BASEのApps「TikTokShop連携」でTikTok Shop出店作業・全手順

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さて、本題です。
BASEのApps「TikTokShop連携」でTikTok Shop出店作業・全手順
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BASEのApps「TikTokShop連携」でTikTok Shop出店作業・全手順
商品を「発見」してもらう新しい通販のカタチ
従来の楽天・Amazonのような検索型ではなく、ショート動画やライブ配信を通じて偶然の出会いから購買につなげる新しいEコマースモデルです。
BASE管理画面右上の「Apps」→「TikTok Shop連携」を選択
事業形態(個人/法人)を選択して基本情報を入力
• 法人番号
• 登記簿謄本(6ヶ月以内)
• 印鑑登録証明書
• 代表者の運転免許証またはパスポート
振込先口座と配送料設定(例:全国一律500円)
QRコードスキャンで個人TikTokアカウントと連携
BASE登録商品を選択してTikTok Shopに同期
書類提出後、審査完了まで商品は非表示状態となります。審査完了次第、自動的に商品が表示開始されます。
携帯電話番号による認証が複数回必要になるため、スマートフォンを手元に用意して作業を進めましょう。
プロフィール画面に「ショップタブ」が追加され、商品一覧が表示される
買い物バッグアイコンから商品詳細→「今すぐ購入」ボタンで購入可能
BASEのApps「TikTokShop連携」でTikTok Shop出店作業・全手順
TikTok ShopとBASEの公式API連携解説。店舗側がTikTok Shopに出店する手順を実演。ディスカバリーEコマースという発見型通販の新形態を説明し、BASEの管理画面からTikTok Shop連携アプリをインストール、法人情報や本人確認を経て、商品をBASEからTikTok Shopに連携する一連の流れを紹介。最終的にTikTok Shop上で商品販売が開始できることを確認した。
- はじめに
- ディスカバリーコマースの新時代到来
- TikTok ShopとBASEの公式連携開始
- 実践!TikTok Shop出店の完全手順
- 連携完了と販売開始までの道のり
- おわりに
- よくある質問(Q&A)
はじめに
みなさん、こんにちは。2025年7月、ついにEC業界に革命的な変化が訪れました。これまでの「検索型ネット通販」から「発見型ネット通販」への大きなパラダイムシフトが現実のものとなったのです。楽天やアマゾンのように、ユーザーが検索をして商品を探すスタイルではなく、ショート動画やライブ配信を通じて偶然商品と出会い、その場で購入に至る新しい購買体験。これがディスカバリーコマースの本質です。本記事では、TikTok ShopとBASEの公式連携により実現した、この新しい販売チャネルの開設方法を実際の画面操作とともに詳しく解説いたします。ECに携わる全ての方にとって、見逃せない重要な情報をお届けします。
ディスカバリーコマースの新時代到来
TikTok Shopが提唱する新しい通販の形
TikTok Shopは、従来のEコマースとは根本的に異なるアプローチを採用しています。これを「ディスカバリーEコマース」と呼んでいます。従来の楽天やアマゾンといったプラットフォームでは、ユーザーが明確な購入意図を持って検索を行い、商品を探すという能動的な行動が前提でした。
しかし、ディスカバリーコマースでは、検索をしない人々に対してショート動画やライブ配信を通じて商品を発見してもらい、その瞬間に購買行動を促すという全く新しい販売手法を確立しています。これは、ユーザーがエンターテインメントを楽しんでいる最中に、自然な形で商品と出会う仕組みを提供するものです。
発見型通販がもたらすビジネスチャンス
この新しい販売形態は、特に若年層を中心としたスマートフォンネイティブ世代にとって非常に親和性が高く、従来のECでリーチできなかった顧客層へのアプローチが可能になります。動画コンテンツと商品販売が自然に融合することで、これまでにない購買体験を創出し、売り手と買い手の新たな関係性を築くことができるのです。
TikTok ShopとBASEの公式連携開始
2025年7月1日の歴史的発表
2025年7月1日10時、BASEから重要なプレスリリースが発表されました。TikTok ShopとBASEが公式APIによる連携を開始したのです。この連携により、現在国内では以下のプラットフォームがTikTok Shopと正式に連携しています:
- BASE
- Shopify
- Color me shop
- その他のプラットフォーム
これらの中でも、特にBASE、Shopify、Color me shopの3つが主要なレンタルショッピングカートサービスとして位置づけられています。他のプラットフォームについては、まだ大手や有名なサービスは含まれておらず、この3つのサービスが現在の中心的な存在となっています。
TikTokからの公式見解
TikTok側のプレスリリースでは、ディスカバリーEコマースという概念を前面に打ち出し、従来の検索ベースの通販とは一線を画した新しいアプローチを強調しています。サポートする企業パートナーも多数発表されており、この取り組みが業界全体で注目されていることがうかがえます。
BASE管理画面での新機能実装
BASE側でも連携開始に合わせて管理画面の改修が行われ、トップページに「TikTok Shop連携しませんか」というバナーが大きく表示されるようになりました。Appsセクションには「TikTok Shop連携」という新しいアプリが追加され、誰でも簡単に連携を開始できる環境が整備されています。
実践!TikTok Shop出店の完全手順
ステップ1:BASEでの連携アプリインストール
まず、BASE管理画面の右上にある「Apps(アップス)」をクリックします。様々なアプリが紹介されている中から「TikTok Shop連携」を見つけて選択してください。「インストールに進む」ボタンを押すと、連携プロセスが開始されます。
最初は「連携しているTikTok Shopはありません」と表示されますが、「連携を開始する」ボタンをクリックして次に進みます。この段階で、BASEに登録している商品がTikTok Shopでも販売可能になることが説明されます。
ステップ2:TikTok Shop Seller Centerでの事業者登録
連携ボタンを押すと、TikTok Shop Seller Centerに移動します。ここで「Start Selling」を選択し、事業形態(個人事業主か法人か)を選択します。
法人の場合、以下の書類が必要になります:
