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楽天は国産の対話型生成AI「Rakuten AI」無料で公開・画像生成OK

楽天は国産の対話型生成AI「Rakuten AI」無料で公開・画像生成OK
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昨夜の新幹線メシは過去一の品数でした。
朝にバイキングしたのを詰めました(笑)
イーンスパイアの横田です。
https://www.enspire.co.jp

とうもろこし、たけのこ、キャベツ、おくら、
ブロッコリー、鶏肉、ちんげん菜でした。

さて、本題です。

2025年7月30日、楽天がエージェント型AIツール
「Rakuten AI」ベータ版の本格提供を開始です。
楽天モバイルの「Rakuten Link」に搭載です、
https://corp.rakuten.co.jp/news/press/2025/0730_01.html

楽天は国産の対話型生成AI「Rakuten AI」ベータの
ウェブ版では、音声対話、翻訳、AIリーディング、
コーディング、画像作成などのAI機能を利用できる。
https://ai.rakuten.co.jp/

楽天は国産の対話型生成AI「Rakuten AI」無料で公開・画像生成OK

2025.9.16
Rakuten AIに動画生成が追加、現時点では無制限の利用が可能か?
https://x.com/enspire_co_jp/status/1972202154082644331

2025.9.16
Rakuten AI動画生成で1時間遊んだが、ほぼ無制限に動画出力でき、試し放題
https://x.com/nikken_free/status/1968128309348471215

2025.9.16
Rakuten AIも動画生成に画像いれて試してみました! 日本語は未対応な様子
https://x.com/nikken_free/status/1965208979971473686

遅くなってしまいましたがレビューしてみました。
https://www.youtube.com/watch?v=l9oC315jyAE

楽天は国産の対話型生成AI「Rakuten AI」無料で公開・画像生成OK

楽天AI完全解説
🇯🇵 楽天AI登場!国産AI・無料・ログイン不要で全機能使える!
📢 基本情報

📅 2025年7月30日リリース

Rakuten AI(ベータ版)がサービス開始!

解説者:ネットビジネス・アナリスト 横田秀珠

解説日:2025年9月4日

🤔 なぜ話題になってない?
1ヶ月経過したが、あまり話題になっていない状況…
→ だからこそ今が狙い目!?
⬇️ 特徴解説 ⬇️
🌟 楽天AIの3大特徴
1
🇯🇵
国産AI – 日本語に完全対応
2
💰
完全無料 – 全機能が無料で利用可能
3
🚪
ログイン不要 – 即座に使用開始!
ChatGPT 🤖
海外産・有料プランあり
ログイン必須
楽天AI 🛍️
国産・完全無料
ログイン不要
⚙️ 搭載機能一覧
🗣️ 音声対話
リアルタイム会話機能
🌐 翻訳
多言語対応
📖 AIリーディング
文書読解・要約
💻 コーディング
プログラミング支援
🎨 画像生成
AI画像作成
🤝 AIフレンズ
専門AI(占い・英語等)
🧠 思考モード
🎤 音声入力
📸 カメラ連携
📁 ファイル添付
🛒 楽天経済圏との連携
これが最大の差別化ポイント!
既存の楽天サービスと深く連携
🛍️ ショッピング
商品検索・比較・レビュー要約
🏷️ ラクマ
フリマ商品検索
👗 ファッション
コーディネート提案
🎵 ミュージック
楽曲検索・プレイリスト作成
📱 モバイル
プラン比較・契約サポート
🛒 実際の使用例
📱 スマホカバー購入相談
「40代男性向け、2000-3000円のスマホカバーを教えて」
→ デザインポイント解説 + 商品提案 + 口コミ要約
🎵 音楽検索
「ギターのリフがかっこいい日本のロック」
「落ち込んでいるので元気が出るノリのいい曲」
→ 感情・特徴ベースでの楽曲提案
👔 ファッション相談
写真添付 → 「この男性に似合うビジネス用の服を探して」
→ 人物分析 + 適合商品提案
🎯 他社との違い・メリット
  • 楽天経済圏との深い連携で実用性が高い
  • 日本語AIとして自然な会話が可能
  • 完全無料でフル機能が利用可能
  • ログイン不要で気軽にアクセス
  • 音声会話機能が標準搭載
  • 商品購入まで一気通貫サポート
⚖️ 現状の評価
👍 良い点
  • 無料で全機能利用可能
  • 楽天サービス連携が秀逸
  • 日本語対応が自然
  • 音声入力がスムーズ
  • 画像生成も無料
👎 課題点
  • 画像認識精度がまだ低い
  • 音楽選曲の的確さに課題
  • 回答がやや簡潔すぎる
  • 話題性・認知度が低い
🚀 今後の展望

📈 2025年秋:楽天市場への本格搭載

• 楽天ポイント連携の可能性

• より高度な商品レコメンド機能

• AIによる自動購入サポート

予想される展開:
楽天モバイル契約者向け特典、ポイント消費でのAI機能拡張、 楽天経済圏全体でのAI体験統合
📝 まとめ 📝
💡 推奨ユーザー
🎯 特におすすめ
✅ 楽天経済圏ユーザー
✅ AIツール初心者(無料・ログイン不要)
✅ 商品購入時の相談相手が欲しい方
✅ 日本語でのAI対話を重視する方
✅ 音声入力を活用したい方

楽天は国産の対話型生成AI「Rakuten AI」無料で公開・画像生成OK

楽天が2025年7月30日に発表した国産の対話型AI「Rakuten AIベータ版」についての紹介。ChatGPTと似たインターフェースで無料利用可能。音声対話、翻訳、画像作成、コーディングなど多機能を搭載。最大の特徴は楽天市場、ラクマ、ミュージック、ファッション、モバイルなど楽天経済圏との連携。商品検索や口コミ要約、音楽推薦、ファッション提案など、ショッピングアシスタントとしての機能が充実している。2025年秋には楽天市場への本格搭載も予定されている。

  1. はじめに
  2. 待望の国産AI「楽天AI ベータ版」がついに登場!
  3. 楽天AIの基本機能とインターフェースを徹底チェック
  4. 楽天経済圏で活躍するAIの実力を各サービスで検証
  5. 音声対話や画像生成機能で見る楽天AIの可能性
  6. おわりに

はじめに

2025年9月4日現在、AI業界において大きな変化が起こっています。ChatGPTやClaude、Geminiなど海外製のAIが主流を占める中で、ついに日本発の本格的な対話型生成AIが登場しました。それが楽天が提供する「Rakuten AIベータ版」です。実は2025年7月30日に発表されていたにも関わらず、意外にも話題になっていないこの国産AI。しかし、実際に使ってみると、単なるChatGPTのクローンではなく、楽天経済圏というユニークな強みを活かした興味深い機能が満載でした。今回は、ネットビジネス・アナリストの視点から、この楽天AIの実力を徹底的に検証してみました。無料で使える国産AIの可能性と、楽天ならではの特色ある機能について、詳しく解説していきます。

待望の国産AI「楽天AI ベータ版」がついに登場!

