情報リテラシー論04ソーシャルメディアの台頭’26長岡造形大学

情報リテラシー論第4回のテーマは「ソーシャルメディアの台頭」。インターネット以前の閉じたパソコン通信から、2003年頃に日本で根付いたブログ、日記機能とつながり機能を持つmixi、思ったことを気軽につぶやくTwitterやFacebookへの変遷を解説した。2011年の東日本大震災やアラブの春でSNSの影響力は世界的に高まったが、生成AIの登場で接触時間は2022年を境に減少している。広告に頼らないnoteの躍進、ダンバー数150人の法則、ネットリテラシーの大切さも紹介した。
詳しくは15分の動画で解説しました。
https://www.youtube.com/watch?v=2ZMGStTnVYo
0:00 👋 オープニング・情報リテラシー論第4回「ソーシャルメディアの台頭」 0:40 🌊 波の写真からひらめいた曲作りと52枚のスライド 1:04 🔄 音声とスライドの差分から翌年の教材を育てる方法 2:05 🎵 写真から音楽MVへ、無意識のパクリを防ぐには 2:30 📊 検索99億回とブログ数、リアルタイムに見るネットの数字 2:50 🌍 海外のサービスを生成AIで探す 3:00 📼 VHSとベータ、インターネットはなぜ1つしかないのか 3:15 💧 AI文書の透かしとAI判定の違い 3:35 💻 パソコン通信からブログへ、世界をつなぐ共通基盤 3:55 📉 SNSの普及でブログが伸び悩んだ理由とmixi 4:10 🤝 ブログに人とのつながりが加わると何が変わるか 4:25 💬 短文投稿・チャット型の普及とmixiの足あと・マイミク 4:45 💰 広告収入の仕組みが投稿内容に与える影響(noteとアメブロ) 5:13 📝 無料で読んでもらい有料で届けるnoteのモデル 5:45 💍 ブログのコメントがきっかけの結婚、SNS時代の始まり 6:05 🔎 ブログ検索サービスの終了とnoteの誕生 6:35 📱 国内で使われている主なソーシャルメディア一覧 7:00 ▶️ 震災時のSNS事情とYouTubeがFacebookを抜いた話 7:25 📈 国内SNSユーザー数と総務省の最新調査 7:55 🤖 SNS接触時間は2022年がピーク、AIへの置き換えが始まっている 8:35 ⚖️ 検索・AI・友達に聞く、答えが違う理由と使い分け 8:55 🎬 映画『ソーシャル・ネットワーク』とFacebookの歴史 9:32 🆘 震災で根付いたX(Twitter)で検索する文化とハッシュタグ 9:55 🐦 ミニブログとして生まれたTwitterとアラブの春 10:20 🔀 TwitterとFacebookの使い分け 10:38 ⚔️ Facebook・Google・Appleの三つ巴の戦い 10:55 👥 ダンバー数:友達の数には上限がある 11:20 🧠 友達の得意分野を活かした「人型検索エンジン」 11:40 🔗 150人×150人で2万人に届く、最初の150人の大切さ 11:55 🌏 人間関係もグローカルに、リアルとネットの中間領域 12:30 🏫 SNSが学校の外に居場所をつくった 12:45 👀 ネットに書いたつもりでも現実の友達が読んでいる 12:55 🎨 作品の発信が販売・採用・起業につながる 13:25 🙈 海外の成功事例が日本で通用しない理由は人見知り 13:40 📖 閲覧中心・自分のために使う日本のSNS 14:00 🗾 日本と世界で人気のSNSの違い(Xとファイスブック) 14:10 🚶 その投稿を体に貼って街を歩けるか、匿名でも特定される時代 14:35 🙏 まとめ・エンディング
情報リテラシー論04ソーシャルメディアの台頭’26長岡造形大学
今日はAIの凄さを感じた曲です。
Miliaさんのギターソロも凄い!
イーンスパイアの横田です。
https://www.enspire.co.jp

秋が深まるたび君が恋しくなる / Milia
https://www.youtube.com/watch?v=ddiKyMrIROQ
秋だけが先へ行く
https://www.youtube.com/watch?v=SiUFQXEWIdg
さて、本題です。
恒例の長岡造形大学で行う
情報リテラシー論の講義が
今年も後期から始まりました。
https://www.nagaoka-id.ac.jp/about/academics/curriculum/liberal-arts/
ソーシャルメディアの台頭として
第4回目の講義を行いました。

情報リテラシー論がある長岡造形大学

情報リテラシー論04ソーシャルメディアの台頭’26長岡造形大学
📌 情報リテラシー論 第4回「ソーシャルメディアの台頭」— 横田秀珠 / パソコン通信→ブログ→SNS→AI の流れを一枚で振り返る
ポータル(幕の内弁当)
リンク=推薦状
隣で一緒に悩むAI
頭の中で学習した「ラージランゲージメロディ」から閃いたつもりが、冒頭の数音が既存曲と一致。
→ 採用せず少しアレンジした版を公開。
仮に音を10種類とすると…
| 2音 | 10×10=100通り |
| 3音 | 1,000通り |
| 4音 | 10,000通り |
📝 喋った分だけスライド化
+スライド
スライド化
毎年くり返すと講義がどんどんスライドに蓄積されていく。テスト対策はブログ(数万字)に全部書いてある。
📷 並木道を12年連続で定点撮影
2014年から毎週の授業ごとに長岡造形大学の並木道を撮影(16回×12年分)。先週の風景からメロディが降ってきて、曲「並木道を歩いた」とMVを制作。
※10年前の動画。中1でガラケーを手にしたSNS生まれSNS育ちの起業家が語るSNS史。
よく使われる4語の組み合わせを登録 → 該当すればAI文章と判定(講義での紹介)
⚠️ 人が手で書いても…
ありふれた言葉の組み合わせだとAI判定が出る可能性💡 これから問われること
「何でここでこの言葉?」というはみ出した言葉選び=オリジナリティ。音楽の4音問題と同じ構図🔎 1日あたりの比較(講義中の表示)
検索は書かれる量の約1000倍。
🔒 パソコン通信(1980年代)
会社ごとに閉じた世界。A社とB社のユーザーは交流できない- ASCII-NET 1985〜1997
- PC-VAN 1986〜2001
- Nifty-Serve 1987〜2006
🌐 インターネット
全員が共通プラットフォーム。車もスマホも複数社あるのに、1つしかない稀有なサービス=アメリカの戦略⚔️ 規格争いは「多い方が勝つ」民主主義
楽天・ライブドア・ココログは後発に逆転された
全世界のブログ投稿の約37%が日本語で世界1位
🪦 ブログ検索も終了:Yahoo!ブログ検索 2013年・Googleブログ検索 2014年 →「ブログはオワコン?」
✉️ 件名が必要
mixi日記・ブログ・Eメール内容を要約してタイトルを書くのが面倒 → 気軽に投稿できない
💬 件名なし
X・Facebook・Instagram・TikTok・LINE敷居が下がり、みんなが使うように
それまでのブログにはフォロー機能がなく、ファンになりにくかった。mixiはそこにSNS機能を足して人気に。
入力が必須
ファンへ1通
芸能人とファンが直接つながれる時代を開いたのがブログ。
日本のアクセスランキング(Similarweb)
赤=note / 青=アメブロ ※上位はGoogle・Yahoo!・YouTube。ChatGPT 10位、Gemini 16位
📢 アメブロ・YouTube・TikTok…
広告収入モデル → バズ・炎上するほど稼げる💰 note
広告なし。「ここから先は有料」で読者1人1人が対価を払う=中身重視💡 「SNS」は和製英語。海外では「ソーシャルメディア」と言う
※YouTubeは18歳以上。未成年を加えると9,000万人弱と推定。ニコニコ動画は苦戦中(推定1,000万人前後)
2022年=ChatGPT誕生の年。悩み相談や調べものがSNSから生成AIへ。
→ 全部使い続けると削られるのは「睡眠時間」…(皆さんはちゃんと寝ましょう😴)
🎓 Facebookの起源はハッキング
ハーバード大の学生名簿を集め「どっちが可愛い?」サイトを作成=顔の本。大学ごとに広がり実名SNSへ🔍 Xで「検索」する文化は震災から
地元の最新情報はTwitterでしか拾えなかった。この使い方が根付いたのは日本ならでは| X(Twitter) | ||
|---|---|---|
| 世界 | 約33億人 | 約3億人 |
| 日本 | 2,600万人 | 6,800万人 |
日本は匿名文化が好き → 実名のFacebookより匿名のXが人気
140字のミニブログ
思いを溜めないから告白やラブレターに至らない → 草食男子化?
文章のプロが「Twitterを始めたら長文が書けなくなった」と相次いで発言
🍎 Apple
端末を制する者がネットを制する🐦 Twitter:他人・匿名
弱い絆の強さ(グラノベッター)価値ある情報はちょっと離れた知人から。ローンや人に言えない悩みも相談しやすい
📘 Facebook:友達・実名
6次の隔たり(ミルグラム)6人を介せば世界中とつながる。妻への誕生日プレゼント相談など
親しい関係を保ちながら友達を増やし続けると、時間かお金が足りなくなる。151人目を作るには誰か1人を忘れることに。
→ LINEで濃く
→ Facebookでマインドシェア
→ Xなどで新たな出会い
親しい人には言いにくいことも、ゆるい関係なら相談できる— ネット以前にはなかった層。
自ら積極的に発信する人の割合(発信者÷利用者、総務省2018)
| サービス | 日本 | アメリカ |
|---|---|---|
| 11.2% | 51.3% | |
| 20.4% | 31.2% | |
| 14.2% | 38.9% | |
| LINE | 25.0% | 26.4% |
| ブログ | 13.2% | 24.4% |
😶 人見知りが激しい
実名・顔出しが苦手。ネットで知り合った人を信頼しにくく、海外の成功事例が通用しない📰 使い方は情報収集
個人間のつながり創出より、ニュースや興味の情報を得る役割として認識されている🧭 まとめ:閉じた通信 → ブログ → SNS → AI
探し方もつながり方も変わる。だからこそ「画面の先に人がいて、発信は残る」を忘れずに。
情報リテラシー論04ソーシャルメディアの台頭’26長岡造形大学
- はじめに|「探し方」も「つながり方」も、気づけば変わっていた
- 前回の振り返り──「探し方が変わっていく」という曲と、AIで作るメロディ・スライドの話
- ハヤカワ五味さんのTED「8年目のSNSとの付き合い方」と、AIが書いた文章を見抜く「4語の透かし」
- パソコン通信からブログへ、そしてmixi、note、SNS一覧と「接触時間の減少」まで
- Facebook・Twitterの台頭、アラブの春と東日本大震災、ダンバー数150人とグローカルな人間関係
- おわりに|SNSは「道具」であり、自分の言葉は自分にまとわりつく
- まとめ
- よくある質問(Q&A)
はじめに|「探し方」も「つながり方」も、気づけば変わっていた
皆さん、こんにちは。横田秀珠です。長岡造形大学で担当している「情報リテラシー論」も、今回で4回目になりました。今日のテーマは「ソーシャルメディアの台頭」です。
ちょっと思い出してみてください。皆さんが最後に「手紙」を書いたのはいつでしょうか。好きな人に連絡するとき、昔はメールの件名に「Re:Re:Re:」が並んでいくのがうれしかった、なんて時代もありました。今はLINEで一言送れば済みますし、困ったことがあればXで検索するか、生成AIに聞く人も増えてきましたよね。
実は、こうした「当たり前」は、ほんの20年ほどの間に積み重なってできたものです。パソコン通信、ブログ、mixi、Twitter、Facebook、LINE、そしてnote。順番に振り返っていくと、なぜ今のSNSがこういう形になったのか、そしてこれからどこへ向かうのかが見えてきます。
今日は前回の復習の曲から始まり、ハヤカワ五味さんのTED動画、そしてSNSの歴史をたっぷりお話しします。少し長いですが、お茶でも飲みながら気楽に読み進めてください。
前回の振り返り──「探し方が変わっていく」という曲と、AIで作るメロディ・スライドの話
ステップ1:出席を取る間に、前回の「検索エンジン」を曲で復習
皆さん、こんにちは。今日は4回目ということで、「ソーシャルメディアの台頭」という内容になります。まずはスマホで出席を取ってもらっている間に、前回の復習をしていきましょう。
前回のテーマは「検索エンジン」でした。そこで今回は、その内容を振り返るために「探し方が変わっていく」というテーマで曲を作ってきました。この講義では、毎回の内容を歌にして振り返るということをやっていますが、文字で読むよりも、メロディに乗せた方が記憶に残りやすいんですね。それでは、まず流してみましょう。
楽曲「探し方が変わっていく」の歌詞
歌詞をそのまま掲載しておきます。前回の講義のどの部分を歌っているのか、思い出しながら読んでみてください。
探し方が変わっていく 棚から窓へ 窓から言葉へ 探し方が変わっていく 欲しいものへ 早く届くように
玄関みたいな トップページ ニュースに天気 占いに地図 幕の内弁当 みたいにして 全部を 1つの箱に詰めた
棚から棚へ 指でたどる 買い物 食べ物 探すには 人が選んで 並べた道は 増えすぎた街で 迷子になった
選べる数は 7つが限界 目が泳いだら もう選べない
探し方が変わっていく 棚から窓へ 窓から言葉へ 探し方が変わっていく 欲しいものへ 早く気付くように
白い画面に 窓がひとつ 打てば すぐに答えが出る 答えは先に 用意してあった 差し出すだけの 速さだった
箱もモニターも 外したパソコン 山ほど並べて 誰も待たせない リンクは推薦状 届くほど上へ よく引かれる 論文みたいに
便利な窓で 輝く明かり 打つたび流れる 広告の光
探し方が変わっていく 棚から窓へ 窓から言葉へ 探し方が変わっていく 欲しいものへ 早く見つかるように
見積もり 言葉が揺れる 締め切り 言葉がブレる 確かに届いた あのメールが どの言葉でも 見つからない 「金額出して」 としか書いてない 「いつまで」 としか言っていない
初めてのデート 写真映え 肉が好きな 相手のために 長い言葉を 打ち込んだら 窓は戸惑い 遠い街を出す けれど 言葉の奥を読む声は 週末に開く 店を探した
覚える代わりに 預けた記憶 考える代わりに 任せた思考
探し方が変わっていく 棚から窓へ 窓から言葉へ 探し方が変わっていく 欲しいものへ 早く分かるように
図書館の棚 指さす店員 いまは隣で 一緒に悩む 次の探し方は もう始まってる
歌詞と前回の講義内容の対応表
歌詞の一つひとつのフレーズには、前回お話しした検索エンジンの歴史が詰め込まれています。どこが何に当たるのか、整理しておきましょう。
| 歌詞のフレーズ | 前回の講義で話したこと |
|---|---|
| 棚から窓へ/窓から言葉へ | 人が分類した「ディレクトリ型(棚)」から、検索窓に打ち込む「ロボット型(窓)」、そして話しかける生成AI(言葉)へ |
| 玄関みたいなトップページ/幕の内弁当 | ニュース・天気・占い・地図を1つのページに詰め込んだポータルサイト(Yahoo!型) |
| 人が選んで並べた道は/増えすぎた街で迷子になった | 人の手でサイトを登録・分類する方式が、Webサイトの急増で追いつかなくなったこと |
| 選べる数は7つが限界 | 人が一度に選べる選択肢の数には限界があるという話 |
| 白い画面に窓がひとつ | トップページに検索窓しかないGoogleのシンプルさ |
| 答えは先に用意してあった | あらかじめWebを巡回して索引を作っておくから、すぐに答えが出るという仕組み |
| 箱もモニターも外したパソコン/山ほど並べて | ケースやモニターを外した安価なパソコンを大量に並べたGoogleのサーバー |
| リンクは推薦状/よく引かれる論文みたいに | 被リンクを「推薦」とみなすページランクの考え方(論文の被引用数がヒント) |
| 打つたび流れる広告の光 | 検索キーワードに連動して表示される検索連動型広告 |
| 「金額出して」としか書いてない | 「見積もり」「締め切り」というキーワードで探しても、メールにその言葉が書かれていないと見つからないという、キーワード検索の限界 |
| 言葉の奥を読む声は週末に開く店を探した | 長い文章の意図をくみ取ってくれる生成AIによる検索 |
| 覚える代わりに預けた記憶/考える代わりに任せた思考 | 検索やAIに頼ることで、記憶や思考を外部に預けるようになったこと |
| いまは隣で一緒に悩む | 図書館の司書や店員さんのように、AIが隣で一緒に考えてくれる時代 |
ステップ2:この曲、何かに似ていると思いませんか?
はい、ということで聞いていただきましたけど、振り返れましたか?