- 法人番号
- 過去6か月以内に発行された登録証明書または印鑑登録証明書
- 代表者の生年月日
- 事業所住所
正式な会社名をカタカナ表記で入力し、法人番号、住所、郵便番号を順次入力していきます。住所については自動入力機能もありますが、番地は手動で入力する必要があります。
ステップ3:代表者情報と必要書類の提出
代表者の氏名をカタカナで入力し、生年月日を正確に入力します。登記簿謄本の1枚目と2枚目をそれぞれアップロードし、「Next」に進みます。
本人確認については、運転免許証またはパスポートでの認証が可能です。運転免許証を選択した場合、QRコードが表示されるので、スマートフォンで読み取り、表面と裏面の写真を撮影してアップロードします。
「Checking Information verification」の画面が表示され、認証が完了すると次の段階に進めます。
ステップ4:連絡先情報と特定商取引法対応
メールアドレスと電話番号の確認を行います。店舗担当者名、カスタマーサービス用の電話番号など、特定商取引法に関する表示で必要な項目を入力していきます。
携帯番号の認証では、ショートメールでコードが送信されるので、受信したコードを入力して認証を完了させます。全ての情報を入力後、「Submit」ボタンを押して申請を完了させます。
ステップ5:配送情報と倉庫設定
倉庫の所在地情報を入力します。多くの場合、会社住所と同じになるでしょう。担当者名、電話番号、住所を正確に入力し、配送に関する基本設定を行います。
この段階で「TikTok Shopの登録が完了しました」というメールが届きます。メールには認証情報を使用してSeller Centerにログインするよう案内が記載されています。
ステップ6:支払い設定と銀行口座登録
Seller Centerの管理画面で「Your Bank Information」を選択し、振り込み先の設定を行います。「Set Payment Password」では、8桁の連続しない数字でパスワードを設定する必要があります。
2段階認証のためのショートメール認証を完了後、銀行口座情報を登録します。口座番号、支店コード、口座種別(普通預金など)、口座名義を正確に入力してください。
ステップ7:TikTokアカウントとの連携
商品とオンラインストアの同期を行うため、「Sync」を選択してBASEとの連携を進めます。パートナーアクセスは「Unlimited」に設定し、メールアドレスと電話番号を入力してインストールを実行します。
既存のTikTokアカウント(個人アカウントまたは組織アカウント)との紐付けを行います。QRコードをスマートフォンで読み取り、アカウント連携の許可を与えて設定を完了させます。
連携完了と販売開始までの道のり
商品登録と審査プロセス
BASEで販売している商品をTikTok Shopに連携させるため、「TikTok Shop連携」画面で商品を選択します。各商品について以下の情報を設定する必要があります:
- 商品カテゴリー(例:本、科学技術、コンピューター・ネットワークなど)
- 商品重量(配送料計算のため)
- その他の商品詳細情報
商品を1つずつ選択して設定を行い、審査に提出します。審査完了後、商品が「公開中」のステータスに変更され、実際にTikTok Shop上で販売が開始されます。
送料設定と配送オプション
全国一律の送料設定を行います。通常は500円程度に設定し、北海道や沖縄などの遠隔地についても同様の料金設定にするケースが多いようです。配送元住所を正確に設定することで、適切な送料計算が行われます。
TikTokアプリでの表示確認
設定完了後、実際のTikTokアプリで店舗がどのように表示されるかを確認します。プロフィール画面には「ネットショップと連携しています」という表示が現れ、ショップタブから商品一覧を閲覧できるようになります。
ユーザーは通常の動画視聴画面の右側にある買い物バッグアイコンをタップすることで、商品一覧にアクセスし、気になる商品を「今すぐ購入」ボタンから直接購入できるようになります。
実際の販売開始
全ての設定と審査が完了すると、TikTok Shop上で商品の販売が正式に開始されます。BASEで管理していた商品がTikTokの巨大なユーザーベースにリーチできるようになり、新たな販売チャネルとして機能し始めます。
おわりに
今回ご紹介したTikTok ShopとBASEの連携は、ECビジネスにとって極めて重要な転換点となるでしょう。従来の検索型ECから発見型ECへのシフトは、単なる技術的な変化ではなく、消費者の購買行動そのものを根本から変える可能性を秘めています。ショート動画とライブ配信を活用した新しい販売手法により、これまでリーチできなかった顧客層との接点を創出し、ブランドと消費者の関係性を再定義することができます。設定手順は複雑に見えるかもしれませんが、一度完了すれば強力な販売チャネルとして機能します。審査や認証プロセスを含め、全体で数時間から数日程度で開設可能です。今後、このディスカバリーコマースの波に乗り遅れないよう、早期の対応を強くお勧めいたします。新しい時代のECビジネスの扉が、今まさに開かれようとしているのです。
よくある質問(Q&A)
Q1: TikTok Shop出店に必要な初期費用はどのくらいですか?
A1: TikTok Shop自体の出店料は無料です。ただし、BASEの利用料(月額料金やシステム利用料)や、必要書類の取得費用(登記簿謄本など数百円程度)は別途かかります。主なコストは商品の販売手数料として、TikTok Shopとして設定される手数料率になります。
Q2: 個人事業主でもTikTok Shopに出店できますか?
A2: はい、個人事業主でも出店可能です。登録画面で「個人事業主」を選択することができます。ただし、必要書類や手続きが法人とは異なる場合があるので、実際の申請時に表示される要件を確認してください。本人確認書類(運転免許証やパスポート)は必須となります。
Q3: BASEで販売していない商品もTikTok Shopで販売できますか?
A3: 今回紹介した連携機能では、BASEに登録している商品をTikTok Shopに同期させる仕組みのため、まずBASEで商品登録を行う必要があります。TikTok Shop単体での商品登録も可能ですが、BASE連携を活用する場合は、BASE側での商品管理が前提となります。
Q4: 商品の審査にはどのくらい時間がかかりますか?
A4: TikTok Shopの商品審査は通常数時間から数日程度で完了します。商品カテゴリーや内容によって審査期間は変動する可能性があります。審査中は「審査中」のステータスが表示され、完了すると「公開中」に変更されて実際の販売が開始されます。
Q5: TikTok Shopでの売上はどのように受け取れますか?