2025年9月4日木曜日、ネットビジネス界において注目すべき新サービスについて詳しく解説していきます。それは、待望の対話型生成AIの国産版である「楽天AI ベータ版」です。

楽天が提供するRakuten AIベータ版がサービスを開始しています。まず、プレスリリースを確認してみると、2025年7月30日付けで発表されており、既に約1ヶ月が経過しています。しかし、驚くことに業界内での話題性はそれほど高くありません。多くの関係者が様子見をしている状況で、具体的な評判や口コミもあまり聞こえてきていないのが現状です。このような状況を受けて、実際にサービスを検証し、その実力を詳しく分析してみることにしました。

楽天AIの特徴について整理すると、まず第一に国産のAIであるという点が重要なポイントです。プレスリリースにも記載されているとおり、現在はベータ版として提供されており、AIエージェントとしての機能を前面に押し出しています。具体的には、音声対話機能、翻訳機能、AIリーディング機能、コーディング支援機能、画像作成機能など、多岐にわたるAI機能を全て無料で利用することが可能となっています。さらに注目すべきは、2025年秋には楽天市場への搭載も予定されているという点です。これにより、実際のEコマース環境でのAI活用事例を体験することができるようになります。

楽天AIの基本機能とインターフェースを徹底チェック

実際に楽天AIのインターフェースを詳しく検証していきましょう。デザイン面において、楽天AIは既存の主要なAIサービスであるChatGPTと非常に類似したレイアウトを採用しています。画面の左側にはチャット履歴が表示され、中央部分にはチャット入力欄が大きく配置されているという構成です。デザインの基本的な思想は他の主要AIサービスと同様のアプローチを取っています。

特筆すべき点として、画面右上に「サインイン」ボタンが表示されていることから明らかなように、ログインしていない状態でも基本機能を利用することが可能です。この点は、ユーザーにとって非常にアクセスしやすく、無料で利用できるサービスとしては大きなメリットと言えるでしょう。

実際の動作テストとして、定期的に使用している標準的な例文を用いて性能を検証してみました。「OpenAIに関する質問」として、「ChatGPTが登場したことによってGoogleが危機を感じる理由は何でしょうか」という質問を投入しました。エンターキーを押して実行すると、レスポンス速度は比較的高速で、回答内容についても適切なポイントを捉えています。回答のボリューム感としてはややあっさりとした印象を受けますが、質問の要点は十分に理解されており、速度面・内容面ともに実用的なレベルに達していると評価できます。

このような基本的なQ&A機能は、既存のChatGPTと同様の使い方で十分に活用することが可能です。しかし、楽天AIの真価はこの基本機能だけでは測れません。より詳細な機能検証を進めていくことで、楽天AI独自の特徴が明らかになってきます。

まず注目すべきは、インターフェース下部に配置されている「思考モード」機能です。これはChatGPTの「シンキングモード」に相当する機能で、より深く考えて回答を生成するモードを提供しています。このボタンをクリックすることで、通常よりも詳細で論理的な回答を得ることができるようになります。

さらに、添付ファイル機能も充実しており、「ファイルを追加」オプションを通じて様々な形式のファイルを処理することができます。続いて、コピーボタンによる回答の簡単な複製機能、写真撮影機能によるカメラの直接起動、画像追加機能による既存画像のアップロード機能などが用意されています。

特に注目したいのは音声入力機能です。ChatGPTにおいても最近になって実装された機能ですが、楽天AIでは既にベータ版の段階で音声入力に対応しています。これは非常に価値の高い機能と言えるでしょう。

実際に音声入力機能をテストしてみました。「この内容よりも、もう少し長い内容で、今の2倍程度の文章量で書き直してください」という指示を音声で入力してみると、音声認識が自動的に動作し、リアルタイムで文字起こしが行われます。「今の分量よりも2倍程度の長さで入力していただけると助かります」という追加の指示も問題なく認識されました。

ChatGPTの音声入力機能では、音声入力を完全に終了してから文字起こし処理が開始されるという仕様になっていますが、楽天AIでは多少の遅延はあるものの、リアルタイムで文字起こしが進行するという仕様になっています。この点は使い勝手の面で優れていると評価できます。

音声入力による指示に対しても、適切にウェブ検索機能が動作し、現在の内容をより詳細に展開した回答を生成することができました。このような基本的な使い方については、既存のAIサービスと同等以上の性能を発揮していることが確認できます。

楽天経済圏で活躍するAIの実力を各サービスで検証

楽天AIの最も特徴的な機能は、楽天経済圏との連携にあります。画面左側のメニューを確認すると、「ショッピング」「ラクマ」「ファッション」「ミュージック」「モバイル」といった楽天グループの各サービスが並んでおり、楽天経済圏全体でAI機能を活用できる仕組みが構築されています。

便利ツールの中には、AI検索機能以外にも画像生成機能、問題解決支援機能、AIリーディング機能、コーディング支援機能、翻訳機能、文章作成サポート機能なども含まれています。また、「AIフレンズ」という興味深い機能も用意されています。AIフレンズについて詳しく調べてみると、GPTsのようなカスタムAI機能として、占い師、英語コーチ、恋愛アドバイザーなどの特化型AIが用意されており、これらの専門的なAIキャラクターと対話することができるようになっています。

