AIとは？２階には階段か？エスカレーターか？エレベーターか？

2025年3月4日

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2/9に撮影した写真ですが
今では春です。新潟市はね。
イーンスパイアの横田です。
https://www.enspire.co.jp

さて、本題です。

AIの講演する時の悩みあって
AIの可能性どのように伝えたら
ちゃんと理解してもらえるか？

たまたま講演で移動している際に
イーンスパイアしたので紹介です。
https://www.youtube.com/watch?v=s_j741-Mcj8

音楽生成AIのSunoでも曲を作りました。

エスカレーター・サスペンス
https://suno.com/song/b31a4275-557f-4168-b437-231773383b35

最後に笑うヤツ
https://suno.com/song/dcbe51d1-e866-48a5-95da-9764f387e200

AI活用の本質：階段、エスカレーター、エレベーターの比喩で理解

横田秀珠氏は、AI活用を階段・エスカレーター・エレベーターの例えで説明している。階段は従来の方法、エスカレーターはAIの活用であり、AI活用者は少ない「過渡期」には有利だが、皆が使い始めると差別化が必要になる。そこでAI上でさらに工夫（エスカレーターで歩く・走る）すれば先行者利益を得られる。将来はエレベーター型のAIが登場し、個人差が消える可能性もある。AI活用を音楽にも展開している。

はじめに
AIという選択肢の登場
AI活用のステージと過渡期
先行者利益の重要性
新たな技術革新の可能性
おわりに
よくある質問

はじめに

テクノロジーの進化は私たちの生活を大きく変えていきます。特に近年、AIの進化は目覚ましく、ビジネスや日常生活に革命的な変化をもたらしています。しかし、このAI革命の真っただ中で、「AIを活用すべきか」「どのように活用すべきか」と迷っている方も多いのではないでしょうか。今日は、そんなAI活用について、誰にでも理解しやすい「階段とエスカレーター、そしてエレベーター」という身近な例えを使って考えていきたいと思います。駅やデパートで何気なく使っているこれらの移動手段が、実はAI時代の生き方を象徴しているのです。この記事を読むことで、AIとの向き合い方や、テクノロジー変革期における最適な戦略について、新たな視点を得ることができるでしょう。さあ、AIというエスカレーターに乗るのか、それとも走るのか、一緒に考えていきましょう。

AIという選択肢の登場

私が普段、駅やデパートで階段とエスカレーターが並んでいるとき、意識的に階段を選ぶようにしています。もちろん、エレベーターしかない場合はそれを利用しますが、選択肢があれば階段です。このような日常の選択が、ふと講演会場への移動中に「AIと人間の関係性」を表す絶妙な例えになるのではないかと思いついたのです。

「階段を登るのか？AIのエスカレーターに乗るのか？それとも走るのか？エレベーターが出る前に…」

この例えは、AIを既に使いこなしている方にはすぐにピンとくるかもしれません。わかりやすく説明するために画像生成AIにイラストを作成してもらおうとしましたが、なかなか意図が伝わらず苦労しました。結局、自分で合成して作ったイメージがこちらです。

私たちが1階から2階へ移動する（目標達成する）場合を考えてみましょう。従来は自分の足で階段を一歩一歩登っていました。これが自分の力だけで課題を解決する方法です。しかし、横にエスカレーターがあると、足を動かさなくても自動的に上に運んでくれます。これがAIを活用するということです。同じ目的地に、より簡単に、より早く、より楽に到達できるのです。

AI活用のステージと過渡期

しかし、人はそこで立ち止まりません。「エスカレーターの上でも歩いたらもっと早く行けるのでは？」と考えるようになります。エスカレーターの上で歩くと、階段で歩くよりも速く上に行けます。さらに「走ったらもっと早いのでは？」と考える人も出てきます。

これはAI活用にも当てはまります。単にAIを使うだけでなく、AIを使いながら自分の能力も発揮すれば、より高い成果が出せるというわけです。もちろん、AIにも性能差があります。優れたAIと性能の劣るAIでは結果に差が出ますが、一般的には従来の方法よりも効率的に目標達成できます。

ここで重要なのは、AIの導入には「過渡期」があるということです。AIを誰も使っていない段階では、使い始めた人は圧倒的に有利です。しかし、多くの人がAIを使うようになると状況が変わります。