A5: 売上金の受け取りには、事前に登録した銀行口座を使用します。支払いサイクルや手数料については、TikTok Shopの利用規約で定められた条件に従います。BASE側の売上とは別管理となるため、それぞれのプラットフォームから個別に入金処理が行われます。
詳しくは15分の動画で解説しました。
https://www.youtube.com/watch?v=qmMoikPWKHI
0:00 📱 導入・TikTok Shop連携の概要説明
1:10 🔍 発見型Eコマースの新しい通販スタイル
2:09 ⚙️ BASE管理画面でのTikTok Shop連携設定
3:13 📋 TikTok Seller Center登録開始
4:21 🆔 本人確認書類のアップロード
5:27 📞 電話番号認証と特定商取引法表示
6:35 📦 配送情報設定とメール確認
7:39 🔗 BASEとTikTokの紐付け作業
8:40 👤 個人アカウントとの連携設定
9:43 🏦 銀行口座情報の登録
10:52 🛍️ 商品連携の開始
11:39 ✏️ 商品詳細情報の入力
12:51 ✅ 商品登録完了と審査状況
13:59 🎉 TikTok Shopでの商品表示確認
上記の動画はYouTubeメンバーシップのみ
公開しています。詳しくは以下をご覧ください。
https://yokotashurin.com/youtube/membership.html
YouTubeメンバーシップ申込こちら↓
https://www.youtube.com/channel/UCXHCC1WbbF3jPnL1JdRWWNA/join
BASEのApps「TikTokShop連携」でTikTok Shop出店登録・全手順

🛍️ TikTok Shop TikTokが提供するソーシャルコマース機能で、動画プラットフォーム内で直接商品の販売と購入ができるサービス。ショート動画やライブ配信を通じて商品を発見してもらい、購入につなげる新しい通販の形態として注目されています。
🏪 BASE 個人や小規模事業者が簡単にネットショップを開設できる日本のEコマースプラットフォーム。TikTok Shopとの公式API連携により、BASE上の商品をTikTok Shopでも販売できるようになりました。
🔗 公式API連携 TikTok ShopとBASEが公式に提供するシステム間の自動連携機能。この連携により、BASE上で管理している商品情報をTikTok Shopに自動同期し、両プラットフォームで同時販売が可能になります。
🔍 ディスカバリーEコマース 従来の検索型通販とは異なり、ユーザーが能動的に検索しなくても、動画コンテンツやライブ配信を通じて商品を発見してもらう新しい通販形態。TikTokが推進する発見型の電子商取引モデルです。
📱 ショート動画 TikTokの主要コンテンツ形式で、短時間の縦型動画。商品紹介やデモンストレーションを通じて、視聴者に商品の魅力を伝え、購買意欲を喚起する重要なマーケティングツールとして活用されています。
⚙️ Seller Center TikTok Shopの店舗管理画面で、商品登録、在庫管理、注文処理、売上確認など、販売に関するすべての操作を行うことができる管理システム。店舗運営者にとって必須のツールです。
📋 本人確認 TikTok Shopに出店する際に必要な身元確認手続き。運転免許証やパスポートなどの公的身分証明書を用いて、販売者の身元を確認し、安全な取引環境を確保するための重要なプロセスです。
🔄 商品連携 BASE上で登録している商品情報をTikTok Shopに同期する機能。商品名、価格、画像、在庫情報などが自動的に連携され、複数プラットフォームでの一元管理が可能になります。
✅ 審査 TikTok Shopに商品を出品する前に行われる品質チェック。商品情報の正確性、画像の適切性、法的コンプライアンスなどが確認され、承認後に販売開始となる重要なステップです。
📦 配送情報 商品の発送に関する設定で、送料、配送エリア、配送方法などを指定します。顧客に正確な配送情報を提供し、スムーズな取引を実現するために欠かせない設定項目です。
BASEのApps「TikTokShop連携」でTikTok Shop出店登録・全手順
1. はじめに:BASEとTikTok Shop連携の概要とメリット
BASEが提供する「TikTok Shop連携 App」は、ネットショップ作成サービス「BASE」と動画コマースプラットフォーム「TikTok Shop」を公式API連携させるためのアプリケーションです 。このAppはBASE株式会社によって独自に開発・提供されており 、BASEを利用するネットショップがスムーズにTikTok Shopと連携できるよう設計されています 。本Appの利用は無料であり 、BASEショップオーナーにとって新たな販売チャネルを構築する上で重要なツールとなります。
この連携の主な目的は、動画コンテンツを核としたTikTokの巨大なユーザーベースを活用し、BASEを利用する個人や小規模チームのショップオーナーの販路拡大を支援することにあります 。TikTokは毎日何億人ものユーザーが利用しており、特に18歳から34歳の若年層に強くリーチできる特性を持っています 。これにより、従来のECサイトでは獲得が難しかった新たな顧客層にアプローチし、売上を伸ばす大きな機会が提供されます 。
日本国内でのTikTok Shopの本格ローンチは2025年夏から秋頃と予定されていましたが 、一部情報では2025年6月30日に開始されたとされています 。BASEがこの「TikTok Shop連携 App」をこの時期に提供することは、単なる機能追加以上の戦略的な意味合いを持ちます。BASEは、日本のEコマース市場における動画コマースの台頭を明確に認識しており、自社のユーザーをこの新しいトレンドの最前線に位置づけようとしています。これにより、BASEはスモールビジネス向けのECプラットフォームとしての競争力を高め、ユーザーが早期にTikTokの巨大なユーザーベースにアクセスし、市場での優位性を確立できるよう支援していると評価できます。
本Appを導入すると、BASEの管理画面に登録されている商品情報(商品名、商品説明文、商品画像、商品価格)や在庫数をBASEからTikTok Shopに自動で連携することが可能になります 。これにより、商品の二重登録の手間が省けるだけでなく、在庫数も自動で同期されるため、効率的なショップ運営が実現されます 。App自体が無料で提供され、TikTok Shopも初期費用や月額費用がかからず成果報酬型の販売手数料のみであることは 、BASEユーザー(多くは中小企業や個人事業主)にとって、新しい販売チャネルへの参入における金銭的な障壁を大幅に低減します。商品情報と在庫の自動同期機能は、リソースが限られた事業者にとって運用上の負担を軽減し、効率的な多チャネル展開を可能にすることから、BASEがその主要なユーザー層のニーズに深く応え、アクセシビリティと利便性を最大化していることが示唆されます。