ところで、この曲、何かの曲のメロディに似ているって気づきましたか? 何かの曲に似ていると分かった人は、コメントをください。正解したら1ポイントあげます。
と言っても、ちょっと分からないかもしれません。実はこれ、若干変えてあるので、多分このバージョンだと分からないと思うんです。そこで、変える前のバージョンも聞いてもらいました。こちらだと分かるかもしれません。
探し方が変わっていく 棚から窓へ 窓から言葉へ 探し方が変わっていく 欲しいものへ 早く届くように
これなら分かりますか? 皆さんの世代でもギリギリ分かると思うんですけど。
「ラージランゲージメロディ」という考え方
前回お話ししたように、僕は勝手に「ラージランゲージメロディ」と呼んでいるのですが、人間も生成AIと同じで、今まで自分が聞いてきた音楽を、自分の頭の中で学習しているんですね。大規模言語モデル(LLM=ラージランゲージモデル)が大量の文章を学習して文章を生み出すように、人間の頭も、これまでに聞いた大量のメロディを学習したうえで、新しいメロディを「閃いた」と感じているわけです。
僕も、自分で閃いたと思ってさっきの曲を作りました。ところが、作った後で「あれ、これ誰かの曲に似てるな」と思ったんです。そして、分かった曲がありました。
それが「君の手で切り裂いて」という曲です。講義では実際に流してみましたが、聞き比べると、最初の部分が一緒なんですね。「あっ」と思って、ちょっと変えたというわけです。
そして、もう一度、変える前のバージョンを聞いてもらいました。歌詞が違うし、トーンも違うので、言われなければ分からないと思います。でも、こういう形で、実は似通った曲というのはいっぱいあるんですね。
ちなみに、講義中に「『青春アミーゴ』に似ている」というコメントもいただきました。そうですね、確かに雰囲気はありますね。
ステップ3:どこまで同じなら「パクリ」なのか?──音の組み合わせで考える
では、どこまでが一緒だったら「パクリ」と言われるのでしょうか。
今回の曲で言えば、最初の「探し方が」の部分くらいしか、多分メロディは合っていません。そこから先は違います。そう考えると、どこまでならよくて、どこからがダメなのかというのは、突き詰めると「音符の数」で決まってくる話なんですね。
その組み合わせを考えてみましょう。
- 1音:1音でオリジナルを主張するのは、絶対に無理ですよね。
- 2音:2音も無理です。ドレミファソラシドで考えたら、組み合わせは限られます。分かりやすく音を10種類とすると、2音だと10×10で100通り。つまり、オリジナルの曲は100曲しか作れない計算になります。
- 3音:3音ぐらいだとどうでしょう。仮にドレミファソラシドが10音ぐらいあったとすると、10×10×10で1,000通り。1,000通りの曲しかオリジナルが作れないわけです。
- 4音:4音なら、10×10×10×10で1万通り。これでも無理ですよね。
世の中の曲の数は、もちろん1,000曲どころではありませんし、1万曲よりもはるかに多いわけです。そうなると、今回のように4音ぐらいが重なっているだけで「パクっている」と言うのは、多分難しいということになると思います。
| 重なっている音の数 | 組み合わせの数(音を10種類と仮定) | オリジナルとして主張できるか |
|---|---|---|
| 1音 | 10通り | 絶対に無理 |
| 2音 | 10×10=100通り | 無理 |
| 3音 | 10×10×10=1,000通り | 曲の数の方が多いので無理 |
| 4音 | 10×10×10×10=1万通り | これでも無理。4音程度で「パクリ」と断じるのは難しい |
……と言って、ちょっと言い逃れをしていますけど(笑)、たまたま作った後で「あれ?」と思って、「パクっちゃった」と思ってしまったんですね。なので、元のバージョンは今日は採用せず、もう1つの方の、若干だけどアレンジしたものを皆さんに聞いていただきました。僕としては一応自分で作ったつもりだったんですけど、若干かぶっていました、という話です。
ここで大事なのは、「誰でも、気づかないうちに過去に聞いたものの影響を受けている」ということです。AIが既存のデータから学習して生成するのと同じで、人間の創作も、まったくのゼロから生まれるわけではありません。だからこそ、作った後に「何かに似ていないか」を自分で確かめる姿勢が大切なんですね。
ステップ4:講義ブログは何万字──喋った内容は全部ブログに残しています
さて、前回の講義の内容、皆さんは見ましたか? 年々、僕がブログを書くのが大変になっているんですけど、一応シェアしておきましょう。
ブログには「検索エンジンの歴史」ということで、めちゃくちゃ長い記事を書いています。もう何万字とあるんですけど、ここには僕が喋ったことが、ほぼほぼ全部文字として残してあります。スライドに書いている内容と、僕が喋っている内容が、ミックスされて全部ここに出ているんですね。
ですから、テストの時には僕のブログを見ると、多分全部書いてあると思いますので、覚えておいてください。皆さん、「スライドに書いてある内容以外のものを喋っているのがテストに出る」って言っていましたよね。
ステップ5:「スライドに書いていないこと」だけをAIで抜き出してスライド化する
ということは、ですよ。スライドに書いていなくて、音声で喋っている内容だけを抜き出して、それをスライドにすればいいじゃないか、ということになりますよね。実は今、まさにそれをやっているんです。これが最近、僕の中で流行っているAI活用法です。
そうすると、来年の講義からは、今年喋った内容が全部スライドになりますよね。そして来年、またそのスライドを見て思いついて別のことを喋ったら、またその分だけをスライド化する。これを繰り返していくと、どんどんスライド化されていきます。そんなことができるくらい、AIが賢くなっているんです。すごくないですか?
手順を整理すると、こうなります。
- 講義の音声を文字起こしする:喋った内容をすべてテキストにします。
- 文字起こしとスライドを照らし合わせる:音声文字起こしファイルとスライドの内容をAIに渡して比較させます。
- スライドに書いていないことだけを抜き出す:喋っているけれどスライドには書いていない内容だけを抽出します。これがまず1つ目のステップです。
- 抜き出した内容をスライドにする:抽出した内容を、そのままスライドとして出力させます。これも今はできちゃいます。
- 翌年、また同じことを繰り返す:新しく喋った分だけが追加でスライド化され、教材がどんどん育っていきます。
| ステップ | AIにやってもらうこと | 得られるもの |
|---|---|---|
| ① | 講義音声の文字起こし | 喋った内容の全文テキスト |
| ② | 文字起こしとスライドの照合 | 「スライドにある話」と「ない話」の区別 |
| ③ | スライドにない話の抽出 | 口頭だけで話した内容のリスト |
| ④ | 抽出内容のスライド化 | 翌年用の追加スライド |
| ⑤ | 翌年以降の繰り返し | 毎年育っていく教材 |
すごい時代になったなと思いますけど、それが最近はまっていることです。ということで、皆さん出席はオッケーでしたか? 大丈夫ですか?
ステップ6:12年間撮り続けている並木道の写真と、そこから生まれた曲
そうそう、思い出しました。
皆さんは毎日見慣れていると思うんですが、僕は毎週授業があるたびに、2014年から12年間連続で、長岡造形大学の人気スポットである並木道の写真を定点で撮り続けています。なので、多分16回分×12年分の写真があるんです。
講義では先週の写真をお見せしましたが、今日も写真を撮りました。今日の写真は、さっきFacebookにあげておきました。
そして、この風景をたまたま先週見た時に「おっ、これは」と思って、メロディが降ってきたんです。それで作った曲がこちらです。背景も、この造形大学でロケしているような感じのMVにしてみました。
並木道を歩いた この季節に 君はどうして 過ごしているのか 誰も歩かなくなった 歩道に落ち葉ばかりが 降り積もってく 前を向いて 歩いていくよ
これは僕が作った曲ですけど、こういう感じで、今はAIを使えば誰でも曲が作れます。レポートを音楽で出している人もいましたけど、興味がある方は、ぜひ皆さんも挑戦してみてください。
毎週同じ場所で写真を撮るという「定点観測」を続けていると、季節の移り変わりに気づけるだけでなく、ある日ふと、そこから新しい作品が生まれることもあります。日々の記録が、創作の種になるんですね。これは、後ほどお話しするブログ(Webに残すログ=記録)の考え方にも通じる話です。
ハヤカワ五味さんのTED「8年目のSNSとの付き合い方」と、AIが書いた文章を見抜く「4語の透かし」
ステップ1:毎年見てもらっている、共感できるTED動画
はい、ということで、今日はソーシャルメディアの話です。これも10年前からかな、毎年皆さんに見ていただいている動画があります。皆さんにとってきっと共感できる内容なので、よく見てください。
それが、ハヤカワ五味さんが2016年に登壇したTEDの動画です。会場は和歌山で、ハヤカワさんは東京から来ていました。タイトルは「8年目のSNSとの付き合い方」。ここからは、動画の内容を順を追って、僕の言葉で紹介していきます。
【横田補足】 前提として話しておきます。これは2016年の動画なので、今から10年前のものです。ですから、動画の中で「8年前」と言っているのは、2016年からさらに8年前、つまり今から見ると約18年前の話になります。そういう動画だと思って見てくださいね。
ステップ2:「横浜スタジアムで大声を出しているような感覚」
ハヤカワさんは、登壇の冒頭で「まさかトリを任されるとは思わなかった」と会場を和ませながら話を始めます。
彼女は普段からTwitterをメインで使っていて、当時のフォロワーは2万3,000人くらい。始めた頃は300人くらいからのスタートだったそうです。300人なら気楽につぶやけますが、2万3,000人となると話は別です。大きなスタジアム、たとえば横浜スタジアムで大声を出しているようなもので、「そんな大人数に向けてつぶやいていいのか」と毎回思っている、と語っていました。
フォロワー数というのは、単なる数字ではありません。その数だけ、実際に自分の言葉を見ている人がいるということです。この感覚が、後半の「ネットリテラシー」の話につながっていきます。
ステップ3:ガラケーとデコメール、そしてモバゲーで起きた「未知との遭遇」
ハヤカワさんが、パソコン以外のデバイスに初めて触れたのはガラケーでした。中学1年生の頃なので、登壇時点で8〜9年前のことです。
当時はデコメールのように、謎に動くフレームや絵文字を使ったメールが流行っていました。皆がガラケーを持ち始めることで、ネットに気軽につながれるようになり、パソコン以外にもSNSのようなものが発達してきたわけです。
そこで最初に出てきたのが「モバゲー」でした。ハヤカワさんは24時間ずっとやっていたそうです。モバゲーには、アバターやゲーム、サークル活動(いわゆる掲示板)、そして携帯小説などがありました。今でも、モバゲー発で書き始めた好きな小説家がいるとのことです。
そして、ここで一番大きなポイントだったのが「未知との遭遇」です。
学生時代を思い返すと、普通は学校の友達や、小学校の同級生、幼なじみといったコミュニティ以外の人と関わる機会は、ほとんどありませんでした。今でこそFacebookでいろんな人とつながりますが、当時は、修学旅行先でたまたま出会った学校の子と文通をする、雑誌を見て手紙を書くかどうか迷う、といった程度しか、外の世界とつながる手段がなかったんですね。
それが、SNSが始まったことで、北海道や沖縄の人など、普段なら絶対に会わないような人たちと出会えるようになりました。ハヤカワさん自身、学校でいじめられていた時期があったそうですが、そこから一歩抜け出していろいろな人に出会える機会ができたことは、すごく良かったと振り返っています。
また、メール文化もありました。今の若い人には伝わりにくいのですが、件名に「Re:Re:Re:」と連なっていくのがうれしかった、という思い出を持つ人も多いのではないでしょうか。好きな人とのやり取りが続いている証拠ですからね。そしてSNSでの「オフ会」も、この時期に始まったのではないか、とハヤカワさんは話していました。
ステップ4:招待制だったmixiと「5分前に友達申請を受けていた」失敗談
そこから数年が経ち、一般の人にもSNSが広がってきます。その代表が「mixi」です。会場に「mixiをやっていた人」と尋ねると、手を挙げたのは半分くらいだったそうです。
mixiの何が特別だったかというと、最初は「招待制」だったことです。友達から招待メールをもらった人しか登録できず、自分で勝手にアカウントを作ることはできませんでした。つまり、友達づてに紹介されて入るという、リアルとオンラインが混じった仕組みだったんですね。だから、生活の延長線上という感覚が強かったわけです。
ハヤカワさんの一番の失敗談がこれです。学校で、大好きなバンドのことを友達にけなされて、すごく腹が立ったので、その気持ちをmixiの日記に書いた。ところが、よく考えたら、その5分前に、まさにその友達からの友達申請を受けていたんです。翌日はケンカになり、その後なかなか仲直りできなかったそうです。
こうした失敗は、多くの人に覚えがあるのではないでしょうか。当時のmixiは、知り合い同士のコミュニティ、いわば「閉じられたマス」という感じで、SNSとしてはちょっと特殊な存在でした。
その中で、服が好きな人、音楽が好きな人といった、同じ趣味の人たちのコミュニティも発達していきます。ネットでの売買も少しずつ増えてきました。さらに、アメーバ(アメブロ)のようなサービスも出てきて、ユーザーが増えるにつれて、ネット犯罪のようなものも出始めたそうです。
ステップ5:スマホの普及とTwitter、インフルエンサーの登場
ハヤカワさんが高校に入った頃、登壇時点から見て5年前くらいから、スマホを持つ人が増えてきます。彼女はスマホを持つのが遅かったので、Twitterをわざわざガラケーの小さい画面でやっていたそうです。
スマホが一般化するにつれて、Twitterへの流入もどんどん増えていきました。ここまで来ると、いわゆる一般層、つまり「今までネットはちょっと怖かったけど、やってみようかな」という人たちがたくさん参加してきます。
大衆が参加してくると、SNSはテレビのような状態になります。有名人が1人、2人、3人と出てきて、その人が商品を紹介するとバカ売れする。いわゆる「インフルエンサー」が増えてきたのも、この頃です。使う人が増えるにつれて、聞いたことのある名前が増え、SNSはどんどん「リアルの拡張」になっていきました。
ステップ6:Facebookの一般化、そしてLINEの誕生
そこに追い打ちをかけたのが、Facebookの一般化です。
ハヤカワさんのお父さんは、SNSにすごく弱い人なのだそうです。それなのに、検索してみたら、なぜかFacebookをやっていた。しかも、苗字を間違えたまま登録していて、アイコンは猫の写真だったとか。いつ突っ込もうか迷いつつ、とりあえず放置しているそうです(笑)。おじいちゃん世代でもFacebookをやっている人がいるくらい、一般化したということですね。
さらに「LINE」です。LINEは東日本大震災をきっかけにできたサービスなので、実は比較的新しいものです。何年もずっと使っている気がしますが、登壇時点では、まだ3〜4年ほどのものでした。
ステップ7:出会いがフラットになった時代──Twitterで出会った仲間たち
Twitter、Facebook、LINEが出そろったことで、出会いの形は大きく変わりました。
モバゲーやmixiの時代は、ネットで知り合った人と会うことは、すごくタブー視されていました。親からは「よく知らない人と会うなんて危ないからダメ」と言われましたし、実際に犯罪も少しずつ起きていました。しかし今は、当時よりもネットで知り合った人と会うことが一般的になっています。
ハヤカワさんは、このTEDの主催者とも、実はネットで知り合ったのが最初のきっかけだったそうです。さらに、彼氏や友人、会社のスタッフも、Twitterで出会った人が多い。元彼も今の彼氏も、出会いを聞かれれば「Twitterです」と答えるしかない。将来の結婚式で「2人の馴れ初めはTwitterです」と紹介されるのが嫌で、どうにか隠せないか考えている、と笑いを誘っていました。
会社のデザイナーさんとの出会いも印象的です。たまたまリツイートで流れてきた服がすごく可愛くて、それが文化祭で展示されていると知り、「今から会いに行くので、1時間後にそこで待っていてください」と連絡。男性がやったらナンパですが、彼女はそうやって実際にスカウトし、会社に入ってもらった。その年のうちに社員にする予定だったそうです。それくらい、Twitterでの出会いは彼女の人生を形作っていました。
一方で、ネットリテラシーが低い人まで参加できるようになった弊害もあります。画面の向こうに人がいることを意識せず、意味の分からないことを言ってくる人も、正直増えてきた、と彼女は話します。
ステップ8:ネットリテラシーとは「向こうに人がいて、発信は永遠に残る」と自覚すること
では、結局ネットリテラシーとは何なのか。ハヤカワさんは、最後の5分でこう語ります。
ネットリテラシーとは、ネットの先には必ず誰かしら人がいること、そして自分がつぶやいたことや発信したことが永遠に残ること、この2つを自覚していることだと。
たとえば、恋人との写真をネットにどんどん上げる人がいますよね。別れた後に、それを新しい恋人に見られても、文句は言えません。なぜなら、自分で公開して、世の中の全員が見られる状態を選んだのは自分だからです。
また、「SNSのイメージが、そのままその人のSNSになる」という見方も紹介していました。SNSでいろいろなものを見せびらかす人を嫌だと思う人ほど、案外自分も、遠くに人がいると意識しないまま、同じことをしていたりするものだ、と。
ステップ9:SNSは幸せも不幸も倍増させる──「つぶやきを体に貼って歩けるか」
ハヤカワさんは、SNSは幸せも不幸も倍増できるものだと言います。
TwitterやFacebookで幸せな報告をすれば、たくさんの「いいね」やコメントがもらえます。一方で、マイナスなことを言えば、その分がマイナスとして返ってきてしまう。SNSは、人が同調することで反応が倍増する仕組みだと自覚して、否定的なことを書かないなど、自分なりのルールを決めておくとうまく使える、というわけです。
彼女自身は、SNSにマイナスなことは絶対に書かない、匿名の人の名前を挙げない、といったことを心がけているそうです。SNSでの発言の一つひとつは、自分の体にまとわりつくようなもの。そう考えるのが、SNSとの付き合い方として一番いいのではないか、というのが、彼女が一番伝えたかったことです。
そして、彼女が意識している具体的な方法が、**「自分のつぶやきをプリントアウトして、体に貼って歩けるか」**を考えることです。
「今日こんなことがあって最悪」「すごく嫌だった」といった投稿を、体に貼って街を歩けるか。渋谷のスクランブル交差点、和歌山なら和歌山駅前で、そのつぶやきを掲げて立っていられるか。それくらい、自分の投稿は多くの人に見られているという自覚を持つことが大切だ、と。彼女の場合なら2万3,000人、実際にはそれ以上の人が見ているわけですからね。
ステップ10:SNS生まれ・SNS育ちの起業家として
最後に、ハヤカワさんは改めて自己紹介をします。彼女は、SNSを使って起業した、当時20歳の大学生でした。もともと自分でタイツや服を作っていて、それがSNSを通じて多くの人に知られるようになり、その年の秋には売った服が1万着を超える見込みだったそうです。
仕事だけでなく、彼氏や友達、悩みを相談できる仲間も、SNSでつながった人が多い。テレビでは怖い事件が報じられて、SNSに悪いイメージを持つ人もいるけれど、自分はSNSにすごく感謝しているし、SNSがなければこの場に立つこともなかった。だからこそ、会場の皆さんにはSNSで失敗したり損をしたりしてほしくない──そんな思いで話をした、と締めくくりました。
つまるところ、SNSは1つのツールであり、居場所にもなってくれる。けれど、あくまでツールであって、人に見られるもの、さまざまなところに広がって残っていくものだと理解したうえで、良くも悪くも活かしていけば、楽しいSNSライフが送れるのではないか。それが彼女のメッセージでした。
ハヤカワ五味さんのSNS史を整理すると
| 時期(登壇の2016年から見て) | 主なサービス・出来事 | SNSの性格 |
|---|---|---|
| 約8〜9年前(中学1年) | ガラケー、デコメール、モバゲー | 学校の外の人と出会う「未知との遭遇」 |
| 数年後 | mixi(招待制) | リアルとオンラインが混じった「閉じられたマス」 |
| 約5年前(高校入学頃) | スマホ普及、Twitter、アメブロ | 一般層の参加、インフルエンサーの登場 |
| その後 | Facebook一般化、LINE誕生 | 親世代まで広がる「リアルの拡張」、出会いのフラット化 |
ハヤカワさんが実践しているSNSのルール
- SNSにマイナスなことは絶対に書かない
- 匿名の人の名前を挙げない
- 自分のつぶやきを「プリントアウトして体に貼って歩けるか」で判断する
- 発言は自分にまとわりつき、永遠に残るものだと考える
- 画面の向こうには必ず人がいると意識する
ステップ11:ハヤカワ五味さんは今──メルカリでAI推進を担う人に
はい、ということでご覧いただきました。ハヤカワ五味さんのプロフィールを紹介しておきます。
ファッションデザイナーで、1995年東京都生まれ。登壇当時は多摩美術大学グラフィックデザイン学科の3年生でした。高校時代から創作活動を始め、大学生になって立ち上げた胸の小さな女性のためのランジェリーブランド「feast by GOMI HAYAKAWA」が「品乳ブラ」として一躍有名に。2015年に株式会社ウツワを興して代表取締役に就任し、同年5月にはラフォーレでポップアップ出展。6月には泰文堂からランジェリー付きのムック本『feast CollectionBook 2015 Summer』を発売しています。
1995年生まれなので、ある意味「ネット生まれ」です。1995年はインターネット元年と言われる年ですが、さすがに生まれた時にインターネットはできなかったと思います。
そして今では、すっかり超有名人になっています。皆さん、ハヤカワ五味さんを知っていますか? SNSで自分がデザインした服を売って有名になった彼女は、今はメルカリでAI推進担当として活躍しています。顧問のような立場でアドバイスをする仕事までされています。
動画の中ではTwitterのフォロワーが2万3,000人と言っていましたが、今は何人でしょうか。11万人くらいになっているのかな。ちなみに「五味」はニックネームです。
服が好きな人、デザインが好きな人は、もしかしたら見つけてもらえれば、採用してもらえるかもしれませんので、よかったらチェックしてみてください。最近はすっかりAIの人になっていて、ロボットなども手がけていますが、もともとはデザインした服を通販で売るところからスタートした人です。
皆さんとほぼ同じくらいの年齢の時に、今から10年前、TEDに登壇していた人の話を見ていただきました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 生年・出身 | 1995年、東京都生まれ |
| 登壇当時 | 多摩美術大学グラフィックデザイン学科3年在学中(当時20歳) |
| 代表的な仕事 | ランジェリーブランド「feast by GOMI HAYAKAWA」(「品乳ブラ」として話題) |
| 起業 | 2015年に株式会社ウツワを設立、代表取締役 |
| 2015年の活動 | 5月ラフォーレでポップアップ出展、6月泰文堂からムック本『feast CollectionBook 2015 Summer』発売 |
| 現在 | メルカリでAI推進担当、顧問的なアドバイス業務、ロボット関連にも関わる |
| Twitter(X)フォロワー | 登壇時 約2万3,000人 → 現在 約11万人 |
ステップ12:AIが書いた文章に「透かし」を入れる──鍵は「4語の組み合わせ」
あ、そうそう、ちょっとついでに。さっき「パクリ」についてのコメントが見えたので、関連する話をしておきます。
最近、ClaudeというAIサービスが、生成した文章にも「透かし」を入れることに成功したと発表した、という話がありました。これ、すごくないですか?
