツを分析するといったタスクに特に有用です 。
利用シナリオとメリット
URLコンテキストツールは、単独で使用することも、後述するGoogle検索によるグラウンディングと組み合わせて使用することも可能です 。単独で使用する場合、開発者はプロンプト内で直接分析させたい特定のURLを提供します。例えば、「このドキュメントを要約してください:YOUR_URLs」や「このページの製品説明から主要な機能を抽出してください:YOUR_URLs」といったプロンプトが考えられます 。このアプローチは、モデルが既知の、管理された情報源から正確な情報を引き出す必要がある場合に非常に効果的です。
このツールは、モデルの応答が指定されたURLから取得されたコンテンツに基づくことを保証し、モデルがコンテンツを正常に取得した場合、応答にはurl_context_metadata
が含まれます 。これにより、生成された情報がどの情報源に基づいているかを追跡し、検証することが可能になります。また、YouTube動画のURLや動画アップロードをプロンプトに追加できるようになったことで、動画コンテンツの要約、翻訳、分析も可能になり、特定の動画の特定の部分を分析する柔軟性も提供されます 。
対応モデルと制限事項
URLコンテキストツールは、現在以下のGeminiモデルでサポートされています 。
gemini-2.5-pro
gemini-2.5-flash
gemini-2.5-flash-lite
gemini-2.0-flash
gemini-2.0-flash-live-001
このツールにはいくつかの制限があります。1回のリクエストで分析できるURLは最大20個です 。実験的なフェーズでは、YouTube動画のようなマルチメディアコンテンツではなく、標準的なウェブページでこのツールを使用すると最良の結果が得られます 。また、このツールは実験的な機能であるため、現在は無料で利用できますが、将来的に課金が開始される予定です 。現在の実験的リリースにおけるクォータは、Gemini APIを介したリクエストの場合、プロジェクトあたり1日1500クエリ、Google AI Studioのユーザーあたり1日100クエリです 。
URLコンテキストツールは、ペイウォールのあるサイト、複雑なJavaScriptでレンダリングされるページ、または非常に大量のコンテンツを含むページでは失敗する可能性があります 。これらの技術的な制約は、ツールの適用範囲と信頼性に影響を与えるため、開発者はこれらの点を考慮して利用計画を立てる必要があります。

テーブル1: URLコンテキストツール:対応モデルと主な制限事項
属性 | 詳細 |
対応モデル | gemini-2.5-pro , gemini-2.5-flash , gemini-2.5-flash-lite , gemini-2.0-flash , gemini-2.0-flash-live-001 |
ベストプラクティス
URLコンテキストツールを効果的に利用するためのベストプラクティスには、プロンプトの明確性と、提供するURLの品質の最適化が含まれます。モデルにURLから何を抽出してほしいのか、どのような形式で応答してほしいのかを明確に指示することが重要です 。また、提供するURLは、標準的で構造化されたウェブページに限定することが推奨されます。これは、ペイウォールや複雑なJavaScriptに依存するサイトでは、モデルがコンテンツを正確に取得できない可能性があるためです 。
III. Google検索によるグラウンディングの活用
機能と目的
Google検索によるグラウンディング機能は、Gemini APIとGoogle AI Studioにおいて、モデルの応答の正確性と最新性を向上させるために使用されます 。この機能は、モデルをインターネット上の広範な知識、多様なトピック、または最新情報に接続することを可能にします 。グラウンディングが有効な場合、Gemini APIは、より事実に基づいた応答に加えて、グラウンディングソース(インラインの参照リンク)と、グラウンディングされた応答に対応する検索結果へのGoogle検索候補を返します 。
グラウンディングは、生成AIにおける「ハルシネーション」(モデルが事実ではないコンテンツを生成する現象)を低減する上で極めて重要です 。モデルの出力を検証可能な情報源に結びつけることで、モデルが「でっち上げ」を行う可能性を減らし、応答の信頼性を高めます 。これにより、AIアプリケーションはより正確で信頼性の高い情報を提供できるようになります 。