「動画コマース」や「ライブコマース」の強調 、そして「TikTokアプリ内で購入をシームレスに完了できる」という機能 は、消費者行動とEコマースのあり方が変化していることを明確に示しています。これは、単に商品をリストアップするだけでなく、エンターテイメントとソーシャルインタラクションをショッピング体験に直接統合することの重要性を意味します。この変化に対応するためには、販売者が静的な商品リストに依存するだけでなく、動画コンテンツを効果的に活用するためのマーケティング戦略を適応させる必要があり、これはEコマースの新たな方向性を示唆しています。
費用に関して、「TikTok Shop連携 App」自体は無料で利用でき 、BASE側でTikTok Shopでの販売に対する販売手数料はかかりません 。しかし、TikTok Shop側で独自の販売手数料が発生します。通常、流通取引総額(GMV)の7%が販売手数料となります 。特筆すべきは、出店から45日以内に必要な初期設定を完了し、商品を3点アップロードした場合、90日間は手数料が3%に割引されるプロモーションが適用される点です 。この手数料には決済手数料が含まれ、月額費用や初期費用はかからないとされています 。ただし、TikTok Shop側は、プロモーション手数料を随時変更または終了する権利を留保しているため、最新情報は必ず公式サイトで確認することが推奨されます 。
2. TikTok Shop出店準備:アカウント開設とビジネス情報設定
TikTok Shopに出店するためには、いくつかの前提条件を満たし、TikTok Shop Seller Centerでのアカウント開設とビジネス情報の詳細な設定が求められます。
2.1 出店に必要な条件
TikTok Shopに出店するには、以下の条件を満たす必要があります 。
- TikTokビジネスアカウントを取得していること。
- 出店者が18歳以上であること。
- 日本国内に拠点を持つ法人または個人事業主であること(副業、個人事業主、企業形態を問わない)。
- 本人確認書類(運転免許証、登記簿など)を提出可能であること。
- 特定商取引法に基づく情報の表示ができること。
- 取り扱い商品がTikTokのガイドラインに準拠していること。
2.2 TikTok Shop Seller Centerへの登録手順
TikTok Shop Seller Centerでの登録は以下のステップで進行します。
STEP 1:TikTok Shop Seller Centerに登録
TikTok Shop Seller Center(seller-jp.tiktok.com/account/register)にアクセスします 。既存のTikTokアカウントを利用することも可能ですが、アカウントがない場合は電話番号またはメールアドレスで新規アカウントを作成します 。
STEP 2:ビジネス情報を設定する
業種を選択します。例えば、ハンドメイド作家の場合は「個人事業主」が適切な選択肢となります 。本人確認書類として、マイナンバーカード、日本の運転免許証、在留カード、パスポートのいずれか1点の写真を提出する必要があります 。
STEP 3:ビジネス情報(必要な場合)と代表連絡先情報を入力する
使用する身分証明書の種類を選択し、その身分証明書を認証した後、代表連絡先の情報を入力します 。
STEP 4:リアルタイム本人認証
事前に運転免許証、在留カード、またはパスポートの実物を準備し、「Verify Now(今すぐ認証)」をクリックして画面の指示に従い、リアルタイムの本人確認プロセスを完了させます 。
STEP 5:ショップ情報を設定する
商品を出品するためには、ショップ設定ミッションを完了させる必要があります 。
STEP 6:申請結果を待つ
通常、申請の審査には1~5営業日かかると表示されますが、実際には30分以内に通知が届くケースもあり、迅速な登録が可能です 。
STEP 7:ショップの運営準備を行う
- 配送・返品設定: 出荷元(倉庫とみなされる)の住所証明書類として、公共料金の請求書(ガス、水道、電気、電話)、住民票、銀行取引明細書、クレジットカードの明細書のいずれか1点を提出します。過去の事例では、住民票が却下され、水道料金の明細書が承認されたケースが報告されており 、公共料金の請求書がより確実に承認される傾向にあるため、優先して準備することが望ましいです。これは、提供される書類の種類だけでなく、その信頼性や形式が審査結果に影響を与えることを示唆しています。ユーザーは、遅延を避けるために、最も確実に承認されるとされる書類を優先して準備すべきです。
- 銀行情報の追加: 注文からの収益が振り込まれる銀行口座を連携します 。
- 最初の商品の追加: このステップからBASEとの連携に進みます 。
- TikTokアカウントへの接続: 個人のTikTokアカウントと連携させます 。
審査が「30分以内」に完了する可能性がある一方で、リアルタイム本人認証や厳格な書類要件が課されていることは、TikTokが効率的でありながらも、プラットフォームの信頼性と安全性を確保し、不正利用を防ぐために厳格な本人確認システムを導入していることを示唆しています。ユーザーは、迅速なプロセスを期待しつつも、提出情報の正確性と完全性に細心の注意を払う必要があります。
2.3 TikTok for Businessアカウントの連携と設定
TikTok Shop Seller Centerのアカウント設定に加え、BASEのAppを介してTikTok for Business、ビジネスセンター、広告アカウント、Pixelといった複数のTikTok関連アカウントを連携させるプロセスは、単に「アプリをインストールするだけ」ではない複雑な設定を伴います。これは、TikTokが単なる販売チャネルとしてだけでなく、広告やデータ分析を含む包括的なマーケティングエコシステムとして機能していることを示唆しています。販売者は、この多層的な設定に時間を割く必要があることを理解し、必要に応じてTikTokの広告機能についても学習する準備が必要です。
具体的な手順は以下の通りです 。
- BASEダッシュボードでTikTok Appを見つける: BASEのダッシュボードを開き、「チャネル」に移動するか、アプリマーケットプレイスからTikTok Appを検索し、「設定」をクリックします。
- TikTokアカウントにログインまたは新規作成: 統合を開始するために、既存のTikTokアカウントにログインするか、新規アカウントを作成し、TikTok for Businessの連携を承認します。
- TikTok for Businessアカウントにログインまたは新規作成: 既存のアカウントにログインするか、新規作成します。TikTokアカウントで既に新規登録している場合は自動で連携が完了します。
- TikTokビジネスセンターを選択: TikTok for Businessアカウント内でTikTokビジネスセンターを選択し、「連携」をクリックします。新規作成も可能です。
- TikTok広告アカウントを選択: TikTok for Businessアカウントに連携済みのTikTok広告アカウントを選択し、「連携」をクリックします。新規作成も可能です。
- 統合完了の確認: TikTokアカウント、TikTok for Businessアカウント、TikTokビジネスセンター、広告アカウントの連携が完了すると、専用のページが表示されます。