楽天グループの中核サービスである楽天市場での活用事例を詳しく検証してみましょう。楽天市場のAI機能にアクセスすると、楽天市場に関連する具体的な質問を行うことができます。これは、2025年秋に予定されている楽天市場への正式搭載時のイメージを体験できる貴重な機会です。

実際のテストケースとして、以下のような具体的なショッピング相談を行ってみました。「友人の誕生日プレゼントにスマートフォンのカバーを購入しようと考えています。予算は2000円から3000円程度で、40代男性が好みそうなデザインのものを、いくつか教えてください」という質問を入力してみました。

この質問に対して、楽天AIは「40代男性におすすめのスマートフォンカバー選びのポイント」という見出しで回答を開始しました。まず、選択の際のポイントとして「シンプルで上品なデザイン」などの基準を提示し、続いてこれらの基準に該当する具体的な商品をいくつかピックアップして提示してくれました。この機能は非常に実用性が高く、AmazonにもAI機能は搭載されていますが、楽天のAIの方がより詳細で親切な回答を提供している印象を受けました。

提示された商品をクリックすると、商品の詳細ページに移動する前に、さらなるAI支援機能が利用できます。特に注目すべきは、「商品に対しての質問をAIに行う」機能です。例えば、「この商品の口コミをまとめて教えてください」という質問を行うことができます。口コミが1万件以上ある商品の場合、全てを読むことは現実的ではありませんが、AIが自動的に総合評価を提供してくれます。

実際の口コミ要約機能では、良い点と悪い点を整理して提示し、「代表的な口コミ要約」として「本革の質感が最高です」といった具体的なコメントも表示されます。この機能は、消費者にとって非常に便利で、購入判断を効率的に行うことができる優れた機能と言えるでしょう。

商品に興味を持った場合は、提示された商品リンクをクリックすることで、楽天市場の実際の通販サイトに移動し、購入手続きを進めることができます。このようなショッピングアシスタントとしての活用方法は、極めて実用的で便利な機能です。

画像認識機能のテストも行ってみました。モフリン(AIペット)の写真を撮影し、「これを売っている場所はありますか?」という質問を行ったところ、画像認識機能が動作し、「このような商品でしょうか?」という形で類似商品を提示してくれました。ただし、完全に一致するモフリン本体は検索結果に表示されず、類似した動物型AIペットが表示される結果となりました。

より具体的に「モフリンという商品なのですが、取り扱いはありますか?」と商品名を明示して質問したところ、画像と商品名の両方の情報を活用して、「これでしょうか?」という形で正確な商品を提示することができました。画像認識の精度についてはまだ改善の余地がありますが、商品名との組み合わせによって十分実用的な結果を得ることができます。

ラクマ(楽天のCtoC市場)においても同様の機能が利用でき、個人間取引における安価な商品や特定の商品の検索において、「このような商品はありますか?」という自然な質問形式で検索を行うことができます。これは従来の検索機能と比較して、より直感的で使いやすいインターフェースを提供していると評価できます。

ミュージック機能も興味深い特徴を持っています。「ギターのリフがかっこいい日本のロック音楽を探してください」という、従来の検索方法では困難な抽象的な条件での楽曲検索を試してみました。結果として、ONE OK ROCK、X JAPAN、BUMP OF CHICKENなどのアーティストが提案されました。ただし、実際に「ギターのリフがかっこいい」という条件にどの程度適合しているかについては、音楽的な分析の精度に改善の余地があると感じられます。しかし、音声を直接分析して判断しているかどうかは不明ですが、このような感覚的な条件での楽曲検索機能は非常に革新的です。

さらに詳しいテストとして、「今すごく落ち込んでいるので、元気が出てノリの良い楽曲を探してください」という、より感情的で主観的な条件での検索も試してみました。この場合、落ち込んでいる理由(仕事関連かプライベート関連か)や、落ち込みの程度をどのように判断し、どのような楽曲を推奨するかという点が注目されました。

検索結果として、DA PUMPの「U.S.A」、YUI、「ガッツだぜ!」などの楽曲が提示されました。これらの楽曲が実際に落ち込んだ気分を改善するのに適しているかどうかについては個人差があり、完全に的確とは言い難い部分もありますが、AIが継続的に学習を重ねることで、今後精度の向上が期待できます。

このような感覚的で抽象的な条件での楽曲検索は、従来の検索システムでは絶対に実現不可能だった機能であり、新たな音楽発見の可能性を提供する革新的な機能と言えるでしょう。

ファッション分野での検証も行ってみました。プロフィール写真をアップロードし、「添付した男性に似合う服をビジネス用途で見つけてください」という依頼を行いました。AIは写真を分析し、「清潔感があって誠実な印象を受ける男性ですね」という評価を行い、それに基づいて「シンプルで清潔感のあるシャツ」などの具体的な提案を行ってくれました。

さらに発展的な機能として、「その服を実際に着用した画像を生成してください」という画像生成の依頼も試してみましたが、この段階では画像生成機能との連携は実装されていないようでした。しかし、このような機能が実装されれば、バーチャル試着による適合性確認が可能になり、ファッション分野でのAI活用がさらに進化することが期待されます。他のAIツールでは既にこのような機能が提供されているため、楽天AIでも将来的に実装される可能性は高いと考えられます。

楽天モバイル分野での活用も確認してみました。モバイル項目をクリックすると、楽天モバイルのページに移動し、AIアシスタント機能が起動します。ここで「現在ソフトバンクを利用していますが、楽天モバイルに乗り換えるメリットはありますか?」という質問や、「現在のプランについて教えてください」という情報提供依頼などを行うことができます。

このようなAI機能の搭載により、顧客の誘導や情報提供がより効率的に行われる可能性があり、マーケティング面での活用価値は高いと評価できます。

音声対話や画像生成機能で見る楽天AIの可能性

楽天AIの画像生成機能についても詳細に検証してみました。画像生成機能では、アスペクト比として1:1の正方形、3:2の縦長、2:3の横長から選択することができます。ただし、一般的な16:9や4:3ではなく3:2という比率が採用されている点は、やや特殊な仕様と言えるでしょう。