駅のホームで考えてみてください。今やほとんどの人がエスカレーターを利用し、立ち止まる人と歩く人に分かれています。全員がAIを使う時代になると、AIを使っているだけでは差別化できなくなり、AIをどれだけ効果的に活用できるかが重要になります。エスカレーターの上で立ち止まっているだけでは、歩いたり走ったりする人に追い抜かれてしまうのです。

先行者利益の重要性

このAI活用の過渡期がいつまで続くのか、それが重要な問いです。スマートフォンの普及を例に考えてみましょう。2007年にiPhoneが登場してから18年経った今、ほとんどの人がスマートフォンを持つようになりました。「私はガラケーのままでいい」と言っていた人も、最終的にはスマートフォンに移行しました。

早く移行した人と遅く移行した人では、明らかに前者が有利です。今年ガラケーからスマートフォンに変えた人が、18年前からスマートフォンを使っている人より使いこなせるでしょうか？どんなに頑張っても、18年の経験の差を簡単に埋められるものではありません。

これが「先行者利益」です。AIについても同様のことが言えます。今からAIを活用し始めることで、将来的な競争優位性を確保できるのです。

このような例え話を画像生成AIに説明しようとすると、意外と難しいものです。「階段を歩いている人、エスカレーターで立ち止まっている人、エスカレーターを歩いている人を描いて、右側の人ほど上に位置するように」と指示しても、うまく伝わらないのです。AIにとって当たり前ではない概念を伝えるのはまだ難しく、これも人間の能力がまだ必要な部分かもしれません。

新たな技術革新の可能性

しかし、話はここでは終わりません。階段とエスカレーターの先には、エレベーターが登場します。エレベーターはエスカレーターよりもさらに速く目的地に到達できます。

これは次世代のAI、AIエージェントやAGI（汎用人工知能）、ASI（超人工知能）などの出現を暗示しています。エレベーターの中では、歩こうが走ろうが立ち止まっていようが、全員が同じ速さで移動します。

これが興味深い点です。エスカレーターの段階では、AIを活用しながらも人間の能力による差別化が可能でした。しかし、エレベーターのような完璧なAIが出現すると、人間の能力差は誤差のようなものになってしまうかもしれません。AIにとっては人間が得意としていたことも「お茶の子さいさい」で、あっという間に処理できるようになるのです。

このような状況では、「もうAIに任せた」という状態になる可能性があります。しかし、そこにも新たな展開があるかもしれません。最後の歌詞にあるように「AIを使わないヤツがエレベーターを発明し、最後に笑う」という可能性も考えられるのです。

おわりに

AIとの関わり方を「階段、エスカレーター、エレベーター」という身近な例えで考察してきました。現在のAI技術はエスカレーターの段階にあり、使うか使わないかで大きな差が生まれます。しかし、その差は一時的なものかもしれません。多くの人がAIを使うようになれば、単にAIを使っているだけでは差別化できなくなり、AIをどう活用するかという新たな競争が始まります。さらに、より高度なAI技術が登場すれば、人間の能力差が意味をなさなくなる可能性もあります。このような変化の波を乗りこなすためには、AIを早期に取り入れ、その特性を理解し、自分の能力とAIをどう組み合わせるかを考えることが重要です。テクノロジーの進化は止まりませんが、それに対する私たちの適応力と創造性が、これからの時代を生き抜く鍵となるでしょう。AIというエスカレーターはすでに動き始めています。乗るか乗らないか、乗るならどう活用するか、それを決めるのは私たち自身です。未来は技術だけでなく、それを使う人間の選択によって形作られていくのです。

よくある質問

Q1: AIを全く使っていない状態からでも、今から始めて追いつくことはできますか？

A1: もちろん始めることは可能です。スマートフォンの例でも、今から使い始めても基本的な機能は習得できます。しかし、長年使ってきた人との経験差は簡単には埋められません。だからこそ、早く始めることが重要です。今日からでも小さなステップで始めることをお勧めします。

Q2: どのAIツールから始めるべきですか？

A2: 自分の業務や生活で最も役立ちそうな領域から始めるのがおすすめです。文章作成ならChatGPTなどの生成AIが、画像制作ならMidjourney、Stable Diffusionなどの画像生成AIが良いでしょう。まずは一つのツールに慣れることから始めると良いでしょう。

