音楽生成AI「Suno」AI音楽ニュース2026年9月分(AI音楽ラジオ)②
2026年9月のSuno以外のAI音楽・音楽ニュースを解説。オープン音楽生成AI「YuE2」が無料公開された一方、UMGはAI楽曲を大量に配信するDistroKidを提訴しつつ、ElevenLabsとは戦略的合意を結ぶなど、業界は駆け引きの段階にある。オーストラリアはAIで全自動生成した曲をチャートから除外した。楽天ミュージックのチャット検索、ヤマハの自動採譜、欧米の原盤市場の成長、Spotifyの動画化、「リーチから定着へ」というマーケティングの変化も紹介した。
詳しくは15分の動画で解説しました。
https://www.youtube.com/watch?v=HetxAkaiknk
0:00 🎙️ 導入:AI音楽ニュース9月分・後編 0:55 🆓 音楽生成AI「YuE2」無料公開 1:35 ⚖️ UMGがDistroKidを提訴、AIスロップ問題 3:05 🤝 UMGとElevenLabsが戦略的合意 4:23 🇦🇺 オーストラリア、AI生成曲をヒットチャートから除外 5:45 🛒 楽天MusicにエージェントAIを搭載 6:31 ⌚ Apple Watchで周囲の曲を自動認識 7:25 ☁️ SoundCloudで楽曲の直販が可能に 8:35 🎹 ヤマハ「ピアノシートコンバーター」で楽譜を自動生成 9:52 🇪🇺 EUの録音原盤市場が過去最高を更新 10:35 🇺🇸 米国の録音原盤市場が半期60億ドルに迫る 11:15 👨👩👧 Spotify、子ども・家族向け音楽をおすすめ学習から除外可能に 12:05 🎬 Spotify、Geniusと組んで動画配信を拡大 12:35 🛠️ Spotifyのプロフィールに誤った曲が表示される問題を改善 13:08 🪲 科学論文タイトルで最も引用されるのはビートルズ 13:30 📊 Spotify日本チャートの歌詞をテーマ別に分類 14:12 📉 プレイリスト&アルゴリズムマーケティングの終焉 14:35 👋 まとめ・Substackのご案内
「AIは布の記憶の夢を見るか?」
の応援ソングを作ってみました
イーンスパイアの横田です。
https://www.enspire.co.jp

というMVコンテストが10/30まで
作品を募集しています。詳細こちら↓
https://koromolab.site/event.html
僕は審査員で応募できないけど、
応援ソングを作ってみました。
たった一枚の布で / Milia
https://www.youtube.com/watch?v=ULKoVvkYvdg
一枚の布だけで / KeiVi
https://www.youtube.com/watch?v=G-4Opeo9u2Q
UMGの訴訟と提携、AI楽譜化、市場拡大、9月の音楽界
昨日のSunoニュース特集の続き。今日はSuno以外のAI音楽・音楽ニュースを直近1か月分まとめて解説。訴訟と提携を使い分けるレコード会社、AIでチャットのように曲を探す時代、そして伸び続ける音楽市場まで、全体像を上から順に追います。
開発:Multimodal Art Projection(m-a-p)
配信代行(ディストリビューター)大手。AI音楽が最も通りやすいと言われ人気。
- 訴えの柱:欺瞞的取引慣行+著作権侵害
- 低品質な“AIスロップ”でストリーミングを汚染したと主張
- 争点はAIそのものではなく正規リリースのように流通させた点
- 請求:最大 $150,000/1作品
見ている
テキスト to 音声合成のAI企業と、ライセンス供与+製品開発で合意。
- ライセンス済み音楽を土台にAI音楽を作れる
- ファン参加型の新プラットフォームを開発へ
- 著作権クリアな音楽を出力できる
Lofi Chillは月平均約380曲=毎月フルアルバム20〜30枚分に相当。UMG調査の侵害録音は約2,000件。
世界的な流れの一つ。テキストからポン出ししただけのAI曲は対象外。ただしAI利用そのものは禁止ではない。
主要な創作要素をAIが作った録音。プロンプトから全部生成したもの
人間が作曲・リード歌唱・主要楽器を担い、AIが一部の表現を補助
AIマスタリング、ステム分離、リバーブ、AIドラムマシン など
実質的に人間が作った録音
ストリーム・チャート操作がない
著作権・関連権を遵守
↑ チャート適格の3条件。2026年8月31日付チャートから適用。
「Rakuten AI for Music」を搭載。「こんな曲を聴きたい」とチャットで話すと候補が出る。
カテゴリー
検索
キーワード
検索
チャット
検索
あらゆるインターフェイスで、このステージ移行が進行中。ここは押さえておきたい。
Shazam買収で得た曲名認識をApple Watchにも搭載。Google Pixelの「Now Playing」と同様の機能。
便利
流れている曲がすぐ分かる
プライバシー
曲以外の音も“聞いて”いる=盗聴の懸念
対象:Series 12/Ultra 4(S11チップ)。UMGやソニー等レコード会社の反応も含め、条件づくりが今後の課題。
月5回まで楽譜化
全機能を開放
やキー・長さも選べる
占める比率
増加額でEUが中国を約400万ユーロ上回る。
子ども・家族向け音楽の再生履歴をおすすめに反映させない設定が可能に。
- 再生はできるが学習させない
- 対象は13歳以下向けの音楽
- 1アカウントを親子で使う家庭向け
人気動画シリーズ「Open Mic」「Verified」をSpotifyで展開。音楽配信からYouTube型の動画配信へ。
ビデオポッドキャスト同様、音楽も動画がメインに。音楽領域ではYouTubeとかなりバッティング。