スタイルオプションとしては、写実的な写真風、アニメ風、イラスト風、風景、3Dなどから選択することができます。テストケースとして、3Dスタイルを選択し、「同じ商品を2つ購入してしまって慌てている女の子の画像を生成してください」という具体的なシチュエーションの画像生成を依頼してみました。

画像生成の処理速度については、Grokなどのサービスと比較すると、進行状況が数値で表示される点は優れています。生成進行度が20%、22%という形で具体的な数値として表示されるため、完了までの予測が立てやすく、ユーザビリティの面で配慮されています。ただし、全体的な生成速度はそれほど高速ではありません。

生成された画像を確認すると、女の子が慌てている様子は適切に表現されており、実際に同じ商品を2つ持っている状況も画像内で表現されていました。無料でログインなしでも画像生成機能が利用できる点は、非常に大きなメリットです。現在はベータ版のため無料提供されていますが、正式版リリース後は楽天モバイル契約者への特典として提供されたり、楽天ポイントを消費してAI機能を利用するような仕組みが導入される可能性もあります。

楽天AIの音声対話機能も検証してみました。チャット欄の右端に「楽天AIとリアルタイム会話」という機能が用意されており、これはChatGPTのアドバンスボイスモードに相当する機能です。

音声対話機能を起動すると、リアルタイムでの音声会話が可能になります。話しかけると、自然な形で会話を継続することができ、途中で会話が途切れても問題なく、「途中で途切れても全然気にしなくて大丈夫です。続けて話しかけてもらえれば、こちらもちゃんと聞いて反応しますよ」という形で、柔軟な対応を示してくれました。

この音声対話機能により、テキスト入力だけでなく、より自然なコミュニケーション方法でAIと対話することが可能になっています。

おわりに

楽天AI ベータ版の詳細な検証を通じて、国産対話型生成AIの実力と可能性を確認することができました。基本的なQ&A機能については既存の海外製AIサービスと同等のレベルに達しており、特に日本語への対応は非常に優秀です。しかし、楽天AIの真価は楽天経済圏との深い連携にあります。ショッピングアシスタント機能では、商品検索から口コミ要約まで一連の購買支援が可能で、実用性は極めて高いと評価できます。音楽検索における感覚的条件での楽曲発見や、ファッションにおけるパーソナライズされた提案など、従来不可能だった新しい検索体験も実現されています。無料でログイン不要という現在の提供形態は非常に魅力的で、特に楽天経済圏のユーザーにとっては大きなメリットがあります。画像生成機能や音声対話機能も充実しており、総合的なAI体験として高いレベルを実現しています。今後の正式版リリースに向けて、さらなる機能向上と楽天市場への本格導入が期待される、注目すべき国産AIサービスと言えるでしょう。

よくある質問(Q&A)

Q1: 楽天AIは完全無料で利用できますか?

A1: 現在ベータ版として提供されている楽天AIは、ログインなしでも完全無料で利用できます。基本的なチャット機能から画像生成、音声対話まで、すべての機能が無料で体験できます。ただし、正式版リリース後は楽天モバイル契約者向けの特典や楽天ポイントを使用したサービス提供など、収益化モデルが導入される可能性があります。

Q2: 楽天AIと他のAIサービス(ChatGPTなど)との大きな違いは何ですか?

A2: 最大の違いは楽天経済圏との深い連携です。楽天市場での商品検索や口コミ要約、ラクマでの商品検索、楽天ミュージックでの感覚的な楽曲検索など、楽天グループのサービスと統合されたAI体験が可能です。また、国産AIとして日本語対応が優秀で、文化的な理解も深いという特徴があります。

Q3: 楽天AIの画像認識精度はどの程度ですか?

A3: 現在の画像認識精度は改善の余地があります。商品の写真を撮影しても完全に一致する商品を特定するのは困難で、類似商品が表示される場合が多いです。ただし、画像と商品名を組み合わせることで、より正確な検索結果を得ることができます。今後のアップデートによる精度向上が期待されます。

Q4: 楽天市場への正式搭載はいつ頃予定されていますか?

A4: 楽天の公式発表によると、2025年秋に楽天市場への搭載が予定されています。現在ベータ版で体験できる機能がより洗練された形で実装され、実際のEコマース環境でのAI活用が本格化すると期待されています。具体的な搭載時期については、楽天からの続報を待つ必要があります。

Q5: 楽天AI以外に利用をおすすめできる国産AIはありますか?

A5: 現在、本格的な対話型生成AIとして一般向けに提供されている国産AIは楽天AIが先駆的な存在です。他にも研究機関や企業が開発しているAIサービスは存在しますが、楽天AIのような総合的な機能と実用性を備えたサービスは限られています。国産AI市場の発展により、今後さらに多くの選択肢が登場することが期待されます。


詳しくは15分の動画で解説しました。
https://www.youtube.com/watch?v=H-4avE9ehb4

0:00 📱 導入・楽天AIベータ版の発表
1:06 🤖 国産AIの特徴と無料機能の紹介
2:11 ⚡ 基本性能テストとChatGPTとの比較
3:14 🎤 音声入力機能の実演
4:20 🌐 Web検索と楽天経済圏での活用
5:25 🛒 楽天市場でのショッピングAI体験
6:31 💬 商品レビュー要約機能の紹介
7:38 📸 画像認識機能の検証(モフリン)
8:41 🎵 音楽検索・選曲AI機能
9:50 👔 ファッションコーディネート機能
11:02 📞 楽天モバイルでのAIアシスタント
12:13 🎨 画像生成機能のテスト
13:18 🗣️ リアルタイム音声会話機能
14:31 🎯 まとめと総評

上記の動画はYouTubeメンバーシップのみ
公開しています。詳しくは以下をご覧ください。

https://yokotashurin.com/youtube/membership.html
YouTubeメンバーシップ申込こちら↓
https://www.youtube.com/channel/UCXHCC1WbbF3jPnL1JdRWWNA/join