Q3: AIを使いこなすためには専門的な知識が必要ですか？

A3: 基本的な使い方は直感的で、特別な知識は必要ありません。しかし、より効果的に活用するためには「プロンプトエンジニアリング」と呼ばれる指示の出し方のコツを学ぶと良いでしょう。これはAIとの対話を重ねることで自然と身についていきます。

Q4: AIに仕事を奪われる心配はありませんか？

A4: 単純作業や定型業務はAIに代替される可能性がありますが、同時に新しい仕事も生まれています。大切なのは、AIと共存する方法を見つけること。エスカレーターの例でいえば、AIというエスカレーターの上でいかに速く走るかを考えることです。

Q5: エレベーターの例えでいう「AIを使わないヤツがエレベーターを発明し、最後に笑う」とはどういう意味ですか？

A5: これは既存のAI技術に依存せず、全く新しい発想や技術を生み出す人が最終的には優位に立つ可能性を示唆しています。AIに頼りきるのではなく、AIを超える創造性を持ち続けることの重要性を表しています。現在のAIの限界を理解し、それを超える新たな技術や方法を模索することが、将来的には大きな差別化要因になり得るということです。

詳しくは15分の動画で解説しました。
https://www.youtube.com/watch?v=OGjJy95qmg4

AIとは？２階には階段か？エスカレーターか？エレベーターか？の続きはYouTubeメンバーシップで！イーンスパイア株式会社

0:00 👋 挨拶と今日のテーマ紹介：AIと階段・エスカレーター・エレベーターの例え
1:12 🪜 階段とエスカレーターの選択：AIを使う選択について
2:26 🖼️ 説明用の画像紹介：AIで作成した例え話の視覚化
3:33 ⬆️ エスカレーターの上を歩く：AIをより効率的に使う方法
4:41 🏃 エスカレーターの上を走る：AIをさらに活用する段階
5:52 🔄 移行期間と全員がAIを使う時代への変化
7:05 📱 スマホの例：先行者利益とAI活用の時間軸
8:16 🎨 AIに画像生成を依頼する難しさ
9:25 🛗 エレベーターの登場：より高度なAI技術の出現
10:34 📊 エレベーターでの均一性：最高レベルのAIによる能力差の均一化
11:44 🤖 AGIやASIの時代：人間の能力差が誤差になる未来
12:50 🎵 歌詞の紹介：AIエスカレーターのコンセプトを歌にしたもの
14:00 👋 まとめと締めくくり：AIへの一歩を踏み出す勧め

上記の動画はYouTubeメンバーシップのみ
公開しています。詳しくは以下をご覧ください。
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AIとは？２階には階段か？エスカレーターか？エレベーターか？

🪜 階段
従来の手法を表す比喩。自分の力だけで一歩一歩上っていく方法で、AIを使わずに目標達成するアプローチ。時間と労力がかかるが確実に前進できる基本的な方法。

⚡ エスカレーター
AIツールの比喩。従来よりも少ない労力で目標達成できる便利なツール。乗るだけで自動的に上に運ばれるが、さらに工夫すれば効率が上がる可能性がある。

🏃 走る
AIツールを使いながらさらに自分の能力を発揮すること。エスカレーター上で走ることで、他のAI利用者より早く目標達成できる差別化戦略を表している。

🛗 エレベーター
将来登場する高度なAI（AGIやASI）の比喩。利用者の能力差が関係なく全員を同じスピードで目的地に連れていく究極のツール。

⏳ 過渡期
AIツールが一般的になっていない移行期間。この時期にAIを活用すると大きなアドバンテージが得られるが、全員が使い始めると差別化が難しくなる。

🥇 先行者利益
新しい技術やツールを早期に採用することで得られる優位性。スマホ普及の例のように、AIも早く取り入れた人ほど習熟度で差をつけられる。

🎵 音楽生成AI
AIの活用例として紹介されたSunoというツール。横田氏はこれを使って「エスカレーター・サスペンス」という曲を作成し、AI活用の具体例を示している。