画像に透かしを入れるのは分かりますよね。画像はファイルなので、ファイルの裏側にデータを持たせることもできるし、目に見えない何かを画像に埋め込むこともできそうです。もちろん動画や音楽でもできます。でも、「文字」に透かしを入れるのは難しそうですよね。それに成功したというんです。これによって、AIが書いた文章か、人間が書いた文章かが分かる仕組みになっているということです。
では、どういう仕組みなのか。僕の理解で説明します。
たとえば「今日は長岡でランチを食べています」という文章があったとします。この文章は「今日」「長岡」「ランチ」「食べています」という4つの言葉で出来上がっていますよね。この4つの言葉の組み合わせを、AI側が登録しておくわけです。そして、よくある言葉の組み合わせが使われている場合は、AIで書いた文章だと認識できるようになっている。どうやら4語で決まるらしい、ということです。
ですから、AIで生成した文章を「AIで書いた」と思わせないようにするには、理論上は、その4語の中の1語ずつを自分で変えていけば、AIが書いたとは分からなくなる、というくらいのものだということです。
「変な言葉」が出てくる文章は、AIには書けない
ここで面白いのが、「変な文章を書く人」「変な歌詞を書く人」の存在です。誰とは言いませんけど……椎名林檎さんとかですね(笑)。
そういう方々の文章や歌詞には、「なんでここでこんな言葉が出てくるの?」というような、意外な言葉が途中に入ってきますよね。あれは、AIには出せないわけです。
なぜなら、AIは「みんながよく使っている言葉の組み合わせ」を出してくるものだからです。そこからはみ出したものは生成されにくい。逆に言えば、よくある言葉の組み合わせで書かれた文章は「AIっぽい文章」になる、ということです。
自分で書いても「AI判定」が出る時代に
ここからが大事なポイントです。皆さんがどれだけいい文章を書いても、よく使われる言葉の組み合わせを4つ使ってしまうと、Claude的には「AIで書いた文章」と認定されてしまう、ということになります。いくら皆さんが自分で考えて、自分の手で打って書いたとしても、です。
そうなれば、これからは「いかに人とは違う文章を書くか」「いかにオリジナリティを出すか」が問われる時代になります。いくら「自分で書いた」と言い張っても、AI判定が出てしまうかもしれないわけですから。
さっきの音楽の話で「4音」と言いましたが、文章も4語くらいでAIだと思われるのであれば、「どうやって言葉の組み合わせを考えるか」という話になってきますよね。音楽も文章も、オリジナリティの考え方が、ここでつながってくるわけです。
| 比較項目 | 音楽(メロディ) | 文章(言葉) |
|---|---|---|
| 判定の単位 | 音符の並び | 言葉の並び |
| 目安になる数 | 4音程度の一致ではパクリと言いにくい | 4語の組み合わせでAIかどうかを判定するとされる |
| よくあるパターン | 誰もが聞いたことのある定番フレーズ | みんながよく使う言葉の組み合わせ |
| オリジナリティの出し方 | 予想外の音の運び | 「なぜここでこの言葉?」という意外な語選び |
| これからの課題 | 既存曲との類似を自分で確かめる | 自分で書いてもAI判定されないよう、人と違う表現を工夫する |
※この透かしの仕組みは、講義時点で僕が理解している範囲での説明です。実際の判定方法や精度については、発表元の情報もあわせて確認してください。
ステップ13:世界の数字をリアルタイムで見られるサイト「Worldometer」
はい、では今日の本題に入っていきましょう。SNSの話はたくさんあって、どこから話そうか迷うのですが、まずは面白いデータを紹介しておきます。
「Worldometer(https://www.worldometers.info/)」というサイトがあります。よかったら皆さんも覗いてみてください。ここでは、世界のさまざまな数字が、リアルタイムでジャカジャカと動いて表示されているんです。
一番上は世界の人口です。今は83億人。見ている間にも、どんどん子どもが生まれて数字が増えていきます。今年生まれた人は1億人を超えています。日本の人口ぐらいの人が1年で生まれているんですね。今日生まれた人は25万人。その下に、今年亡くなった人、今日亡くなった人も表示されています。当たり前ですが、亡くなる人より生まれる人の方が多いので、地球の人口はどんどん増えていくことになります。
下の方にもいろいろな数字がありますが、今日の内容に関係があるのは、もう少し下の方です。インターネットのユーザー数は、世界で74億人。今日送られたメールの数も出ています。
そして注目は、今日書かれたブログの数です。講義の時点で999万投稿くらいでした。少なくないですか? 世界全体で、1日にブログ記事は1,000万投稿くらいしかないんです。
これを比べると面白いのが、Googleで検索された回数です。こちらは99億回くらい。99億回も検索されているのに、ブログが書かれた数は999万投稿しかないわけです。
| 項目(講義時点のおおよその数字) | 数値 |
|---|---|
| 世界の人口 | 約83億人 |
| 今年生まれた人 | 1億人超(日本の人口ぐらい) |
| 今日生まれた人 | 約25万人 |
| 世界のインターネットユーザー数 | 約74億人 |
| 今日書かれたブログ記事 | 約999万投稿 |
| 今日のGoogle検索回数 | 約99億回 |
スライドには、2025年9月と2026年9月の数字を並べてあります。たとえば、ブログ投稿数は2025年9月時点で785万4,708件だったのが、2026年9月時点では890万4,502件。Google検索は78億6,440万5,660回から88億4,645万9,897回へ。インターネットユーザー数は68億7,577万4,645人から74億1,387万9,695人へ。ツイート数は6億4,632万1,194件から6億9,107万3,520件へと増えています。
| 項目 | 2025年9月 | 2026年9月 |
|---|---|---|
| 世界の人口 | 8,253,328,322 | 8,323,153,955 |
| 今年生まれた人 | 106,150,397 | 105,789,964 |
| 今日生まれた人 | 224,757 | 227,083 |
| インターネットユーザー数 | 6,875,774,645 | 7,413,879,695 |
| 今日送られたメール | 200,256,135,321 | 210,804,178,380 |
| 今日書かれたブログ記事 | 7,854,708 | 8,904,502 |
| 今日のツイート数 | 646,321,194 | 691,073,520 |
| 今日のGoogle検索 | 7,864,405,660 | 8,846,459,897 |
さらに下には、森林が減った面積やCO2排出量、世界の肥満人口、水やエネルギーに関するデータなど、いろいろな数字があります。英語のサイトですが、ブラウザで翻訳すれば読めますので、ぜひ見てみてください。ただ、リフレッシュされると翻訳が戻ってしまうことがあるので、そこはご注意を。
このように、インターネット人口もSNS人口もどんどん増えています。実は昔は、X(旧Twitter)のつぶやき数やInstagramの利用者数などをリアルタイムで表示するサービスもあったのですが、そのサイトは今はなくなってしまいました。今は皆さんにお見せできないのですが、もし見つけたら教えてください。
ステップ14:世界のサービスを探すなら、Googleより生成AI
ちなみに、このWorldometerをどうやって見つけたかというと、ChatGPTなどの生成AIに聞いたんです。「インターネットやSNSに関するさまざまな数字をリアルタイムで表示するサービスはない?」と聞いたら教えてくれました。こういうものは、生成AIに聞くのがいいですね。
これ、Googleではダメなんです。なぜかというと、日本でGoogle検索をすると、基本的に日本のサイトばかりが出てきますよね。キーワードを打っても日本のものしか出てこないので、世界のものを探すのは実は難しいんです。
たとえば皆さんなら、世界のすごいデザインや、世界の面白いアートを探したいこともあると思います。英語が話せれば英語で検索すればいいのですが、そのためには、まず探したいことを英語に翻訳してから打ち込まなければなりません。
その点、AIに「世界で探して」と頼むと、AIがどんな言語にも翻訳して、いろいろな国のものを教えてくれます。こういう使い方は結構面白いですし、Googleではなかなかできないことだと思っています。
| 比較項目 | Google検索 | 生成AI |
|---|---|---|
| 出てくる情報 | 日本語のキーワードだと日本のサイトが中心 | 「世界で探して」と頼めば各国の情報を集めてくれる |
| 言語の壁 | 英語で調べるには自分で翻訳が必要 | AIが自動で翻訳して探してくれる |
| 向いている使い方 | 国内の具体的な情報を探す | 世界のサービス、デザイン、アートなどを幅広く探す |
パソコン通信からブログへ、そしてmixi、note、SNS一覧と「接触時間の減少」まで
ステップ1:インターネット以前にあった「パソコン通信」とは
さて、ここからはSNSの歴史を、ぐっとさかのぼってお話しします。皆さんはたぶん知らないと思いますが、インターネットが始まる前に「パソコン通信」というものがありました。
パソコン通信とは何か。たとえば、Aという会社とBという会社がパソコン通信のサービスを提供していたとします。Aの会社のサービスに入っている人は、Aの中のユーザー同士でやり取りができます。Bの会社のサービスに入っている人は、Bの中のユーザー同士でやり取りができます。でも、AのユーザーとBのユーザーは交流できません。
つまり、世界に開かれたインターネットがまだない時代に、会社ごとに閉じられた世界で、インターネットのようなことをしていたわけです。これをパソコン通信と言います。
そうなると、一番ユーザー数の多いサービスに入れば一番多くの人とつながれますが、他にもたくさんのパソコン通信があるので、全員とつながろうと思ったら、それぞれの会社のサービスに全部入らなければいけません。それはさすがに無理ですよね。
スライドにも書きましたが、パソコン通信Aのユーザーがパソコン通信Bに乗り換えた場合、電子メールやBBS(掲示板)、アクセス用ソフトの設定などを、すべて「パソコン通信B用」に再設定する必要がありました。アクセス方法なども、すべてそのサービス提供者に依存していたんですね。
インターネット以前の1980年代にパソコン通信は普及していて、アメリカでは1979年にCompuServeがサービスを開始しています。日本では1980年代後半に広く普及しました。
| 開始年 | 運営会社 | サービス名 | 終了年 |
|---|---|---|---|
| 1985年 | アスキー | ASCII-NET | 1997年 |
| 1986年 | NEC | PC-VAN | 2001年 |
| 1987年 | ニフティ | Nifty-Serve | 2006年 |
ステップ2:世界でたった1つのサービス「インターネット」のすごさ
この状態を、全員が共通のプラットフォームで使えるようにしよう、と言って作られたのがインターネットです。これって、すごくないですか?
だって、世界で1つしかないサービスって、インターネット以外に何かありますか? 普通は、車ならいろいろな会社がありますし、スマホならiPhoneもあれば、Androidもいろいろな会社が出していますよね。たった1つのサービスしかないというものは、インターネット以外に何かあるでしょうか。見つけた人は、ぜひコメントをください。
なぜインターネットだけが1つで、「インターネット以外のものを作ろう」と誰も言い出さなかったのか、謎ですよね。これが、アメリカの戦略なんです。
インターネットはもともと軍事技術だったという話を、2回目の講義でしたと思います。そして、インターネットを作ることで世界の情報を牛耳ることができる、という話もしました。結局、アメリカにとって有利な仕組みを、みんなが使う形で作ったわけです。それがインターネットのスタートです。
ステップ3:「1つ」を揺るがすと期待したビットコイン、そしてVHSとベータ
この構図を揺るがす存在になるかもしれない、と僕が期待していたのが、ビットコインでした。この講座では詳しく扱わないかもしれませんが、ビットコインという暗号資産(以前は暗号通貨と呼ばれていました)です。
もし暗号資産がビットコインしかなかったら、世界共通のデジタル通貨のようになって、それぞれの国の通貨ではなく、全員が同じ通貨を使えばいいよね、という世界になったかもしれません。でも実際には、今は「なんとかコイン」やイーサリアムなど、いっぱいありますよね。普通は、そうなるんです。それなのに、インターネットは1つしかない。そこがすごいところです。
皆さんの知っているものでは、ビデオテープもそうでした。VHSという長方形のビデオテープがありますよね。実は、ソニーが作った「ベータ(Betamax)」という規格もあって、世界に2つの規格がありました。1970年代から1980年代にかけて、家庭用ビデオデッキの標準規格を巡って繰り広げられた、いわゆる「ビデオ戦争」です。結局ソニーの方が敗れて、VHSが残りました。
規格が1つにまとまるというのは、本当にすごいことなんです。そして、それを最初から実現したのがインターネットなんですね。
なぜソニーのベータは負けたのか?
講義中に「なぜソニーは負けたんですか?」というコメントをいただきました。これは、ひと言で言えば「民主主義」です。
つまり、どちら側につく人が多いか、という話です。ソニーの側につく人が少なかった。単純にシェアの問題なんですね。いくら技術力があっても、そちら側につく人が少なければ、みんな当然、多い方を使います。
たとえば、ビデオソフトを作る側から考えてみてください。2つの規格の両方に出そうとするとコストがかかります。お金がないなら、まずはユーザーが多い方だけに出そう、となりますよね。そうすると、少ない方はますます不利になって負けていく。だから本来、規格は統一した方がいいのですが、この頃はまだ割れていた時代でした。
最近では、スマホの充電端子でも同じようなことがありましたよね。AppleのLightningとUSB Type-Cの戦いで、Appleも結局Type-Cに移行しました。
| 比較 | 勝った規格 | 負けた規格 | 決め手 |
|---|---|---|---|
| ビデオテープ(1970〜80年代) | VHS | ベータ(ソニー) | 陣営に付く企業・ユーザーの数(シェア) |
| スマホの充電端子 | USB Type-C | Lightning(Apple) | 業界全体での統一の流れ |
| 暗号資産 | (統一されず) | ― | ビットコイン、イーサリアムなど乱立 |
| ネットワーク | インターネット(世界で1つ) | パソコン通信各社 | 誰もが使える共通プラットフォーム |
ステップ4:パソコン通信の終了と、ニフティが始めたブログ「ココログ」
スライドに書いたように、アスキー、NEC、ニフティなどがそれぞれパソコン通信をやっていましたが、インターネットの普及とともに、1997年、2001年、2006年と順にサービスを終了しました。今はもう、パソコン通信はほぼないと思います。
この中で、日本で人気があったのがニフティです。ニフティはパソコン通信をやっていましたが、「どうも時代はインターネットに移っている、人がそちらに流れている」ということで、インターネットでも同じようなことをやろうと考えました。
そこで始めたのが、ブログサービスの「ココログ」です。2003年12月2日、ニフティがレンタルブログサービス「ココログ」を開始しました。ニフティにはパソコン通信のフォーラム時代から情報発信をする利用者が多く、日本最大のインターネット加入者も抱えていたので、ブロガーが急激に増えたんですね。
ステップ5:日本のブログの始まり──楽天ブログ、ライブドアブログ、ココログ、アメブロ
ココログが有名ですが、実はそれより前に、2003年11月2日、ライブドアがライブドアブログを発表しています。2回目の検索エンジンの回に動画で出てもらった、堀江貴文さんのライブドアです。2004年のプロ野球参入騒動もあって、ライブドアブログがブログの流行を牽引しました。
さらに、それよりも早い 2001年8月30日に「楽天広場」(現:楽天ブログ) がサービスを開始しています。日本では、楽天ブログが一番古いと言っていいかもしれません。
ところが、楽天ブログも、ライブドアブログも、ココログも、今は全然ユーザー数を確保できていません。後発のサービスに負けているわけです。検索エンジンの歴史やブラウザの歴史でもお話ししてきましたが、必ずしも一番最初に始めた会社が勝つわけではないんですね。後から来た方が勝つのはなぜなのか、ここは色々と勉強になるところだと思います。
そして 2004年3月3日にmixiがサービスを開始し、その年の後半、2004年9月15日にアメブロが開始されました。今では最大手になったアメブロは、2004年に登場したんですね。
2001年の楽天ブログは相当早いですが、2003年ぐらいに、日本にブログというものが根付いてきた、ということが分かると思います。
| 日付 | 出来事 |
|---|---|
| 2001年8月30日 | 楽天広場(現:楽天ブログ)サービス開始 |
| 2003年11月2日 | 堀江貴文さんのライブドアが「ライブドアブログ」を発表(2004年のプロ野球参入騒動でブログ流行を牽引) |
| 2003年12月2日 | ニフティがレンタルブログサービス「ココログ」を開始 |
| 2004年3月3日 | mixiがサービス開始 |
| 2004年9月15日 | アメブロ開始 |
ステップ6:世界のブログの歴史と、GoogleのBlogger
世界のブログの歴史は、もう少し古いです。スライドにまとめてありますので、興味がある方は読んでおいてください。
- 1997年:ジョン・バーガーが、自分がWebサイトを閲覧した記録(log)を日記的に記録することを「weblog」と名付けたのが最初で、それが略されて「ブログ(blog)」になったと言われています。つまり、ブログはもともと個人的な閲覧履歴のURLリンク集でした。
- 1999年:イートンが、自分の知っているweblogを集めたポータルサイトを開設。網羅性が高く検索しやすかったため人気になりました。イートンは「日付のある記事で構成されているかどうか」をブログの基準としたため、「ブログ=日記」というイメージが定着しました。
- 1999年:Pyra Labs社が、世界で最もポピュラーとなるブログサービス「Blogger」を開始。開発の中心は、のちにTwitterを開発するエヴァン・ウィリアムズです。2003年にPyra LabsはGoogleに買収されました。
- 1999年:ワイナーの「Edit This Page」、キャンベルの「Velocinews」など、ブログ開設の無料サービスが登場。多くのインターネットプロバイダがこれに続き、今ではインターネット接続サービスに加入すると、ブログを無料で開設できるのが普通になっています。
この中で、ひとつ話をしておきましょう。1999年に、Pyra Labsという、皆さんは全然知らない会社が「Blogger」を始めたのですが、この会社をGoogleが買収しました。だから今、Googleの中に「Blogger」というサービスがあるんです。もともとは別の会社のものを、Googleが買って自社のサービスにしたというわけです。Bloggerは今もサービスが残っています。
ステップ7:ブログを頭打ちにしたSNS──2006年がひとつの転機
そんなブログですが、ずっとユーザー数が増えているように見えて、実はそうでもありません。今はデータがなくなってしまったので定かではないのですが、僕が調べた限りでは、2006年ぐらいまではユーザー数がどんどん増えていて、そこから頭打ちになって止まっているのではないかと思います。
スライドのグラフは総務省の資料(平成23年の報告書)からのものですが、2003年頃から無料ブログサービスの提供でぐっと伸び、2006年頃から横ばいになっているのが分かります。
ちなみに、2006年(平成18年)の第4四半期には、全世界のブログ投稿の約37%を日本語が占め、英語や中国語を上回って第1位になっていました。日本人はブログが大好きだったんですね。
では、なぜ2006年ぐらいから止まったのか。その頃から、SNSが出てきたからです。
先ほど紹介したように、2004年にmixiがサービスを開始しました。その2年後が2006年です。そして、さっきの動画にもあったように、mixiはただつぶやくだけのサービスではなく、「日記」を書く機能がありました。これはまさにブログですよね。
ブログが減っていった結果、ブログサービスの終了も相次ぎました。
| ブログサービス | 終了日 |
|---|---|
| pixivブログ | 2011年11月10日 |
| OCNブログ人 | 2014年11月30日 |
| BBIQブログ | 2019年7月31日 |
| Yahoo!ブログ | 2019年12月15日 |
| ヤプログ! | 2020年1月31日 |
| DHCブログ | 2020年9月1日 |
| teacupブログ | 2022年8月1日 |
| ウェブリブログ | 2023年1月31日 |
| LINE BLOG | 2023年6月29日 |
そもそも「ブログ」とは?「ソーシャルメディア」とは?