利用シナリオとメリット
Google検索によるグラウンディングは、特に最新情報が必要なクエリや、世界中の幅広いトピックに関する知識が必要な場合に威力を発揮します 。例えば、最新のスポーツの試合結果や、特定の地域固有の情報、コンテンツの正確な翻訳、さらなる閲覧のための関連ウェブサイトの検索などに利用できます 。この機能は、モデルの知識カットオフに基づく古い情報ではなく、最新の利用可能な情報に基づいてより正確な回答を提供することを可能にします 。
グラウンディングの主な利点は以下の通りです 。
- ハルシネーションの低減: モデルが事実ではない内容を生成するリスクを減らします。
- データソースへの応答の固定: モデルの応答を特定のデータソースに固定し、信頼性を高めます。
- 監査可能性の提供: ソースへのリンクを提供することで、生成された情報の検証可能性を確保します。
Google検索によるグラウンディングを利用するには、Google検索候補を表示することが必須です。これらは、グラウンディングされた応答のメタデータに含まれる提案されたクエリです 。
対応モデルと主要な考慮事項
Google検索によるグラウンディングは、以下のGeminiモデルでサポートされています 。
Gemini 2.5 Flash-Lite preview
Gemini 2.5 Flash with Live API native audio preview
Gemini 2.0 Flash with Live API preview
Gemini 2.5 Pro
Gemini 2.5 Flash
Gemini 2.0 Flash
さらに、Gemini 1.5モデルのすべての一般公開バージョンもこの機能をサポートしています 。特に
gemini-2.0-flash
は、最適な検索グラウンディング性能のために頻繁に推奨されています 。
最適な結果を得るためには、モデルのtemperature
設定を0.0
にすることが強く推奨されます 。この設定は、ランダム性を最小限に抑え、より決定論的で事実に基づいた出力が生成されるように促します。これにより、モデルは外部情報源から得た事実をより正確に反映した応答を生成しやすくなります。
開発者は、動的検索のしきい値(予測スコアのカットオフ)を積極的に調整し、グラウンディングがいつ呼び出されるかを細かく制御する必要があります 。このしきい値は、モデルがグラウンディングから恩恵を受ける可能性が高いと判断する度合いを示す予測スコア(0から1の浮動小数点値)に基づいて、グラウンディングを使用するかどうかを決定します 。しきい値を適切に設定することで、アプリケーションの特定の要件に基づいて、レイテンシ、出力品質、および運用コストの間のトレードオフを効果的に管理できます 。
Google検索によるグラウンディングは、Google AI Studio内で無料でテストできますが 、Gemini Developer APIの有料ティアでは、1日あたり1,500クエリが無料で提供され、それ以上のクエリは標準料金で課金されます 。また、Google検索によるグラウンディングの1日あたりのクエリ制限は100万クエリと非常に高めに設定されています 。
重要な点として、Vertex AIにおけるGoogle検索によるグラウンディングは、ウェブパブリッシャーの意向を尊重します。robots.txt
ファイルでGoogle-Extended
を許可していないウェブページは、グラウンディングには使用されません 。これは、責任あるデータ利用を促進するものです。

テーブル2: Google検索によるグラウンディング:対応モデルと重要な考慮事項
| 属性 | 詳細 | | :— | :— | | 対応モデル | Gemini 2.5 Flash-Lite preview
, Gemini 2.5 Flash with Live API native audio preview
, Gemini 2.0 Flash with Live API preview
, Gemini 2.5 Pro
, Gemini 2.5 Flash
, Gemini 2.0 Flash
, 全ての一般公開版Gemini 1.5モデル | |
推奨されるTemperature設定 | 0.0 | |
動的検索しきい値 | デフォルト0.3(設定可能範囲0-1) | |
費用(有料ティア) | 1日1500クエリまで無料、以降1000クエリあたり$35 | |
1日あたりのクエリ制限 | 100万クエリ | |
主な利点 | ハルシネーションの低減、事実性・最新性の向上、ソース帰属の提供 |