- データ共有とTikTok Pixelのインストール: 「データ共有」をクリックしてTikTok Pixelをインストールします。新規作成・インストールを推奨しますが、既存のPixelと連携することも可能です。新しいPixelをインストールする前に、ウェブサイトから既存のTikTok Pixelコードを削除しておく必要があります。
- アドバンスマッチングをオンにする: コンバージョンしそうなユーザーに効率的に広告を配信し、コンバージョン率を高めるためにアドバンスマッチングをオンにします。
- 商品カタログの同期を設定: 「カタログ」から「新規作成」をクリックし、商品カタログの同期を設定します。これにより、既存の商品カタログがTikTokビジネスセンターと同期されます。
- 請求情報を入力し、確認して完了します。
Table 1: TikTok Shop Seller Center 登録必要書類一覧
登録者の種類 | 資格要件 | ショップ上限 | 本人確認書類 (いずれか1点) | 住所証明書類 (いずれか1点) | 事業証明書類 (法人セラーのみ) |
個人セラー (個人事業主含む) | 18歳以上、日本国籍または有効な在留資格を持つ日本在住者 | 1人につき1店舗 | 日本のパスポート、運転免許証 (表裏)、在留カード (表裏)、マイナンバーカード | 公共料金の請求書 (ガス・水道・電気・電話)、住民票、銀行取引明細書、クレジットカードの明細書 | なし |
法人セラー | 国税庁に登録された法人 | 1法人につき最大5店舗 | 日本のパスポート、運転免許証 (表裏)、在留カード (表裏) (代表者) | 公共料金の請求書、住民票、銀行取引明細書、クレジットカードの明細書 (事業所住所) | 登記事項証明書、印鑑証明書 |
3. BASE「TikTok Shop連携 App」の導入と商品連携
TikTok Shopへの出店準備が整ったら、次にBASEの管理画面から「TikTok Shop連携 App」を導入し、実際に商品をTikTok Shopに連携する手順を進めます。このプロセスには、特定の連携条件と、場合によっては既存の商品構成の見直しが必要となる重要な点がいくつか存在します。
3.1 BASE管理画面からのAppインストール方法
BASEの管理画面にログインした後、「拡張機能」メニューから「BASE Apps」を選択します 。App一覧の中から「TikTok Shop連携 App」を検索し、インストールを実行します。または、Appの公式URL(https://apps.thebase.com/detail/137)から直接ダウンロードすることも可能です 。
3.2 BASEショップとTikTok Shop Seller Centerの連携手順
Appのインストールが完了したら、次にBASEショップとTikTok Shop Seller Centerアカウントを連携させます 。
- インストールしたAppの管理画面から「連携」ボタンを選択します 。
- 連携を希望するTikTok Shop Seller Centerアカウントにログインします 。
- ログイン後、TikTok Seller Centerのアカウント情報を確認し、連携するショップを設定します 。
- アカウント連携が完了すると、BASEの商品をTikTok Shopに連携する準備が整います 。
3.3 商品連携の具体的な流れと追加設定
BASEの「TikTok Shop連携 App」を通じて商品を連携すると、BASEに登録されている商品情報(商品名、商品説明文、商品画像、商品価格)や在庫数が自動的にTikTok Shopに同期されます 。商品の連携後、TikTok Shopでの販売に必要な追加設定(例:商品カテゴリーの入力など)を行う必要があります 。
ここで重要な注意点として、商品を連携しても即座にTikTok Shop上で公開されるわけではありません 。連携された商品は、TikTokチームによる販売可否の審査を受けることになります 。
3.4 重要:連携できない商品の条件と対処法
BASEとTikTok Shopの連携は「スムーズ」で「自動」と謳われていますが 、実際には広範な「連携できない商品の条件」が存在します 。これは、ユーザーにとって重要な隠れた互換性の課題を意味します。多くの一般的なBASE App機能(定期便、予約販売、オプション、セールなど)や商品属性(価格、バリエーション数、商品説明文の長さ)が直接連携を妨げるため、ユーザーは既存のBASEカタログ全体をそのままミラーリングすることはできません。この状況は、ユーザーがTikTok Shop向けに商品リストを慎重にレビューし、場合によっては再構成または新規作成する必要があることを示しています。
BASEの「TikTok Shop連携 App」では、特定の条件を満たす商品は連携できません。これは、BASEの特定のApp利用商品や商品情報の形式による制限です 。
連携対象外となるBASE Apps利用商品:
- 定期便 App (Subscription App)
- 予約販売 App (Pre-order Sales App)
- 抽選販売 App (Lottery Sales App)
- デジタルコンテンツ販売 App (Digital Content Sales App)
- テイクアウト App (Takeout App)
- コミュニティ App (Community App) で登録された限定商品
- 数量制限 App (Quantity Limit App) で数量制限が設定された商品
- セール App (Sale App) でセール価格が設定された商品
- 販売期間 App (Sales Period App) で販売期間が設定された商品
- 商品オプション App (Product Option App) で商品オプション(色、サイズ、素材などのバリエーション)が設定された商品
- 商品説明カスタム App (Product Description Custom App) で説明が追加された商品
価格、バリエーション数、商品説明文、画像などの制限:
- 価格が500,000円(税込)を超える商品
- バリエーションが300種類を超える商品
- 商品説明文が5,000文字を超える商品
- 商品説明文が0文字の商品
- 商品画像が設定されていない商品
- 既に他の商品と連携されている商品
- 販売パートナー App (Sales Partner App) を利用したセレクトショップ内のブランドショップ商品
具体的な回避策(例:TikTok Shop専用商品登録) 特に「商品オプション App」を利用している場合、色やサイズなどのバリエーションがある商品は直接連携できない可能性があります 。この場合、TikTok Shopにどの商品をリストアップするかについて戦略的である必要があります。シンプルで、大量販売が可能で、複雑なBASE App機能に依存しない商品(例:定期購入や多数のバリエーションがない商品)は、より簡単に連携できます。このような状況では、