楽天は国産の対話型生成AI「Rakuten AI」無料で公開・画像生成OK

🤖 楽天AI 楽天が開発・提供する対話型生成AI「Rakuten AIベータ版」のこと。2025年7月30日にサービス開始され、ChatGPTと類似したインターフェースを持つ。現在はベータ版として無料で利用でき、音声対話、翻訳、画像生成、コーディング支援など多様な機能を備えている。楽天経済圏との連携が最大の特徴で、ショッピング、音楽、ファッション分野で専門的なアシスタント機能を提供する。

🇯🇵 国産AI 日本国内で開発された人工知能技術のこと。海外製のChatGPTやClaude等に対し、日本語への最適化や日本の文化・商習慣に適した機能実装が期待される。楽天AIは日本企業が開発した国産AIとして注目されており、日本語での自然な対話や、日本市場に特化したサービス連携が可能。国産AIの普及は、データの国内処理やセキュリティ面でのメリットも期待されている。

🧪 ベータ版 正式リリース前の試験運用段階のソフトウェアやサービスのこと。楽天AIは現在ベータ版として提供されており、基本機能は利用できるものの、機能改善や追加開発が継続的に行われている段階。ベータ版では一般ユーザーからのフィードバックを収集し、正式版リリースに向けて品質向上を図る。通常、ベータ版は無料提供されることが多く、楽天AIも現在は無料で全機能を利用可能となっている。

💰 無料 楽天AIベータ版は現在、ログイン不要で完全無料で利用可能。音声対話、画像生成、翻訳、コーディング支援など、通常は有料サービスとなる高度なAI機能をすべて無償提供している。これは国産AIの普及促進と市場シェア獲得を目指すマーケティング戦略と考えられる。正式版リリース後は有料化する可能性があるため、現在の無料期間は新技術を試す絶好の機会となっている。

🛒 楽天経済圏 楽天グループが展開する各種サービス(楽天市場、楽天カード、楽天モバイル、楽天銀行等)を統合した経済システム。楽天AIはこの経済圏と深く連携しており、楽天市場での商品検索や口コミ要約、ラクマでの中古品検索、楽天ミュージックでの楽曲推薦、楽天モバイルのプラン相談などが可能。この連携により、単純なAIアシスタントを超えた実用的なショッピングアシスタントとして機能する。

🛍️ ショッピングアシスタント ECサイトでの買い物をサポートするAI機能。楽天AIでは商品の価格帯や用途を指定して商品検索を依頼でき、適切な商品を推薦してくれる。さらに、商品の口コミを自動要約して長所・短所を整理表示する機能も搭載。画像認識により写真から類似商品を検索することも可能。従来の検索機能とは異なり、自然言語での曖昧な要求にも対応し、より人間的な買い物相談ができる革新的な機能となっている。

🎙️ 音声対話 音声入力と音声出力による自然な会話機能。楽天AIではリアルタイム音声会話モードを搭載しており、ChatGPTのAdvanced Voice Modeと同様の機能を提供。音声認識は遅延はあるもののリアルタイムで文字起こしが行われ、途中で会話が途切れても自然に続行可能。日本語音声に最適化されており、国産AIならではの自然な日本語対話が体験できる。テキスト入力が困難な状況での利用に特に有効。

🎨 画像生成 テキストプロンプトから画像を自動生成するAI機能。楽天AIでは1:1、3:2縦長、2:3横長の3種類の画像比率に対応し、写実、アニメ、イラスト、風景、3Dの5つのスタイルから選択可能。生成進行状況がパーセンテージで表示され、ユーザーは完成までの時間を予測できる。無料で利用できる画像生成機能としては十分な品質を提供しており、商用利用の可否については今後の利用規約確認が必要となる。

⚙️ 多機能 楽天AIは単一のAIでありながら、音声対話、翻訳、画像生成、コーディング支援、文章作成サポート、AI検索、問題解決など多岐にわたる機能を統合している。これらすべてが一つのインターフェースからアクセス可能で、機能間の連携も可能。従来は複数のAIツールが必要だった作業を一つのサービスで完結できるため、作業効率の大幅な向上が期待できる。多機能統合型AIの国産版として注目される理由の一つ。

リアルタイム 音声認識や対話処理において、極めて短い遅延で応答する機能。楽天AIのリアルタイム音声会話では、話しながら文字起こしが進行し、会話の自然な流れを維持できる。従来のAIでは音声入力完了後に処理が始まるのに対し、リアルタイム処理により対話の臨場感が大幅に向上。ただし、完全にリアルタイムではなく若干の遅延は存在するものの、実用的なレベルでの応答速度を実現している。

超要約1分ショート動画こちら↓
https://www.youtube.com/shorts/KrVUu2NkSo4

楽天は国産の対話型生成AI「Rakuten AI」無料で公開・画像生成OK

楽天グループが発表した国産対話型生成AI「Rakuten AI」は、単なる新技術の導入に留まらず、同社の「AI-nization」戦略を牽引する中核的ツールとして位置づけられています。本稿の分析によると、「Rakuten AI」は、楽天の広範なエコシステムと顧客基盤を最大限に活用し、消費者(B2C)と法人(B2B)の両面で事業価値を最大化するように緻密に設計されています。

技術面では、超大規模モデルの開発競争とは一線を画し、フランスのMistral AI社のオープンモデルを基盤としつつ、内製のデータキュレーションや独自の日本語形態素解析器を用いることで、軽量ながらも高い日本語性能を持つモデルを構築しています。このアプローチは、モバイル端末への導入を容易にし、広大なユーザーベースへの展開を可能にするという、きわめて実用的な選択と評価できます。

市場戦略においては、国内の主要競合他社であるNTTやSoftBankがそれぞれ「法人向け特化」や「インフラ・規模」を軸とするのに対し、楽天は自社の強みである「データとエコシステム統合」を核に据えることで、明確な差別化を図っています。これは、AIをエコシステム全体のエンゲージメントを強化し、顧客の生涯価値(LTV)を最大化するための「接着剤」として機能させることを意図しています。

また、楽天は技術開発の土台として「責任あるAI」の実現を掲げ、強固なガバナンス体制を構築しています。これは、機密情報を取り扱う法人顧客や、個人のデータを預ける消費者の信頼を獲得するための不可欠な戦略的資産であり、事業継続の承認(Social License to Operate)を得るための礎となると分析されます。