ここで、言葉の意味を確認しておきましょう。ブログは「ウェブログ(weblog)」の略です。Webに「ログ」、つまり記録を残す、というのが言葉の由来です。なので「日記=ブログ」というイメージが持ちやすいと思います。
そして、スライドに書いたソーシャルメディアの定義はこうです。ソーシャルメディアとは、誰もが参加できる広範的な情報発信技術を用いて、社会的相互性を通じて広がっていくように設計されたメディアであり、双方向のコミュニケーションができることが特長です。
ステップ8:mixiが人気を得た理由──ブログに「SNS機能」をつけた
mixiは、このSNSの中に「日記機能」を作りました。それまでのブログは、誰かが勝手にインターネットに書いているだけで、フォローしたりフォローされたりする機能がありませんでした。
そうすると、たまたま検索してあるブログを見つけることはあっても、そのブログを読み続ける、つまりファンになることがしにくいですよね。ブログには、今の皆さんが当たり前だと思っているSNSの機能がなかったんです。ただ一方的に書いているだけでした。
そこにmixiは、SNSの機能をつけたブログサービスを作った。これが人気の理由だったと思います。ところが、mixiの時代は間もなく終わり、皆さんがよく使っている、当時のTwitter(今のX)などに人が移っていきます。
ステップ9:2008年の調査ではmixiがダントツ1位、しかし多くのサービスは消えた
ここで面白いデータがあります。今はもう残っていないのですが、僕が昔の資料の中で持っていたもので、2007年から2008年ぐらいの「登録しているSNSは何ですか?」という調査です。
これを見ると、mixiがダントツの1位(6割以上)。2位が、さっき動画にも出てきたモバゲー(モバゲータウン)です。あとはGREEなど、いろいろなサービスがあるのですが、そのほとんどは今はもうサービスを終了しています。
また、2011年までのPCからのアクセス数(ニールセン調べ)を見ると、YouTubeが2,300万人、mixiが750万人という状況でした。2ちゃんねる、ウィキペディア、アメーバブログ、OKWaveなども並んでいます。
| 2008年頃の主な登録SNS(調査より) | 状況 |
|---|---|
| mixi | ダントツ1位。現在もサービス継続中 |
| モバゲータウン | 2位 |
| GREE | 上位 |
| Yahoo! Days、MySpace、カフェスタ、フレパ、楽天リンクスなど | 多くがサービス終了 |
ステップ10:今もある僕のmixiアカウントと「足あと」「マイミク」
mixiは2004年スタートなので、20年以上前からあって、いまだに残っています。僕も今でもアカウントがあるので、講義中にログインしてみました。入れました。すごいですね。
僕のアカウントは「よこたんさん」で、友達が90人います。プロフィール写真は、今22歳になった息子が、まだ幼稚園ぐらいの頃に描いてくれた似顔絵のまま、いまだに使っています。
mixiには「足あと」という機能がありました。いつ、誰が、あなたのプロフィールを見に来たかが履歴で残るんです。見られた、見られていない、ということが当時ずいぶん話題になりました。
また、mixiでは「フォローする・される」ではなく、「マイミク」といって友達になる仕組みでした。一方的に見るという機能は、当時はありませんでした(今はあります)。
| mixiの機能 | 内容 |
|---|---|
| 日記 | 件名(タイトル)を付けて書く、ブログのような機能 |
| 足あと | いつ誰がプロフィールを見に来たかが履歴で残る |
| マイミク | 相互に友達になる仕組み(当時は一方的なフォローはなし) |
| 招待制 | 初期は友達からの招待がないと登録できなかった |
ステップ11:なぜmixiは負けたのか?──「件名を書かなければいけない」という壁
では、なぜmixiはダメになってしまったのか。いろいろなことを言う人がいますが、僕が結構納得している理由のひとつを紹介します。
当時一番ユーザーを持っていたのはmixiでした。TwitterやFacebookは、日本にはユーザーゼロの状態から入ってきたんです。それなのに、なぜmixiは負けて、Twitter、Facebook、Instagramなどに人が移ってしまったのか。これはあくまで仮説です。皆さんも、いろいろ理由を考えてみるといいと思います。
その1つの理由が、**「日記を書くためには件名を書かなければいけなかった」**ということです。
mixiの日記には、本文の上に件名、つまりタイトルを書く場所があって、タイトルを書かないと日記が書けませんでした。ブログもそうですよね。件名を書かないといけない。
これって、結構難しいですよね。その日の日記の内容を要約してタイトルにしなければいけないので、面倒くさいんです。
一方で、Twitter(今のX)も、Facebookも、Instagramも、TikTokも、タイトルを書く場所はありませんよね。だから敷居が下がっている。簡単になっているんです。mixiには件名があったので、気軽につぶやけない、気軽に投稿できない雰囲気があったわけです。
これはメールも同じです。Eメールには件名を書く場所がありますよね。でも、LINEやメッセンジャーにはありません。さっきの動画に出てきた「Re:」も、件名があるからつくものです。LINEにはそれがない。より簡単にした方がみんなが使いやすくなるので、普及したのではないか、と言われています。
いろいろな説がありますが、僕はこれが決定的な違いだったと思っています。
| 比較 | 件名(タイトル)あり | 件名なし |
|---|---|---|
| SNS・ブログ | mixi日記、ブログ | X(旧Twitter)、Facebook、Instagram、TikTok |
| メッセージ | Eメール(「Re:」がつく) | LINE、メッセンジャー |
| 投稿のハードル | 内容を要約してタイトルを考える必要があり、高い | 思いついたまま書けるので、低い |
| 普及のしやすさ | 気軽に投稿しにくい | 気軽に投稿でき、広まりやすい |
ステップ12:ブログのコメントから始まった結婚──大場久美子さんの事例
次は、皆さんはご存じないと思いますが、昔のアイドルの大場久美子さんの話です。これが面白いんです。
当時のブログ(ココログ)には、コメントを書く時にメールアドレスを入力する欄がありました。誰が変なことを書いたかを追跡できるように、そういう機能がついていたんですね。
コメントする人はメールアドレスを書きます。すると、ブログを書いた側は、そのアドレスに向けてメールを送ることができました。芸能人の側はメールアドレスを公開しなくても、コメントをくれた人に、自分がよければメールで返事ができたわけです。
大場久美子さんは、2008年頃からブログのオフ会やライブなどでファンの方々と会うようになり、コメントのハンドルネームと顔が一致するようになっていきました。自分が落ち込んでいる時に、いつも応援してくれるファンの男性がいて、その人に「いつもありがとう」と、たまたま1回メールをした。それがきっかけで、2010年の暮れから交際を始め、その5ヶ月後に結婚したという話です。
この話は、僕自身の事例として、また後日の講義で出てきますので、その時にお話しします。
でも、こういうことってすごいですよね。皆さんでいえば、推し活をしている有名人や芸能人と、こういう形で連絡を取るなんて、ブログ以前にはあり得なかったわけです。それができるようになったという事例が始まったのが、ブログだったんです。
ステップ13:ブログ検索の終了──「ブログはオワコン」と言われた2014年頃
そんなブログサービスですが、2006年にはYahoo!で「ブログ検索」というサービスが始まりました。検索結果をブログだけに絞り込める機能です。しかし、Yahoo!ブログ検索は2013年11月5日に終了しています。
実はGoogleにも同じように、ブログだけに絞り込んで検索する機能がありました。Google Blog Searchは、アメリカのGoogleが2005年9月に提供を始め、2006年10月19日から日本語版「Google ブログ検索」のベータ版が始まったものです。こちらも2014年に終了しています。
ということで、ブログは一時は流行っていたけれど、「もうオワコンなんじゃない?」という雰囲気が、今から12年前、2014年ぐらいに出てきました。SNSの全盛期になっていきますからね。僕もそう思っていました。ところが、ここから流れが変わってくるんです。
| サービス | 開始 | 終了 |
|---|---|---|
| Yahoo!ブログ検索 | 2006年10月 | 2013年11月5日 |
| Googleブログ検索(日本語版) | 2006年10月19日(ベータ版) | 2014年 |
ステップ14:2014年4月に誕生した「note」の躍進
ブログ検索が終了した2013年、2014年頃。「ブログはオワコン」と言われていたまさにその時期、2014年4月に「note」という新しいブログサービスが誕生しました。そして、どんどんユーザー数を伸ばしています。
スライドのグラフを見ると、noteの月間アクティブユーザー(MAU)は、2019年1月に1,000万、2019年9月に2,000万、2020年3月に4,400万、2020年5月に6,300万と急成長しています。売上高も四半期ごとに伸び続けています。
| 時期 | noteのMAU(月間アクティブユーザー) |
|---|---|
| 2019年1月 | 1,000万 |
| 2019年9月 | 2,000万 |
| 2020年3月 | 4,400万 |
| 2020年5月 | 6,300万 |
ステップ15:日本のアクセスランキングで、noteがアメブロを逆転
では今、noteはどのくらいの位置にいるのか。これは面白いので、ぜひ皆さんにも見ていただきたいのですが、「Similarweb」というアクセスランキングのサイトがあります。世界のランキングも日本のランキングも見ることができます。
日本のアクセスランキングを見ると、1位Google、2位Yahoo!、3位YouTube、4位Yahoo!ニュース、5位X(旧Twitter)という順番です。10位にはChatGPTが入っていて、順位もどんどん上がっています。16位にはGeminiも入っています。アダルトサイトも入っていますが、こんな感じでランキングが発表されています。50位まで見ることができます。
これを毎年ウォッチしてまとめたのが、スライドの表です。noteは、2023年2月時点で28位、2024年10月に18位、2025年10月に14位、そして2026年10月も14位です。一方、アメブロはどんどん順位を落としていて、11位、15位、19位となっています。
もう今は、日本のブログサービスの1位はnoteになってしまったんですね。noteは最近のサービスのような気がしますが、実は2014年からあるので、意外と古いんです。
| 調査日 | noteの順位 | アメブロの順位 |
|---|---|---|
| 2023年2月10日 | 28位 | ― |
| 2024年10月14日 | 18位 | 11位 |
| 2025年10月20日 | 14位 | 15位 |
| 2026年10月19日 | 14位 | 19位 |
2026年10月19日付のランキングを、上位だけ抜き出しておきます。
| 順位 | サイト |
|---|---|
| 1 | google.com |
| 2 | yahoo.co.jp |
| 3 | youtube.com |
| 4 | news.yahoo.co.jp |
| 5 | x.com |
| 6 | amazon.co.jp |
| 7 | docomo.ne.jp |
| 8 | rakuten.co.jp |
| 9 | bing.com |
| 10 | chatgpt.com |
| 11 | instagram.com |
| 12 | pixiv.net |
| 13 | wikipedia.org |
| 14 | note.com |
| 15 | google.co.jp |
| 16 | gemini.google.com |
| 19 | ameblo.jp |
ステップ16:なぜnoteなのか?──「バズらなくていい」ビジネスモデル
では、なぜnoteが今注目されているのでしょうか。
基本的に、今までのアメブロも、Xも、YouTubeも、TikTokも、Instagramも、すべてに共通していることがあります。それは、バズろう、話題になろうと思ったら、人の誹謗中傷を言うとか、変なことをするとか、面白いことをするとか、そういうことをしないとバズらない、ということです。
なぜバズってアクセスを稼ぐ必要があるのか。それは、たくさんの人に見てもらえば見てもらうほど、SNS側に広告収入が入るからです。広告収入が入るから、投稿者にも収益が還元される。そうなると、稼ごうと思ったらバズる投稿をした方がいい、となって、結局は炎上するようなことをする、という流れになるわけです。
ところが、noteは面白いことに、広告が入らないんです。皆さんの中にも、noteでレポートを書いている人は多いと思いますが、広告は全然ないですよね。
講義では、比較のために僕のアメブロをお見せしました。開くと、ポンと広告が出てくるし、ここにも、この下にも、イオンモールの広告も……と、もう広告だらけなんですね。しかも、これを解除することはできません。表示も遅い。
一方、noteは、どの記事を開いても、どこにも広告が入っていません。
ということは、noteでバズる投稿をしても、投稿者には何もいいことがないわけです。広告収入が得られないので、収益にならない。YouTubeやTikTokは稼げるのに、noteでバズる記事を書いても意味がないんです。
では、なぜみんなnoteに記事を書いているのか。noteの記事を見ると分かりやすいのですが、記事の途中に「ここから先は300円払ったら読めますよ」と書いてあるものがありますよね。
つまり、記事を有料で販売しているんです。バズる投稿ではなく、本当にいい内容を書いているなら、お金を出してでも読みたい人がいる。それで成り立っているわけです。広告収入ではなく、読者一人ひとりからお金をいただいて成り立つ仕組みなんですね。
ステップ17:お金を払っているのに広告が入るメディアとの違い
この考え方は、結構大事だと思っています。記事にお金を払う価値があるから、お金を払う。そう考えると、今までのメディアとは違うということが分かりますよね。
- 新聞:私たちはお金を払って新聞を取っているのに、広告が入っていますよね。
- テレビ:皆さんはお金を払っていないので、広告が入るのは分かります。これは許せますよね。
- 雑誌:皆さんはお金を出して雑誌を買っているのに、中身を見ると広告だらけですよね。
本来ならどちらかに振ればいいのに、結局ユーザー数が集まったら、そこで広告でも稼ごうとしてしまう。でもnoteはそうではなく、広告を出さず、いい記事を書けばお金を払ってでも読みたい人がいる、という仕組みになっています。だから、中身を重視する人がnoteに記事を書くんですね。
| メディア | 読者がお金を払うか | 広告が入るか | 収益の柱 |
|---|---|---|---|
| テレビ(民放) | 払わない | 入る | 広告 |
| 新聞 | 払う | 入る | 購読料+広告 |
| 雑誌 | 払う | 入る | 販売+広告 |
| アメブロ | 払わない | 大量に入る(解除不可) | 広告 |
| X、YouTube、TikTok、Instagram | 払わない | 入る | 広告(投稿者へも還元) |
| note | 有料記事は払う | 入らない | 記事販売・月額購読 |
ちょっと余談ばかりしていると終わらないので、このくらいにします。noteとアメブロは、考え方が全然違うということです。どちらがいい・悪いではありません。そもそもビジネスモデルが違うんです。前回の検索エンジンの回でも、Yahoo!とGoogleは考え方が全然違うという話をしましたが、日本の2大ブログサービスであるnoteとアメブロも、まったく考え方が違うということが分かると思います。
| 比較項目 | アメブロ | note |
|---|---|---|
| 開始 | 2004年9月15日 | 2014年4月 |
| 収益モデル | 広告収入 | 有料記事・月額購読 |
| 広告表示 | 多い | なし |
| バズることの意味 | アクセスが増え広告収入につながる | 収益には直結しない |
| 書き手の傾向 | アクセスを集めたい人 | 中身を重視する人 |
| 日本のアクセスランキング(2026年10月) | 19位 | 14位 |
ステップ18:僕が有料で読んでいるnote──「アプリマーケティング研究所」
講義中に「先生は有料記事をどのくらい読んでいますか?」という質問をいただきました。
実は、僕が有料で記事を買うことはあまりないんです。1年に5本ぐらい、あるかないか、というところでしょうか。
その中で、唯一、過去に何回も買っているのが「アプリマーケティング研究所」というnoteのアカウントです。このアカウントは、めちゃくちゃ勉強になるんです。
途中まで無料で読めて、いいところまで行くと「ここから先は有料です」となる。講義でお見せした記事は、ちょっと早めに有料部分に入る例でしたが、本当はもう少し無料で読めるものが多いです。また、1記事ごとに買える場合と、月額で払わないと読めない場合があります。僕は月額に入ることはまずなくて、記事単位で買うのはこのくらいかな、という感じです。
ステップ19:「SNS」は和製英語──海外では「ソーシャルメディア」
ここからは、いわゆるソーシャルメディアの話をしていきます。ブログもSNSの1つなのですが、ここからはもっと広い意味でのソーシャルメディアです。
日本人は「SNS、SNS」とよく言いますよね。実は、SNSは和製英語で、海外では通用しません。海外では「ソーシャルメディア」と言います。海外で「SNS」と言うと「何それ?」と聞かれるので、注意してください。日本が作った言葉なので、本当は「ソーシャルメディア」と言った方がいいんです。
ちなみにSNSは、S=ソーシャル、N=ネットワーキング、S=サービスの略です。マスメディアと対比して、ソーシャルメディアと言うわけです。
スライドでは、フロー型のSNSについても整理しています。TwitterやFacebook、LINEのようなSNSは、好きなアカウントとつながって、投稿をリアルタイムに追うものです。投稿はどんどん流れていくので、逆に時系列をさかのぼって昔の記事を見てもらえる可能性は低い、という特徴があります。また、Twitterのフォロワー数とは、「投稿を見たいと思っているファンの数」のことです。世界中の人と人がつながったネットワークが、ソーシャルメディアなんですね。
| 比較項目 | ブログ(ストック型) | SNS(フロー型) |
|---|---|---|
| 情報の流れ方 | 記事が蓄積され、検索で後から読まれる | 投稿がタイムラインを流れていく |
| つながり方 | 本来はフォロー機能がなかった | 好きなアカウントとつながってリアルタイムに追う |
| 過去の投稿 | 検索から見つけてもらえる | さかのぼって見てもらえる可能性は低い |
| 代表例 | アメブロ、note、ココログ | X、Facebook、LINE |
ステップ20:国内で利用されている主なソーシャルメディア【最新版】
次のスライドは、去年と今年で少し変えたのですが、国内で利用されている主なソーシャルメディアの最新版を調べてまとめたものです。たくさんアイコンが並んでいますが、「このSNSは有名なのに、ここにロゴがないよ」というものがあれば、ぜひ教えてください。かなり頑張って網羅しているつもりです。
実は、去年はもっとたくさん並んでいたんです。今年は、それをAIにお願いして作り変えてもらいました。デザインも変えてもらったので、去年あって今年ないものもあるのですが、ほぼほぼ入っていると思います。
最近注目なのは、Jiffcy、setlog、Divineあたりですね。最近のサービスが並んでいます。mixiも、mixiとmixi2の両方があります。
| カテゴリ | 主なサービス |
|---|---|
| SNS・コミュニティ | X、Facebook、Instagram、YouTube、TikTok、Threads、LINE、Discord、Reddit、Pinterest、LinkedIn、note、Ameba、Lemon8、BeReal、Bluesky、Mastodon、Tumblr、pixiv、mixi、mixi2、BAND、whoo、GRAVITY、Yay!、Jiffcy、setlog、Divine、Suno、twilog、GETTER、Truth Social |
| メッセージング(国内・海外) | Telegram、WhatsApp、WeChat、KakaoTalk、Snapchat |
| 動画・ライブ配信・ストリーミング | YouTube Shorts、TikTok Lite、17LIVE、SHOWROOM、Pococha、Twitch、Mirrativ、OPENREC.tv、ふわっち、ニコニコ動画、IBM Video Streaming、755 |
| 音楽・音声・ポッドキャスト | Spotify、Apple Music、Amazon Music、LINE MUSIC、Spoon、stand.fm、Radiotalk、SoundCloud、nana |
| レビュー・地域・グルメ・クリエイター支援・コミュニティ | Flickr、foursquare、Swarm、Yelp、Retty、食べログ、価格.com、ホットペッパーグルメ、Patreon、mobage、GREE、みんカラ、chefsnap、Vivino |
講義中に「RedNoteってあるんですね」というコメントをいただきました。RedNoteというSNS、僕は名前として知りませんでした。何かのアカウント名かな、と思ったのですが、あ、中国のサービスですね。漢字で「小紅書(シャオホンシュー)」と書くと分かる人もいるかもしれません。
ステップ21:2011年の東日本大震災の頃、SNSはFacebookの1強だった
次のスライドは、2011年3月11日、東日本大震災があった頃の、世界のSNSユーザー数ランキングです。
これを見ると、Facebookがダントツです。その次がQQ、QZone(中国のサービス)、そしてYouTube。その下は、皆さんが知っているものはほとんどないでしょう。Twitterはこの時点で8,500万人ぐらいしかいません。いかに震災の頃、Facebookが1強で、他のサービスが小さかったかが分かると思います。
当然、2011年の時点ではInstagramの名前はありません。Instagramは2010年秋に誕生したと以前お話ししましたが、2010年が明けてすぐに3.11が起きたので、まだ全然ユーザーがいないわけです。もちろんLINEもありません。LINEは、さっきの動画にもあったように、震災の3ヶ月後、2011年6月に誕生したからです。しかも、このランキングは世界のものなので、なおさら入っていません。
| 順位 | サービス | ユーザー数(2011年3月) |
|---|---|---|
| 1 | 659,770,038 | |
| 2 | 417,941,094 | |
| 3 | QZone | 193,612,800 |
| 4 | YouTube | 167,021,103 |
| 5 | 158,480,181 | |
| 6 | Tagged | 134,186,862 |
| 7 | Tumblr | 112,186,803 |
| 8 | 105,926,936 | |
| 9 | 103,596,552 | |
| 10 | MySpace | 87,065,732 |
| 11 | 85,186,967 | |
| 12 | Friendster | 68,494,145 |
| 13 | Hi5 | 64,586,317 |
| 14 | Orkut | 63,462,032 |
ステップ22:今の国内ユーザー数──LINE 1億人、YouTube 7,370万人(18歳以上)
では今、国内のユーザー数はどうなっているか。スライドの数字(2026年8月15日付)を見てください。
LINEが1億人。YouTubeは7,370万人ですが、これは18歳以上の数字です。YouTubeは18歳未満のデータを発表していないので分かりませんが、日本の18歳未満の人口の9割ぐらいを足すと、おそらく8,000万人から9,000万人弱になると思います。そして、Instagram、X、TikTok、Facebook、Threadsと続いています。
| SNS名 | 国内ユーザー数(2026年8月15日付) |
|---|---|
| LINE | 1億人 |
| YouTube | 7,370万人(※18歳以上) |
| 8,200万人 | |
| X(旧Twitter) | 6,800万人 |
| TikTok | 4,200万人 |
| 2,600万人 | |
| Threads | 1,100万人 |
| 1,050万人 | |
| note | 1,000万人 |
| Lemon8 | 580万人 |
| Discord | 500万人 |
| BeReal | 430万人 |
| 400万人 | |
| Eight | 350万人 |
| Clubhouse | 不明 |
| Snapchat | 不明 |
皆さんは、多いものから順番に、どのあたりまで使っていますか?