モデルの知識と外部グラウンディングの間の暗黙のトレードオフ
グラウンディングは「最新情報」を提供し、「ハルシネーション」を低減すると謳われています 。しかし、動的検索メカニズムは、モデルがグラウンディングを使用するかどうかを決定することを可能にし、一部のプロンプトでは「モデルの知識で十分な場合がある」とされています 。さらに、グラウンディングを無効にすることは、「クリエイティブなタスク」や「機密データ」を扱う場合に推奨されています 。
この状況は、運用上の重要なトレードオフが存在することを示しています。外部グラウンディングは事実の正確性と最新性を大幅に向上させますが、本質的に追加のレイテンシとコストを発生させます 。対照的に、モデルの内部的な事前学習済み知識のみに依存することは、より高速で費用対効果が高い場合があり、絶対的な事実の精度が主要な目標ではないタスクや、データのプライバシーが最優先される場合に適切です。
したがって、開発者はグラウンディングをいつ有効にするかについて、意図的な設計上の選択を行う必要があります。これは普遍的に有益な「オン」設定ではありません。モデルの「予測スコア」と「しきい値」のメカニズム は、Googleが自動的な意思決定を提供しようとする試みですが、開発者は依然として、アプリケーションのパフォーマンス、コストプロファイル、および出力の望ましい品質に対する影響を深く理解する必要があります。これは、LLMアプリケーションの開発における根本的な課題、すなわち、外部の検証可能なデータを取り入れることの大きな利点(正確性、最新性)と、それに伴うオーバーヘッドとの間で効果的にバランスを取ることの重要性を浮き彫りにします。また、LLMの動作を多様なシナリオで最適に誘導するための、洗練されたプロンプトエンジニアリングとモデル構成戦略の継続的な重要性も強調されます。
「信頼性」の義務とパブリッシャーとの連携
グラウンディングは、「参照リンク」を提供することで「信頼性とパブリッシャーへのトラフィックを向上させる」と説明されています 。重要なことに、
robots.txt
を介してGoogle-Extended
を許可していないウェブページは、グラウンディングには使用されないと明示されています 。
この側面は、単なる技術的な機能を超えて、より広範なAIエコシステムにおける倫理的、法的、およびビジネス上の重要な懸念、すなわちコンテンツの帰属と公正利用に対処しています。元の情報源へのリンクを提供し、標準的なウェブプロトコル(robots.txt
)を尊重することで、Googleはエンドユーザー(情報を検証できる)とコンテンツパブリッシャー(トラフィックを受け取り、知的財産を管理できる)の両方との信頼を積極的に構築しようとしています。「Grounded Result」の利用規約に言及されている点も 、法的およびコンプライアンス上の考慮事項をさらに強調しています。
この機能は、AI応答の技術的品質を向上させるだけでなく、責任ある持続可能なAIエコシステムを育成することを目指しています。これは、「AI剽窃」や情報の無断使用といった潜在的な問題を軽減するための積極的なアプローチを示しており、これらは法的紛争や倫理的な反発につながる可能性があります。データソースと帰属に関する責任あるAI開発へのこのコミットメントは、AIモデルが公開ウェブからの情報とどのように相互作用し、活用すべきかについて重要な先例を設定します。これは、AIの透明性、知的財産権、および生成AI技術の倫理的展開に関する新たな業界標準に大きな影響を与える可能性があります。

IV. 相乗効果:URLコンテキストとグラウンディングの組み合わせ
組み合わせた利用シナリオ
URLコンテキストツールとGoogle検索によるグラウンディングは、相互に排他的なツールではなく、単独で、またはより強力に組み合わせて使用できます 。両方のツールを有効にすると、洗練された多段階の情報検索プロセスが発生する可能性があります。モデルはまず、Google検索によるグラウンディングを使用して関連情報を広範に検索し、その後、より詳細な理解のために、検索結果で特定された最も関連性の高いURLのコンテンツをURLコンテキストツールを使用して具体的に読み込み、分析できます 。これは、情報収集に対する強力で反復的なアプローチを生み出します。
この組み合わせた機能は、広範な最新の一般知識と、特定のドキュメントの深く正確な分析が同時に必要とされる、複雑な研究、分析タスク、またはエージェント的なアプリケーションに特に効果的です。
組み合わせた利用例