TikTok Shop専用に新しい商品登録を行うことが推奨されます 。例えば、各色を別々の商品として登録し、商品名に「(TikTok Shop専用ページ)」と追記するなどの対応が考えられます 。これは、販売者がTikTokのプラットフォームに合わせて商品の提示方法を調整する必要があることを示唆しており、単なる一対一の同期ではなく、TikTok Shopに特化した戦略が求められることを意味します。
Table 2: BASE「TikTok Shop連携 App」連携対象外商品条件
カテゴリ | 連携対象外となる条件 | 備考/対処法 |
BASE Apps 利用商品 | 定期便 App を利用した商品 | TikTok Shop専用に新規登録を検討 |
予約販売 App を利用した商品 | ||
抽選販売 App を利用した商品 | ||
デジタルコンテンツ販売 App を利用した商品 | ||
テイクアウト App を利用した商品 | ||
コミュニティ App で登録された限定商品 | ||
数量制限 App で数量制限が設定された商品 | ||
セール App でセール価格が設定された商品 | ||
販売期間 App で販売期間が設定された商品 | ||
商品オプション App で商品オプションが設定された商品 | 各オプション(色、サイズなど)を個別の商品として新規登録し、「(TikTok Shop専用ページ)」と追記するなどの対応を検討 | |
商品説明カスタム App で説明が追加された商品 | ||
商品情報に関する制限 | 価格が500,000円(税込)を超える商品 | |
バリエーションが300種類を超える商品 | ||
商品説明文が5,000文字を超える商品 | ||
商品説明文が0文字の商品 | ||
商品画像が設定されていない商品 | ||
既に他の商品と連携されている商品 | ||
販売パートナー App を利用したセレクトショップ内のブランドショップ商品 |
4. 商品公開と審査、その後の運用における注意点
BASEの「TikTok Shop連携 App」を通じて商品が連携された後、それらの商品がTikTok Shop上で公開されるまでには、TikTok独自の審査プロセスを経る必要があります。また、商品情報の更新や注文管理においても、BASEとは異なるTikTok Shop側の運用ルールを理解し、適切に対応することが求められます。
4.1 TikTok Shopでの商品審査プロセス
BASEの「TikTok Shop連携 App」を通じて連携された商品は、連携後すぐにTikTok Shop上で公開されるわけではありません 。TikTokチームによる審査が行われ、販売が可能かどうかが判断されます 。この審査を通過して初めて、商品はTikTok Shop上で公開され、ユーザーが購入できるようになります。
4.2 商品情報更新時の自動再審査と連携解除条件
- 自動再審査: 一度審査を通過した商品であっても、BASE側で商品情報に変更が加えられると、TikTok側で自動的に再審査が実行されます 。ただし、商品の価格と在庫数の変更は再審査の対象外とされており、これらの変更では再審査は発生しません 。再審査への提出などの対応は、販売者側で別途行う必要はありません。
- 連携が自動的に解除されるケース: 特定の条件を満たす変更が実行されると、BASEとTikTok Shop間の商品連携が自動的に解除されます 。
- TikTok Shop Seller Centerで商品情報が更新された場合(BASE側ではなくTikTok Shop側で直接変更した場合)。
- BASEから、TikTok Shopで販売できない形式に商品情報が更新された場合(例:連携対象外のBASE App機能を追加した場合)。
- BASEから、商品の種類数(バリエーションの数自体)が更新された場合(例:SとMサイズがあった商品がSサイズのみになった場合など)。
- なお、TikTok Shopで商品が注文され、在庫に変動があった場合でも、連携は解除されず、在庫数はBASEと同期されます 。
「TikTok Shopで注文された商品は、BASE側の管理画面や注文履歴で確認することはできません」という点は 、運用上の重要な二元性を示しています。商品と在庫の同期は自動で行われるものの、注文の処理と顧客対応は主にTikTok Shop Seller Centerで行う必要があります。これは、統合された注文管理システムが現状存在しないため、販売者が日々の業務において二つのプラットフォームを並行して管理する必要があることを意味します。これにより、注文状況の把握や顧客対応において、情報の不一致や見落としが発生するリスクがあるため、販売者はTikTok Seller Centerを日常の運用フローに組み込む必要があります。
4.3 審査NG時の対応と古い情報の取り扱い
商品情報の更新によって再審査の結果が「NG」(不承認)となった場合、最新のBASE商品情報ではTikTok Shopで公開できません 。ここで特に重要な注意点として、
以前審査を通過した古い情報の商品は、何もしなければTikTok Shop上に公開されたままになります 。これは、販売者が意図しない古い情報で商品が販売され続けるリスクを意味し、顧客の混乱や不満、ひいてはブランドイメージの低下につながる可能性があります。
そのため、古い商品情報をTikTok Shop上に公開したくない場合は、手動で連携を解除する必要があります 。これは「設定したら終わり」ではなく、継続的な運用管理が求められることを示唆しています。販売者はTikTok Shopでの商品の審査状況を積極的に監視し、不承認となった更新については、古い情報の公開を停止するための手動での連携解除プロセスを確立しておく必要があります。
あらためて再審査に出したい場合の対応は以下の通りです 。
- 商品自体の情報を変更したい場合は、BASEの商品管理から情報を更新します。
- TikTok Shop連携のための追加設定を変更したい場合は、「商品情報の更新」を選択して、「TikTok Shop連携 App」から情報を更新します。
4.4 在庫連携の仕組みと注文管理(TikTok Shop側で管理)
BASEとTikTok Shop間では在庫数が自動的に同期されます 。TikTok Shopで商品が注文され、在庫に変動があった場合でも、連携が解除されることなく、在庫数はBASEと同期されます 。
しかし、「TikTok Shop連携 App」で連携した商品の注文は、TikTok Shop上で管理され、BASE側の管理画面や注文履歴で確認することはできません 。注文処理や発送はTikTok Shop Seller Centerで行う必要があります。BASEからの商品情報更新が再審査をトリガーし、BASEが商品データのソースであるという事実は 、BASEが商品の「マスター」データソースとして機能することを意図していることを示しています。一方で、TikTok Shop Seller Centerで直接商品情報を変更すると、連携が解除される可能性があるため 、販売者は連携の整合性を維持するために、商品情報の管理は主にBASEで行うべきです。TikTok Shopでの直接編集は、連携解除のリスクを伴うため、極力避けるか、その影響を十分に理解した上で行うべきです。
5. TikTok Shopでの注文処理と配送ガイドライン