また、総務省の「令和7年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」(令和8年6月26日公表)では、主なソーシャルメディアの利用率が年代別に出ています。
| サービス | 全年代 | 10代 | 20代 | 30代 | 40代 | 50代 | 60代 | 70代 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| LINE | 92.9% | 96.4% | 97.7% | 97.9% | 96.6% | 95.6% | 92.0% | 77.8% |
| X(旧Twitter) | 44.7% | 56.4% | 73.4% | 67.7% | 57.0% | 40.2% | 24.8% | 10.8% |
| 27.0% | 14.3% | 23.4% | 37.4% | 38.9% | 33.1% | 22.6% | 12.5% | |
| 54.8% | 69.3% | 82.6% | 76.6% | 67.1% | 54.4% | 36.1% | 15.8% | |
| YouTube | 81.5% | 95.0% | 96.3% | 94.0% | 91.6% | 84.9% | 72.6% | 48.5% |
| ニコニコ動画 | 12.1% | 19.3% | 22.9% | 20.0% | 13.1% | 5.9% | 7.3% | 4.7% |
| TikTok | 36.7% | 67.9% | 61.5% | 44.7% | 42.6% | 32.2% | 21.2% | 11.1% |
実は、スライドのユーザー数の表からは外しているのですが、本当はニコニコ動画もあります。ニコ動さんは今すごく苦戦していて、多分今は1,000万人ぐらいではないかと思います。これは動画の回に詳しくお話ししますが、日本では、YouTubeよりニコニコ動画の方がユーザー数が多くて人気があった時代があったんです。なぜニコ動は日本で負けてしまって、YouTubeが勝ったのか。ここにも、いろいろなお話があります。
ステップ23:ソーシャルメディアの接触時間は2022年をピークにマイナスへ
そして、これは大事な話です。過去にお話ししたかと思ったのですが、まだでしたね。ソーシャルメディアの接触時間は、2022年をピークにマイナスに転じています。
2022年は、ChatGPTが誕生した年です。この年をきっかけに、SNSの接触時間が減っているんですね。スライドのグラフ(GWIのデータをもとにしたFinancial Timesのグラフ)を見ると、特に16〜24歳の若い世代ほど、早く減り始めているのが分かります。
考えてみれば、そうですよね。今までなら、LINEで友達に「実はこんなことで悩んでいて」「こんなことで困っているんだけど」とやり取りしたり、TikTokやYouTubeで自分の困っていることや悩んでいることを検索して、動画を見たりしていました。SNSを情報を得るために使っていたわけです。それが、生成AIに聞けるようになりました。
そうすると、SNSでコミュニケーションしたり何かを見たりするのではなく、AIで答えを解決するようになりますよね。もし、今まで通りSNSを使いながら、AIも使うとすると、当然、何かの時間を削らなければなりません。寝る時間を変えないのであれば、何かが影響を受けている。それがSNSの接触時間だ、という話です。
スライドには、エンタメの方向性について書かれたある投稿も紹介しています。AIがエンタメを陳腐化させ、オープンなSNSは廃れていく。これからはオープンなSNSから、PodcastやDiscord、Threadsのようなクローズドな場、いわゆる「Deep Media」が台頭してくるのではないか。「どれだけ届くか」ではなく「どれだけ深く響くか」が問われる時代になる──そんな見立てです。
| 時期 | ソーシャルメディア接触時間の傾向 | 背景 |
|---|---|---|
| 2014年〜2022年 | 右肩上がりで増加(全体で1日約1.5時間→約2.5時間) | スマホの普及、SNSの多様化 |
| 2022年 | ピーク | ChatGPTの誕生 |
| 2022年以降 | 減少に転じる(特に16〜24歳で早く減少) | 悩みや調べものをAIで解決するようになった |
ステップ24:僕の場合は「睡眠時間」が犠牲に
ただ、僕はこの考え方があまり好きではないんです。
今まではSNSを使っていました。その前は検索エンジンを使っていました。でも、検索エンジンも今まで通り使うし、SNSも使う。そこにAIまで加わったら、何が犠牲になるかというと、僕の場合は睡眠時間なんです。年々やることが増えて、調べることが増えれば増えるほど、睡眠時間がどんどんなくなっていきます。もう、どうにかしてほしいくらいです。
今年に入って10ヶ月が経ちましたが、「寝よう」と思って寝た日は2日ぐらいしかありません。それ以外は全部寝落ちです。だいたい22時か23時に寝落ちか仮眠をしてしまう。電気をつけたまま寝ているわけです。そして夜中の2時、3時ぐらいに目が覚めて、「やばい、仕事しなきゃ」と思って仕事をして、そのまま朝、という生活を、もう10ヶ月ぐらい続けています。
今日の仕事が終わって「さあ寝よう」と寝たことは、2回ぐらいしかない。それぐらい仕事が終わらないんです。さらに今は音楽も作っているので、その分だけまた寝る時間が減っていて、もうしょうがないことになっています。
皆さんは、ちゃんと寝てくださいね。まだ成長期ですから。
講義中の質問「睡眠時間が少ないと体調を崩しませんか?」
講義中に、こんな質問をいただきました。これがね、違うんですよ。
寝落ちするじゃないですか。寝落ちして、本当に疲れていたら、朝までちゃんと寝ているんです。目が覚めるということは、その時点で睡眠時間はクリアしているということなんですね。
だから、2時、3時に起きるのは、それでオッケーな時に起きているんです。本当に疲れている時は朝まで寝ますし、1回起きたとしても、また寝たりします。なので、実は睡眠時間は足りているんです。
ステップ25:お知らせ──AI音楽の本を出版します
ちなみに、ちょっと先にお話ししておきますと、来月、AI音楽についての本を出版することが決まりました。まだ内緒なんですけど、決まりました。11月22日に、Kindleで99円で発売しますので、よかったら……「買ってください」って、大学の先生が営業するのは、ちょっとあまりよくないですよね(笑)。「出ますよ」までにしておきます。この講座の中でもいろいろお話ししていきたいと思いますし、中身もお見せしていいので、決まりました、という話だけしておきます。
Facebook・Twitterの台頭、アラブの春と東日本大震災、ダンバー数150人とグローカルな人間関係
ステップ1:後発だったFacebookが、2009〜2010年に一気に抜き去った
さて、そんなことを話している時間はないですね(笑)。次に進みましょう。最近のSNSのことは皆さんの方がよくご存じだと思うので、なるべく初期の頃の話を多くしたいと思います。
まず、2011年の震災がきっかけで、いかにSNSが普及したかという話をしました。ここで、Facebookが2011年に抜け出していることを、動画で振り返ってみると面白いです。
講義でお見せしたのは、1997年から2023年までの、世界で人気のソーシャルメディアのユーザー数の推移を、棒グラフが伸び縮みする動画で見せるものです(YouTubeの「Most Popular Social Media Platforms 1997 – 2023」)。1997年から、一応ソーシャルメディアのようなものはあったのですが、皆さんは全然知らないサービスばかりですよね。知らなくていいです。
少し飛ばして、2004年ぐらいにFacebookが出てきます。最初はYouTubeの方が先に人気で、Facebookは後発でした。でも、Facebookがどんどん伸びていって、ぐわっと来たんです。それが2009年から2010年ぐらい。一気に来ました。ただ、この時点では、まだ日本には来ていません。そこからFacebookの独走態勢になっていきます。
ステップ2:世界ではFacebook、日本ではX──10倍の差がある「逆転現象」
日本では、皆さんTwitter(今のX)が有名だと思っていますよね。でも世界で見ると、FacebookとTwitterでは、ユーザー数が10倍も違うんです。Facebookは33億人ぐらいいて、Twitterは3億人ぐらいしかいません。
ところが日本では、Twitterの方がユーザー数が多くて、Facebookの方が少ない。Xが6,800万人に対して、Facebookは2,600万人しかいません。
だから、皆さんは世界でもTwitterが流行っていると思っているかもしれませんが、違うんですね。世界では逆どころか10倍違います。日本だけが特別にXが流行っているのであって、世界ではXはそれほど流行っていない。Facebookは、日本ではこのくらいだと思います、という感じなんです。
| 比較 | 世界 | 日本 |
|---|---|---|
| 約33億人(ユーザー数1位) | 約2,600万人 | |
| X(旧Twitter) | 約3億人 | 約6,800万人 |
| 関係 | Facebookが約10倍多い | Xの方が多い(逆転) |
ステップ3:2011年1月、映画「ソーシャル・ネットワーク」が日本で公開
その流れが変わったのが、2011年1月です。Facebookの創始者であるマーク・ザッカーバーグが、どうやってユーザー数を6億人まで伸ばしたのかを描いた映画「ソーシャル・ネットワーク」が、日本でも公開されました。
アメリカでは1年前の2010年に公開されていて、日本では2011年1月の公開でした。この映画とFacebookによって、「Facebookって何?」ということが、急に日本で話題になったのが2011年なんですね。
ステップ4:2010年元旦、鳩山首相の「今日からTwitter始めます」
ちなみに、スライドにも書いたように、日本では2010年のお正月に、当時の総理大臣だった鳩山由紀夫さんが「今日からTwitterを始めます」と投稿して、まずこれが話題になりました。
時の総理大臣がSNSを始めると言ったら、SNSをやったことがない人たちも「何をやってるの?」「Twitterって何なの?」と思いますよね。これで、2010年、2011年ぐらいから、日本でSNSがちょっと動き出すんです。
初回にお話ししたように、iPhoneが発売された2008年頃、日本ではSNSは全然流行っていませんでした。3年経った2011年の時点でも、まだそれほど流行っていなかったのですが、この2011年ぐらいから日本でSNSが動き始めます。そのきっかけが「ソーシャル・ネットワーク」の映画であり、その1年前、2010年の鳩山首相のTwitter開始あたりから動き始めた、ということなんですね。
また、アメリカでは2009年に、オバマ大統領が選挙でTwitterを活用して当選した、という話も有名です。このあたりから「ソーシャル」という、「社会的な」「公的な」という意味の言葉が使われるようになり、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)とも呼ばれつつ、マスメディアと対比したメディアとして「ソーシャルメディア」と呼ばれるようになっていきました。
| 年 | 国 | 出来事 |
|---|---|---|
| 2009年 | アメリカ | オバマ大統領が選挙でTwitterを活用して当選 |
| 2010年1月1日 | 日本 | 鳩山由紀夫首相がTwitterを開始し、Twitterの認知度が上がる |
| 2010年 | アメリカ | 映画「ソーシャル・ネットワーク」公開 |
| 2011年1月 | 日本 | 映画「ソーシャル・ネットワーク」公開、Facebookが話題に |
ステップ5:Facebookの始まりは「大学のシステムへのハッキング」だった
「ソーシャル・ネットワーク」の映画は、多分レンタルビデオ屋さんなどにあると思うので、興味がある方は借りてみると面白いですよ。この歴史がなかなか面白いんです。
当時、ハーバード大学にマーク・ザッカーバーグという学生がいました。彼は、女の子の美人を決める「ミスコンテスト」のようなことをやろうと思ったのですが、普通のミスコンでは面白くないので、何かいい方法はないかと考えました。
そこで、大学のシステムにハッキングして入り込み、学生名簿を全部手に入れたんです。名簿には顔写真が貼ってありますよね。その情報を集めて、「この子とこの子、どっちが可愛い?」と投票するサイトを作りました。
それが、Facebookのきっかけです。つまり「顔の本」。学生全員の顔の本を作って、それで投票する仕組みを作ったのが始まりなんですね。一番最初は、ハッカーだったわけです。
大学の仕組みをハッキングして学生の名簿を集めたので、ハーバード大学の学生の実名が全部名簿になっていました。すると、みんなは「便利だ」と思ったんです。悪いことをした人はいたけれど、使う側からすれば便利だった。だって、大学生同士で連絡を取る時に、実名で検索して探せるわけですから。
それを、ハーバード大学という、日本でいえば東大のような有名な学校で作ったので、「隣の大学でも、他の大学でも、その仕組みが欲しい」ということになりました。そこで「じゃあ、お前たちの大学でもこれを使ったらいいよ」と、大学ごとにそれを売っていったんです。
それがずっと広がっていって、「大学生以外も使ったらいいんじゃないの?」となったのが、今のFacebookです。実名で誰でも入れるようになりましたが、スタートはハーバード大学のシステムをハッキングしたところから始まっている。そして、そこからどうやって有名になり、どうやってお金を調達したのかが、全部その映画の中で語られています。
これが、SNSの世界最大手の会社のスタートなんですからね。今、ユーザー数1位はFacebookです。皆さんが使っているInstagramも、同じMetaという会社ですよね。Facebookが社名を変えてMetaになったわけですが、もともとはハッカーの会社だった、って知っていましたか?