提供されている典型的な例は、「YOUR_URLに基づいて3日間のイベントスケジュールを教えてください。また、天気と通勤を考慮して何に注意すべきか教えてください。」というものです 。このシナリオでは、
YOUR_URL
が特定のイベントスケジュールを提供し(URLコンテキスト経由)、Google検索によるグラウンディングがイベントの場所と日付に関連するリアルタイムの天気予報と通勤情報を動的に取得します。
この相乗効果は、ウェブ全体から関連情報を動的に発見し、特定された特定のドキュメントやデータソースに対して深くターゲットを絞った分析を実行できる、高度な「リサーチエージェント」を構築するのに理想的です 。別のユースケースとしては、既知の厳選されたドキュメントからの情報(精度を高めるためにURLコンテキストを活用)と、より広範な現在の公開知識や最近の動向(最新性と広範さを得るためにGoogle検索によるグラウンディングを活用)を比較する場合があります。

多段階推論とエージェント的行動の実現
モデルが「まず関連情報を検索し、次にURLコンテキストツールを使用して検索結果のコンテンツを読み込み、より詳細な理解を得る」という主要なメカニズムは、LLMの運用フレームワーク内での洗練された多段階推論、または「ツール使用」の形態を表しています 。単一の包括的な応答ではなく、モデルは動的なワークフローを実行できます。これには、(1) 情報のギャップを特定し、(2) 広範なウェブ検索を実行し、(3) 検索結果から最も関連性の高いURLをインテリジェントにフィルタリングして選択し、(4) それらの特定のURLから深くターゲットを絞ったコンテンツ抽出を実行し、最終的に (5) 包括的で根拠のある回答を合成する、という一連のステップが含まれます。
この能力は、モデルが真にインテリジェントなエージェントとして機能する能力を大幅に向上させます。これにより、人間の研究や分析プロセスを密接に模倣する、より複雑で微妙な問題解決が可能になります。これは、生成AIアプリケーションを基本的なプロンプト応答の相互作用から、多様で進化する外部データソースとのより動的で適応的なエンゲージメントへと移行させます。
この高度な機能は、情報検索だけでなく、インテリジェントな情報処理、批判的分析、および異種かつリアルタイムの情報源からの洗練された統合を必要とする次世代のAIアプリケーションを開発するために不可欠です。それは、より自律的で、積極的で、強力なAIアシスタントおよび専門ドメインエージェントの基盤を築きます。
テーブル3: 比較:URLコンテキスト vs. Google検索によるグラウンディング
特徴/側面 | URLコンテキスト | Google検索によるグラウンディング | 組み合わせた利用 |
目的 | 特定の既知のURLを提供し、詳細な分析を行う | 広範で最新の世界的知識に接続する | 包括的な研究、多段階推論、微妙な情報統合のために両方を活用する |
主なデータソース | 事前定義/キュレーションされた外部データ | Googleのウェブインデックス | 両方 |
入力の制御/特異性 | 高い特異性(ユーザーが正確なURLを提供) | 低い特異性(モデルが検索クエリを生成) | 特定のドキュメントと広範なウェブ知識の両方 |
情報検索の動的性 | リクエストごとに静的(提供されたURLからのコンテンツ) | 動的/リアルタイムの情報検索 | 動的かつターゲットを絞った検索と分析 |
主なユースケース | 特定のドキュメントの詳細な分析、コンテンツ比較、データ抽出 | 事実の正確性の向上、ハルシネーションの低減、最新情報の提供 | 複雑な調査、動的な情報発見、深い分析、高度なエージェント |
現在のステータス | 実験的 | Gemini 1.5モデルでは一般公開、2.0/2.5ではプレビュー | 実験的 |
費用 | 現在無料(将来的に課金予定) | 無料枠あり + 有料利用 | 両方の費用体系が適用される可能性がある |
V. AI Studioツールのベストプラクティスとトラブルシューティング
外部コンテキストを用いた効果的なプロンプトエンジニアリングの一般的なヒント
外部コンテキストを伴うプロンプトエンジニアリングを効果的に行うためには、いくつかの重要なヒントがあります。まず、プロンプトにおける明確性と具体性が不可欠です。モデルがURLや検索結果からどのような情報を取得し、どのような種類の応答を期待しているのかを明確に定義することが重要です。曖昧なプロンプトは、根拠のない、または無関係な応答につながる可能性があります 。