TikTok Shopで商品が注文された後、販売者は迅速かつ正確な注文処理と配送を行う必要があります。TikTok Shopには独自の出荷期限(SLA)と配送方法の選択肢があり、これらを理解し遵守することがセラー評価に直結します。
5.1 注文受付から出荷までのフロー
TikTok Shopにおける注文受付から出荷までの基本的な運用フローは以下の通りです 。
- Step 1:注文受付後、48時間以内に出荷が必要 TikTok Shopでは、注文が入ってから48時間(またはそれより短い場合も)以内に出荷処理を行うことが求められます 。この期限を過ぎると注文が自動キャンセルとなり、販売者のセラー評価にマイナスがつく可能性が高いです 。これは、多くの従来のEコマースプラットフォームよりも厳しい要件であり、販売者はTikTok Shopでの販売を開始する前に、堅牢な在庫管理体制と効率的な梱包・発送プロセスを確立しておく必要があることを意味します。販売者は注文一覧を速やかに確認し、在庫確保や梱包準備を進める必要があります。単に注文を獲得するだけでなく、迅速かつ正確に履行することが、プラットフォームでの成功に直結します。
- Step 2:配送ラベル発行と梱包指示 注文が確定すると、TikTok Seller Centerから配送ラベル(配送伝票)をダウンロードし、梱包に貼り付けるのが一般的です 。このラベルにはユーザー情報や追跡番号などが自動的に含まれており、システム連携がスムーズに行われます。 梱包時には、商品破損を防ぐためのクッション材やセキュリティシールなどを使用し、TikTokの梱包ガイドラインがあればそれに従う形となります 。液体、鋭利なもの、壊れやすいものなど、特別な保護が必要な品物に関する指示にも特に注意が必要です 。
- Step 3:物流業者の集荷 or ドロップオフ処理 配送方法の選択によって、物流業者の利用方法が異なります。
- TikTok連携キャリアを利用する場合: 業者が集荷に来てくれるパターンと、販売者自身が提携業者の拠点に持ち込むパターン(ドロップオフ)が選べます 。集荷を依頼する場合は、指定時間内に梱包を完了させておき、業者がラベルをスキャンして持ち帰る流れとなります。ドロップオフであれば、販売者が都合のよいタイミングで拠点に荷物を預けることができます。
- 自社出荷(販売者による発送)の場合: 販売者が自ら提携している物流会社を使い、追跡情報などをTikTok Seller Centerに登録します 。
5.2 出荷期限(SLA)とセラー評価への影響
TikTok Shopでは、注文処理に関するサービスレベルアグリーメント(SLA)が設定されており、これを遵守することが重要です 。
- 「TikTokで発送」(TikTokが物流面を処理): 注文は2営業日以内に出荷する必要があります 。
- 「販売者による発送」(販売者が配送を管理): すべての注文は15暦日以内に配送を完了する必要があります 。
48時間以内の出荷義務を遵守しない場合、注文の自動キャンセルやセラー評価の低下につながるため、迅速な対応が不可欠です 。
5.3 配送方法の選択:「TikTokで発送」と「販売者による発送」
販売者には、注文を処理するための2つの主要なオプションがあります 。
- 「Ship by TikTok」(TikTokで発送): TikTokがすべての物流面を処理します 。
- 「Ship by Seller」(販売者による発送): 販売者が承認された運送業者を使用して自ら配送を管理し、追跡情報などをTikTok Seller Centerに登録します 。
「Ship by TikTok」と「Ship by Seller」という2つの配送オプションは、販売者に柔軟性を提供する一方で、戦略的な意思決定を要求します 。 「Ship by TikTok」は物流を簡素化するかもしれませんが、特定のコストや制約が伴う可能性があります。一方、「Ship by Seller」はより多くの制御を提供しますが、運送業者の選定、追跡情報の管理、SLAの遵守といった全責任が販売者にかかります。SLAの差異(TikTok発送は2営業日、販売者発送は15暦日)は、TikTok発送がより迅速な配送を目指している可能性を示唆しており、顧客の期待値に影響を与えるかもしれません。販売者は、既存の物流能力とTikTokの要件を比較検討し、最適な方法を選択する必要があります。
5.4 梱包、配送ラベル発行、追跡番号登録の重要性
商品は輸送中の損傷リスクを減らすために丁寧に梱包し、梱包材に関するすべての法律と規則に従う必要があります 。適切なサイズと種類の梱包材を使用し、液体、鋭利なもの、壊れやすいものなど、特別な保護が必要な品物には特に注意が必要です 。
すべての荷物に配送ラベルを貼る必要があります。ラベルには、顧客の名前、完全な郵便住所、注文番号、販売者の名前と所在地の詳細をすべて記載し、無許可のデータや無関係なデータが含まれていないことを確認します 。
「販売者による発送」を選択した場合、梱包を終えて配送業者が荷物を受け取れるように準備した後、セラーセンターで注文ステータスを「発送済み」に変更し、追跡IDと配送業者の名前を記載する必要があります 。追跡番号を迅速に登録することは、購入者に安心感を与え、顧客満足度を高める上で重要です 。TikTok Shopのセラーセンターでは、販売者と顧客の両方が注文の配送状況を追跡できます 。迅速な出荷、追跡番号の登録、そして配送状況を追跡できる機能が強調されていることは、TikTokがフルフィルメントにおける顧客体験を非常に重視していることを示しています。遅延や透明性の欠如は、販売者評価の低下や顧客不満に直結するため、販売者が信頼できる配送パートナーを選定し、効率的な社内プロセスを確立してこれらの期待に応えることが、プラットフォームでの長期的な成功に直接関連しています。
6. TikTok Shopの販売手数料と遵守すべきポリシー
TikTok Shopで商品を販売する際には、発生する販売手数料の詳細、販売が禁止されている商品カテゴリ、およびコンテンツに関するガイドラインと禁止行為を深く理解し、常に最新情報を確認することが不可欠です。
6.1 販売手数料の詳細(通常手数料とプロモーション割引)
TikTok Shopへの出店は無料で、月額費用や初期費用はかかりません。販売手数料のみが成果報酬で発生します 。BASE側では、TikTok Shopでの販売に対して追加の手数料は発生しません 。
TikTok Shopの標準的な販売手数料は、流通取引総額(GMV)の7%です 。特筆すべきは、
プロモーション割引が存在する点です。登録から45日以内に必要な初期設定を完了し、商品を3点アップロードした場合、90日間は手数料が3%に割引されます 。この手数料には決済手数料が含まれています 。
90日間3%というプロモーション手数料は、早期参入を促す明確なインセンティブです。他の国では手数料が段階的に引き上げられている傾向があるため 、これは現在の低い手数料が、販売者を引き付けるための一時的な「顧客獲得」戦略であり、将来的に手数料が引き上げられる可能性が高いことを強く示唆しています。販売者は、長期的な収益性を計画する際に、将来的なコスト増加を考慮に入れ、初期の割引期間を最大限に活用してプラットフォームでの存在感を確立すべきです。