自分の曲が他アーティストのプロフィールに出る問題の修正ガイド(独立系音楽家向け)。
最重要:リリースを削除しない! まずSpotify for Artistsで報告し、紐付けを直す。
完全一致
The Long and Winding Road
曲名、曲名をもじった例、歌詞そのもの、歌詞をもじった例まで。さすが万人に受けるアーティスト。
これまでSpotifyで重要だったプレイリストは“目的”ではなく“入口”に。発見されるだけでなく、ファンとして残ってもらうことへ。
リーチ
コンバージョン
リテンション
ライフタイムバリュー
DSPのプレイリスト掲載・月間リスナー数・TikTokのバイラル=リーチ重視
保存・フォロー・リピート・ライブ動員など、関係性で測る定着重視
📣 AI音楽・音楽の話題はSubstackでも発信中。詳しくはブログやリンク先から。来月以降もこの形でお届け予定。
🎼 YuE2(ユエ2)
YuE2とは、Multimodal Art Projection(m-a-p)が2026年9月10日に無料公開したオープンソースの音楽生成AIです。歌詞とスタイルを入力すると、ボーカル付きの楽曲を生成します。ABC楽譜でメロディやコードを計画できるため、「楽譜で操れる」点が特徴で、日本語にも対応しています。ただしモデルは非商用ライセンスなので、無料でも商用利用が自由なわけではありません。Suno依存のリスクに備える保険としても注目されています。
📦 DistroKid(ディストリビューター)
DistroKidとは、Apple MusicやAmazon Music、YouTubeなど多くの配信サービスへ楽曲を届ける音楽ディストリビューターです。AI音楽が審査を通りやすいとされ、人気を集めてきました。しかしユニバーサルミュージック(UMG)は、低品質なAI楽曲(AIスロップ)でストリーミングが汚染されているとして、DistroKidを提訴しました。AI音楽を配信する側にとっても、今後の動向が気になる存在です。
🤝 ElevenLabs(イレブンラボ)
ElevenLabsとは、テキストを自然な音声に変換する音声合成AIで知られる企業です。UMGと戦略的合意を結び、ライセンス済みの音楽を土台にAI音楽を作れるようになりました。UMGはSunoを訴える一方で、ElevenLabsとは手を組んでいます。業界は訴訟でより良い契約条件を引き出す駆け引きの段階にあり、いずれSunoとも和解に向かう可能性があります。
📊 AI楽曲のチャート除外
オーストラリアでは、テキストからAIだけで全自動生成した楽曲をヒットチャートの対象外にすることが決まりました。一方で、作曲やリード歌唱、主要な楽器演奏を人間が担い、AIがマスタリングやステム分離、リバーブなど一部を補助する曲は対象になります。実質的に人間が作った録音であることが条件です。チャート操作や著作権の侵害も認められず、同様の動きは世界的に広がっています。
💬 エージェント型AI(チャット検索)
エージェント型AIとは、利用者の要望を理解して自ら提案や操作を行うAIのことです。楽天ミュージックに搭載され、「こんな曲が聴きたい」とチャットで伝えるだけで候補曲が提示されます。これまでのカテゴリー検索やキーワード検索から、対話で探すチャット検索へと、あらゆるサービスの入り口が大きく変わりつつあります。こうした変化を象徴する事例です。
⌚ Now Playing(周囲の音楽認識)
Now Playingとは、Google Pixelに搭載されている、周囲で流れている曲を自動で特定して画面に表示する機能です。AppleはShazamを買収しており、同様の機能をApple Watchにも搭載します。ただし、曲を聞き取れるということは周囲の会話も拾えることを意味し、盗聴の懸念が指摘されています。レコード会社の反発も予想され、利用条件の整備が今後の課題です。
🎹 Piano Sheet Converter(ピアノ・シート・コンバーター)
Piano Sheet Converterとは、ヤマハが公開している、音源ファイルを読み込むだけで約3分でピアノ譜を自動生成するサービスです。現在はベータ版で精度は完璧ではありませんが、無料で使え、ネットでも話題になっています。これまで人間が耳コピで作っていた楽譜をAIが代わりに作れるようになりました。楽譜販売で収益を得ていた人の仕事を奪う可能性もあります。
💿 原盤権(げんばんけん)
原盤権とは、音楽を録音・編集して完成させた音源(マスター音源)そのものに発生する権利です。法律上は「レコード製作者の権利」という著作隣接権の一種として定められています。EUやアメリカでは録音原盤市場が伸びており、音楽市場全体が盛り上がっています。AIで作った楽曲の原盤権を誰が持つのかは、今後の大きな論点になると見られています。
🎬 シンク(シンクロ権収入)
シンクとは、映像作品や広告、ゲームなどに楽曲を使用する際に発生するライセンス収入のことです。映像と音楽を同期(シンクロ)させることが語源です。アメリカの録音原盤市場は上半期で60億ドルに迫り、ストリーミングやCDなどのフィジカルに加えて、シンクも大幅に成長しました。楽曲の使われ方が多様化し、収益源が広がっていることを示しています。
🔁 スーパーリスナー(リーチから定着へ)
スーパーリスナーとは、音楽を受け身で流すのではなく、保存やフォロー、繰り返し再生などで積極的に聴く熱心なファン層のことです。プレイリスト掲載やバズで「広く届ける」だけのマーケティングは終わりつつあります。これからは、発見を入口にファンとの関係性を深め、何度も戻ってきてもらう「定着」が、アーティストの長いキャリアの土台になるとされています。