次に、事実に基づいたタスクの場合、モデルのtemperature
設定を0.0
に設定することが推奨されます 。この設定は、ランダム性を最小限に抑え、モデルがより決定論的で一貫性のある、事実に基づいた出力を生成するように促します。クリエイティブなタスクでは、より高い温度が許容されます 。
トークン管理も非常に重要です。プロンプト、システム指示、提供されたURL、外部ソースから取得されたコンテンツ、およびモデルによって生成された出力を含むすべての入力は、合計トークン数に寄与します 。これらの制限を超えると、
500 INTERNAL
や504 DEADLINE_EXCEEDED
エラーが発生したり、応答が途中で切り詰められたりする可能性があります 。AI Studioの「Text Preview」機能を使用して、トークン使用量を綿密に監視することが推奨されます 。
洗練されたシステム指示を活用して、モデルの全体的な動作、ペルソナ、および望ましい応答形式を導くことも有効です 。ただし、過度に複雑または矛盾するシステムプロンプトは、意図したグラウンディング機能を妨げたり、上書きしたりする場合があるため、注意が必要です 。
Google検索によるグラウンディングの場合、動的検索のしきい値を積極的に実験し、微調整することが重要です。これにより、モデルの予測スコアに基づいてグラウンディングがいつ呼び出されるかを制御でき、異なるアプリケーションのニーズに合わせてレイテンシ、出力品質、および運用コストの間のトレードオフを効果的にバランスさせることができます 。
URLコンテキストツールで最良の結果を得るには、標準的で構造化されたウェブページを使用することを優先します。ペイウォールのあるサイト、コンテンツのレンダリングに複雑なJavaScriptに大きく依存するページ、または非常に大量のコンテンツを含むページは避けるべきです。これらは頻繁に取得の失敗につながる可能性があるためです 。
一般的なエラーと制限事項への対処
Google AI Studioを使用する際には、いくつかの一般的なエラーや制限に遭遇する可能性があります。
- 「No Content」応答: Google AI Studioでこの警告メッセージが表示される場合、通常、生成されたコンテンツがブロックされたことを示します。これは、安全設定によるものか、利用規約に違反している場合に発生します。安全フィルターによるブロックであり、ユースケースに対して安全上のリスクが許容されると判断される場合、ユーザーは安全設定を変更して応答に影響を与えることができます 。
- 403 Access Restrictedエラー: このエラーは、ユーザーが公式にサポートされていない地域からGoogle AI Studioを使用しようとしている場合に発生することがよくあります 。
- 429 RESOURCE_EXHAUSTED(レート制限): このエラーは、1日のクエリ制限を超過したことを意味します。URLコンテキストツールの場合、AI Studioのユーザーあたり1日100クエリ、Gemini APIリクエストの場合、プロジェクトあたり1日1500クエリです 。Google検索によるグラウンディングの場合、制限は1日100万クエリです 。解決策としては、指定された制限を遵守するか、必要に応じてGoogle Cloudサポートを通じてクォータの増加をリクエストすることが挙げられます 。
- 500 INTERNAL / 504 DEADLINE_EXCEEDEDエラー: これらのサーバー側のエラーは、多くの場合、入力コンテキストが過度に長いか、モデルの処理が割り当てられた時間制限を超過していることに関連しています。トラブルシューティングの手順には、入力コンテキストサイズの削減、より効率的なモデル(例:レイテンシを低減するためにGemini 1.5 ProからGemini 1.5 Flashへの一時的な切り替え)への一時的な切り替え、またはクライアント側のタイムアウト設定の増加が含まれます 。
- グラウンディングされていない応答/グラウンディングの失敗:
- 取得されたソースとクエリの関連性が低い場合や、情報が不完全な場合、応答がグラウンディングされないことがあります 。
- 一部のモデルは、グラウンディングツールの呼び出しにおいて一貫性が低い場合があるという観察があります(例:Gemini 2.5 ProはFlashモデルと比較して) 。
- 単一の会話内でグラウンディングが使用される回数や、特定のトークンしきい値に達した後に「隠れた制限」があるというユーザー報告も存在します 。