TikTok Shop側は、紹介手数料プロモーションを随時変更または終了する権利を留保しているため、最新情報は必ず公式サイトで確認することが重要です 。
Table 3: TikTok Shop 販売手数料概要
項目 | 詳細 | 備考 |
初期費用 | 無料 | |
月額費用 | 無料 | |
BASE側手数料 | 無料 | BASEの「TikTok Shop連携 App」利用による追加手数料なし |
TikTok Shop 販売手数料 | 通常: 流通取引総額(GMV)の7% | 決済手数料込み |
プロモーション: 登録から45日以内に初期設定完了 & 3商品アップロードで90日間3% | 早期参入特典。プロモーション内容はTikTokの裁量で変更・終了の可能性あり。最新情報は公式サイトで確認。 |
6.2 TikTok Shopの禁止商品カテゴリ
TikTok Shopでは、基本的に衣類、アクセサリー、コスメ、家電、食品、雑貨など幅広い商品の販売が可能です 。しかし、TikTokのガイドラインに抵触する商品は出品できません。主な禁止商品カテゴリは以下の通りです 。
- 違法薬物・危険物: 麻薬、処方箋医薬品、武器類など。
- 偽造品・知的財産権侵害物: コピー商品、海賊版メディアなど。
- 過激な成人向け商品: ポルノコンテンツ、性的サービス券など。
- タバコ・アルコール: 紙巻き/電子タバコ、未成年向け酒類販売など。
- ギャンブル関連: 宝くじ券、オンライン賭博アカウントなど。
- その他リスク品: 生体・人体、盗品、盗聴器など。
Table 4: TikTok Shop 禁止商品カテゴリ例
カテゴリ | 具体例 |
違法薬物・危険物 | 麻薬、処方箋医薬品、武器類、爆発物、毒物など |
偽造品・知的財産権侵害物 | コピー商品、海賊版メディア、ブランド模倣品など |
過激な成人向け商品 | ポルノコンテンツ、性的サービス券、アダルトグッズ、性的サービスなど |
タバコ・アルコール | 紙巻きタバコ、電子タバコ、未成年向け酒類販売、アルコール飲料全般など |
ギャンブル関連 | 宝くじ券、オンライン賭博アカウント、賭博用具など |
その他リスク品 | 生体・人体(臓器、血液など)、盗品、盗聴器、偽造通貨、動物の生体販売など |
6.3 コンテンツガイドラインと禁止行為(虚偽表示、オフプラットフォーム誘導など)
TikTok Shopでは、商品販売だけでなく、コンテンツ内容にも厳格な注意が必要です 。TikTokのポリシーは、単に禁止商品に限定されず、「コンテンツポリシーの遵守」や、虚偽表示、オフプラットフォームへの誘導といった「禁止行為」にまで及びます 。これは、販売者が「何を売るか」だけでなく、「どのように売るか」についても、商品説明、動画、顧客とのやり取りを含め、厳格なコンプライアンスが求められることを意味します。このため、販売者は、マーケティングチームと販売チーム全体がTikTokのガイドラインを完全に理解し、違反によるアカウントへの罰則を避けるための包括的なコンプライアンス戦略を策定する必要があります。
代表的な禁止行為には以下のものが挙げられます 。
- 虚偽・誇大表示による誤認誘導。
- オフプラットフォーム決済への誘導(TikTok Shop外での取引を促す行為)。
- コメント・DMスパムやハッシュタグ乱用。
コンテンツポリシーの遵守として、商品ページや関連動画では誇大表現を避け、科学的根拠が必要な場合は正確なデータを提示する必要があります 。コンテンツガイドライン違反もアカウントへの罰則につながるため、マーケティング表現には十分留意してください。
また、販売後の出荷義務も重要なポリシー項目です。注文を受けたら規定の期間内に出荷し、追跡番号を迅速に登録して購入者に安心感を与えることが重要です 。食品や化粧品など衛生面が重要な商材は適切に取り扱う必要があります。適切な梱包や配送業者の選定など、購入者に商品が確実に届くよう責任を持って対応することも求められます。
6.4 最新情報の確認の重要性
TikTok Shopは日本市場で比較的新しいサービスであるため、規約やガイドラインが頻繁に変更される可能性があります 。出店者は、TikTok Shop公式のポリシーや最新ガイドラインを常に確認し、自社商品や販売方法が適合しているかを定期的にチェックすることが極めて重要です 。この継続的な情報収集と適応が、プラットフォームでの安定した運営と成功に不可欠となります。
7. まとめ:TikTok Shop連携で販路を拡大するための成功の鍵
BASEの「TikTok Shop連携 App」は、TikTokの巨大なユーザーベースと動画コマースの力を活用し、BASEショップオーナーに新たな販売チャネルを提供する強力なツールです。特に、Appの利用が無料で、TikTok Shop自体も初期費用・月額費用がかからず、商品・在庫の自動連携が可能な点は、中小規模の事業者にとって大きなメリットとなります。この連携は、Eコマースにおける動画コンテンツの重要性が増す中で、販売者が新しい顧客層にリーチし、売上を拡大するための戦略的な機会を提供します。
TikTok Shop連携を通じて販路を拡大し、成功を収めるためには、以下の重要ポイントを理解し、実践することが鍵となります。
- 事前の準備と正確な情報提供: TikTok Shop Seller Centerのアカウント開設には、本人確認書類や住所証明書類の正確な提出が不可欠です。審査の遅延を避けるためにも、事前の準備と情報の正確性を徹底することが求められます。
- 連携条件の理解と商品戦略: BASEの特定のApp利用商品や商品情報には連携できない条件が存在します。既存のカタログをそのまま連携できない場合があるため、TikTok Shop向けに商品登録を最適化したり、専用の商品ページを作成したりするなどの戦略的な対応が求められます。この適応性は、TikTok Shopの特性を最大限に活かす上で不可欠です。
- 運用体制の確立: 注文管理はTikTok Shop Seller Centerで行われるため、BASEの管理画面とは別にTikTok Shop側の運用フローを確立する必要があります。特に迅速な出荷期限(48時間以内)や配送ガイドラインの遵守は、セラー評価に直結するため、効率的なフルフィルメント体制の構築が成功の鍵となります。
- ポリシー遵守と情報更新: TikTok Shopの販売手数料、禁止商品カテゴリ、コンテンツガイドライン、禁止行為を深く理解し、常に最新情報を確認することが不可欠です。特に新しいプラットフォームであるため、規約変更に迅速に対応し、違反によるアカウントへの罰則を避けるための包括的なコンプライアンス戦略が求められます。
TikTok Shopは日本市場で本格的な成長期を迎えており、動画コンテンツを通じた購買体験は今後も進化していくでしょう。販売者は、TikTokのアルゴリズムやライブコマース機能の活用、インフルエンサー連携など、プラットフォームの特性を最大限に活かしたマーケティング戦略を継続的に模索し、変化する市場トレンドに適応していくことが、長期的な成功につながると考えられます。
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