| Facebookの歩み | 内容 |
|---|---|
| きっかけ | ハーバード大学のシステムにハッキングし、学生名簿(顔写真付き)を入手 |
| 最初のサイト | 「どっちが可愛い?」と投票するサイト=「顔の本(Facebook)」 |
| 広まった理由 | 実名で同じ大学の学生を検索して連絡できる便利さ |
| 拡大 | 他大学にも提供 → 大学生以外にも開放 → 実名で誰でも参加可能に |
| 現在 | 社名をMetaに変更。Instagramも同社。世界のSNSユーザー数1位 |
ステップ6:なぜFacebookは日本で広まらなかったのか?──匿名文化とX
講義中に「Facebookは、なぜ日本で入らなかったのでしょうか?」という質問をいただきました。
答えは、Xが流行っているからです。日本は匿名文化が好きで、実名文化は受け入れられにくいとずっと言われてきました。それでもFacebookは、日本では流行った方だと思います。ただ、やはり実名が苦手という人が多かったことが、大きかったと言われていますね。
ステップ7:Twitterは「ミニブログ」として生まれた
Twitterというサービスは、最初は「ミニブログ」と言われていました。皆さん、思い返してみてください。新しいサービスが出てくると、テレビなどで「○○の××は」と、冠のような説明がつきますよね。Twitterは最初、「ミニブログサービスのTwitterは」と紹介されていました。あるいは「短文投稿サービスのTwitterは」とも言われていました。
なぜかというと、「短文投稿のSNS」と言っても、意味が分からなかったからです。その前はブログが流行っていたので、ブログは知っている。そのブログの小さい版、140字しかつぶやけないミニ版なので、「ちっちゃいブログサービスですよ」という感じで、その肩書きを使っていたんですね。
ステップ8:人類史上初の「自分の思考を言語化するツール」
そしてこれによって、人類は史上初めて、「自分の思考を言語化するツール」を手に入れました。これは素晴らしいことだと思います。
「つぶやく」という言い方をしたこと、つまり「ツイート」という「つぶやく」という意味の言葉を使ったことで、「自分の思ったことは口に出していいんだ」という文化ができたんですね。
そういう文化は、それまでなかったんです。なぜかというと、その前は「日記」だったからです。日記は、自分が思ったことを書くものではなく、あったことを書くものですよね。「今日はこういうことをしました」と書くのが日記です。
「お腹すいた」とか「ムカつくんだけど」といったことを投稿するサービスは、それまでなかったわけです。そういうSNSはありませんでした。
| 比較項目 | 日記・ブログ | Twitter(ツイート) |
|---|---|---|
| 書く内容 | あったこと(出来事) | 思ったこと(思考・感情) |
| 例 | 「今日はこういうことをしました」 | 「お腹すいた」「ムカつくんだけど」 |
| 形式 | 件名あり、ある程度の長さ | 件名なし、140字の短文 |
| 生まれた文化 | 出来事を記録する文化 | 思ったことを口に出していいという文化 |
ステップ9:思考を溜めなくなったことの副作用──「草食男子」と文章力の低下
Twitterによって、自分が思ったことをすぐにつぶやけるようになると、頭の中に思考が溜まらなくなりました。
ムカついたら「ムカつく」と書くし、好きな人には「好きだよ」「好きなんだけど」と、すぐ言葉に出してしまうようになったんです。
これは僕の持論なのですが、思考を溜めなくなったことで、「草食男子」が増えたのではないかと思っています。ある程度気持ちを溜めておかないと、「いざ告白しよう」とか「誰かにラブレターを書こう」という気持ちにならないんです。それなのに、簡単に思いを伝えられるツールができたことで、人間の思考も落ちるし、文章を書く能力も落ちるということが始まっている気がします。
実際、スライドに載せた方々は、全員もともと文章を書くプロの方々ですが、Twitterを始めたら長い文章が書けなくなった、ということを言っていました。
| 発言者 | 内容(要旨) |
|---|---|
| 滝井秀典さん | 最近、自分の文章構成力が落ちてきたと感じ、Twitterのショートメッセージによる情報発信に慣れたことが原因の1つではないかと仮説を立てて、しばらくTwitterを休むことにした |
| 秋武政道さん | Twitterばかりやっていたら、mixi日記やブログなどの長文を書く気力がなくなってしまったように思える |
| 竹内謙礼さん(メルマガ) | 毎日濃い発言を繰り返すことで、連載や他の執筆活動に負担がかかっている。長い文章を書くのが雑になっている気がする |
| 松尾茂起さん | 久々に文章を書くと筆が遅い。書きたいことは頭の中にあるのに、記事という形にする感覚が鈍っている。140字ならいくらでも書けるのに |
| メリット | デメリット(横田の持論を含む) |
|---|---|
| 思ったことを気軽に言語化できる | 頭の中に思考が溜まらなくなる |
| 人とすぐにつながれる | 気持ちを溜めないので「告白」「ラブレター」のような行動が起きにくくなる(草食男子化) |
| 短文なら誰でも発信できる | 長い文章を書く力が落ちる |
ステップ10:2011年1月「アラブの春」──SNSが国の政権を倒した
有名なのが「アラブの春」です。これも2011年1月のことです。Facebookを通じてエジプトの政権が崩壊しました。SNSの力が、国を倒すところまで来たということで、世界中でニュースになりました。
そして、エジプトだけでなく、「うちの国でも」「隣の国でも」、同じようにFacebookの力を使って政権を倒そうという動きが広がりました。これを「アラブの春」と言います。これによって、SNSが世界中で注目されるようになったのが2011年なんですね。
スライドの図で、その流れを整理しておきます。
- 生活難:エジプトでは5人以上の集会で政府を批判することが禁止されていました。
- チラシ:「Facebookを見て!」というチラシが配られます。
- Facebook:友達同士が交流し、デモのイベントを決めます。
- デモ:デモの様子をUSTREAMでネット生配信します。
- YouTube:デモの様子の録画をアップします。
- Twitter:友達以外の多くの人に伝播していきます。
- 最後は:ネットが遮断され、電話で交流するようになりました。
| 使われたメディア | 役割 |
|---|---|
| チラシ | 「Facebookを見て!」とオフラインで誘導 |
| 友達同士の交流、デモの日程・場所の決定 | |
| USTREAM | デモの様子をリアルタイムで生配信 |
| YouTube | デモの録画をアップロード |
| 友達以外の多くの人へ拡散 | |
| 電話 | ネット遮断後の連絡手段 |
日本では、さっきお話ししたように「ソーシャル・ネットワーク」の映画が公開され、ここからSNSが動き出したのが2011年、ということです。
ステップ11:東日本大震災とTwitter──「Xで検索する」文化はここから生まれた
そして日本では、何と言っても東日本大震災です。2011年3月11日、東日本大震災が起きた時、Twitterを使って情報を交換したり、何かを調べたりするのが便利だということで、Twitterが話題になりました。
その時、Twitterのサーバーがダウンしなかったことが非常に大きかったんです。スライドの資料によると、NECビッグローブの調べでは、3月11日の日本のTwitterの投稿数は約3,300万件で、通常の約1.8倍でした。でも、世界規模で見れば許容範囲だったので、サーバーは落ちなかったんですね。
皆さんは、15年前のことなので覚えていないかもしれません。当時は計画停電があったり、原発がどうこうというニュースがあったり、また地震があったりと、今まで経験したことのないようなニュースが次々と流れてきました。そんな時、新しい情報を手に入れるツールは、Twitterしかなかったんです。
テレビを見ていても、全国ニュースは流れますが、地元で何がニュースになっているかは分かりません。地方のニュースは、1時間番組の最後に少しあるくらいですよね。その時間にちゃんと必要なニュースを伝えてくれるかというと、そうでもない。結局、新しい情報が入手できなかったんです。
でも、Twitterは検索すれば新しい情報を探せますよね。つまり、今の皆さんが普通にXの中で検索して情報を探す、という文化を作ったのは、震災なんです。
実はデータも出ていて、世界ではTwitterの中で検索するという文化は根付いていません。根付いているのは日本なんです。だから日本ではTwitterが人気なんですね。つまり、きっかけは震災です。Twitterは、つぶやくツールであると同時に、検索すれば最新情報が拾えるツールだということを、震災を通してみんなが経験した。それが今のTwitter(X)につながっている、と僕は思っています。
この時、「絆」という仲間意識も再認識されました。
| 比較項目 | テレビ | Twitter(震災時) |
|---|---|---|
| 伝える情報 | 全国ニュース中心 | 地域ごとの細かい情報も |
| 地方のニュース | 番組の最後に少しだけ | 検索すればすぐ見つかる |
| 情報の速さ | 放送時間に依存 | リアルタイム |
| 震災が残した文化 | ― | 「Xで検索して最新情報を探す」という日本独自の使い方 |
ステップ12:TwitterとFacebookで異なるコミュニケーション方法
時間がなくなってきたので、少し飛ばして、ここだけはお話ししておきます。TwitterとFacebookで、コミュニケーションの方法が違うという話です。
| 比較項目 | Twitter(X) | |
|---|---|---|
| 交流の相手 | 他人と交流・匿名 | 友達と交流・実名 |
| 背景にある理論 | 弱い絆の強さ | 6次の隔たり理論(スモールワールド現象) |
| 提唱者 | マーク・グラノヴェッター教授 | スタンレー・ミルグラム教授 |
| 理論の内容 | 価値ある情報の伝達やイノベーションのアイデアなどは、家族や職場の同僚といった強い絆の関係者より、ちょっと離れた知人からの方が出てくる | 人は自分の知り合いを6人以上介すと世界中の人々と間接的な知り合いになれる、という仮説。多くの人数からなる世界が、比較的少ない人数を介してつながる |
| 相談に向いていること(例) | ローンの相談、性の悩み、不倫など、身近な人には言いにくいこと | 妻への誕生日プレゼントなど、自分をよく知る人に聞きたいこと |
ステップ13:「あなたが本当に知りたい答えは友達が知っている」──ザッカーバーグの考え方
これは、Facebookを作ったマーク・ザッカーバーグが言っていることです。「あなたの本当に知りたい答えは、友達が知っている」。
つまり、Googleで検索しても、検索結果に出てくる答えは、あなたが本当に知りたい答えではなく、一般論しか返ってこないでしょう、ということです。あなたが本当に知りたい答えは、日頃からコミュニケーションを取っている友達こそが、あなたがどういうことを知りたいのかを一番よく知っているはずだから、友達に聞いたらいいんじゃないの、と。
だから、Googleのような検索ではなく、Facebookを使った方が、悩みや困っていることは解決できるんだよ、とザッカーバーグはよく言っています。僕もそう思います。
最近は、AIに相談する人が増えていますよね。でも、AIに相談しても、AIは皆さんの日常を知っているわけではありません。AIに相談した内容以外のこと、つまり皆さんの24時間すべてを音声データか何かで渡しているなら別ですが、何を考えているのか、友達と何を話したのか、といった情報まで全部AIに渡しているわけではないですよね。
だとしたら、あなたのことを一番よく知っているのは親友のはずです。それなら、親友に聞いた方がいい答えが出るんじゃないの? というのが、Facebookの考え方です。
ステップ14:人間を制するFacebook vs 情報を制するGoogle、そして端末を制するApple
スライドに書いたように、「正しい情報は友達が知っている」Facebookと、「検索すれば正しい情報が見つかる」Google。人間を制すればインターネットを制する、というのがFacebookの考え方です。一方で、人間がインターネットを使うにしても、その先にある情報を集めることができれば制することができるんじゃないか、というのがGoogleの考え方です。まったく逆なんですね。
Facebookが押さえようとしているのは「人間」の情報です。実名、顔写真、生年月日、学歴、経歴、趣味、家族構成。Googleが押さえようとしているのは「情報」そのものです。ホームページ、写真、動画、メール、スケジュール、近況報告、資料。
ちなみにGoogleは、Facebookの代わりになるものとして、2011年に「Google+」を作りましたが、2019年8月に終了しています。
一方で、Appleという会社は、「端末を制すればインターネットを制することができる」という考え方です。それぞれに考え方があって、こういう構造になっていますよ、というお話です。
| 企業 | 制するもの | 考え方 | 押さえている情報の例 |
|---|---|---|---|
| Facebook(Meta) | 人間 | 正しい情報は友達が知っている | 実名、顔写真、生年月日、学歴、経歴、趣味、家族構成 |
| 情報 | 検索すれば正しい情報が見つかる | ホームページ、写真、動画、メール、スケジュール、近況報告、資料 | |
| Apple | 端末 | 端末を制すればインターネットを制する | iPhoneなどのデバイス |
| (Google+) | ― | Facebook対抗として2011年に開始、2019年8月に終了 | ― |
ステップ15:ダンバー数──友達は150人までしか維持できない
時間がない……そうそう、この話はしておきましょう。これは結構大事です。**「ダンバー数」**という考え方があります。友達は150人しかできないという法則です。
当たり前なのですが、幼稚園から友達がたくさん増えていきます。「一年生になったら 友達100人できるかな」という歌があるように、友達を100人作っていくとしましょう。そして仮に、150人まで作ったとします。
大学に入って、151人目の友達を作ったとします。そうすると、幼稚園からつながっている150人の誰か1人を忘れないと、151人目の友達はできない、という意味なんです。
だって当たり前ですが、親しい関係を維持したまま友達を増やし続けたら、さっきの僕の話と同じで、睡眠時間がなくなるか、お金がなくなるか、どちらかですよね。飲みに行く回数も、遊ぶ回数もどんどん増えて、時間が奪われていきます。みんな1日24時間しかないし、お金も決まっています。だから、無限には増えないんです。
そうなると、150人ぐらいが限界。顔と名前が一致して、本当にコミュニケーションを取っている友達は、150人しか作れないということです。皆さんは何人友達がいますか? 150人もいないでしょう。
ゆるくつながっているという意味ではありませんよ。普段から連絡を取り合っている友達は何人いるのか、と聞かれたら、150人作るだけでも大変だと思いませんか? こういう法則があるんです。
ダンバー数を裏付ける身近な例
スライドには、イギリスの学者ロビン・ダンバーの説明も載せています。150人以下であれば、規範やルールがなくても同じ目標を達成することができ、これが最大の効果を生む組織の適正規模だ、と主張しています。逆に150人をわずかに超えただけで、分派行動が生まれ、お互いがギクシャクし始めて疎遠になり、各人のベクトルがバラバラになってしまう、と。
人間の集落を調査すると、250人(子どもを除くと150人程度)以下と、1,000人以上のどちらかに分かれるそうです。そして1,000人以上の集落には、宗教や儀礼のような共通のルールが発達して成り立っている。また、顔を合わせなくなると、感情的なつながりは1年に15%ずつ減っていくそうで、6年も経つとほぼ完全に切れる計算になるそうです。
- コミュニティ形成は150人が適正
- 教会のイスの数は150〜200個くらいが多い
- 軍隊も1小隊あたり200人くらい
- 世界中の村の平均は150人くらい
- 世界各地の狩猟民族は150人くらい
- 年賀状の最盛期に送る数は100〜200枚
- Twitterの平均的なフォロワー数は100〜180人
- Facebookの平均的な友達の数は130人
- LINEのグループ招待上限は200人(複数人トークは100人)
- 初代ポケモンのキャラクター数は151(笑)
- 「一年生になったら 友達100人できるかな」
| 例 | 数 |
|---|---|
| ダンバー数 | 150人(100〜230人の平均) |
| 教会のイスの数 | 150〜200個 |
| 軍隊の1小隊 | 約200人 |
| 世界の村の平均 | 約150人 |
| 狩猟民族の集団 | 約150人 |
| 年賀状(最盛期) | 100〜200枚 |
| Twitterの平均フォロワー数 | 100〜180人 |
| Facebookの平均友達数 | 130人 |
| LINEグループ招待上限 | 200人(複数人トーク100人) |
| 初代ポケモン | 151匹 |
ステップ16:大切な150人がいれば、2万2,000人に届く
だから、まずは大切な150人を作って、その人たちから自分のことを広めてもらうよう努力していけばいいんです。150人には、それぞれまた150人ずつの友達がいますよね。ということは、150人の友達に「私のことをもっと伝えて」と言ってもらえば、この時点で150×150、つまり2万2,000人ぐらいに伝えることができるんです。
150という数字は、ちょっと覚えておきましょう。
さらに言えば、いろいろな分野の専門家が150人いれば心強いですよね。たとえば、デザインならこの人が詳しい、科学ならこの人、物理ならこの人、英語ならこの人、長岡のことならこの子、情報リテラシーなら横田先生、恋愛ならこの人……何でもいいのですが、そういう人が150人いれば、皆さんが困ったことを友達に相談すれば、だいたい解決できると思いませんか?