結論として、「Rakuten AI」は、楽天グループの既存事業モデルに深く統合された戦略的ツールであり、技術革新を事業成長に結びつけるための、実践的かつ多層的な取り組みの結実です。今後の楽天市場への本格導入や他サービスへの横断的展開は、楽天経済圏のさらなる拡大に繋がる重要なマイルストーンとなるでしょう。

はじめに

本報告書は、楽天グループ株式会社が発表した対話型生成AI「Rakuten AI」について、技術的側面、ビジネス戦略、および市場における位置付けを多角的に分析し、その本質を深く洞察することを目的としています。表面的な機能紹介に留まらず、なぜこのAIが開発されたのか、どのような技術的特徴を持つのか、そしてそれが楽天グループ全体の事業戦略の中でどのような役割を担うのかを包括的に解説します。

分析にあたっては、以下の構成で詳細な論考を展開します。まず、Rakuten AIの製品概要、基盤技術、および具体的な応用事例を整理します。次に、楽天の全体的なAI戦略と、国内の主要な競合他社との比較を通じて、その独自性と強みを明らかにします。最後に、これらの分析に基づき、今後の事業展開の予測と、楽天グループが「AI-nization」を成功させるための戦略的提言を行います。この報告書が、IT業界や事業戦略に関わる専門家、投資家、あるいは競合企業の意思決定者にとって、正確で価値ある情報を提供できることを目指します。

第2部:Rakuten AIの製品・技術詳細

2.1. Rakuten AIの概要:エージェント型エコシステムの中核

楽天グループは、2025年7月30日にエージェント型AIツール「Rakuten AI」の本格提供を開始しました 。この発表は、AIをテーマに大規模に刷新されたビジネスカンファレンス「Rakuten AI Optimism」で行われ、同社のAIに対する積極的な姿勢を強く印象づけるものでした 。  

「Rakuten AI」の最初の提供先として選ばれたのは、楽天モバイルのユーザー専用コミュニケーションアプリ「Rakuten Link」です 。従来のチャット形式のAIサービスから進化し、より複雑な思考を要するAI検索、音声対話、翻訳、画像作成、コーディングといった幅広い専門機能が追加されました 。特に重要なのは、このツールが「楽天市場」「楽天ラクマ」「楽天ブックス」「Rakuten Fashion」といった、楽天エコシステム内の多様なサービスとシームレスに連携する点です 。  

この段階的な導入は、単なる新機能の追加ではなく、楽天の顧客維持戦略における重要な一手と分析されます。Rakuten Linkは、楽天モバイルのユーザーにとって、無料通話など通信事業の中核を担う日常的に利用されるアプリです。ここに、AIを活用したショッピングや金融サービスへの横断的なゲートウェイを組み込むことで、ユーザーは「楽天モバイルを利用しているからこそ、こうした高度で便利なAI機能が享受できる」という独自の付加価値を強く認識するようになります。この付加価値は、通信サービス単体の価値を超え、ユーザーの楽天エコシステムへのエンゲージメントを飛躍的に高め、他社への乗り換え動機を低下させることに繋がります。したがって、Rakuten AIのRakuten Linkへの搭載は、楽天モバイルの顧客基盤を起点として、エコシステム全体の利用者囲い込みを強化するための、極めて戦略的なデータ活用メカニズムであると結論付けられます 。  

2.2. 基盤モデルと技術的特徴

「Rakuten AI」は、グローバルなAI開発競争の主流である、パラメータ数による規模の追求とは異なる、独自の技術的アプローチを採用しています。

モデルのラインナップと開発背景 「Rakuten AI」は、主に2つの基盤モデルで構成されています。一つは、フランスのAIスタートアップであるMistral AI社のオープンモデル「Mistral-7B-v0.1」をベースに、継続的に大規模なデータを学習させて開発された70億パラメータの日本語基盤モデル「Rakuten AI 7B」です 。もう一つは、15億パラメータというよりコンパクトな「Rakuten AI 2.0 mini」です 。  

技術的優位性 これらのモデルは、単に既存のオープンモデルを日本語化するだけでなく、楽天独自の技術的工夫が施されています。

  • 内製GPUクラスターでの学習: 基盤モデルの事前学習は、楽天が設計した内製のマルチノードGPUクラスターで行われ、大規模で複雑なデータに対しても高速で拡張的な処理を実現しています 。  
  • 高品質な学習データ: 内製の多段階データフィルタリングおよびアノテーションプロセスを通じて、日本語と英語の広範なデータセットがキュレーションおよびクリーンアップされており、これがモデルの高い性能と精度を支えています 。  
  • 独自の形態素解析器: 日本語の特性に最適化された独自の形態素解析器を使用することで、従来の形態素解析器よりも1トークンあたりに含められる文字数が増加し、事前学習や推論におけるテキスト処理の効率化に貢献しています 。  

実用性と性能 「Rakuten AI 2.0 mini」は、そのコンパクトなモデルサイズから、モバイル端末への導入を可能にします 。これにより、データをリモートサーバーに送信することなく、ローカル環境で処理を行うことができ、利用の利便性とセキュリティを両立しています 。日本語版MT-Benchの評価では、同程度のパラメータ数を持つ他モデルと比較して高い性能を示しており 、個人の利用レビューにおいても、その日本語処理能力の高さは驚きをもって評価されています 。  

このような技術的選択は、楽天が日本の巨大なエコシステムにAIを深く浸透させるための戦略的な意思決定と見ることができます。グローバルなAI開発が「パラメータ数による規模の追求」に傾倒する中で、楽天は、日本語に特化した高品質なデータと独自の技術的工夫によって、小規模・軽量でも高性能なモデルを構築することに注力しています。これは、推論コストを抑え、広範なユーザー基盤への展開を可能にするという、きわめて実践的なアプローチであり、日本のAI市場において独自の地位を確立する鍵となります。

2.3. 応用事例とユーザーフィードバック

「Rakuten AI」は、消費者向けおよび法人向けの両分野で具体的な活用が進んでいます。この導入プロセスから、技術とビジネスを結びつける重要な洞察が得られます。