- 複雑すぎる、または過度に指示的なシステムプロンプトは、モデルのグラウンディング機能の利用能力を妨げたり、上書きしたりすることがあります 。
- 一部のモデル(特に2.5モデル)でデフォルトで有効になっているモデルの内部的な「思考プロセス」は、グラウンディングメカニズムに直接アクセスできない場合があり、有効になっていてもグラウンディングされていない応答につながる可能性があります 。
- APIキー構成の問題: APIキーが正しく設定されていない、不足している、またはアクセス制限が不適切な場合、エラーが発生する可能性があります。開発者は、APIキーが正しく構成され、不必要なアプリ制限なしに(特にGenerative Language APIに対する)必要な権限を持っていることを確認する必要があります 。
- モデルの廃止: モデルのバージョンが廃止されると、それに対するリクエストは404エラーになります。これを軽減するために、Firebase Remote Configなどを使用して動的なモデルバージョン切り替えを実装し、アプリケーションの継続性を確保することが強く推奨されます 。
モデルの挙動、ツール呼び出し、ユーザーの期待の相互作用
ユーザーからのフィードバックは、Google検索によるグラウンディングが「常にプロンプトに効果的に従うわけではない」ことや、会話の「最初の方で1、2回しか機能しない」場合があることを示しています 。また、「複雑なシステムプロンプトがGoogle検索によるグラウンディング機能を上書きする傾向がある」という問題も指摘されています 。さらに、一部のモデルの「思考プロセス」は、グラウンディングに直接アクセスできない可能性があります 。
これらの観察は、LLMの内部推論(その「思考」プロセス、システム指示への順守)、外部ツールを自律的に呼び出す際の意思決定、および開発者の明示的な意図との間の複雑で、しばしば自明ではない相互作用を浮き彫りにします。モデルの内部ロジックや上書きするシステムプロンプトが、外部ツールの有効化よりも自身の知識や他の指示を優先する可能性があり、予期せぬ、または一貫性のない動作につながることがあります。
この状況は、開発者が単にツールを有効にするだけで、その一貫した予測可能な使用が保証されると仮定できないことを示しています。「思考」モデル の場合、特にモデルの動作のニュアンスを深く掘り下げ、さまざまなプロンプト要素(例:システム指示、ユーザークエリ)がツールの呼び出しにどのように影響するかを理解する必要があります。FlashモデルがProモデルよりもグラウンディングをより一貫して呼び出す傾向があるという経験的観察 は、モデル選択にとって重要な実践的情報となります。
この側面は、LLMにおける真に信頼性が高く予測可能な「エージェント的」行動を達成する上での現在の課題を強調しています。外部ツールは強力ですが、その統合は常にシームレスであるとは限らず、開発者はモデルの内部的な意思決定プロセスを考慮に入れる必要があります。これは、LLM内でより透明で、制御可能で、堅牢なツール呼び出しメカニズムを作成するための継続的な研究開発の必要性を示しています。
AI開発における「ベータ版」および「実験的」機能の進化する性質
URLコンテキストツールとGoogle検索によるグラウンディングの両方が、「実験的」 または「プレビュー」 と明示的にラベル付けされています。議論では、「課金は後日」 や、ユーザーから報告された「隠れた制限」または不整合 について言及されています。モデルのバージョンは頻繁に更新されています(例:Gemini 2.5 Flash-Lite preview、Gemini 2.0 Flash with Live API native audio preview) 。
この一貫したラベリングと観察される動的な挙動は、Google AI StudioとGemini APIのエコシステムが継続的かつ急速な進化の状態にあることを示しています。機能はしばしば早期にリリースされ、開発者からのフィードバックを収集するために提供され、その動作、価格設定、安定性、およびクォータは変更される可能性があります。「実験的」というラベルは、単なる法的免責事項ではなく、生成AIの最先端技術に取り組むことの本質的な性質を反映しています。
これらのツールを採用する開発者は、潜在的な破壊的変更、進化するクォータ、およびパフォーマンスの変動に備える必要があります。これは、柔軟で適応性のある開発アプローチ、公式ドキュメントやコミュニティフォーラムの継続的な監視、および急速に変化するAPIとモデルの動作への依存関係を管理するための動的な構成メカニズム(例えば、モデルバージョン用のFirebase Remote Config )の実装が必要であることを意味します。