そういう形で150人を作っておくといいと思います。作り方は、Facebookでなくても、LINEでもInstagramでも、Twitterでも何でもいいと思います。
| 段階 | 届く人数 |
|---|---|
| 自分が親しくつながれる人 | 150人 |
| その150人が、それぞれの150人に伝えてくれたら | 150×150=22,500人(約2万2,000人) |
ステップ17:人間関係もグローカル(=グローバル+ローカル)の時代へ
時間がなくなってきましたが、次のスライドです。「人間関係もグローカル」という話です。
まず、物理的に近い距離にいる人。インターネットが誕生する前の世の中には、これしかありませんでした。物理的に距離が近い人としか、友達になれなかったんです。
次が、真ん中の精神的に近い距離にいる人。物理的には近くないけれど、日頃SNSなどを通じて近い距離にいる人が出てきました。
そして、ネットを通して知り合った人。ゆるくつながっているけれど、そんなに親しくはない人もいますよね。
ここが面白いところで、物理的に近い人や精神的に近い人には相談できないことでも、もっとゆるい関係の人には相談できる、ということがあるんです。あまり親しい人だと「あなた、そんなこと考えてるの?」と怒られたりしますが、ゆるい関係の人は、そこまで考えずに返事をしてくれたり、話を聞いてくれたりします。これはこれでありなんですね。こういう関係は、インターネットがない時代にはあり得ませんでしたが、今はあり得ます。「ネッ友」って言いますよね。ネットでつながっている人は、こちらに当たると思います。
| 関係の種類 | 区分 | 代表的なツール | ポイント |
|---|---|---|---|
| 物理的に近い距離にいる人 | ローカル/リアル | LINE | リアルから始まったつながりを、LINEで濃くする |
| 精神的に近い距離にいる人 | ローカル/インターネット | Facebookを通して交流し、マインドシェアを得る | |
| ネットを通して知り合った人 | グローバル/インターネット | Twitter(X)などのSNS | 新たな出会いを生む。身近な人には言えない相談もできる「ネッ友」 |
ステップ18:日本と海外でSNSの使い方はまったく違う
最後に、細かく書いたスライドを紹介しておきます。これが結構面白くて、日本と海外では、SNSの使い方が違うという話です。
日本人は、とにかく人見知りが激しい。だから実名でやるのは苦手、顔出しするのも苦手。見るのは得意だけど、投稿するのは苦手。日本と世界で、SNSの使い方が実は全然違うということが、データにも出ています。
日本人は人見知りが激しい──ネットで知り合う人への信頼度
総務省の「ICTによるインクルージョンの実現に関する調査研究」(2018年)によると、「SNSで知り合う人達のほとんどは信頼できる」と答えた人(「そう思う」)の割合は、日本はわずか1.6%程度。アメリカは27.1%、ドイツは13.4%、イギリスは22.5%でした。日本人がいかにネットで知り合う人を信頼していないかが分かります。
| 「SNSで知り合う人達のほとんどは信頼できる」 | そう思う | ややそう思う |
|---|---|---|
| 日本 | 約1.6% | 11.3% |
| アメリカ | 27.1% | 37.3% |
| ドイツ | 13.4% | 33.5% |
| イギリス | 22.5% | 45.8% |
一方で、オフラインで実際に会ったことで信頼度が高まった理由(日本)を見ると、「趣味などの共通の話題が見つかった」が51.8%、「ソーシャルメディアを通じて知り合った人達の性格をより知ることができた」が51.8%、「会った人達の容姿や言動などが事前にイメージしていた通りかそれ以上に良かった」が48.2%でした。
日本人は「発信」より「閲覧」
同じ調査で、「自ら情報発信や発言を積極的に行っている人」の割合を、利用者全体で割ってみると、日本の発信者率は他国よりかなり低いことが分かります。
| サービス | 日本 | アメリカ | ドイツ | イギリス |
|---|---|---|---|---|
| 11.2% | 51.3% | 34.4% | 40.7% | |
| 20.4% | 31.2% | 24.0% | 25.5% | |
| 14.2% | 38.9% | 26.2% | 31.0% | |
| LINE | 25.0% | 26.4% | 16.6% | 13.9% |
| ブログ | 13.2% | 24.4% | 16.0% | 20.0% |
※「自ら発信者 ÷ 利用者」で算出(総務省「ICTによるインクルージョンの実現に関する調査研究」2018年)
日本のSNSは、世界と違って、自ら情報発信するのではなく、閲覧や返信で利用されているんですね。
日本のSNSは個人間のつながりより「自己中」
スライドには「日本のSNSは世界と違い、個人間のつながりより『自己中』で利用」と書きました。ソーシャルメディアを利用して良かったこと(日本、複数回答)を見ると、「趣味や身近な地域の話題など、自分が興味のある情報を得ることができた」が32.9%、「暇つぶしができた」が30.9%、「社会や経済等に関する最新のニュースや情報を得ることができた」が26.4%と上位で、「新しい友人ができた」は15.7%、「相談相手ができた」はわずか4.7%でした。
つまり、日本ではソーシャルメディアのメリットとして、個人間のつながりを生み出したり強めたりすることよりも、情報収集などの役割の方が強く認識されているということです。
| ソーシャルメディアを利用して良かったこと(日本) | 割合 |
|---|---|
| 良かったと思えたことがある | 73.1% |
| 趣味や身近な地域の話題など、興味のある情報を得られた | 32.9% |
| 暇つぶしができた | 30.9% |
| 社会や経済等に関する最新のニュースや情報を得られた | 26.4% |
| 家族や友達との結びつきが深まった | 16.2% |
| しばらく連絡を取っていなかった人と再び連絡を取れた | 16.5% |
| 新しい友人ができた | 15.7% |
| 相談相手ができた | 4.7% |
また、さらに深刻な問題として、ソーシャルメディアを通じて悪意を持つユーザーとつながり、犯罪に巻き込まれる可能性もあります。SNSは不特定多数の個人によるコミュニケーションを可能にするサービスなので、その可能性はより高まります。警察庁「平成29年におけるSNS等に起因する被害児童の現状と対策について」によると、SNSが原因となった犯罪に巻き込まれた児童の数は、2008年から2017年の間に増加傾向にあり、2017年には1,813人と過去最高を記録しました。
ぜひ、この辺りのスライドも読んでみてください。
ステップ19:今日のまとめ──SNSの話はこれからも続きます
はい、ということで、ちょっと時間がなくなってしまいましたが、今日は「SNSの台頭」ということでお話ししました。SNSの話は、この後の講義でもずっと出てきます。今日は、SNSが始まった頃の話を中心にしましたので、ぜひ参考にしてみてください。
SNSは「道具」であり、自分の言葉は自分にまとわりつく
今回の講義では、前回の検索エンジンを歌にした「探し方が変わっていく」から始まり、メロディや文章のオリジナリティ、そしてソーシャルメディアの歴史を振り返りました。
パソコン通信という「閉じた世界」から、世界で1つのインターネットへ。日記としてのブログ、件名のいらないTwitter、実名のFacebook、そして広告のないnote。SNSは、使いやすさやビジネスモデルの違いによって、勝ったり負けたりを繰り返してきました。2011年のアラブの春と東日本大震災は、SNSが社会を動かす力を持っていることを示しました。
一方で、2022年のChatGPTの登場以降、SNSの接触時間は減り始めています。それでも、本当に知りたい答えを知っているのは、あなたの日常を知る友達かもしれません。ダンバー数150人を意識して、大切なつながりを育ててください。
そして何より、ハヤカワ五味さんが言うように、自分の発信は永遠に残り、自分にまとわりつくものです。「体に貼って歩けるか」を意識して、SNSと上手に付き合っていきましょう。
まとめ
- 前回の復習:検索エンジンの歴史を歌った「探し方が変わっていく」で、「棚(ディレクトリ型)→窓(検索窓)→言葉(生成AI)」という変化を振り返った
- メロディの類似:人間も過去に聞いた音楽を学習している(ラージランゲージメロディ)。4音程度の一致では「パクリ」とは言いにくい
- AI活用法:講義の文字起こしとスライドを照合し、「スライドにない話」だけを抽出してスライド化すると、教材が毎年育っていく
- ハヤカワ五味さんのTED(2016年):SNSは幸せも不幸も倍増させる。ネットリテラシーとは「向こうに人がいて、発信は永遠に残る」と自覚すること。「つぶやきを体に貼って歩けるか」で判断する
- 文章の透かし:4語の組み合わせでAIの文章かどうかを判定するとされ、自分で書いてもAI判定される可能性がある。これからはオリジナリティが問われる
- パソコン通信:会社ごとに閉じた世界だった。世界で1つのインターネットは、アメリカの戦略でもあった
- 規格争い:VHSとベータ、LightningとType-Cのように、勝敗はシェア(どちらにつく人が多いか)で決まる
- ブログの歴史:日本では楽天広場(2001年)、ライブドアブログ(2003年11月)、ココログ(2003年12月)、mixi(2004年3月)、アメブロ(2004年9月)。最初に始めた会社が勝つとは限らない
- mixiが負けた理由(仮説):日記に件名が必要で、投稿のハードルが高かった
- note:2014年4月誕生。広告がなく、有料記事で成り立つ「中身重視」のビジネスモデルで、日本のブログサービス1位に
- SNSは和製英語:海外では「ソーシャルメディア」と言う
- 接触時間:ソーシャルメディアの接触時間は、ChatGPTが登場した2022年をピークに減少へ
- Facebook:ハーバード大学でのハッキングから始まった「顔の本」。世界では約33億人で1位、日本ではXの方が多い
- Twitter:ミニブログとして誕生し、人類史上初の「自分の思考を言語化するツール」に。震災をきっかけに「Xで検索する」日本独自の文化が生まれた
- アラブの春(2011年1月):Facebook、USTREAM、YouTube、Twitterが連携し、エジプトの政権を崩壊させた
- ダンバー数:親しい関係を維持できるのは150人まで。150人がそれぞれ伝えてくれれば約2万2,000人に届く
- グローカルな人間関係:物理的に近い人、精神的に近い人、ネットで知り合った人を使い分ける時代
- 日本のSNSの特徴:人見知りが激しく、発信より閲覧中心。つながりよりも情報収集で使われている
よくある質問(Q&A)
Q1.「SNS」と「ソーシャルメディア」は何が違うのですか?
A. SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)は和製英語で、海外ではほとんど通用しません。海外では「ソーシャルメディア」と呼ぶのが一般的です。ソーシャルメディアとは、誰もが参加できる情報発信技術を使い、人と人との相互作用を通じて広がっていくように設計された、双方向のメディアのことです。マスメディアと対比する言葉として使われています。海外の人と話す時は「ソーシャルメディア」と言うようにしましょう。
Q2.mixiは当時一番人気だったのに、なぜTwitterやFacebookに負けたのですか?
A. いろいろな説がありますが、講義では「日記を書くのに件名(タイトル)が必要だった」という仮説を紹介しました。内容を要約してタイトルを考えるのは意外と面倒で、気軽に投稿しにくい雰囲気がありました。一方、TwitterやFacebook、Instagram、TikTokにはタイトル欄がなく、思いついたまま投稿できます。Eメールには件名があり、LINEにはないのと同じで、より簡単な方が普及しやすいということです。
Q3.noteとアメブロは、どちらを使えばいいのでしょうか?
A. どちらが良い・悪いではなく、ビジネスモデルが違います。アメブロは広告収入で成り立っているため、アクセスを集めることに意味があります。一方、noteには広告がなく、有料記事や月額購読で成り立っています。つまり、noteでは「バズる」ことより「お金を払ってでも読みたい中身」が重視されます。アクセスを集めたいのか、内容の価値で勝負したいのか、自分の目的に合わせて選ぶとよいでしょう。
Q4.ダンバー数150人の法則は、SNSの使い方にどう活かせますか?
A. 人が親しい関係を維持できるのは150人程度が限界だとされています。時間もお金も有限なので、無限に友達を増やすことはできません。そこで、まずは本当に大切な150人とのつながりを育てることが大切です。その150人がそれぞれの150人に自分のことを伝えてくれれば、約2万2,000人に届きます。また、さまざまな分野に詳しい150人がいれば、困った時に相談して解決できる心強いネットワークになります。
Q5.SNSで失敗しないためには、どんなことに気をつければいいですか?
A. ハヤカワ五味さんの言葉を借りれば、「画面の向こうには必ず人がいること」「自分の発信は永遠に残ること」を自覚することが、ネットリテラシーの基本です。SNSは幸せも不幸も倍増させるので、否定的なことは書かない、匿名の人の名前を挙げないといった自分なりのルールを決めておくとよいでしょう。迷った時は「このつぶやきをプリントアウトして、体に貼って街を歩けるか」を考えてみてください。歩けないなら、投稿しない方が安全です。
情報リテラシー論04ソーシャルメディアの台頭’26長岡造形大学

📱 ソーシャルメディア
ソーシャルメディアとは、誰もが情報を発信でき、人と人とのつながりを通じて情報が広がっていく双方向型のメディアです。テレビや新聞などのマスメディアと対比して使われます。日本でよく使われる「SNS」は和製英語で海外では通じにくく、世界では「ソーシャルメディア」と呼ぶのが一般的です。投稿が時系列で流れていく「フロー型」が特徴です。
🖥️ パソコン通信
パソコン通信とは、インターネットが普及する前の1980年代に広まった、会社ごとに独立した通信サービスです。日本ではニフティの「Nifty-Serve」、NECの「PC-VAN」などが有名でした。同じサービスの会員同士でしか交流できない閉じた仕組みだったため、誰とでもつながれるインターネットの登場とともに、2006年頃までに次々とサービスを終えました。
📝 ブログ
ブログとは「ウェブログ(Web+Log)」の略で、Web上に記録を残す日記形式のサイトのことです。日本では楽天ブログ、ライブドアブログ、ココログなどが登場した2003年頃に定着しました。アイドルがブログのコメント欄をきっかけにファンと結婚した例もあります。ただ2006年頃からはSNSの台頭で利用が頭打ちになり、終了するサービスも相次ぎました。
👣 mixi(ミクシィ)
mixiとは、2004年に始まった日本発のSNSで、2000年代後半には国内でダントツの利用者数を誇りました。当初は友達からの招待制で、ブログ的な「日記」に、友達になる「マイミク」や、プロフィールの訪問履歴が残る「足あと」などのSNS機能を組み合わせました。日記に件名が必須で投稿のハードルが高かったことが、TwitterなどにユーザーN流出した一因と考えられています。
📓 note(ノート)
noteとは、2014年に始まったブログサービスで、ページに広告を表示しないのが大きな特徴です。多くのSNSは閲覧数に応じた広告収入で成り立つため、炎上狙いの投稿が生まれやすい構造ですが、noteは記事を有料で販売する仕組みで、内容の質で読者からお金を得ます。アクセスランキングでもアメブロを抜き、今では日本のブログサービスで最も利用されています。
🐦 ミニブログ(Twitter/X)
ミニブログとは、短い文章を気軽に投稿できるサービスのことで、140字でつぶやけるTwitter(現X)も当初はこう紹介されていました。「つぶやく」文化によって、出来事ではなく思ったことをそのまま発信する習慣が生まれました。日本では東日本大震災で最新情報を検索する道具として定着し、世界的にはFacebookが主流なのに対し、日本だけTwitterの利用者が多いという特徴があります。
🌍 アラブの春
アラブの春とは、2011年1月頃から中東・北アフリカ各地で広がった民主化運動のことです。エジプトでは、Facebookで呼びかけたデモの様子をUSTREAMで生配信し、YouTubeやTwitterで世界中に拡散した結果、独裁政権の崩壊につながりました。SNSが国を動かすほどの力を持つことを世界に示し、ソーシャルメディアへの注目が一気に高まるきっかけとなりました。
🛡️ ネットリテラシー
ネットリテラシーとは、インターネットを正しく理解し、適切に使いこなす力のことです。講義で紹介したハヤカワ五味さんは、画面の向こうには必ず人がいること、そして発信した内容は永遠に残ることを自覚することだと説明しています。「自分の投稿を印刷して体に貼って歩けるか」と考えると、投稿してよいかどうかを判断しやすくなります。
👥 ダンバー数
ダンバー数とは、イギリスの学者ロビン・ダンバーが提唱した、人が安定した関係を保てる人数の上限が約150人という法則です。時間やお金には限りがあるため、新しい友達を増やすと誰かとの関係が薄れていきます。まず大切な150人とつながり、その一人ひとりにまた150人の知り合いがいると考えれば、自分の情報を約2万人以上に届けられる計算になります。
🤝 弱い絆の強さ
弱い絆の強さとは、社会学者マーク・グラノヴェッターが唱えた理論で、価値ある情報や新しいアイデアは、家族や親友など強い絆の相手より、少し離れた知り合いからもたらされやすいという考え方です。匿名で他人とつながるTwitterはこの「弱い絆」に向いており、実名で友達とつながるFacebookの「6次の隔たり(スモールワールド現象)」とよく対比されます。
情報リテラシー論04ソーシャルメディアの台頭’26長岡造形大学

SNSの歴史の前史――パソコン通信とブログの誕生
パソコン通信からインターネットへ:閉じた世界が「共通の場」になるまで
インターネットが一般に普及する前の1980年代、人々がパソコン同士でつながる手段は「パソコン通信」でした。米国では1979年にCompuServeがサービスを始め、日本では1985年のアスキー「ASCII-NET」、1986年のNEC「PC-VAN」、1987年のニフティ「NIFTY-Serve」などが相次いで登場し、80年代後半に広く普及します。
ただしパソコン通信は、運営会社ごとに閉じた世界でした。A社の会員はA社の会員としか交流できず、B社へ乗り換えれば電子メールや掲示板、専用ソフトの設定もすべてやり直し。すべての人とつながりたければ、すべてのサービスに加入するしかなかったのです。
この「会社ごとに分断された通信網」を、世界共通の仕組みで一本化したのがインターネットでした。自動車やスマートフォンのように複数のメーカーや規格が競う製品が多い中で、インターネットは事実上ひとつの共通基盤として世界に広がった点が特異です。ビデオテープでソニーのベータマックスとVHSが争った「ビデオ戦争」や、iPhoneがLightningからUSB-Cへ移行した例を見ても分かるとおり、規格は利用者が多い側へ収れんしていきます。技術の優劣ではなく「どちらに人が集まるか」が勝敗を決めるという法則は、この後のSNSの歴史でも繰り返し現れます。
インターネットの普及とともにパソコン通信は役目を終え、ASCII-NETは1997年、PC-VANは2001年、NIFTY-Serveは2006年にサービスを終了しました。ニフティは会員がインターネットへ移っていく流れを受け、パソコン通信時代のフォーラム文化を引き継ぐ形でブログサービス「ココログ」を立ち上げます。パソコン通信は「つながりたい人とつながる場」というSNSの原点であり、その限界を乗り越えたことがソーシャルメディア時代の出発点になったといえるでしょう。
日本のブログの歴史:楽天ブログ・ライブドアブログ・ココログ・アメブロ
ブログ(blog)は「Web」と「log(記録)」を組み合わせたウェブログの略で、Webに記録を残すという意味です。1997年にジョン・バーガーが自分の閲覧記録を日記的に残すことを「weblog」と名付けたのが始まりとされ、当初は閲覧したURLを並べたリンク集でした。1999年にはPyra Labs社が「Blogger」を開始。開発の中心は後にTwitterを生み出すエヴァン・ウィリアムズで、同社は2003年にGoogleに買収され、Bloggerは今もGoogleのサービスとして残っています。
日本では2001年8月30日に楽天広場(現・楽天ブログ)が始まり、2003年11月にライブドアブログ、同年12月2日にニフティのココログ、2004年9月15日にアメーバブログ(アメブロ)が続きました。2004年のプロ野球参入騒動で注目を集めた堀江貴文氏率いるライブドアが、ブログブームを牽引したことも知られています。2006年第4四半期には、世界のブログ投稿の約37%を日本語が占め、英語や中国語を上回って1位になりました。日本人は世界有数のブログ好きだったのです。
ただし、先に始めたサービスが勝ったわけではありません。最古参の楽天ブログやライブドアブログ、ココログを抑え、後発のアメブロが芸能人ブログを武器に最大手へ成長しました。検索エンジンやブラウザの歴史と同じく、「一番乗り」より「人が集まる仕組み」を作った側が勝つことを示しています。
ブログがもたらした象徴的な変化が、発信者とファンの距離の縮小です。元アイドルの大場久美子さんは、ココログのブログにコメントを寄せていたファンの男性と、オフ会やライブでの交流、メールのやり取りを重ねて2010年暮れから交際し、2011年5月に結婚しました。当時のコメント欄はメールアドレスの入力が必須で、それが連絡のきっかけになったといいます。芸能人と一般の人が直接つながる――今の「推し活」の原型は、すでにブログ時代に生まれていました。
ブログの頭打ちとSNSの台頭――mixi・モバゲー時代
2006年にブログが頭打ちになった理由とソーシャルメディアの定義
総務省の資料によると、国内のアクティブなブログ数は無料ブログサービスの普及とともに2003年頃から急増しましたが、2006年頃から横ばいに転じます。入れ替わるように急伸したのが、mixi、モバゲータウン、GREEといったソーシャルメディアでした。総務省はソーシャルメディアを、誰もが参加できる情報発信技術を用い、社会的な相互性を通じて広がるよう設計されたメディアであり、双方向のコミュニケーションが特長だと整理しています。