消費者向け活用事例

  • 「Rakuten Link」での画像検索: ユーザーが外出先などで見かけた商品の写真を撮ってAIに送信すると、AIが画像を認識し、楽天市場での類似商品を瞬時に提案します 。この機能は無料で利用でき、その高い画像認識精度がユーザーに高く評価されています 。  
  • 楽天市場での「レビューサマリー」: 膨大な数の商品レビューをAIが要約し、ユーザーが短時間で必要な情報を把握できるようにする機能です 。この機能には複数のAIモデルがタスクに応じて使い分けられており、精度を保ちつつコストを最適化する工夫が施されています 。  

法人向け活用事例

  • 「Rakuten AI for Business」: 法人向けに提供されるこのサービスは、入力された情報がAIの学習データとして無断で活用されることがないセキュアな環境を強みとしています 。これにより、企業は機密性を確保しながら安心してAIを業務に活用できます。  
  • 「RMS AIアシスタント」の画像生成機能: 楽天市場に出店する店舗向けの運営システム「RMS」に搭載されたAIアシスタントは、商品画像の背景をAIが自動生成する機能を提供します 。  

テクノロジーとビジネスの融合 RMS AIアシスタントの画像生成機能の導入プロセスからは、AI開発における重要な教訓が読み取れます。当初、楽天はAIで生成される「美しい背景」が売上向上に繋がると想定していました。しかし、実際のA/Bテストでは、この機能が必ずしも売上に直結しないという課題が明らかになりました 。  

これに対し、楽天は技術を先行させるのではなく、実際の利用店舗からのフィードバックに耳を傾けました。その結果、「シンプルな白背景画像を作りたい」という当初予期していなかった強いニーズが浮上しました 。この要望を受け、楽天はAIによる白背景作成オプションを追加したところ、画像生成機能全体の利用率が向上し、導入の意義がより明確になりました 。  

この事例は、AI技術の導入が目的ではなく手段であることを明確に示しています。技術の力で何を達成したいのかという目的を明確に持ち、顧客やビジネスパートナーの真のニーズを深く理解し、そのフィードバックに基づいて迅速に機能を改善していくという、実践的かつ柔軟なアプローチがAIのビジネス価値を最大化する上で不可欠であることが示唆されます。

第3部:戦略分析と市場における位置付け

3.1. 楽天グループのAI戦略:B2CとB2Bの二軸展開

楽天のAI戦略は、消費者向けのB2Cと法人向けのB2Bという二つの明確な軸で展開されており、これらは相互に作用しながら事業の好循環を生み出すように設計されています 。  

  • B2C戦略:
    • 目的は、楽天エコシステム内での顧客エンゲージメントと満足度の向上です 。  
    • 20億を超えるグローバルな利用者基盤から得られる膨大なデータを活用し、ショッピング、金融、旅行などのサービスを横断的に連携させることで、ハイパーパーソナライズされたAIエージェントの構築を目指します 。  
    • このAIは、単なる利便性向上ツールではなく、顧客維持とエコシステム全体の活性化を目的とした戦略的なデータ収集・活用メカニズムとして機能しています 。  
  • B2B戦略:
    • 目的は、企業向けのソリューション提供とパートナーエコシステムの構築です 。  
    • 「Rakuten AI for Business」を通じて、高機密性を求める法人顧客に安全な生成AIサービスを提供します 。  
    • 楽天市場の店舗運営システム「RMS」へのAIアシスタント機能の統合は、出店事業者を深く囲い込むと同時に、エコシステムを外部にも広げるための重要な施策です 。  

このB2CとB2Bの二軸展開は、単に異なる市場をターゲットとするだけでなく、両者が相互に利益をもたらすようになっています。B2CサービスでAIを介して収集される膨大なユーザー行動データは、法人向けサービスやRMS AIアシスタントの精度を向上させるための重要な学習データとなり得ます。一方、B2Bサービスで得られる収益は、B2C向けのAI機能開発への再投資を可能にします。この緻密な設計により、楽天は「データと収益の好循環」を生み出し、AIプロバイダーではなく、自社の強みであるエコシステムを最大化する「エコシステム・インテグレーター」としての地位を確立しようとしています。

3.2. 競合環境との比較分析

国内のAI市場には、楽天以外にも強力なプレイヤーが存在します。各社の戦略を比較することで、楽天の独自性がより明確になります。

項目Rakuten AINTT「tsuzumi」SoftBank
開発主体楽天グループ日本電信電話株式会社(NTT)ソフトバンク株式会社
基盤モデルRakuten AI 7B, 2.0 minitsuzumi (軽量版・中型版)開発中の超大規模LLM
主なパラメータ規模15億, 70億6億, 70億, 130億最終的に1兆級
日本語性能日本語処理に強み。高精度なモデル軽量ながら世界トップクラスの日本語性能開発中のモデル性能は非公開
技術的特徴独自の形態素解析器、内製データフィルタリング軽量・低消費電力、マルチモーダル対応、アダプタによる柔軟なチューニング国内最大級のAI計算基盤への巨額投資
主要な事業戦略データとエコシステム統合軽量・オンプレミス、法人特化インフラと規模
ターゲット市場楽天エコシステムユーザー、楽天市場出店者、法人顧客機密情報を扱う法人(医療、金融など)AIインフラを必要とする企業・開発者
技術的アプローチ実用性重視の最適化効率性と特定領域への特化計算資源と規模の追求

国産AI市場の多極化 日本のAI市場は、米国のような巨大テック企業による一強体制とは異なり、各社がそれぞれの強みを活かした独自の戦略を追求する「多極化」の様相を呈しています。SoftBankは、AIモデルそのものよりも、その基盤となる「インフラ」に巨額を投じ、AI開発のエコシステム全体を支える土台としての役割を目指しています 。NTTは、通信インフラ企業としての強みと、企業のデータセキュリティへの高い要求に応える形で、「高機密性・法人特化」という特定のニッチ市場を深く掘り下げています 。  

これに対し、楽天は、ECや金融といった自社の巨大な「データとエコシステム」を最大限に活用し、ユーザーの「生活」に密着したAIの「応用」を主軸としています。このように、楽天、NTT、SoftBankは、それぞれ「応用」「ニッチ」「インフラ」という異なるレイヤーでAIエコシステムを牽引しており、相互に競合しつつも、日本のAI産業全体を活性化させる補完的な関係にあると分析されます。