🔄 移行期間
新技術が普及していく期間。スマホの例では約18年かかったが、AI普及の移行期間の長さは不明で、この期間をどう活用するかが重要。

🤖 AIエージェント
より高度なAIツールを指す言葉。エレベーターのように人間の差を無意味にするほど強力なAIの形態の一つ。

💡 差別化
AIが一般的になった後に必要になる戦略。単にAIを使うだけでなく、その上で「走る」ことでさらに優位性を確保する考え方。

超要約1分ショート動画コチラ↓
https://www.youtube.com/shorts/zYvzylBb374

AIの活用と進化

AIの活用は、階段を一段ずつ登る従来の方法から、エスカレーターに乗る基本活用、さらにエスカレーターの上を歩く高度活用へと進化する。普及の過渡期においては先行者利益が重要となるが、AIが普及した社会では、単に導入するだけでなく、AIを効果的に活用する能力が競争優位性を左右する。次世代AIの登場は、能力差を無効化し、人間の相対的な価値を低下させる可能性も孕む。今後は、過渡期におけるAIの積極的な活用と、AIを使いこなす自己能力の向上が不可欠であり、既存のAIに安住せず、新たなイノベーションを追求し続けることが、競争力を維持する鍵となる。

1. AIの活用段階を表す3つの移動手段

1.1 階段を登る（従来の方法）

1.1.1 一歩一歩階段を登る

AIを活用する前の段階を「階段を登る」という移動手段に例えることができます。これは、自分の足で一段一段階段を登るように、全てを自力で行う方法です。例えば、データ収集から分析、そして意思決定に至るまで、人の手と時間、労力をかけて作業を進めます。この方法は、自分のペースで着実に進められるという利点がある一方で、時間と労力が非常にかかるという欠点も抱えています。特に、現代社会のように変化のスピードが速く、大量の情報を迅速に処理する必要がある状況においては、階段を登る方法だけでは限界に達してしまう可能性があります。しかし、基礎を固めながら、着実に目標へ向かうという点においては、重要な段階と言えるでしょう。

1.2 エスカレーターに乗る（AIの基本的活用）

1.2.1 自動的に目標に近づく

AIの基本的な活用は「エスカレーターに乗る」状態に例えられます。エスカレーターに乗ると、自ら歩かなくても、自動的に目的地へと運ばれていきます。これは、AIがデータ分析や単純作業を自動化し、人が直接手を動かさなくても目標に近づける状況を表しています。例えば、AIが大量のデータを解析し、その結果をレポートとして自動で出力してくれるようなケースが該当します。利用者は、エスカレーターに乗るように、AIに指示を出すだけで、簡単かつ迅速に成果を得ることが可能です。これにより、時間と労力を大幅に削減し、より効率的に業務を進めることができるようになります。ただし、エスカレーターに乗っているだけでは、移動速度は一定であり、更なる効率化を求めるには、次の段階に進む必要があります。

1.3 エスカレーターの上で歩く・走る（AIの高度活用）

1.3.1 より速く目標に到達

AIの高度な活用は「エスカレーターの上を歩く、あるいは走る」状態に例えられます。これは、エスカレーターの自動的な推進力に加えて、自分自身のスキルや能力も積極的に活用し、さらに速く、効率的に目標に到達しようとする状態です。例えば、AIが生成したデータ分析結果を基に、人間が独自の解釈やアイデアを加え、より深い洞察や革新的な戦略を生み出すといったケースが考えられます。AIを単なる自動化ツールとして捉えるのではなく、パートナーとして積極的に活用することで、人間の能力を拡張し、相乗効果を生み出すことができます。この段階では、AIと人間が互いに協力し、それぞれの強みを最大限に活かすことで、競争優位性を確立し、更なる成果を追求することが可能になります。

2. AIの普及と競争優位性の変化

2.1 先行者利益の重要性

2.1.1 AIの過渡期

現在、AI技術は急速に進化し、社会への普及が加速している過渡期にあります。この時期は、まさに「先行者利益」が非常に重要な局面と言えます。なぜなら、AIをいち早く導入し、活用を始めた企業や個人は、まだAIを活用していない競合相手と比較して、大きな有利性を得ることができるからです。これは、スマートフォンが普及し始めた頃と似た状況です。当時、いち早くスマートフォンを活用し、新しいサービスや事業モデルを創出した企業が、市場で大きな成功を収めました。AIも同様に、早期に導入し、自社の事業プロセスや製品、サービスに組み込むことで、生産性の向上、コスト削減、新たな価値創造などを実現し、競争優位性を確立することができます。