ブログとSNSの決定的な違いは「フォロー」の仕組みです。従来のブログは書き手が一方的に発信するもので、読者が検索でたまたま記事を見つけても、継続して読み続ける仕組みが弱いものでした。SNSは友達登録やフォローによって、好きな相手の投稿が自分のタイムラインに流れてくる「フロー型」の体験を実現しました。その反面、時系列で過去の投稿まで遡って読まれることは少なくなります。
ちなみに「SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)」という略語は日本で特に定着した言い方で、英語圏では「social media(ソーシャルメディア)」と呼ぶのが一般的です。海外の人と話すときは「ソーシャルメディア」と言ったほうが伝わりやすいでしょう。
2004年3月3日に始まったmixiは、日記機能を中心に据えた「SNS機能付きのブログ」ともいえるサービスでした。当初は招待制で、友人から招待されなければ登録できなかったため、リアルの人間関係の延長線上にあるクローズドなコミュニティとして成長します。誰が自分のプロフィールを見たかが分かる「足あと」機能も話題になり、2008年頃の調査では利用しているSNSとしてmixiが圧倒的な1位でした。
この流れの中で、ブログ関連サービスは縮小していきます。2006年に始まったYahoo!ブログ検索は2013年11月5日に、Googleブログ検索も2014年に提供を終え、Yahoo!ブログ(2019年)、teacupブログ(2022年)、LINE BLOG(2023年)など、終了するブログサービスも相次ぎました。2014年頃には「ブログはもうオワコン」という空気が広がっていたのです。
mixiはなぜ衰退したのか?「件名」という見えないハードル
2000年代後半の日本でトップだったmixiは、なぜTwitter(現X)やFacebook、Instagramに主役の座を譲ったのでしょうか。国内ユーザーゼロから参入した海外勢に逆転された理由はさまざまに語られますが、有力な仮説の一つが「投稿のハードルの高さ」です。
mixiの日記は、ブログと同じく件名(タイトル)を入力しなければ投稿できませんでした。タイトルを付けるには内容を要約する必要があり、気軽な一言を投稿するにも心理的な手間がかかります。一方、X、Facebook、Instagram、TikTokには基本的にタイトル欄がありません。メールには件名欄があり、LINEやメッセンジャーにはない、という関係と同じです。返信のたびに件名に「Re:Re:Re:」が重なっていく光景も、件名文化の名残でした。入力項目が一つ減るだけで投稿の敷居は大きく下がり、それが投稿頻度と投稿量の差となって表れたと考えられます。
もう一つの要因は、リアルの人間関係に近すぎたことです。2016年に和歌山で開かれたTEDxイベントに登壇したハヤカワ五味さんは、学校で好きなバンドをけなされて腹を立て、mixiの日記に書いたところ、その5分前に相手からのマイミク申請を承認していたため翌日ケンカになった、という失敗談を語っています。知り合い中心の「閉じられたマス」は安心感がある反面、気軽な発信を難しくしました。
その後、mixiはゲームなど別の事業へ軸足を移し、2024年には新しいSNS「mixi2」も登場しています。SNSの勝敗は、機能の多さよりも「どれだけ簡単に投稿できるか」「誰とつながる前提の設計か」で決まる――mixiの盛衰は、SNSマーケティングを考えるうえでも示唆に富む事例です。自社のキャンペーンで応募フォームの項目を一つ減らすだけで参加率が変わるのと同じで、ユーザーの「ひと手間」を減らす設計こそが普及の鍵なのです。
2011年が日本のSNS元年になった理由
鳩山首相のTwitter開始、映画「ソーシャル・ネットワーク」、アラブの春
日本でSNSが一般層に広がり始めたのは2010〜2011年です。iPhone 3Gが国内で発売された2008年時点では、SNSはまだ一部の人のものでした。
最初の転機は2010年1月1日、当時の鳩山由紀夫首相がTwitterとブログを始めたことです。時の首相の参加がニュースになり、「Twitterって何?」と関心を持つ人が一気に増えました。当時のTwitterは「ミニブログ」「短文投稿サイト」と紹介されていました。ブログを知っている人には「140字の小さなブログ」と説明するのが分かりやすかったのです。
次の転機が、2011年1月に日本で公開された映画「ソーシャル・ネットワーク」(米国公開は2010年10月)です。Facebook創業者マーク・ザッカーバーグの物語で、2003年にハーバード大学の寮の学生名簿サイトから写真を集め、2人を並べて投票させる「Facemash」を作ったこと、翌2004年2月に「TheFacebook」を立ち上げ、実名で学生同士がつながる仕組みが他大学、そして一般へと広がった経緯が描かれています。Facemashは大学に問題視されて数日で閉鎖され、ザッカーバーグ本人は後にFacebookとは無関係だと説明していますが、「顔写真付きの学生名簿=face book」という発想が原点にあることは確かです。
同じ2011年1月、エジプトではFacebookで呼びかけられたデモが拡大し、2月にムバラク政権が崩壊しました。Facebookで集会の日時を決め、USTREAMで生中継し、YouTubeに録画を上げ、Twitterで友人以外へ拡散する――この連鎖は、チュニジアから広がった「アラブの春」を象徴する出来事となり、SNSが国家をも動かす力を持つことを世界に示しました。
首相の参加、ハリウッド映画、そして国際ニュース。2011年は、多くの日本人にとってSNSが「一部の人の遊び」から「社会を動かすメディア」へと認識が変わった年だったのです。
東日本大震災がTwitterの「検索文化」とLINEを生んだ
2011年3月11日の東日本大震災は、日本のSNSの歴史を決定づけた出来事です。当時、世界のSNSではFacebookが約6.6億人で圧倒的首位、Twitterは1億人に届かない規模でした。Instagramは2010年10月に誕生したばかりで、LINEはまだ存在しません。
震災当日、日本のTwitter投稿数は約3,300万件と通常の約1.8倍に急増しました(NECビッグローブ調べ)。それでもサーバーはダウンせず、世界規模で見れば許容範囲だったとされます。計画停電、原発事故、余震と前例のない情報が刻々と変わる中、テレビの全国ニュースだけでは地元の細かな情報が分かりません。そこで多くの人が、Twitterを「検索して最新情報を拾う道具」として使いました。
Xの中でキーワード検索をして情報を探す使い方は、日本で特に根付いているとされます。つぶやくツールであると同時にリアルタイム検索エンジンでもある――この体験が震災を通じて一気に共有されたことが、日本でXが突出して使われている理由の一つと考えられます。実際、世界ではFacebookの利用者数がXを大きく上回る一方、国内ではXが約6,800万人、Facebookが約2,600万人と逆転しています。匿名文化を好み、実名登録に抵抗感がある日本人の気質も、この差を広げました。
震災はもう一つのサービスも生みました。LINEです。LINEヤフーによれば、家族や友人と連絡が取りにくかった震災の経験をきっかけに開発が進み、2011年6月23日に「大切な人とつながるコミュニケーションサービス」として誕生しました。おなじみの「既読」表示も、返信できない状況でもメッセージを読んだことを相手に伝えるための機能だったと説明されています。
LINEは2026年6月に15周年を迎え、国内の月間利用者数は1億を超えました。「絆」という言葉が再認識された震災は、日本人のSNSの使い方そのものを形作ったのです。
Twitter(X)とFacebookの思想の違いと人間関係の法則
匿名の「弱い絆」のX、実名の「友達」のFacebook――人間を制するか情報を制するか
Twitter(現X)とFacebookは同じSNSでも、思想がまったく異なります。
Twitterの本質は「つぶやき」です。それまでの日記やブログは「何があったか」を書くものでしたが、Twitterは「お腹すいた」「ムカつく」といった頭の中の思考そのものを投稿する文化を生みました。いわば人類が初めて手にした「自分の思考を言語化するツール」です。一方で、思いをすぐ吐き出せるようになった結果、長文を書く力が落ちたと感じる人も現れました。実際、文章を仕事にするマーケターや作家の中には、短文発信に慣れて長い記事が書きづらくなったと打ち明ける人が何人もいました。
Twitterは匿名で他人と交流する場であり、社会学者マーク・グラノヴェッターの「弱い紐帯の強さ」理論が当てはまります。価値ある情報やイノベーションのアイデアは、家族や職場の同僚といった強いつながりより、少し離れた知人からもたらされやすいという考え方です。家族や友人には言いにくい相談ほど、匿名の緩いつながりで解決しやすいのです。
対してFacebookは実名で友達と交流する場で、スタンレー・ミルグラムの「6次の隔たり(スモールワールド現象)」が土台にあります。ザッカーバーグは、本当に知りたい答えは友達が知っていると考えました。検索で返ってくる一般論より、日頃の自分を知る友人の答えにこそ価値があるという発想です。生成AIに相談する人が増えた今も、自分の日常を丸ごと知る親友の視点には代えがたい価値があります。
「人間を制すればインターネットを制する」のがFacebook、「情報を集めれば制する」のがGoogle、そして「端末を制する」のがAppleです。GoogleはFacebookに対抗して2011年にGoogle+を始めましたが、一般向けサービスは2019年に終了しました。プラットフォームの思想の違いを理解することは、SNS運用の戦略づくりに直結します。
ダンバー数150人とグローカルな人間関係――日本人のSNS利用の特徴
SNSの友達やフォロワーはいくらでも増やせますが、人間が親しい関係を維持できる数には限界があります。それが英国の人類学者ロビン・ダンバーが提唱した「ダンバー数」、約150人です(研究では100〜230人程度の幅があるとされます)。
ダンバーは、150人以下ならルールがなくても同じ目標に向かえる適正規模だとし、それを超えると分派が生まれやすいと述べています。世界の村や狩猟採集民の集団、軍隊の部隊規模はおおむねこの数字に収まり、年賀状の枚数やFacebookの平均的な友達数も近い値です。また、顔を合わせなくなると感情的なつながりは年に約15%ずつ弱まるともいわれます。時間もお金も有限なので、151人目の親友を作るには誰か1人と疎遠になるしかない、というわけです。
逆に言えば、各分野に詳しい150人と信頼関係を築ければ、困りごとの多くは友人への相談で解決でき、その150人それぞれのつながりを介して約2万2,500人に情報が届く計算になります。フォロワー数を追う前に、まず濃い150人をつくること。これは個人ブランディングにも口コミマーケティングにも効く考え方です。
人間関係は「グローカル(グローバル+ローカル)」になりました。物理的に近い人とのつながりはLINEで濃くし、精神的に近い人とはFacebookなどでマインドシェアを保ち、ネットで知り合った人とはXなどで新しい出会いを生む。かつて物理的な距離に縛られていた人間関係に、「ネッ友」という層が加わったのです。
ただし、日本人のSNS利用には大きな特徴があります。総務省の2018年の調査では、Facebook利用者のうち自ら積極的に発信している人の割合は日本が約11%で、米国の約51%を大きく下回りました。日本人は実名や顔出しに慎重で、「見る」「返信する」が中心です。ネットで知り合った人を信頼できると答えた割合も海外より低く、利用のメリットとして「人とのつながり」より「情報収集」が重視されていました。海外のSNS成功事例がそのまま日本で通用しない理由がここにあります。
2026年のSNSの現在地とこれから
国内ユーザー数とnoteの躍進:広告モデルと課金モデルの違い
2026年時点の国内主要SNSの利用者数は、LINEが1億人、Instagramが約8,200万人、YouTubeが約7,370万人(18歳以上)、Xが約6,800万人、TikTokが約4,200万人、Facebookが約2,600万人、Threadsが約1,100万人、noteが約1,000万人規模とされます(各社公表値・報道をもとにした2026年8月時点の集計)。総務省の「令和7年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」でも、LINEは全年代で9割超、YouTubeは8割超の利用率です。
注目すべきは、一度「オワコン」と言われたブログの復権です。2014年4月に始まったnoteは、Similarwebの国内サイトランキングで2023年2月の28位から、2024年10月に18位、2025年10月に14位と上昇し、2026年10月時点でも14位を維持しています。かつて最大手だったアメブロ(19位)を上回り、国内ブログサービスの首位に立ちました。同じランキングではChatGPTが10位、Geminiが16位に入っており、生成AIの存在感の高まりもうかがえます。
noteが伸びた理由はビジネスモデルの違いにあります。アメブロやYouTube、TikTokなど多くのSNSは広告収入で成り立ち、閲覧数が収益に直結するため、炎上や過激な投稿でバズを狙う動機が生まれがちです。対してnoteは、記事ページを広告で埋め尽くすのではなく、クリエイターが記事を有料販売したり月額のメンバーシップを運営したりする課金モデルを柱にしています。バズっても広告収入は得られない代わりに、「お金を払ってでも読みたい」と思われる中身のある記事が評価される仕組みです。
購読料を払っているのに広告が載る新聞や雑誌と比べると、その違いは明確です。検索エンジンでYahoo!とGoogleの思想が違うように、日本の二大ブログサービスも考え方がまったく違います。発信者は「拡散を狙うのか」「深い読者との信頼を築くのか」という目的に応じて、媒体を選び分ける時代になりました。企業のオウンドメディアや専門家の情報発信でnoteの活用が広がっているのも、この流れの表れです。
SNS接触時間は2022年がピーク――生成AI時代のSNSとネットリテラシー
SNSは今、転換点にあります。英フィナンシャル・タイムズがGWIに依頼し、50カ国超・25万人の利用動向を分析した結果、SNSの利用時間は2022年をピークに減少に転じていたことが分かりました。2024年末の先進国の16歳以上の平均は1日2時間20分で、2022年から約1割の減少です。特に減り方が大きいのは、かつて最も長く使っていた10代と20代。一方で、利用者数そのものは今も増え続けています。
2022年は、11月にChatGPTが公開された年でもあります。悩みをLINEで友達に相談したり、YouTubeやTikTokで調べたりしていた時間の一部が、生成AIへの質問に置き換わり始めたと考えられます。誰もが見るオープンなSNSから、DiscordやPodcastのようにクローズドで深い関係を育む「Deep Media」へ移っていくという見方も出てきました。
それでも、SNSが人生を変える力は失われていません。1995年生まれのハヤカワ五味さんは、高校時代からの創作活動をSNSで発信してファンを増やし、多摩美術大学在学中にランジェリーブランド「feast」を立ち上げました。現在はメルカリで生成AIの社内推進を担当しています。彼女は2016年の講演で、ネットリテラシーとは「画面の先に人がいること」と「発信したものは永遠に残ること」を自覚することだと語りました。自分の投稿を印刷して体に貼り、渋谷のスクランブル交差点を歩けるか――という基準は、今もまったく色あせていません。SNSは、幸せも不幸も倍増させる道具だからです。
パソコン通信からブログ、mixi、X、Facebook、LINE、noteへ。SNSの歴史は「誰と、どれだけ簡単につながるか」をめぐる試行錯誤の歴史でした。AIが何でも即答してくれる時代だからこそ、信頼できる人間関係と、自分の言葉で発信する力の価値が改めて問われています。
ファクトチェック・修正一覧
| No. | 文字起こし・スライドの記述 | 確認結果 | 記事での扱い |
|---|---|---|---|
| 1 | Facebookは33億人、Twitterは3億人 | Meta社はFacebook単体の利用者数を公表しておらず、広く引用される推計はMAU約30.7億人。XはMusk氏・運営側の自己申告で5.5〜6億人、外部推計は約5.6億人前後、Similarwebのアプリ利用者推計では約3億人と幅がある | 「世界ではFacebookがXを大きく上回る」と定性的に記述 |
| 2 | Facebookはハーバード大学のシステムをハッキングしたところから始まった | ハッキング(寮の学生名簿サイトからの写真収集)が行われたのは2003年の前身サイト「Facemash」。TheFacebookは2004年2月4日に別サイトとして公開。ザッカーバーグ本人は両者の関連を否定 | Facemashと TheFacebookを区別して記述 |
| 3 | GoogleのBloggerは別会社のものを「パクった」 | 2003年2月にGoogleがPyra Labsを買収したもの | 「買収」と記述 |
| 4 | 「LINEは東日本大震災の際にできた」(動画内発言) | 震災をきっかけに開発が進み、2011年6月23日に公開(LINEヤフー公表) | 公開日を明記 |
| 5 | ハヤカワ五味さんがTEDに出ていた | 和歌山で開催されたTEDx(独立運営のTEDxイベント)での登壇 | 「TEDxイベント」と記述 |
| 6 | ハヤカワ五味さんはメルカリのAI推進担当、顧問としてアドバイスも | 2024年7月にメルカリ入社、生成AI推進担当として活動 | 「メルカリで生成AIの社内推進を担当」と記述(顧問の部分は未確認のため不採用) |
| 7 | 大場久美子さんは1回メールしたことがきっかけで結婚 | ブログのオフ会・ライブ、朗読劇の上演などで交流を重ねたうえで2010年暮れから交際、2011年5月19日に入籍 | 交流の経緯を補って記述 |
| 8 | SNSは和製英語で海外では通用しない | 英語でも「social networking service」は存在するが、英語圏では「social media」が一般的で、略語「SNS」は日本ほど通じない | 「英語圏ではsocial mediaが一般的」と表現を調整 |
| 9 | Google+ 2019年8月終了(スライド) | 一般消費者向けGoogle+は2019年4月に終了 | 「2019年に終了」と記述 |
| 10 | アラブの春:2011年1月にFacebookでエジプト政権を崩壊させた | アラブの春は2010年末のチュニジアが発端。エジプトでは2011年1月にデモが始まり、2月11日にムバラク大統領が辞任 | チュニジア発端を補足 |
| 11 | マーク・グラノベッダー教授(スライド) | 正しくはマーク・グラノヴェッター(Mark Granovetter) | 修正 |
| 12 | 世界の1日のブログ投稿999万、Google検索99億回 | Worldometersのリアルタイム値で時刻により変動。スライドの2026年9月時点では約890万件・約88億回 | 本文では数値を不採用 |
| 13 | Claudeの文章透かしは「4語の組み合わせをAIが登録」しており、人が手で書いてもよくある組み合わせならAI判定される(本文外の余談) | Anthropicは2026年8月、EU AI Act対応としてGoogle DeepMindのSynthID-Textを基にした電子透かしを導入すると公表。Claudeが単語を選ぶ際の乱数に検出可能な統計的偏りを埋め込む方式で、透かしはClaudeが生成・処理したテキストにのみ付く。人間が書いた文章が「よくある言い回し」だけでAI判定される仕組みではない。大幅な言い換えや翻訳で消える可能性がある点は事実 | 記事テーマ外のため本文では不採用 |
| 14 | 映画「ソーシャル・ネットワーク」は米国で1年前、日本で2011年1月公開 | 米国2010年10月、日本2011年1月公開で概ね正しい | そのまま採用 |
| 15 | Googleブログ検索は2014年に終了 | 2014年に提供終了(その後も一部経路が残り、2016年に完全終了したとの報告あり) | 「2014年に提供を終え」と記述 |
参照ソース
| 内容 | 出典 |
|---|---|
| Claudeの電子透かし導入 | Impress Watch / AIsmiley / ライフハッカー・ジャパン |
| ハヤカワ五味さんの経歴 | 財経新聞(AI博覧会リリース) / アドタイ |
| SNS利用時間の2022年ピーク | MediaCat UK / Nieman Lab(FT記事紹介) |
| Facebookの利用者数推計 | Thunderbit / Voxbooster |
| Xの利用者数推計 | Voxbooster / Bubbles(Similarwebデータ紹介) |
| LINEの誕生と1億ユーザー | Web担当者Forum / gamebiz / TechNews |
| noteの沿革(2014年4月開始) | 有価証券報告書の沿革(kitaishihon) |
| Facemash・TheFacebook | ClickOrlando / Grabien(議会証言) |
| Googleのブログ検索・Pyra買収 | Qiita / internetnews.com |
| 大場久美子さんのブログ結婚 | J-CAST ニュース |
| 国内利用率 | 総務省「令和7年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」(https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01iicp01_02000130.html) |
| 日本人のSNS発信傾向 | 総務省「平成30年版 情報通信白書」(http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h30/pdf/n4200000.pdf) |
| ブログ数推移・ソーシャルメディアの定義 | 総務省 情報通信政策研究所資料(http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/linkdata/h23_06_houkoku.pdf) |
| 国内サイトランキング | Similarweb(https://www.similarweb.com/ja/top-websites/japan/)※スライド掲載値 |
情報リテラシー論04ソーシャルメディアの台頭’26長岡造形大学















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