この特性は、生成AI技術の最先端の性質を反映しています。それは計り知れない可能性とエキサイティングな機能を提供しますが、開発者には高い適応性、回復力、および警戒心も要求されます。これは、堅牢なエラー処理、包括的な監視、および急速に反復するAIサービスへの依存関係を管理するための積極的な戦略の極めて重要な重要性を強調しています。

パフォーマンスの最適化とコスト管理のための戦略
パフォーマンスを最適化し、コストを管理するためには、いくつかの戦略が有効です。まず、ユースケースに最も適したGeminiモデルを慎重に選択することが重要です。Flashモデルは一般的に速度と効率のために最適化されており、大量のタスクに適していますが、Proモデルはより複雑な問題に対する高度な推論機能を提供します 。特に、Flashモデルはより一貫したグラウンディング動作を示す可能性があります 。
次に、Google検索によるグラウンディングの動的検索しきい値を積極的に設定することが推奨されます。このしきい値を適切に設定することで、開発者はグラウンディングが大幅な利益をもたらす場合にのみ呼び出されるようにし、それによってレイテンシとコスト効率の両方を最適化できます 。
効果的なプロンプトの最適化も重要です。明確で簡潔なプロンプトを作成することは、モデルの出力品質を向上させるだけでなく、トークン使用量を削減し、より効率的な処理に貢献します 。
入力と出力の両方のトークン使用量を継続的に監視する習慣は、モデルの制限内に留まり、エラーを防ぎ、運用コストを効果的に管理するために不可欠です 。
最後に、実験的な機能の無料利用枠や無料ティアのクォータを最大限に活用し 、高ボリュームまたは本番レベルの使用に移行する場合にのみ課金を有効にすることが賢明です 。
VI. 結論:堅牢で情報に基づいた生成AIアプリケーションの構築
価値提案の要約
Google AI StudioにおけるURLコンテキストツールとGoogle検索によるグラウンディングは、Geminiモデルの能力と信頼性を大幅に向上させる極めて重要な機能です。
URLコンテキストツールは、開発者がモデルに正確な、事前定義された外部情報を提供することを可能にします。これにより、詳細なドキュメント分析、複数のリンク間の直接的な情報比較、特定のウェブページや動画コンテンツからの正確なデータ抽出といった、非常にターゲットを絞ったタスクが可能になります 。このツールは、モデルの応答が指定された情報源に深く基づいていることを保証します。
一方、Google検索によるグラウンディングは、モデルの応答の事実の正確性と最新性を、インターネットの広大で最新の知識ベースに動的に接続することで向上させます 。この機能は、モデルのハルシネーションを劇的に減らし、検証可能で帰属可能な情報源を提供することで、AI生成コンテンツの信頼性を著しく高めます 。
これら二つのツールを組み合わせて利用することで、高度な多段階推論と洗練されたエージェント的行動が実現されます 。これにより、特定のドキュメントと広範なウェブの両方から情報を動的に調査、分析、統合できる、よりインテリジェントで包括的なAIアプリケーションの作成が可能になります。
生成AIにおける外部データ統合の将来展望
これらのツールの継続的かつ急速な進化、例えばマルチモーダルサポート(動画分析など)の拡大や、よりインテリジェントで動的な呼び出しメカニズムの進化は、生成AIモデルが多様な実世界データソースとさらに深く、シームレスに統合される未来を強く示唆しています 。
この強化された統合は、よりインテリジェントで、コンテキストを認識し、本質的に信頼性の高いAIアプリケーションの開発につながるでしょう。これらの将来のアプリケーションは、急速に変化する情報環境に適応し、人間の研究、分析、意思決定と密接に類似する複雑で微妙なタスクを実行する重要な能力を持つことになります。
さらに、透明なソース帰属、堅牢なデータガバナンス、パブリッシャーの意向の尊重を含む、責任あるAI開発への継続的な重点は、間違いなく今後も最優先事項であり続けるでしょう 。このコミットメントは、広範な信頼を醸成し、倫理的な展開を確保し、生成AIエコシステムの長期的な持続可能性を促進するために不可欠です。
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