2.2 全員がAIを使う時代の競争

2.2.1 効果的なAIの活用が重要

AI技術がさらに普及し、誰もが当たり前のようにAIを利用する時代が到来すると、競争のルールは大きく変化します。AIを使うことが当たり前になった世界では、「AIを使っているかどうか」ではなく、「どのようにAIを効果的に活用しているか」が競合との差別化の鍵となります。エスカレーターの例で言えば、全員がエスカレーターに乗っている状態が、AIが普及した社会です。その中で、ただエスカレーターに立っているだけの人と、エスカレーターの上を積極的に歩いたり、走ったりする人とでは、目的地への到達時間に大きな差が生まれます。つまり、AIを単に導入するだけでなく、自社の事業戦略や目標に合わせてAIを最適に活用し、独自の価値を生み出す能力が、競争力の源泉となるのです。

3. 次世代AI（AGI・ASI）の登場とその影響

3.1 エレベーターの特徴

3.1.1 全員が同じスピードで到達

次世代AI、特にAGI（汎用人工知能）やASI（人工超知能）が登場すると、社会はさらに大きく変化する可能性があります。もし、AGIやASIが実現すれば、AIの活用は「エレベーターに乗る」状態に例えられるかもしれません。エレベーターは、階段やエスカレーターとは異なり、乗る人の体力や能力に関係なく、全員を同じスピードで目的地まで運びます。これは、AGIやASIが、人間の能力差を埋め、誰もが高度なタスクをこなせるようになる可能性を示唆しています。例えば、これまで専門的な知識やスキルが必要だった高度な分析や創造的な業務も、AGIやASIが仲介役となることで、誰でも容易に行えるようになるかもしれません。

3.2 人間の能力の相対的価値低下

3.2.1 AIによる能力差の無効化

AGIやASIが普及した社会では、人間の能力の相対的な価値が低下する可能性も考えられます。なぜなら、エレベーターが全員を同じスピードで運ぶように、AGIやASIが人間の能力差を無効化してしまうかもしれないからです。これまで、人間は努力や学習によって能力を高め、競争力を維持してきました。しかし、AGIやASIが人間の知的能力を遥かに凌駕するようになれば、人間の努力や苦労が、AIによって容易に代替可能となり、「誤差」程度の価値しか持たなくなる可能性も否定できません。これは、人間社会における価値観や労働観を根底から揺るがす、大きな変化をもたらす可能性があります。

4. 今後の展望と対応策

4.1 過渡期の重要性

4.1.1 AI活用の成果

AIが急速に進化し、社会に浸透していく現代は、まさに過渡期であり、この時期をどのように過ごすかが、今後の競争力を大きく左右します。階段、エスカレーター、エレベーターという移動手段の例えで言えば、現在はエスカレーター、つまりAIの基本的な活用が広まり始めた段階です。この過渡期に、AIを積極的に活用し、成果を上げることは、将来の競争優位性を確立する上で非常に重要です。なぜなら、この時期にAI活用経験を積み重ねることで、AI技術に対する理解を深め、AIを使いこなすための組織能力や人材を育成することができるからです。

4.2 自己能力の重要性

4.2.1 AIを使いこなす能力

AIが普及し、誰もがAIを利用する時代になっても、自己能力の重要性は決して失われることはありません。むしろ、AIを使いこなす能力こそが、競争優位性を生み出すための重要な要素となります。エスカレーターの上を歩くように、AIを単なるツールとしてではなく、パートナーとして活用し、自身のスキルや知識と組み合わせることで、AIの潜在能力を最大限に引き出すことができます。また、AIが代替できない、人間만이持つ創造性や感性、コミュニケーション能力などを磨くことも、AI時代において競争力を維持するために不可欠です。

4.3 イノベーションの可能性

4.3.1 新たなイノベーションの価値

AGIやASIといった次世代AIが登場する未来においては、既存のAI技術に依存するだけでなく、新たなイノベーションを追求することが、より重要になります。エレベーターが普及した社会では、移動速度で競争することは難しくなります。そこで重要になるのは、エレベーターでは到達できない、新たな目的地、つまり、まだ誰も気づいていない新たな価値を創造することです。AI技術を活用しながらも、それに安住することなく、常に新しいアイデアや発想を追求し、イノベーションを起こし続けることこそが、AI時代における競争力の源泉となるでしょう。

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