3.3. 「責任あるAI」ガバナンスと倫理的基盤

楽天は、技術開発と事業展開の基盤として、「責任あるAI(Responsible AI)」の実現を掲げています 。これは、AIを活用する上で不可欠な信頼性を確保するための戦略的資産です。  

  • 楽天AI倫理憲章:
    • AIの開発、運用、利用における倫理的基準を確立し、ユーザーに信頼性の高いサービスを提供することを目的としています 。  
    • 主要な基本原則として、安全性の重視、信頼性と公平性への注力、そして透明性による信頼構築を定めています 。  
  • 具体的なガバナンス体制:
    • 社内運用ガイドライン: AI活用における主要原則やサービス実装に関する指針を定め、従業員が責任を持ってAIを活用するためのロードマップとして機能させています 。  
    • 従業員の意識向上: 全従業員向けのトレーニングや朝会での情報発信を通じて、AIの倫理的利用に関する理解を促進しています 。  
    • データ保護の明確化: 法人向けサービスでは、入力された情報がAIの学習データとして無断で利用されないことを明確に保証し、高い機密性を確保しています 。  

このような強固なガバナンス体制は、単なるコンプライアンス遵守に留まらない、重要な戦略的価値を持つと分析されます。AIサービス、特に個人情報を扱う大規模なサービスにとって、ユーザーからの信頼は事業継続の絶対的な前提条件です。楽天が具体的なガイドラインや保証を打ち出すことは、機密情報を取り扱う法人顧客や、自身のデータをAIに預けることを懸念する消費者に対し、安心してサービスを提供できる唯一の企業であるという強力なメッセージを発信します。これは、技術インフラと同等、あるいはそれ以上に重要な「事業継続の承認(Social License to Operate)」を得るための礎となります。

第4部:将来展望と提言

4.1. 今後のロードマップと事業展開の予測

楽天のAI戦略は、確立されたエコシステムを基盤に、段階的な進化を計画しています。今後の事業展開は、以下のマイルストーンを中心に進むと予測されます。

  • 楽天市場への本格導入: 2025年秋に予定されている楽天市場への本格的なAI搭載 は、AI戦略の次の重要なマイルストーンです。これにより、楽天の核となるEコマース事業の売上向上に直結するAI活用が本格化します。ユーザーの購買傾向データに基づいたパーソナライズされた商品提案は、コンバージョン率の飛躍的な向上に寄与するでしょう 。  
  • オンライン・オフラインの融合: 楽天モバイルの店頭で試験稼働を予定しているAIアバター「最強くん」は、AIの活用領域をオンラインからオフラインへと広げる重要な試みです 。これは、オンラインとオフラインを融合させる「OMO(Online Merges with Offline)」戦略の一環であり、ユーザーのリアルな生活動線にAIを組み込むことで、新たな顧客接点を創出するものです。  

このようなロードマップは、楽天のAI戦略の究極的な目的を明確に示しています。それは、個々のサービスを最適化することに留まらず、AIを「エコシステム内の接着剤」として機能させることで、ユーザーの生活のあらゆる側面を楽天経済圏で完結させることです。例えば、Rakuten LinkでAIに旅行プランを相談し、そのまま楽天トラベルで予約し、さらに楽天カードで決済するという、シームレスな体験が実現すれば、ユーザーは楽天エコシステムへの依存度を高め、個々のサービスの売上だけでなく、ユーザー一人ひとりの楽天に対する「生涯価値(LTV)」を飛躍的に向上させると予測されます。

4.2. 結論と提言

本報告書の分析を通じて、Rakuten AIは単なる最新技術の導入ではなく、楽天の既存の強みであるエコシステム、データ、顧客基盤を最大化するための極めて戦略的なツールであることが明らかになりました。楽天は、パラメータ数競争とは一線を画し、日本語に最適化された軽量・高性能モデルと、B2C/B2Bの二軸戦略によって、国内AI市場に独自の地位を確立しています。

この戦略を成功させ、さらなる事業成長を実現するため、以下の提言を提示します。

  • UX/UIのさらなる洗練: 複数のサービスを横断するAIエージェントとしての真価を発揮するため、ユーザーが迷うことなく直感的に操作できる、エコシステム全体で統一されたUI/UXを追求すべきです。これにより、ユーザーのサービス利用障壁が低減し、エコシステム内の活動がよりスムーズになります。
  • 具体的な連携事例の拡大: 現在のEコマース中心の連携から、金融や旅行といった他サービスでの具体的なAI活用事例を積極的に展開し、エコシステム全体のAI化を加速させるべきです。これにより、楽天経済圏の多様なサービスにおけるAIの有用性を広く示すことが可能になります。
  • ハルシネーションへの継続的な対応: AIの回答や生成物が誤った情報(ハルシネーション)を生成するリスクに対し、技術的な対策だけでなく、ユーザーが正確性を容易に検証できる仕組み(出典の明示など)を強化すべきです。これは、特に金融や医療など、正確性が極めて重要となる領域へのAI展開において不可欠です。
  • オープンコミュニティへの貢献: 「Rakuten AI 7B」の開発を通じて得た知見をオープンソースコミュニティと共有する取り組みを継続することで、日本のAI産業全体の発展に貢献し、リーダーシップを確立すべきです。これにより、外部の開発者を巻き込み、技術エコシステムをさらに拡大できる可能性を秘めています。

これらの提言を実行することで、楽天は「AI-nization」を成功させ、技術革新を事業成長に結びつける好循環をさらに強化できると確信します。

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この記事を書いた人

横田 秀珠のアバター 横田 秀珠 (新潟)公立長岡造形大学 情報リテラシー論 講師

ネットビジネス・アナリスト。未経験のIT企業に就職し、たった3年で独立し、2007年にITコンサルタント会社のイーンスパイア(株)を設立し現在に至る。All About ProFile全専門家で全国1位のコラム評価を獲得した実績を持つ。全国で年間200回を超える講演も行う。